ChatGPTって何だろう?
便利だと話題になっているけど、いったいどんなことができるの?
ChatGPTが普及すると、人の仕事はなくなっちゃうの?
昨今「ChatGPT」の活用が急速に広がり、興味を持つ人が増えています。
しかし、名前は聞いたことはあるものの、実際にどんなサービスなのか、イメージが湧かない人は多いですよね。
また「ChatGPTに仕事を奪われるのでは……」と不安に感じる人も少なくありません。「AI時代」とも表現される現代を生き抜くためには、AI時代の主役となっているChatGPTについて理解を深めることが大切です。
そこで、本記事ではChatGPTとは何なのか、その特徴をIT初心者向けに基本からわかりやすく解説します。ChatGPTの仕組みからできること、始め方や使い方までお伝えするので、AI時代に乗り遅れたくない人はぜひ参考にしてください。
ChatGPTとは何か
ChatGPTとは、アメリカのOpenAI社が開発したAI(人工知能)によるチャットサービスです。ユーザーが投げかけた質問に対してAIが自然な文章で回答するため、人間を相手にしているような会話のキャッチボールが可能です。
2022年11月にリリースされたChatGPTは、わずか2ヶ月ほどで世界のユーザー数が1億人を突破しました。マイクロソフト社が1兆円を超える投資をするなど、その注目度はとても高まっています。
人気の原因は、従来のチャットサービスと比べて自然な会話が行えること。ChatGPTは、インターネット上の膨大なデータから言葉同士の関連性や文章構造などを学習しています。それにより、自然な回答を実現しています。
なお、ChatGPTの「GPT」は「Generative Pre-trained Transformer」の略です。直訳すると「(コンテンツの)生成が可能な事前トレーニング済み変換器」となりますが、詳しい意味は後ほど触れます。
生成AIとは
ChatGPTは「生成AI(Generative AI)」の一種です。生成AIとは、コンテンツを生成する機能を持つAIのことを指します。ChatGPTのような文章の生成だけでなく、画像や音楽、映像といった幅広いコンテンツ向けの生成AIが存在します。
さまざまな生成AIに共通するのは、ユーザーからの文章やデータによる指示を解釈し、指示にふさわしいコンテンツを生成すること。生成AIに使われる主な技術として、次の3つがあります。
技術 | 概要 |
自然言語処理 | 人間の言葉をコンピューターに解釈・処理させる、AIの1分野 |
機械学習 | 大量のデータをコンピューターに与えてパターンを学習させる、AIの1分野 |
深層学習(ディープラーニング) | 人間の脳を模した「ニューラルネットワーク」を構築し「何を学ぶか」からコンピューターに考えさせる機械学習の1手法 |
なおAI分野では、コンピューターにデータを与えて学習させることを「トレーニング」と呼びます。ChatGPTの正式名称に含まれる「Pre-trained」は「事前に多くのトレーニングを積んでいる」という意味を表しています。
生成AIを活用することで幅広いコンテンツを手軽に制作できるため、国内外を問わず注目されています。
なお、次の記事では生成AIとは何かを詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
プロンプトとは
ChatGPTに関して頻繁に使われる「プロンプト」という言葉の意味を知っておきましょう。ChatGPTにおけるプロンプトとは、ユーザーがChatGPTに何かを指示するための文章のことです。
たとえば「なぜ都会の夜景は綺麗?」とChatGPTに質問すると「都会の夜景が綺麗な理由」を回答してくれます。この「なぜ都会の夜景は綺麗?」という文章が、ChatGPTにおけるプロンプトです。
なお、プロンプト(prompt)は「~するように促す」といった意味を持つ英語であり、ChatGPTに限った用語ではありません。ChatGPT以外の生成AIで「プロンプト」という場合も、大半はAIへの指示文章を意味します。
昨今では、プロンプトを用いて生成AIにソースコードを生成させる「プロンプトプログラミング」が注目されています。プロンプトプログラミングについて詳しく知りたい人は、下の記事をご一読ください。
おさえておきたいChatGPTの基礎知識
ここからは、次のトピック別にChatGPTの特徴を紹介します。
料金
ChatGPTには無料版(フリープラン)と有料版「ChatGPT Plus」の2種類が存在します。もちろん無料版なら費用はかかりませんが、有料版だと1ヶ月あたり20ドル(2023年7月時点)の費用が必要となります。
ただし、有料版は無料版と比べて次のような優位性があります。
- アクセスが集中するときでも利用できる
- 回答スピードが速い
- 新しい機能を優先的に利用できる
使える言語モデル(言葉を作る仕組み)も大きな違いです。2023年7月時点だと、無料版で使える言語モデルは「GPT-3.5」。一方で、有料版では上位版の「GPT-4」を使えるため、より高度な回答を生成できます。
とはいえ、無料版でも上手く活用できれば十分役に立ちます。無料版で試してみて「もっと快適に使いたい」と思った人は有料版に移行すると良いでしょう。
なお、次の記事では8つの観点でChatGPTの有料版と無料版の違いを詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
→ ChatGPT無料版と有料版の違い!8つの観点でわかりやすく解説
また、下の記事ではChatGPT4とは何なのか、その特徴を料金や「ChatGPT3.5」との違いも交え詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
→ ChatGPT4とは?料金やできること、使い方もわかりやすく解説
対応言語
ChatGPTは、日本語を含む主要言語の大半に対応しています。たとえば、下の画像は「日本の首都はどこですか?」とドイツ語で質問したときの回答です。ChatGPTは、プロンプトの内容に合わせた言語で回答してくれます。
ただし、アメリカ製のサービスということもあり、最も得意なのは英語です。日本語でも問題なく使えますが、言語によって回答の精度は変わってくることは覚えておきましょう。
入力可能な文字数
ChatGPTでは、プロンプトで1度に指示できるのは「4,096トークンまで」と決められています(2023年7月時点)。トークンとは、文章を構成する最も細かい部品(単語や句など)のことです。
4,096トークンを超える文章も入力はできますが、制限を超えた部分が無視されるか、そもそもエラーとなります。たとえば「dog」という単語を4,097回にわたって繰り返した場合、正しく回答されない場合が多いでしょう。
トークンごとに文字数は変わるため「4,096トークン=4,096文字」ではありません。しかし、英語と比べて日本語のトークンは多種多様で、同じ4,096トークンの文章でも内容によって文字数が大きく変わります。
あくまで目安ですが、日本語で入力する場合の文字数制限は2,500~3,000文字程度と考えておきましょう。なおChatGPTが回答する文章にも、同じように4,096トークンまでの制限があります。
ChatGPTの大まかな仕組み
なぜChatGPTが質問に対して回答できるのか、気になる人は多いですよね。ChatGPTの大まかな仕組みを知っておきましょう。ただし、ChatGPTの内部処理は非公開のため、一般的な文章生成AIの仕組みにもとづき説明します。
ChatGPTに送ったプロンプトが回答として出力されるまでの大まかな流れは、次の4ステップです。
各ステップについて、順番に見ていきましょう。
プロンプトのトークン化
入力されたそのままの文章では内容を解釈できないため、まずはプロンプトをトークン単位に区切ります。たとえば「なぜ都会の夜景は綺麗?」という文章をトークン化する場合、次のように7つのトークンに区切られるでしょう。
なぜ | 都会 | の | 夜景 | は | 綺麗 | ? |
「なぜ」「都会」といった個々の要素がトークンです。このように、トークン単位で扱える形式にすることで、プロンプトの指示内容をコンピューターが解釈できるようになります。
文章構造の解析・文脈の理解
プロンプトをトークン単位に区切ったら、文章構造を解析し、文脈の理解を試みます。トークンの中身や順序、組み合わせなどを、これまでにAIが学習してきた知識と照らし合わせながら文章構造を探ります。
たとえば「なぜ」の後に「?」が登場する場合「何らかの事実に対する理由を質問する文章」と判断するでしょう。ChatGPTは、このような文章のパターンを膨大に学習しているため、さまざまなプロンプトを解釈可能です。
また文脈を把握するうえでは、それまでの会話履歴も加味します。たとえば、それまでの話題が野球の場合とボウリングの場合では「ストライク」というトークンに対する解釈は変わるでしょう。
文脈に合った回答トークンを生成
プロンプトや会話履歴から把握した文脈に沿って、回答用のトークンを生成していきます。文章構造・文脈を踏まえて、ユーザーが期待しているであろうワードを順番に導き出していくイメージです。
具体的には、それまでのトークンを踏まえて「次に続く確率が高いトークン」を探します。たとえば「日本の首都は」というトークンに対しては「東京」が続く確率が高いため、回答トークンも「東京」が選ばれるでしょう。
このようなトークンの変換は、統計学・確率論にもとづき行われます。ChatGPTは、質問に対する回答パターンを膨大に学習しており、それらをフルに活用することで高精度なトークンの変換を実現しています。
回答トークンを組み合わせて文章化
文脈に沿って生成した回答トークンを、ユーザーの画面上に1つずつ順番に表示していきます。個々の回答トークンをリアルタイムに組み合わせていくことで、全体としてまとまりのある文章に仕上げるのです。
また、表形式やソースコード形式など、必要に応じて表示形式の調整も行います。たとえば「紙の本」と「電子書籍」のメリット・デメリットを表形式にまとめてもらう場合、次のようになります。
以上が、ChatGPTに送ったプロンプトが回答として出力されるまでの大まかな流れです。仕組みを知らなくても利用はできますが、使いこなしたいのであればこれらを把握しておきましょう。
ChatGPTで主にできること
ChatGPTはさまざまな用途に役立つため、業界を問わずChatGPTの活用が広まっています。ChatGPTで主にできることは、次の5つです。
それぞれについて、簡単に紹介します。
簡単な文章の作成
ChatGPTは、簡単な文章の作成にとても役立ちます。特に、メール本文や報告書のようにパターンがある程度決まっている文章は、ChatGPTを活用することで作成に大幅な時間短縮が可能です。
たとえば「生産管理システムを売り込む営業メールの本文を作成して」のようにお願いすれば、営業メールのたたき台を作成してくれます。プロンプトで適切な指示を出せば、細かい調整をするだけで文章が完成するでしょう。
アイデア出し
ChatGPTは、ビジネスのアイデア出しにも便利です。大量のアイデアを機械的に生成できるため、人間が1つずつ考えるよりも効率的にアイデアを集められます。100個のなかに1個でも優れたアイデアがあれば御の字でしょう。
たとえば「新しく発売するロボット掃除機のキャッチコピーを3つ提案して」とお願いすれば、商品にあった3つのキャッチコピーを提案してくれます。「とりあえずアイデアがほしい」という場合に活用するのが効果的です。
日本語や英語の翻訳
ChatGPTは日本語と英語など、異なる言語間の翻訳もできます。ChatGPTは、主要な言語の文法や単語を膨大に学習する過程で、異なる言語間の対応関係も把握しているためです。
たとえば「”今日はいい天気ですね”を英語にして」とお願いすると、”It’s a nice weather today, isn’t it?”などのように英語で回答してくれます。
ただし、言語によって翻訳の精度にばらつきが大きい点に注意が必要です。アメリカ製のサービスであるため、日英翻訳、英日翻訳であればそれなりの精度で行えるでしょう。
文章の変換・要約
ChatGPTは翻訳に限らず、文章の幅広い変換・要約に役立ちます。言葉と言葉の関係性や、文章構造のパターンといった知識を膨大に持っているためです。文章力に自信がない人は活用してみると良いでしょう。
たとえば「”また来てね”を敬語にして」とお願いすると、”またお越しくださいませ”などと敬語に変換してくれます。また、作成した長文をChatGPTに要約してもらうことで、内容に漏れがないかのチェックが可能です。
基本的なプログラミング
ChatGPTを使えば、主要なプログラミング言語(プログラムを表現するための言葉)を用いた基本的なプログラミングも行えます。ChatGPTが生成したソースコードを手直しすれば、1行ずつ最初から書くよりもはるかに効率的です。
たとえば、ChatGPTの開発にも使われた「Python」を用いて「1~100の整数を表示するプログラム」を書きたいとしましょう。このとき、ChatGPTにお願いすれば、次のようにソースコードを書いてくれます。
ソースコードの簡単な説明も付け加えてくれるため、プログラミング初心者にも親切です。また、2023年7月にリリースされたプラグイン「Code Interpreter(コードインタプリタ)」を使えば、プログラムの実行もできます(有料版のみ)。
なお、下の記事ではChatGPTで活用できるおすすめのプロンプトを、質問結果の画像付きで詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
ChatGPTが苦手なこと・できないこと
さまざまな用途に使えるChatGPTですが、何でもできる万能なサービスではありません。ここからは、ChatGPTが苦手なこと・できないことを、4つにまとめて紹介します。
1つずつ順番に解説します。
トレンド情報に関する回答
ChatGPTに新規性の高いトレンド情報について質問しても、正しい回答は返ってきません。ChatGPTは決められた期間までのデータしか学習していないためです。
無料版(GPT-3.5)や有料版(GPT-4)のChatGPTが知識として持っているのは「2021年9月までのデータ」です。裏を返せば、2021年10月以降の知識は持っていないため、回答しようがありません。
ただし今後のアップデートで、Web上のデータをリアルタイムに参照できる機能が追加されることは考えられます。それでも、Web上にデータのまだ少ない新しい情報だと、正確に回答できない場合があるため注意が必要です。
専門分野に関する厳密な回答
ChatGPTは、厳密さが求められる専門的な回答は得意ではありません。回答の正確性が下がりやすいためです。
前述のように、ChatGPTはインターネット上の膨大なデータから学習します。しかし、学習データのなかには誤った情報も少なくありません。誤ったデータから学習すれば、誤った回答も生まれてしまいます。
特に専門分野の込み入った内容だと、サイトによって解釈が分かれたり、そもそも参考情報が少なかったりしがちです。こうした事情から回答に間違いが生じやすいため、厳密さを求めることは避けましょう。
オリジナリティあふれる回答
オリジナリティあふれる回答も、ChatGPTには難しいといえます。これまでに学習したデータをもとに回答を生成するためです。たくさんの「1」を組み合わせることは可能ですが「0」から「1」を生み出すことはできません。
統計的に前例が多いものを回答に選ぶ仕組みとなっているため、ありふれたアイデアばかりが並ぶことも多いです。とはいえ「1」と「1」を組み合わせることでオリジナリティが生まれる可能性もゼロではないでしょう。
ガイドラインに反する回答
ChatGPTには、有害な回答を防ぐためのガイドラインがあります。たとえ悪意はなくても、下記のような質問はガイドラインに反するため、基本的にChatGPTが回答できません。
- 差別や暴力につながる回答
- 犯罪を助長するような回答
- 個人のプライベートを侵害する回答
たとえば「芸能人の行きつけのお店」を聞き出すことは難しいでしょう。芸能人のプライベートを侵害するためです。また、犯罪につながりかねない「パスワードの解読方法」のような内容も、ChatGPTは回答を避けます。
以前の言語モデル(GPT-3)は、センシティブな質問に対して問題のある回答をしてしまうことが多々ありました。そのためGPT-3.5以降では、回答に対するフィルタリングが大幅に強化されています。
なお、下の記事ではChatGPTでできること・できないことを、一覧にまとめて紹介しているので、あわせて参考にしてください。
ChatGPTは人間の仕事を奪うのか
ChatGPTを使うことで、さまざまな仕事を効率化できるようになります。便利になる一方で、読者のなかには「ChatGPTに仕事を奪われるのでは……」という不安を抱える人も多いでしょう。
ここでは、CahtGPTが人間の仕事を奪う可能性があるのかについて解説します。
結論:ある程度は奪われるが、完全には奪われない
結論、ChatGPTをはじめとする生成AIによってある程度の仕事は奪われるものの、完全には奪われないでしょう。
前述した「できること」を扱う仕事は、多かれ少なかれChatGPTで代替されることが予想されます。一方で、肉体労働や他者とのやり取りが欠かせない仕事は、ChatGPTで代替することが困難です。
また、ChatGPTを活用しやすい仕事だとしても、次のような理由から人間の仕事を完全には代替できません。
- ChatGPTに適切な指示を送る人間が必要
- 回答のファクトチェック(事実確認)が必要
- ChatGPTに創造性を求めるのは限界がある
正しいプロンプトを送らなければ、ChatGPTで求める回答を引き出せません。よって、適切な指示を送る人間が必要です。また、ChatGPTの回答には誤りも生じるため、人間によるファクトチェックも欠かせません。
さらに、既存の学習データが前提となるChatGPTでは、創造性に限界があります。「0」から「1」を生み出せるような人材は、今後も求められていくでしょう。不安があっても、ChatGPTと冷静に向き合っていくことが大切です。
なお、下の記事ではChatGPTで効率化できる業務を、企業の導入事例も交え詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
「ChatGPTを扱うスキル」が優秀なビジネスパーソンの条件に
仕事が完全には奪われなくても、ChatGPTは今後もビジネスに浸透していくことが予想されます。そのため、これからはChatGPTの強みを最大限に活かし、業務を効率化するスキルが求められるでしょう。
実際のところ、求人検索エンジン「indeed」で「ChatGPT」と検索すると、2023年7月時点で6,000件を超える求人がヒットします。その多くは、ChatGPTの活用を前提とするものばかりです。
このような求人は、今後も増えることが考えられます。これからの時代に優秀なビジネスパーソンとして生き残るためには、ChatGPTなどの生成AIを扱うスキルを磨くことが大切です。
なお、次の記事ではChatGPTがどのようにビジネスで使われているのか、その活用例を詳しく解説しているので良ければ参考にしてください。
ChatGPTを活用する職業「プロンプトエンジニア」も誕生
ChatGPTの導入によって、新しく誕生する仕事もあります。その代表格が「プロンプトエンジニア」です。プロンプトエンジニアとは、ChatGPTなどのプロンプトを設計・最適化し、求められる回答を引き出す職業のこと。
ChatGPTのビジネス利用が拡大していることから、プロンプトエンジニアのさらなる需要拡大が期待できます。ChatGPTによってビジネスが変わっていけば、ほかにも新しい職業が生まれる可能性はあります。
こうしたポジティブな部分にも目を向けることで、ChatGPTによる不安を減らせるでしょう。
なお、次の記事ではプロンプトエンジニアとは何か、その概要を年収や求められるスキルを交え詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ChatGPTの始め方・使い方
「ChatGPTの始め方や使い方がわからない……」と悩む人もいるでしょう。しかし、ChatGPTにはスマホアプリ版もあるため、パソコンはもちろんスマートフォンでも簡単に使い始めることが可能です。
ここでは、次のデバイス別にChatGPTの始め方や使い方を紹介します。
なお、下の記事では日本語でのChatGPTの始め方をわかりやすく解説しているので、あわせて参考にしてください。
パソコン版
パソコン版ChatGPTを使い始める場合、アカウント登録が必要です。メールやSMSで認証するため、メールアドレスや電話番号の入力が求められます。大まかな始め方は、次の6ステップです。
- 1.ChatGPTの公式サイトにアクセスし「Try ChatGPT」をクリックする。
- 2.アカウントを登録するために「Sign up」をクリックする(登録済みの場合は「Log in」)。
- 3.任意のメールアドレス・パスワードを入力し「Continue」をクリックする。
- 4.指定のメールアドレスで受信した認証用メールを開き「Verify email address」をクリックする。
- 5.自分の氏名や誕生日、電話番号を入力し「Send code」をクリックする。
- 6.スマートフォンで受信したSMSの認証コードを入力し、登録を完了させる。
なお「ニックネームを使いたい」という人もいるでしょう。しかし、ChatGPTの規約では正確な情報での登録が推奨されているため、できれば本名での登録をおすすめします。
上記の手順でアカウント登録が完了すると、次のような画面が表示されます。画面下部の入力欄が、プロンプトを入力する場所です。画面左上の「New chat」をクリックすれば、チャットルームを作成できます。
使い方はとても簡単です。お願いしたい内容をプロンプトとして入力し、右の送信ボタンを押しましょう。なお、パソコンのEnterキーでもプロンプトの送信が可能です。
プロンプトを送信すると、次のようにChatGPTが回答してくれます。回答後に別のプロンプトを送信することで、それまでの会話履歴を踏まえた質問も可能です。
慣れるためには実際に使ってみるのが早いため、色々な質問を試してみましょう。パソコン版ChatGPTの始め方をより詳しく知りたい人は、次の記事をお読みください。
スマホアプリ版
アカウント登録済みなら、スマートフォンのブラウザでもパソコン版と同様にChatGPTを利用できます。「スマートフォンでより快適に使いたい」という場合は、スマホアプリ版ChatGPTをインストールしましょう。
ただし、2023年7月時点だとChatGPTアプリはiOS版のみ提供されており、Android版は存在しません。Androidのスマートフォンを使っている人は、ブラウザからパソコン版と同様に使いましょう。
iOSのスマートフォンを持っている人が、ChatGPTアプリを使い始める手順は、次の8ステップです。パソコン版と同様にメールやSMSで認証しますが、利用する端末のメールアドレスや電話番号で構いません。
- 1.スマートフォンでApp Storeにアクセスし、ChatGPTアプリをインストールする。
- 2.インストールしたChatGPTアプリを開く。
- 3.アカウントを登録するために「Sign up with email」をタップする(登録済みの場合は「Log in」)。
- 4.任意のメールアドレス・パスワードを入力し「Continue」をタップする。
- 5.指定のメールアドレスで受信した認証用メールを開き「Verify email address」をタップする。
- 6.自分の氏名や誕生日、電話番号を入力し「Send code」をタップする。
- 7.スマートフォンで受信したSMSの認証コードを入力し、登録を完了させる。
- 8.「Welcome to ChatGPT」と表示されるため、画面下部の「Continue」をタップする。
上記の手順でアカウント登録が完了すると、画面下部にプロンプトの入力欄が表示されます。あとはパソコン版と同様にプロンプトを入力し、右の送信ボタンをタップするだけでChatGPTにプロンプトを送信できます。
なお、次の記事ではスマホアプリ版のChatGPTとは何なのか、その特徴や使い方をiPhone・Android別に詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
ChatGPTをより便利にするプラグイン(拡張機能)4選
ChatGPTには、役立つプラグイン(拡張機能)が数多く存在します。目的や用途にあうプラグインを導入することで、より快適にChatGPTを使えるでしょう。
ここでは、おすすめのChatGPTプラグインを4つ紹介します。
Superpower ChatGPT
「Superpower ChatGPT」は、多彩な機能を持つGoogle Chrome向けのChatGPTプラグインです。Superpower ChatGPTの用途は幅広く、例として次のような機能をプラスできます。
- よく使うプロンプトの定型文登録
- チャットルーム単位でのキーワード検索
- 会話履歴のエクスポート(ファイル出力)
- 文字数カウント
ほかにも多数の機能があるため、Google Chromeを使っている人はぜひ導入したいプラグインといえます。
ChatGPT for Google
「ChatGPT for Google」は、検索エンジンとChatGPTの「二刀流」を可能にするChatGPTプラグインです。Google検索などの検索結果にあわせてChatGPTの回答も表示できるため、疑問の解決がより早くなるでしょう。
Google Chromeはもちろん、YahooやBingといった主要な検索エンジンにも対応しています。「インターネット検索をもっと快適にしたい」という人におすすめです。
AIPRM for ChatGPT
「AIPRM for ChatGPT」は、用途に応じてChatGPTの機能をカスタマイズできるGoogle Chrome向けのChatGPTプラグインです。プログラミングやマーケティング、SEO(検索順位の最適化)など、幅広い用途に対応しています。
たとえば、プログラミング言語のPythonに特化したテンプレートを適用するとしましょう。すると「変数の使い方」と入力するだけで、Pythonの変数を使ったサンプルコードを表示してくれます。
ただしAIPRM for ChatGPTは、ほかのプラグインとの併用をサポートしていません。ほかのプラグインをアンインストールしないと、正しく動作しない場合もあります。
Visual ChatGPT
「Visual ChatGPT」は、ChatGPTと画像生成AIを連携できるソフトウェアです。ChatGPTとの対話を通して画像を生成・編集できるだけでなく、アップロードした画像をプロンプトと組み合わせることもできます。
ただし、ソフトウェアのパッケージとして提供されているため、自分で環境構築する必要があります。「ChatGPTで画像生成したい」という人は、チャレンジしてみると良いでしょう。
なお、下の記事ではChatGPTのプラグイン機能とは何なのか、その特徴を導入方法や使い方も交え詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
ChatGPTを使うときの注意点
ChatGPTは便利なサービスですが、何も気にせずに使うと思わぬ失敗につながることもあります。
そこで、ここからはChatGPTを使うときの注意点を、4つにまとめて紹介します。
情報が必ずしも正しいとは限らない
ChatGPTが回答する情報が必ずしも正しいとは限りません。前述のように、学習データに誤りが含まれることもありますし、ChatGPT自体に内容の妥当性を検証する機能はないためです。
ChatGPTの回答内容を鵜吞みにすると、後で間違いが判明して困ることもあります。実際のところ海外では、ChatGPTが示した嘘の裁判事例を確認せずに使用し、弁護士が多額の罰金を課された事例もあるのです。
こうしたトラブルを防ぐために、ChatGPTの回答を使う場合は必ずファクトチェックを行いましょう。
著作権侵害のリスクがある
ChatGPTに限らず、生成AIには著作権侵害のリスクがあります。ChatGPTはインターネットで公開されているデータから学習しますが、その中には小説や歌詞など、著作物も少なからず含まれるためです。
学習によって獲得したトークンを回答に用いる性質上、どうしても既存作品との重複は生じやすくなります。プロンプトの内容によっては、既存の著作物に酷似した文章が生成されるケースも考えられます。
ChatGPTの回答を使う場合は、インターネット検索などで既存作品と被っていないかのチェックが必要です。
ChatGPTの使用がバレるリスクがある
重要なビジネスシーンや学校の課題などでChatGPTの回答をそのまま使うと、見た人にバレるリスクもあります。ChatGPTで生成した文章は一見すると自然な文章に感じますが、しっかり見ると不自然な箇所があることも多いためです。
また、生成AIが出力した文章かどうかをチェックするツールも存在します。ChatGPTを開発したOpenAI社でさえ「AI Text Classifier」というチェックツールを公開しているほどです。
生成AIの使用が許可されていないシーンでChatGPTの使用がバレると、信頼を大きく損なうことになります。こうした事態を防ぐために、ChatGPTを使ってもよい場面かどうかしっかり考えてから使いましょう。
情報漏洩のリスクがある
ChatGPTのプロンプトに、会社や個人の重要なデータを入力するのはおすすめしません。情報漏洩のリスクがあるためです。
送信したプロンプトは、ChatGPTのサービスを稼働しているOpenAI社のサーバーに送信されます。サーバーの詳細な場所は公表されていないものの、注目度の高さからサイバー攻撃の標的にされるリスクもゼロではありません。
また、ChatGPTはユーザーが送信したプロンプトからも少なからず学習します。自分が入力した重要なデータが、ほかのユーザーの回答に使われてしまうリスクもあるのです。こうしたリスクを把握したうえで利用しましょう。
なお、ChatGPTにプロンプトの内容を学習させない設定をすることで安全性が高まります。ただし、過去の会話履歴を利用できなくなるデメリットもあります。設定したい場合は、次の2ステップを行ってください。
- 1.ChatGPT画面左下にあるアカウント名の部分を選択し、表示される「Settings」をクリックする。
- 2.「Data controls」を選択し「Chat history & training」の設定をオフにする。
上記の設定を行うとプロンプトの入力欄が黒く変わり、会話の内容が学習には使われなくなります。設定を元に戻したい場合は、画面左部の「Enable chat history」をクリックしましょう。
効果的にChatGPTを使うなら
これからのビジネスでは、ChatGPTの活用による業務の効率化が加速するでしょう。業界を問わず、ChatGPTを使いこなせるスキルが就職・転職において求められることが予想されます。
しかし、求職者がこぞってChatGPTスキルを磨く流れになれば、当然ながら他者との差別化は難しくなります。「ChatGPTだけは使えます」では、内定を勝ち取るうえでは心もとないですよね。
そこで有力な戦略となるのが「ChatGPTとプログラミングの掛け算」です。ビジネスに役立つプログラムをChatGPTにより効率的に開発できれば、データ分析や業務効率化が可能となります。
特に、ChatGPTの開発にも使われる「Python」を学べば、AIやIoTといった先端技術の開発も可能となります。ChatGPTスキルとPythonのプログラミングスキルを身につけることで、人材としての価値は高まるでしょう。
ただし、プログラミングを独学する場合は挫折に注意が必要です。弊社の調査によると、プログラミングの独学で「挫折や行き詰まりを感じたことがある」人は約90%にものぼります。
挫折や行き詰まりを感じた理由としては「不明点を聞ける環境になかった」「エラーが解決できなかった」といった声が多数。独学では、何かにつまずいても相談できる相手がいないことが、挫折につながりやすいのです。
調査概要:プログラミング学習の挫折に関するアンケート
調査対象:10代〜80代の男女298名
調査期間:2019年8月13日~8月20日
調査方法:インターネット調査
掲載元:PR TIMES
- ChatGPTの回答が正しいかどうか都度チェックが必要
- そもそもプログラミングの知識がないと適切なプロンプトを作れない
- プログラムよりもプロンプトを書く作業が多くなり、知識が定着しない
- カリキュラムの作成や学習状況の管理はChatGPTだと難しい
こうした問題に直面すると、費用を抑えようとした結果として多くの時間を失うことになりがちです。また、確かなスキルが身につかなければ、多くの時間をかけても就職・転職には活かせません。
ChatGPTやプログラミングのスキルを挫折せず、かつ効率よく身につけるなら、プログラミングスクールの利用が確実です。現役エンジニアの講師に教えてもらえるうえに、最適化されたカリキュラムで効率よく学べます。
なかでも弊社「SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)」であれば、現役エンジニアによるマンツーマンレッスンを完全オンラインで受けられます。カリキュラムをオーダーメイドでき、生徒に合わせた学習が可能です。
特に「業務改善 AI活用コース」では、ChatGPTとPythonのスキルをまとめて習得できます。現役エンジニアへの相談はもちろん、学習コーチによる管理面でのサポート、コンサルタントへのキャリア相談も可能です。
「ChatGPTとプログラミングを両立して、優秀なビジネスパーソンになりたい」という人は、ぜひ無料カウンセリングをお試しください。
無料カウンセリングの詳細を見るChatGPTにまつわるFAQ
最後に、ChatGPTにまつわる「よくある質問」へまとめて回答します。
Q1:ChatGPTは「使えない」って噂は本当?
「ChatGPTは使えない」という声を耳にすることもあるでしょう。こうした意見が挙がるのは、ChatGPTが「使えない」というよりも「使いこなせない」ことが原因であるケースが多いです。
もちろん、ChatGPTにも苦手なこと・できないことはあります。しかし有効活用すれば、さまざまな作業を効率化できるため「使えない」ということは決してありません。
ChatGPTで有用な回答を引き出すためには、プロンプト作成にもテクニックが求められます。「使えない」と嘆くよりも「どうしたら使えるようになるか」を考えるほうが有意義でしょう。
なお、下の記事ではケース別にChatGPTが使えない原因を、対処法も交え詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
Q2:ChatGPT以外にどんな生成AIがあるの?
ChatGPT以外にも、さまざまな生成AIが存在します。代表的なものとして、次の3つを知っておきましょう。
名称 | 概要 |
Bard | Google社が提供する文章生成AI |
Bing AI | Microsoft社の検索エンジン「Bing」に搭載されたチャットAIサービス※内部的にはChatGPTを使用 |
Stable Diffusion | Stability AI社が提供する画像生成AI |
それぞれに異なる特徴があるため、さまざまな生成AIを試してみるのがおすすめです。
Q3:ChatGPTでITエンジニア・プログラマーの仕事はなくなる?
ChatGPTを使うことで、プログラミングが可能だとお伝えしました。プログラムの開発に携わる仕事がなくなる懸念もあるでしょう。しかし、ITエンジニア・プログラマーの仕事は完全にはなくならないと言えます。
プログラミングでChatGPTを使うにしても、適切なプロンプトの作成や、回答のチェックが欠かせません。また、顧客や開発メンバーとのコミュニケーションも行う必要があり、これらすべてをChatGPTで代替するのは困難です。
ただし、高品質な成果物を作れるスキルがないと、仕事が減るリスクは高まるでしょう。これからのIT業界で生き残るためには、現状に満足せず、スキルを継続的に磨いていくことも大切です。
Q4:ChatGPTだけでもプログラミングは可能?
簡単なプログラムであれば、ほぼChatGPTだけでもプログラミングは可能です。しかし実際の開発現場では、プログラマーによるソースコードの手直しや組み立てが必要不可欠です。
ChatGPTの仕様上、何千行・何万行という規模のソースコードをまとめて生成することは不可能です。現実的には、ChatGPTで生成した部分的なソースコードを手直しして、1つのソフトウェアにまとめていく流れになります。
また前述のとおり、そもそもプログラミングの知識がないと正しい指示をChatGPTに出せません。そのため、ChatGPTをプログラミングに活用するとしても、プログラミングスキルは身につけるべきです。
なお、次の記事ではChatGPTでプログラミングの作業を効率化する方法を、言語別のコード例も交え詳しく解説しているので良ければ参考にしてください。
まとめ
今回は、話題となっているChatGPTに関して、次の11点をお伝えしました。
ChatGPTを使うことで、さまざまな作業を効率化できます。ビジネスでの活用も進んでいくと考えられるため、ChatGPTスキルは早めに身につけておきましょう。
ChatGPTの価値をより高めるうえでは、プログラミングと組み合わせることが効果的です。今回の内容を参考にしてChatGPTやプログラミングのスキルを高め、AI時代をリードする人材を目指してください。