PHPってよく聞くけど、実際何ができるの?
プログラミング初心者がいきなり学んでも大丈夫?
今後も需要がある言語なの?
世界に200以上あるプログラミング言語。なかでも、PHP(ピーエイチピー)は「初心者からでも学びやすい言語」と定評がある人気の高い言語です。
ただ、実際にPHPを学ぶ利点や何ができるのか、イメージが湧かない人は多いですよね。また、現在の需要や今後の将来性を確認してから学ぶかどうか決めたい人もいるはず。
そこで、今回はそもそもPHPとはどんなプログラミング言語なのか、その特徴をできることや将来性も交えわかりやすく解説します。PHPを使うITエンジニアの職種も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
なお、次の動画でも「PHPとは何か」を解説しているので、よければご覧ください。
この記事の監修者

フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。
PHPとは
PHPとは、カナダ人のラスマス・ラードフ氏が生み出したプログラミング言語です。1995年ごろに登場した言語ながら、200以上存在するといわれているプログラミング言語の中でも依然として高い人気を誇ります。
PHPは、Webアプリケーションの開発に特化した言語です。PHPのプログラムは、Webアプリケーションが動作するWebサーバー上で動作し、ユーザーの要求に合ったWebページを柔軟に作成できる魅力があります。
またPHPは、簡単に開発できるように設計された「スクリプト言語」であり、プログラム実行前に変換作業(詳細は後述)不要な「インタプリタ型言語」でもあります。また、プログラムの記述量が少ない「動的型付け言語」です。プログラムの記述や実行が比較的容易なため、プログラミング初心者にもおすすめの言語です。
PHPが動く仕組み

PHPプログラムを実行する際の流れは以下の通りです。
ユーザーがブラウザからWebページをリクエストすると、Webサーバーは関連するPHPファイルをPHPインタープリタに渡します。インタープリタはこのファイル内のPHPコードを順に解釈・実行し、HTMLなどの実行結果を生成。その後実行結果がブラウザに返され、ユーザーが見るWebページとして表示されます。
このようにWebアプリケーション動作時にPHPコードが解釈される仕組みなので、事前に変換作業することなく実行できるようになっているのです。
動かすには環境構築が必要
PHPを動かすには環境構築が必要です。例えばPHPを実行するためのインタープリタやWebサーバが必要になります。本格的なアプリケーションを作るにはデータベースも必要になるでしょう。

これらを1つ1つそろえるにはやや手間がかかるため、PHPを使うために必要な環境をまとめた「XAMPP(ザンプ)」を使うのがおすすめです。ただし、XAMPPの利用にはPHPのバージョンを自由に変更しづらいといったデメリットもあるため、次の記事でPHPの基本的な環境構築方法とともに確認しましょう。
→ PHPの開発環境を構築するには? XAMPP利用とその問題点もあわせて紹介
PHPが持つ3つの特性

ここからは、PHPが持つ特性を3つにまとめて紹介します。
簡単に開発できるよう設計された言語

PHPは、簡単に開発できるよう工夫された「スクリプト言語」です。スクリプト言語とは一般的に、プログラミング言語の中でも構文がシンプルで記述・実行しやすいものを指します。
PHPもこのスクリプト言語として設計されており、Webページの動的な部分を効率的に構築するための言語として設計されています。例えば、HTMLの中に直接PHPのコードを埋め込むことができるため、開発者はWebページに動的な要素を簡単に追加可能です。
このように、PHPは少ない手間で効率的にWebサイトを作成できるプログラミング言語であるといえます。PHP以外では、PythonやJavaScriptなどがスクリプト言語にあたります。
なお、次の記事ではスクリプト言語とは何なのか、その種類や特徴を詳しく解説しているので良ければ参考にしてください。
→ スクリプト言語とは?種類やおすすめ言語も紹介【一覧あり】
プログラムの実行前に変換作業が不要な言語

PHPは、プログラムの実行前に変換作業が不要な「インタプリタ言語」でもあります。インタプリタ言語とは、プログラムを実行する際に、それを事前に機械語や中間コードに変換する必要がない言語のことです。
多くのプログラム言語では、ソースコードを実際に実行する前にコンパイルという機械語に変換する作業が必要ですが、PHPではこの手間が不要です。PHPのソースコードは、リクエストの都度、インタプリタによって直接解釈・実行されるため、変更や追加を行った際も即時にその結果を確認することができます。これによりスムーズに開発を進められる点が特徴です。
なおPHP以外では、Python、Rubyなどがインタプリタ言語に分類されます。
プログラムの記述量が少ない言語
PHPは、プログラムの記述量が少ない「動的型付け言語」としての特性もあります。動的型付け言語とは、変数の宣言時にデータの型を明示的に指定する必要がない言語のことです。反対に変数宣言時に必ず型を指定しなければならない言語は「静的型付け言語」と呼ばれます。
動的型付け言語のメリットは、コードの記述量を削減でき、よりシンプルにプログラムを組むことができる点です。例として、PHP(動的型付け言語)とJava(静的型付け言語)の変数宣言を比較してみましょう。
PHP
$number = 42; $string = "Hello"; $bool = true;
Java
int number = 42; String string = "Hello"; boolean bool = true;
上記から、Javaに比べPHPは比較的コードがシンプルだとわかります。このような特徴から、PHPは少ない記述でコーディングできるのです。
なおPHP以外では、Python、Ruby、JavaScriptといった言語が動的型付け言語に分類されます。
PHPの特徴6つ
ここからは、PHPの主な特徴を6つにまとめて紹介します。
Web開発に特化したプログラミング言語

前述のとおり、PHPはWebアプリケーションの開発に特化したプログラミング言語です。IT化が進むなかでWeb開発の需要は安定的に高いため、PHPのスキルを身につければ仕事に活かせるチャンスが増えるでしょう。
Webアプリケーションは
- フロントエンド
- サーバーサイド(バックエンド)
の2要素で構成されます。フロントエンドはユーザーのWebブラウザ上で動作するもの、サーバーサイドはWebサーバー上で動作するものです。
なかでもPHPはサーバーサイドのプログラム開発に強く、便利な機能を豊富に搭載しています。長年Web開発に使われてきた実績の多さもあり、サーバーサイドのWeb開発では特に需要の高い言語です。
Web開発を仕事にしたい人にとって、可能性あふれるPHPは魅力的な言語といえます。
なお、下の記事ではフロントエンドとサーバサイドの違いを詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
→ フロントエンドとサーバーサイドの違い。仕事内容・年収・需要を比較
また、フロントエンドとサーバーサイドの違いは次の動画でも詳しく解説しているので、良ければご覧ください。
構文がシンプルで記述しやすい
PHPは構文がシンプルなため、初心者であっても理解しやすいのがポイントです。プログラミング言語によっては構文が複雑で、どのような処理か理解しづらい場合もあります。
実際に、同じサーバーサイドのWeb開発に使われる「Java」と比較してみましょう。次のサンプルコードは、「Hello, World!」と表示するプログラムをJavaとPHPで記述したものです。
Javaの場合
public class HelloWorld { public static void main(String[] args) { System.out.println("Hello, World!"); } }
PHPの場合
<?php echo "Hello, World!"; ?>
PHPのほうが記述量が少なく、シンプルですよね。このようにシンプルな構文のPHPは覚えやすく、書きやすいため、学習コストを抑えやすい言語といえます。
HTMLと組み合わせて使用できる
PHPは、HTMLと組み合わせて使用することができます。HTMLはWebページの表示内容を決めるための言語ですが、あらかじめ決まった内容を定義することしかできず、表示内容を変える機能はありません。
そこで、HTMLとPHPを組み合わせることで、動的に表示内容を変更可能になります。具体例として、以下のコードをご覧ください。
<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="UTF-8"> <title>PHPテスト</title> </head> <body> <h1>計算結果</h1> <?php function culc() { // 計算処理 } $result = culc(); echo "<p>$result</p>"; ?> </body> </html>
このように、HTML中にPHPの計算処理などを簡単に埋め込める点が、PHPの大きな強みです。
なお、下の記事ではPHPとHTMLの関係性を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
さまざまなOS・Webサーバーで実行できる

PHPのプログラムは、さまざまなOS・Webサーバーで実行が可能です。それによって幅広いシステム環境に対応できることも、PHPが多くのWeb開発現場で使われているポイントといえます。
WindowsやMac、Linuxといった主要なコンピューターOSで動作するのはもちろん、主要な「サーバーソフトウェア」と連携できます。サーバーソフトウェアは、Webサーバー上でユーザーの要求を受け付ける「窓口」です。
PHPは「Apache」や「Nginx」など、多くのサーバーソフトウェアと互換性があり、連携してプログラムを動かせます。サーバーサイドの環境に対応しやすいPHPは、企業がWeb開発を始めるうえでも有力な選択肢です。
効率的な開発を促すフレームワーク・ライブラリが豊富

PHPには、効率的な開発を促すフレームワーク・ライブラリがたくさんあります。フレームワークは機能の土台を簡単に作れる枠組み、ライブラリは再利用できるように部品化された便利なプログラムのことです。
フレームワークやライブラリを活用することで、開発の生産性を飛躍的に向上できます。PHPのフレームワーク・ライブラリとして代表的なものを4つ、下表にまとめました。
名前 | 概要 |
Laravel | 世界的に広く使われているフレームワーク |
CakePHP | 軽量で使いやすいフレームワーク |
PHPMailer | メール送信機能がそろったライブラリ |
Sentinel | ユーザー認証に関する機能が豊富なライブラリ |
優れたフレームワークやライブラリがあることは、プログラム開発において大きな強みです。ITエンジニアの負担軽減はもちろん、開発コストを抑えられるため、IT企業にとってもPHPを使うメリットは大きいといえます。
なお、次の記事では人気の高いPHPのフレームワークを詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
→ 【徹底比較】PHPフレームワークおすすめランキングTOP5
また、下の記事ではおすすめのPHPライブラリを紹介しているので、あわせて参考にしてください。
初心者からでも学びやすい

PHPは、プログラミング初心者からでも学びやすいプログラミング言語といえます。前述した構文のシンプルさだけでなく、下記のような要素もPHPが学びやすいポイントです。
- インターネット上に多くの情報がある
- プログラムの動きをすぐに確認できる
PHPは長い間、Webサービス開発に広く利用されてきた言語です。そのため、多くの先輩エンジニアがPHPのプログラミングに関する有益な情報をインターネットに公開してくれています。
初心者のプログラミング学習では、エラーや不明点につまずくことが日常茶飯事です。しかし、PHPならインターネットを検索すれば解決のヒントが得やすいため、プログラミング初心者でも挫折しにくいといえます。
またプログラムの実行にあたっては、人間が理解できる形式の言語を、コンピューターが理解できる「機械語」(0と1の言葉)に変換する作業が必要です。Javaのような「コンパイラ型言語」だと、実行前にプログラム全体の変換が必要ですが、書き間違えるとエラーが出て実行できません。
その点PHPは、実行時にプログラムが1行ずつ自動で変換される「インタプリタ型言語」です。致命的なエラーがあっても途中まではプログラムを実行できるため、まったく動かせずに挫折するリスクは低いでしょう。
このように、PHPは初心者にとっての挫折ポイントが少なく、実際に動かしながら学べるプログラミング言語です。
PHPでできること

前述したように、PHPはWebアプリケーション開発に特化したプログラミング言語です。基本的にWebアプリケーションのサーバーサイドであれば何でも開発できますが、実際にどんなことができるのか、イメージが湧いていない人もいますよね。
そこで、ここからはPHPでできることを、もう少し掘り下げて見ていきましょう。
データベースとの連携

PHPは、Webアプリケーションに欠かせない「データベース」と容易に連携できます。データベースとは、大量のデータを効率よく扱うための仕組みです。専用の「データベース管理システム」というソフトウェアを使います。
PHPのプログラムは、「MySQL」「PostgreSQL」といった主要なデータベース管理システムと連携が可能です。そのためPHPからデータベースを扱うことで、Webアプリケーションのデータを正確・効率的に管理できます。
ユーザーがWebブラウザ上で見るデータの多くは、サーバーサイドのプログラムがデータベースから取得・加工したものです。さまざまなデータベースに対応できることは、PHPの1つの強みといえます。
なお、次の記事ではPHPを用いてMySQLのデータベースに接続する方法を詳しく紹介しているので、良ければ参考にしてください。
→ 初心者でも安心!PHP7×MySQLでデータベースに接続しよう【入門編】
動的コンテンツの生成

PHPを用いることで、動的なコンテンツを生成できます。わかりやすく言えば、Webアプリケーションの稼働状況やユーザーの操作にあわせて、Webページの表示や動作が変化するイメージです。
Webアプリケーションにおいて、ユーザーが見るWebページの表示内容を決めるのは「HTML」という言語です。ただし、HTML自体はあらかじめ決まった内容を定義することしかできず、表示内容を変える機能はありません。
そこで活躍するのがPHPです。PHPのプログラムはHTMLのファイル内に埋め込んで実行でき、Webページの表示内容を動的に変更できます。
たとえばユーザーが「侍」と検索したとき、HTML内のPHPプログラムが「侍」を含むデータをデータベースから検索・取得します。そして、そのデータを盛り込んだHTMLを生成して返送することで、ユーザーは「侍」の検索結果を閲覧できるのです。
このように、HTMLとPHPを組み合わせることで、ユーザーから見て「動的」なWebページを実現できます。ユーザーの要望に応えるWebアプリケーションを作るうえで、PHPは重要な役割を果たしています。
ファイル/フォームの操作・処理

PHPを用いてファイルを操作したり、フォーム(入力画面)のデータを処理したりすることも可能です。たとえば、下記のようなファイル/フォームの操作・処理であれば、PHPの標準機能だけでも実装できます。
- ユーザーがアップロードしたファイルを取り込み、Webサーバーに保存
- ユーザーが入力したフォームのデータを取り込み、内容に問題がないかチェック
ライブラリを使わなくても、ファイルやフォームを通じたユーザーとの対話が可能な点も、Web開発におけるPHPの強みです。ライブラリを組み合わせることで、より高度な操作・処理も行えます。
なお、下の記事ではPHPを用いたファイル操作の方法を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
CMS (Contents Management System)のカスタマイズ

PHPは、「CMS (Contents Management System)」のカスタマイズに使われることも多々あります。CMSとは、ブログやネットショップといったWebサイトを簡単に構築するためのソフトウェアです。
CMSとしては「WordPress」や「Drupal」が有名ですが、これらはPHPで開発されています。基本的な機能はCMSに標準搭載されているものの、独自の機能を追加(カスタマイズ)したい場合には、開発言語のPHPが使われます。
今やCMSは、企業・個人を問わず多くのWebビジネスで使われています。PHPのスキルを習得すれば、CMSのカスタマイズに関する仕事も選択肢に入り、ITエンジニアとしての幅が広がるでしょう。
なお、次の記事ではPHPでできることを具体例も交え詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
PHPが苦手なこと

Web開発に強いPHPですが、もちろん「なんでもできる万能なプログラミング言語」ではありません。ここからは、PHPが苦手なことを2つにまとめて紹介します。
大規模データの高速処理

大規模なデータであっても、PHPを用いて処理することは可能です。ただし、速度性能に優れたコンパイラ型言語と比べると、速度面のパフォーマンスはあまり期待できません。
インタプリタ型言語であるPHPは、実行時に1行ずつプログラムを機械語に変換します。プログラムをすぐに実行できる反面、実行するたびに変換処理が行われるため、事前に変換を済ませる言語よりも遅くなりやすいのです。
そのため、データ処理に高い速度性能が求められる分野では、Javaなどのコンパイラ型言語に軍配が上がります。Webアプリケーションではそれほど問題にはなりませんが、PHPのデメリットとして覚えておきましょう。
ブラウザ上での実行・操作

PHPのプログラムは、基本的にユーザーのWebブラウザ上では実行できません。そのため、Webブラウザ上に表示されたキャラクターを操作したり、ポップアップメッセージを表示したりといったことはPHPの担当範囲外です。
Webブラウザ上での表示や動作の制御には、フロントエンドの開発言語である「JavaScript」を使います。JavaScriptはユーザーのWebブラウザ上で実行でき、ユーザーが見るWeb画面に変化をもたらします。
一方、JavaScriptはWebサーバー上での制御に適していません。Webアプリケーションを開発するなら、こうした言語ごとの担当範囲を把握し、やりたいことに合わせたものを選ぶことが大切です。
なお、下の記事ではPHPのメリット・デメリットを現役エンジニアの知見も含め詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
→ PHPのメリット・デメリットとフレームワークの利便性【現役エンジニアが解説】
PHPの需要・将来性
結論、PHPは需要・将来性ともに高いプログラミング言語です。
IT関連の調査に定評があるQ-Success社の調査によれば、サーバーサイドのWeb開発言語として最も使われているのはPHPです。そのシェアは約78%と群を抜いており、何年も前からPHPがサーバーサイド開発をリードしています。

また、クラウドサーバーを提供するKinsta社の調査では、Webサイトの制作に使われるCMSのシェアとしてWordPressが約40%と圧倒的です。前述のように、WordPressの開発にはPHPが使われています。

既存のWebサイトの多くにPHPが使われているため、そのカスタマイズでもPHPを使うことになります。企業や個人が新しいWebサイトを立ち上げる場合も、シェア・導入実績の圧倒的なPHPが選ばれる可能性は高いです。
上記から、今後もPHPの需要は安定して続くと考えられます。Webサイトの増加にともなう需要拡大も期待できるため、PHPは将来性の高い言語といえるでしょう。
なお、次の記事では現在の需要も踏まえPHPの将来性を詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
→ PHPの将来性は高い?現在のトレンドからわかる今後の需要
PHPを使う主なITエンジニアの職種
PHPを使うITエンジニアとしては、やはりWebアプリケーションを開発する「Webエンジニア」が最もポピュラーです。なお、サーバーサイドの開発を担当するWebエンジニアは、特に「サーバーサイドエンジニア」と呼ばれます。
求人検索エンジン「indeed」によると、サーバーサイドエンジニアの平均年収は約725万円です(2023年5月時点)。求人の提示内容にもとづくデータのため実際とは異なるものの、PHPには高単価な求人が多いことがうかがえます。

また、WordPressをはじめとするCMSでのWebサイト制作・カスタマイズに特化した「CMSエンジニア」も1つの選択肢です。WordPress制作などの仕事は在宅案件が豊富にあり、フリーランスとして活躍している人も多くいます。
サーバーサイドエンジニアやCMSエンジニアを目指すなら、PHPを学ぶのがおすすめです。
なお、次の記事ではWebエンジニアとPHPの相性を詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
→ WebエンジニアとPHPの相性は?言語の特徴や求人数から徹底解析
PHPの基本的な書き方
ここでは、PHPの基本的な書き方を解説します。
まず、PHPで書かれたファイルは「.php」という拡張子で保存することが一般的です。この拡張子は、WebサーバーにファイルがPHPスクリプトであることを伝え、適切に処理させる役割を果たします。
PHPのコードは、「<?php」と「?>」の間に記述します。この構文は、PHPコードの開始と終了を示しています。
また、PHPの命令文の最後にはセミコロン「;」が必要です。これは、その行のコードが終了したことを示す役割を持ちます。最初のうちはセミコロンをつけ忘れるミスをやってしまいがちなので、注意しましょう。
以下はPHPコードの一例で、画面上に「Hello, World」と出力するプログラムです。
<?php echo “Hello, World”; ?>
PHPの基礎文法

基本的な書き方に続き、ここからは次のトピック別にPHPの基礎文法を解説します。
変数
PHPでは、データを格納するための「変数」を使用します。変数は「$」記号で始まり、その後に変数名が続きます。
変数宣言のサンプルコードは以下の通りです。
<?php $name = "John"; echo $name; // 出力: John ?>
配列
配列は複数の値を一つの変数で管理するためのデータ構造です。PHPで配列を利用する場合、「array()」のカッコ内に要素を記述していきます。配列の要素を取得する際は、先頭の要素を0番目として、「[0]」のように何番目の要素を取得するか指定します。
配列のサンプルコードは以下の通りです。
<?php $names = array("John", "Alice", "Bob"); echo $names[1]; // 出力: Alice ?>
条件分岐
条件分岐は、特定の条件の時のみ処理を実行したい場合に使います。こちらのサンプルコードをご覧ください。
<?php $age = 20; if ($age >= 18) { echo "成人です。"; } else { echo "未成年です。"; } ?>
上記の条件分岐では、変数「$age」の値が18以上の場合に「成人です。」、それ以外の場合に「未成年です。」と表示されます。このコードでは$ageに20がセットされているので、「成人です。」と表示されます。
このように、変数の値などに応じて処理を変えたいときに条件分岐を利用します。
関数
関数は、特定のタスクを実行するためのコードのまとまりを意味します。PHPには多数の組み込み関数が用意されていますが、独自の関数を定義することも可能です。関数を定義するには、functionキーワードを使用します。例として以下のサンプルコードをご覧ください。
<?php function add($a, $b) { return $a + $b; } echo add(2, 3); // 出力: 5 ?>
ここで定義した関数addは、2つの数値を足す関数です。呼び出す際は「add(2, 3)」のように引数(関数に渡す値)を指定します。
関数を利用することで、同じ処理を複数記述せずに使いまわすことができます。
なお、下の記事ではPHPの基礎文法を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
→ PHP基礎を超初心者向けに徹底解説!構文・文法・関数が丸わかり!
PHPの学習方法

下記6つの手順に沿って学習を進めれば、効率よくPHPを習得できます。
- 1.HTML・CSS・JavaScriptを学習する
- 2.PHPの基礎文法を学習する
- 3.PHPの実行環境を構築する
- 4.データベースを学習する
- 5.PHPの主要なフレームワーク・ライブラリを学習する
- 6.Webアプリケーション開発を実践する
Webアプリケーションの開発には、前述したHTMLやJavaScript、Webページのデザインを定義する「CSS」といった言語も必要です。PHPを学ぶ前に、これら言語の基礎を最低限は固めておく必要があります。
次にPHPの基礎文法を学び、プログラムを実行するための環境を構築します。基礎文法を実際に動かしながら学びたい人は、先に実行環境を構築すると良いでしょう。
その後、Webアプリケーションに欠かせないデータベースも学習してください。PHPからデータベースを操作するためのテクニックを身につけたら、主要なフレームワーク・ライブラリの使い方も学びます。
そして以降は、フレームワークやライブラリを活用しながらWebアプリケーションの実践を繰り返し、実践スキルを高めていきましょう。
なお、次の記事ではPHPの学習方法を効果的な勉強法も交えて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
→ PHPを独学!初心者必読の学習ロードマップや効果的な勉強法

また、以降ではおすすめのPHP学習方法を3つにまとめて紹介します。
なお、簡単に各方法の特徴を知りたい人は次の表を参考にしてください。
学習サイト
パソコンを使って効率よく学びたい人には、オンラインで学べる学習サイトが向いています。パソコンでPHPのプログラミングを行うときに、学習サイトで知識を得ながら効率よく実践学習が可能です。
料金体系や学べる言語はさまざまなため、自分に合ったものを選びましょう。最もおすすめの学習サイトは、PHPをはじめとする人気のプログラミング言語を無料から学び始められる「SAMURAI TERAKOYA(侍テラコヤ)」です。
月額2,980円(税込)の有料プランなら、50種類以上の教材がすべて学び放題となります(2023年5月時点)。有料プランだと、現役エンジニアのマンツーマンレッスンが月1回受けられる上に「Q&A掲示板」でいつでも質問し放題です。
Q&A掲示板の例
Google検索等で解決できなかった抽象度の高い質問も解決可能
なお、侍テラコヤは入会金不要・いつでも退会OKに加え、有料プランへの切り替え後も利用から1ヵ月の間は「全額返金保証制度」が適用されるので「他のサービスを選べばよかった」と後悔する心配もありません。
コスパよく効率的にプログラミングスキルを習得したい人は、ぜひ侍テラコヤをお試しください。
公式サイトで侍テラコヤの詳細を見る下の記事では、無料でPHPが学べるおすすめの学習サイトを紹介しているので、良ければ参考にしてください。
→ 【初心者必見】PHPを無料で学べる学習サイトおすすめ6選
また、初心者には役立つ基本的な情報がつまったチュートリアルサイトでの学習もおすすめです。次の記事では、PHPが学べるおすすめのチュートリアルサイトを紹介しているので、あわせて参考にしてください。
→ 【初心者必見】PHPを学べるチュートリアルサイトおすすめ6選~レベル別~
本/書籍
オフラインでじっくり学びたい人には、本/書籍が向いています。PHPのプログラミングについて体系的にまとめられた入門書や参考書を読むことで、1冊でも幅広い知識が得られるでしょう。
初心者向けから上級者向けまで、本/書籍のレベルはさまざまです。プログラミング初心者であれば、基礎の基礎から学べる入門書を選びましょう。
おすすめの1冊は、『最初に「読む」PHP』です。PHPの基本が入門者向けにわかりやすく解説されています。図やイラストも充実しているため、プログラミングに慣れていない人でも挫折しにくいでしょう。
なお、下の記事ではPHPが学べるおすすめの書籍・本を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
→ PHPが学べるおすすめの本!入門~上級までレベル別に紹介
プログラミングスクール
学習サイトや本/書籍を用いた独学だと、問題に直面したときに誰にも質問できず、挫折してしまう人が少なくありません。挫折したくない人には、プログラミングスクールをおすすめします。
多くのプログラミングスクールでは、現役エンジニアの講師がしっかり相談に乗ってくれます。不明点や問題点があってもすぐに質問できるため、挫折せずスムーズに学べる可能性が高いでしょう。
独学で挫折すると、多くの時間や費用が無駄になってしまいます。プログラミングスクールは成功率やスピード面のメリットが大きいため、コストはかかりやすいものの有力な選択肢です。
なお、次の記事ではPHPが学べるおすすめのプログラミングスクールを、選び方も交え詳しく解説しているので良ければ参考にしてください。
→ PHPが学べるプログラミングスクールおすすめ15校【エンジニア監修】
挫折なくPHPの習得を目指すなら
PHPの特徴や学習手順を知り、独学でスキル習得しようと考えている方のなかには、
独学で習得できるかな…
途中で挫折したらどうしよう…
と不安な方もいますよね。
実のところ、PHPといったプログラミング言語の学習途中で挫折する独学者は多くいます。事実、弊社の調査では
- 不明点を聞ける環境になかった
- エラーが解決できなかった
- モチベーションが続かなかった
などの理由から、87.5%が「プログラミング学習で挫折や行き詰まりを感じた」と回答しています。


調査概要:プログラミング学習の挫折に関するアンケート
調査対象:10代〜80代の男女298名
調査期間:2019年8月13日~8月20日
調査方法:インターネット調査
掲載元:PR TIMES
また、こうした背景もあってか、弊社がプログラミングに興味がある人100名へ実施した別の調査では
- 確実にスキルを身につけられると思ったから
- 独学では不安がある
- 効率よく学べそう
などの理由から、61%が「プログラミングの勉強を始めるならスクールを選ぶ」と回答しています。


調査概要:プログラミングに興味がある方の意識調査
調査期間:2021/11/19~2021/12/3
対象者:プログラミング学習を検討している10代~50代の男女100名
調査媒体:クラウドワークス
掲載元:PR TIMES
加えて、プログラミングスクールの卒業生に「独学ではなくスクールを活用した理由」を聞いたところ「できるだけ短い期間でITエンジニアへの転職や副業に必要なスキルを身につけたかった」という回答も多く寄せられました。
上記から、1人でプログラミングスキルを習得できるか不安な人や短期間でスキルを習得したい人ほど確実性を求め、現役エンジニアといったプロの講師に質問できるプログラミングスクールを利用する傾向にあるのがわかります。
いざ独学でプログラミングを学び始めても、勉強の最中に挫折しまっては学習にかけた時間を悔やむだけでなく「プログラミングスキルを身につけるのって思っていたよりも難しいんだな…」とPHPの習得自体を諦めかねません。
仮にわからないことを飛ばしながら勉強を進めたとしても、ITエンジニアへの転職や副業での収入獲得を実現できる実践的なスキルが身につかなければ、結局後悔することになります。
そこで、おすすめしたいのが「SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)」です。
料金 | 月分割4.098円~ |
実績 | ・累計指導実績4万5,000名以上 ・受講生の学習完了率98% ・受講生の転職成功率99% |
侍エンジニアをおすすめする最大の理由は「挫折しづらい学習環境」にあります。
先ほど述べたとおり、独学者の多くは自力で不明点やエラーを解決できないためにプログラミング学習を挫折しています。そのため、未経験者が現役エンジニアのようなプロに質問や相談できない状況で、プログラミングスキルを習得するのは非常に難易度が高いといえます。
しかし、侍エンジニアでは
- 現役エンジニア講師によるマンツーマンレッスン
- 現役エンジニアに質問できるオンラインでのQ&Aサービス
- 不安や悩み・勉強の進み具合を相談できる学習コーチ
といったサポート体制を整えているため、学習中に出てきたわからないことや不明点をいつでも相談可能です。「受講生の学習完了率98%」「転職成功率99%」という実績からも、侍エンジニアなら挫折しづらい環境でプログラミング学習を進められるといえます。
また、侍エンジニアではカウンセリングにて受講生一人ひとりの目的をヒアリングしたうえでカリキュラムを作成するため、限られた受講期間でもITエンジニアへの転職や副業での収入獲得に必要なスキルだけを効率的に習得可能です。
最短距離で目的を実現できるようカリキュラムが組まれているため、勉強する順番や内容を誤り非効率に時間や手間を費やす心配もありません。
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※1:転職後の1年間、転職先での継続的な就業や転職に伴う賃金上昇などのフォローアップ
学習と金銭面をどちらもサポートしてくれる侍エンジニアなら、未経験からでも安心してPHP言語を習得できますよ。
公式サイトで詳細を見るPHPにまつわるFAQ
最後に、PHPによくある質問へ回答します。
未経験からPHPを習得するのは難しい?
難しいと感じるかどうかは人によりますが、一般的にいってPHPは習得難易度が比較的低いプログラミング言語です。正しい手順・方法で学習すれば、未経験からでもPHPを習得することは十分できます。
ただし、プログラミングに慣れていない人や調べ物が苦手な人だと、問題を自己解決できずに挫折するケースが少なくありません。独学に不安があればプログラミングスクールの利用も考えましょう。
なお、次の記事では習得するまでの流れや必要な時間を踏まえ、PHPの難易度を詳しく解説しているので良ければ参考にしてください。
PHPを学ぶべきか判断できない時は?
PHPは下記の3点にあてはまる人へおすすめのプログラミング言語です。これまでの復習も兼ねて確認しておきましょう。
- Webアプリケーション開発・Webサイト制作に興味がある
- ITエンジニアになるための成功率を高めたい
- 自由なワークスタイルで稼ぎたい
PHPは前述のとおり、Webアプリケーションの開発やCMSを用いたWebサイト制作を得意としています。仕事にする・しないにかかわらず、これらに興味がある人にPHPはおすすめです。
また、Web分野での需要が安定して高いPHPを身につければ、仕事獲得のチャンスがぐっと上がります。「とにかくITエンジニアになりたい」という人は、PHPを選ぶと成功率を高められるでしょう。
さらに、PHPが得意とするWebアプリケーション開発やWebサイト制作は、在宅ワークがしやすい仕事です。クラウドソーシングサイトにも在宅案件が豊富にあるため、自由度の高い在宅ワークで稼ぎたい人にもおすすめします。
それでもPHPを選ぶか決めかねている人は、弊社の「プログラミング学習プラン診断」をお試しください。
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どのプログラミング言語が自分にあうかあいまいな人は、ぜひ一度お試しください。
まとめ
今回は「PHPとは何か」について、次の8点をお伝えしました。
今ではたくさんのプログラミング言語が存在しますが、その中でもPHPは高い人気を持つ言語です。Webアプリケーション開発やWebサイト制作で需要がとても高く、構文がシンプルで初心者でも習得しやすいといえます。
これからWeb分野で活躍したい人や、自由なスタイルで働きたい人は、ぜひPHPを学んでみてください。なお、PHPについてさらに理解を深めたい人には、次の記事もおすすめです。
→ PHP入門!インストールから勉強方法、必要な知識を初心者向けに解説
→ PHP初心者が基礎をマスターするための勉強法と全手順を解説
こちらの記事もおすすめ
→ PHPとJavaを徹底比較!結局どっちを勉強すればいいの??
→ 未経験でもわかる!PHPとJavaScriptの違いとは?
→ 【PythonとPHPを比較】人気度/難易度/年収別にどっちがいいか検証
→ 【現役エンジニアが徹底比較】PHPかRuby勉強するならどっち?
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