この記事では、できることや需要なども交え、JavaScriptの特徴を解説します。
JavaScriptってどんな言語なの?
JavaScriptが扱えるようになると何ができるの?
国内におけるIT人材の不足が深刻化していることもあり、ITエンジニアといったプログラミングスキルがある人材の需要は増し、他の職種に比べ高い報酬を設けるケースが増えてきました。
そんななか、転職や副業での収入獲得に向けたリスキリングを目的に、プログラミングを学びたいと考える人は多いですよね。
なかでも、JavaScriptはほとんどのWebサイトに取り入れられているプログラミング言語です。企業や実際に開発しているユーザーからの評価も高く、今も廃れることなく使われています。
この記事では、そもそもJavaScriptとはどんなプログラミング言語なのか、その特徴を用途やできることも交えわかりやすく解説します。基礎的なJavaScriptの使い方や学び方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
また、次の動画でも「JavaScriptとは何か」を詳しく解説しているので、よければご覧ください。
- JavaScriptはWebサイトに動きをつけるプログラミング言語
- ブラウザさえあれば実行できる点はJavaScriptの大きな特徴
- 世界的な人気の高さから今度もJavaScriptには高い需要が期待できる
JavaScriptとは?
JavaScriptとは、Webサイトを作るために欠かせないプログラミング言語です。ユーザーのブラウザ上で動作し、Webサイトに動きをつけたり、ボタンなどの動作を制御したりできます。
具体的にJavaScriptでできることの例は、次のようにさまざまです。
- ポップアップウィンドウの表示
- 画像の拡大表示
- 入力されたデータの送信(Webサイトの中枢部分へ送信)
- 最新ランキングの表示
- 表示データの並べ替え
- キーワードによる検索
- ブラウザ上で動作するゲームの作成
Webサイトに関わる大抵のことは、JavaScriptを使えば実現できます。JavaScriptは世界中にあるWebサイトのほとんどに使われており、簡単にほかの言語に置き換わることは考えにくいため、将来性の高い言語といえます。
ここからは、JavaScriptがどんな言語なのかをさらに詳しくみていきましょう。
世界的に人気の高いプログラミング言語
JavaScriptは、世界的に人気の高いプログラミング言語です。「ITmedia NEWS」によると「2022年にGitHub上で多く使用されたプログラミング言語」の第1位はJavaScriptでした。
GitHubは、世界中のITエンジニアが利用しているソースコード共有サービスです。つまり、GitHubで最も使われているということは、世界で非常に多くのITエンジニアがJavaScriptを使っていることを意味します。
GitHubをはじめとする参考情報が豊富にあるだけでなく、経験・知識の豊富な先輩エンジニアも多くいます。これからプログラミングを学ぶとしたら、人気の高いJavaScriptは有力な選択肢です。
HTML/CSSとの関係性
JavaScriptについて調べているときに「HTML/CSS」という言葉を見かけた人もいるでしょう。HTML/CSSは、JavaScriptと密接に関係している言語です。
HTML/CSSの詳細については後ほど解説しますが、大まかな関係性を知っておきましょう。料理に例えると、HTML・CSS・JavaScriptの役割はそれぞれ次のように置き換えられます。
- HTML:素材
- CSS:味付け
- JavaScript:調理
HTMLで素材を用意し、CSSで味付けし、JavaScriptで調理することで料理が完成します。これら3つは、Webサイトを制作するうえで欠かせません。しっかり覚えておきましょう。
なお、次の記事ではHTML/CSS・JavaScriptの役割の違いを詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
→ JavaScriptの役割って何?初心者でも分かる特徴を徹底解説
また、次の動画でもHTML・CSS・JavaScriptの役割の違いについてわかりやすく解説しています。
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JavaScriptの特徴6つ
ここからは、JavaScriptの主な特徴を6つにまとめて紹介します。
ブラウザさえあれば実行できる
JavaScriptは、ブラウザさえあれば実行できます。なぜなら一般的なブラウザには、JavaScriptを実行するための機能が標準で搭載されているためです。
同じくWeb開発でよく使われるRuby・PHP・Pythonなどの言語は、実行環境を自分で整える必要があります。しかしJavaScriptはその必要がありません。ブラウザがJavaScriptのプログラムを解釈し、すぐ画面に反映してくれます。
プログラミングの実行環境を準備する段階でつまずき、挫折してしまう人は少なくありません。そのため、それほど複雑な環境構築を行わずに済むJavaScriptの手軽さは、プログラミング初心者にとって重要なポイントです。
Internet ExplorerやMicrosoft Edge、Google Chrome・Firefox・Safariなど、ほぼすべてのブラウザでJavaScriptを実行できます。ただし、各ブラウザによって多少動作が違う場合があるため注意が必要です。
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Webサイトに「動き」をつけられる
JavaScriptに「HTML」や「CSS」を組み合わせることで、Webサイトに「動き」をつけられます。HTMLはWebページの表示要素を定義する言語、CSSはWebページのデザインを定義する言語です。
たとえば、HTMLで表示したボタンの動作をJavaScriptで制御したり、CSSで作ったキャラクターの動きをJavaScriptで制御したりできます。JavaScriptによって幅広い表現が可能となり、Webサイトのクオリティが向上します。
高品質なWebサイトを作成できるのが、JavaScriptが好まれて利用される理由のひとつです。
クリックやキーボード入力に応じてコードを実行できる
JavaScriptでは、マウスでのクリックやキーボード入力に応じて、コード(作ったプログラム)の実行が可能です。ユーザーの操作にあわせてWebサイトの利便性を向上できるのが、JavaScriptの強みといえます。
具体的な事例は、次のとおりです。
- 「住所取得ボタン」をクリックすると、自動的に住所を入力
- 入力途中の内容から、候補となるキーワードを予測して表示
- 入力内容が正しくない場合に警告やエラーを表示
JavaScriptを使うことで、ユーザーの誤操作をカバーしたり、操作の負担を減らしたりできるのです。Webサイトの利便性を上げるうえで、JavaScriptは重要な役割を担っています。
非同期処理が行える
JavaScriptには「非同期処理」を行うための機能が標準搭載されています。非同期処理とは、ある処理が行われている途中で、別の処理に進める仕組みのことです。
たとえば「Googleマップ」では、地図を見ているユーザーの操作を受け付けつつも、周辺の地形を読み込む処理が行われます。そうすることで、ユーザーが表示場所を動かしたときに、素早く新しい地形を表示できるのです。実際に表示されるか、下のGoogleマップを動かしながら試してみてください。
裏で必要な処理を進めておくことで、ユーザーから見たWebサイトの表示や動作がスムーズになります。複数の処理を並行する複雑な非同期処理でも実現できるのが、JavaScriptの魅力の1つです。
サーバーサイドも開発できる
Webシステムは、ユーザーから見える部分の「フロントエンド」、裏方部分の「サーバーサイド」の2要素で構成されます。ブラウザ上で動作するJavaScriptはフロントエンドの開発言語ですが、サーバーサイドの開発も可能です。
前述のように、JavaScriptのプログラムは基本的にブラウザ上で動作します。しかし、「Node.js」というソフトウェアを使うことで、Webサイトのデータを管理する「Webサーバー」上でも動作が可能となります。
そのため、JavaScriptを習得すればフロントエンド開発も、サーバーサイド開発も可能です。JavaScriptを身につけるだけで、Webアプリ開発の選択肢はかなり広がります。
ライブラリ・フレームワークが豊富
JavaScriptには「ライブラリ」や「フレームワーク」が豊富に用意されており、短時間で質の高い機能を作成できます。ライブラリは、開発でよく利用される機能を、簡単に使えるようまとめたもの。
またフレームワークは、アプリケーションやプログラムで共通して使える「枠組み」のようなものです。フレームワークを利用することで、Webアプリやサービスの土台を簡単に構築できます。
JavaScriptのライブラリとして代表的なのは、jQuery(ジェイクエリー)やReact.jsです。Web画面のテキストや入力内容を簡単にJavaScriptで使えるなど、多彩な機能が提供されています。
JavaScriptのフレームワークとして代表的なのは、React(リアクト)やAngular(アンギュラー)、Vue(ビュー)です。
他の言語に比べ、簡単にスタートできるのがJavaScriptの良い点です。プログラミング初心者の方は、いざ学習をしようと思い立っても、環境構築でつまずくことが多いのです。JavaScriptは「とりあえずプログラミングを学び始めてみようかな」という方におすすめのプログラミング言語です。
なお、次の記事ではおすすめのJavaScriptフレームワークをメリット・デメリットも交えて紹介しているので、良ければ参考にしてください。
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JavaScriptの用途・できること
これまでの内容を踏まえ、JavaScriptの用途やできることを整理しましょう。JavaScriptでできることは、主に次の3つです。メインの用途はWebサイトの制作ですが、Webアプリやスマホアプリも開発できます。
用途 | 具体例 |
動きのあるWebサイトの制作 | 侍エンジニアブログ |
Webアプリの開発 | Netflix |
スマホアプリの開発 | Instagram(スマホアプリ版) |
JavaScriptでWebサイトに動きをつけることが可能です。実際、ほとんどのWebサイトで採用されています。この侍エンジニアブログにあるボタンにカーソルを合わせると動きますが、これもJavaScriptにより実現しています。
また、前述したNode.jsを用いればWebサーバー上でも動作させることができるため、Webアプリの開発も可能です。実際「Netflix」などのWebアプリ開発にもJavaScriptが採用されています。
「React Native」などのフレームワークを用いることで、iOS・Android両対応のスマホアプリの開発も可能です。実際に、スマホアプリ版「Instagram」の開発にも、JavaScriptが採用されています。
ほかにも、Googleのサービス上で動く「Google Apps Script」という言語は、JavaScriptがベースとなっています。このように、JavaScriptはWebにとどまらず幅広い用途で使われているプログラミング言語です。
なお、次の記事ではJavaScriptでできることを、作れるものも交え詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。
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JavaScriptの基本的な使い方
ここからは、次のトピック別に基本的なJavaScriptの使い方を紹介します。実際に触れてみることで、JavaScriptがどのようなプログラミング言語なのか、体験しながら理解できるでしょう。
記述ルール
JavaScriptには、大まかに2種類の記述方法があります。先ほど軽く触れたHTMLとJavaScriptを分けるか、分けないかの違いです。
- 1.HTMLファイル内に直接JavaScriptを記述する
- 2.HTMLファイルと分けてJavaScriptを記述する
HTMLファイル内に直接JavaScriptを記述する場合、下記のように「scriptタグ」を使います。<script>と</script>ではさまれた部分にJavaScriptのコードを書いていくのが基本です。
<script> // ここにJavaScriptを記述していく </script>
HTMLファイルと分ける場合は、scriptタグにsrc属性をつけてJavaScriptファイル(拡張子は「.js」)を指定します。たとえば、次のようにHTMLファイルに記述すると「sample.js」ファイルのJavaScriptコードが実行されます。
<script src="sample.js"></script>
どちらの方法でも、HTMLにscriptタグを記述することが欠かせません。また、具体的なJavaScriptのコードの書き方は基本的に同じです。JavaScriptの基礎文法については、後ほど解説します。
実行方法
JavaScriptのプログラムは前述のように、ブラウザさえあれば手軽に実行可能です。ブラウザでHTMLのWebページにアクセスし、ボタンのクリックの操作を行えば、JavaScriptのコードが記述されたとおりに動きます。
例えば、次のコードは「ボタンがクリックされました!」と表示する簡単なプログラムです。詳細は割愛しますが、scriptタグ内にメッセージを表示する処理を入れ、ボタンが押されたときに呼び出しています。
<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="UTF-8"> <title>JavaScriptの基本的な使い方</title> </head> <body> <button onclick="showAlert()">クリックしてください</button> <script> function showAlert() { alert("ボタンがクリックされました!"); } </script> </body> </html>
このコードを動かしたい場合は「sample.html」のような名前で空のHTMLファイルを作成し、そこにコピーアンドペーストしましょう。ファイルをダブルクリックすれば、ブラウザで開けます。
ボタンを押してみると「ボタンがクリックされました!」と表示されるはずです。scriptタグ内に記述したJavaScriptのコードが実行されたことがわかります。
このようにして、JavaScriptのプログラムを記述・実行することが可能です。なお、次の記事ではJavaScriptの書き方を基本ルールやコード例も交えてわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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おすすめのJavaScriptエディタ
JavaScriptに限らず、効率的にプログラミングを行うにはエディタ(文章を編集するソフトウェア)が欠かせません。JavaScriptのプログラミングには、次のような機能があるエディタを選ぶと便利です。
- 入力の補完
- プレビュー表示
- 構文の色分け表示
- ショートカットキー
- 記述ミスのチェック
- 表示などのカスタマイズ
JavaScriptにおすすめの無料エディタには、次のようなものがあります。それぞれ機能やデザインは異なるため、色々なものを試して好みのエディタを探すとよいでしょう。
監修者「金田茂樹さん」からのコメント
JavaScriptは、テキストエディタとブラウザさえあれば簡単に使えます。前述した上記のコードをコピペしながら使ってみると、プログラミングをしている実感がわきますよ。
なお、下の記事ではおすすめのJavaScriptエディタを特徴も交えて紹介しているので、あわせて参考にしてください。
JavaScriptの学習前におさえておきたい言語
JavaScriptの学習を始める場合、前述した「HTML」と「CSS」の事前学習が必要です。2つの言語について、それぞれ順番に解説します。
HTML
「HTML」は、Webページに表示する内容を定義するための言語です。この記事内の文章も、HTMLによって定義されています。Webページのコンテンツを形づくるうえでHTMLは欠かせません。
HTMLは、さまざまなタグでデータをはさむのが特徴です。前述のとおり、JavaScriptのコードはHTMLファイルのscriptタグを用いて記述や呼び出しが行えます。JavaScriptを学ぶ前提としてHTMLは学んでおきましょう。
なお次の記事ではHTMLとは何か、できることや主なタグを交えて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
CSS
CSSは、Webページのデザインをカスタマイズするための言語です。文字やボタンを装飾したり、Webページのレイアウトを調整したりできます。見た目の魅力的なWebページをつくるうえで欠かせません。
CSSで定義したデザインは、HTML内で読み込むことでタグに適用できます。次のコードはCSSの簡単な例です。これをHTMLで読み込むことで、bodyタグに含まれる文字が赤色に変わります(読み込み方法は割愛します)。
/* bodyタグ内の文字を赤色に変更 */ body { color: red; }
CSSはHTMLと組み合わせて使うことが一般的です。また、JavaScriptで動きをつけたいボタンを装飾する、といった際にもCSSを使います。そのため、HTMLとあわせてCSSも学習しておきましょう。
なお次の記事ではCSSとは何か、できることや書き方を交えて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
JavaScriptの基礎文法
ここからは、JavaScriptの基礎文法を7つ紹介します。
データ型
「データ型」とは、データの種類のことです。プログラミングではさまざまなデータ型を扱います。JavaScriptのデータ型も多岐にわたりますが、次の3つが代表的です。
データ型 | 具体例 |
文字列型 | ‘こんにちは’、’侍’ など |
数値型 | 123、0、-456 など |
論理型(本当か嘘か) | true(真) または false(偽) |
扱いたいデータの種類によって、データ型も変える必要があります。JavaScriptに限らず、データ型はプログラミングの基本です。代表的なデータ型は覚えておきましょう。
変数
「変数」とは、データを入れておく「箱」のことです。変数にデータを保管しておいたり、そのデータを計算に使ったりできます。JavaScriptで変数を使う手順は、大まかに次の3ステップです。
- 1.宣言(箱をつくる)
- 2.代入(箱にデータを入れる)
- 3.参照(箱からデータを取り出す)
変数を使うサンプルコードを記載します。スラッシュ2つ(//)で始まる行はコメントと呼ばれ、プログラム内の「メモ書き」のようなものです。また、console.log()にはプログラムのデータを出力する機能があります。
// 変数の宣言 let myName; // 変数への代入 myName = '侍花子'; // 変数の参照 console.log(myName);
JavaScriptでは、let(またはvar)というキーワードで変数を宣言できます。また、宣言した変数には「=」を用いることで、データの代入が可能です。代入したデータは、変数名をそのまま書けば参照できます。
定数
「定数」とは、一度データを入れたら書き換えられない変数のことです。例えば「円周率」のように、変わることのないデータを保持して、繰り返し使いたいときに役立ちます。
定数の宣言にはconstというキーワードを使います。定数は、宣言と同時に代入しなければなりません。次のサンプルコードでは、円周率を「PI」という定数で宣言し、そのデータとして「3.14」をセットしています。
// 定数の宣言・代入 const PI = 3.14; // 以下はエラーになる(定数は書き換えられないため) PI = 3.1415;
後で「3.1415」に再代入しようとしていますが、定数は書き換えられないためエラーになります。このように定数を使うと、間違えて書き換えたくないデータを保持するのに便利です。
条件分岐
「条件分岐」とは、条件を満たすかどうかで処理を分岐させるテクニックのことです。例えば「年齢が13歳以上なら大人料金、13歳未満なら子供料金」のように、状況に応じて処理を切り替えたいときに役立ちます。
JavaScriptの条件分岐は、大まかにif文とswitch文の2種類です。ここでは、より汎用性の高いif文の書き方を紹介します。上記の例をif文に当てはめると、次のように記述可能です。
const age = 12; // 年齢を設定 if (age >= 13) { console.log("大人料金"); } else { console.log("子供料金"); }
「if (age >= 13)」の部分で、年齢が格納された変数「age」が13歳以上かどうかを判定しています。13歳以上なら最初の{ }に入り「大人料金」と出力。そうでなければelse句の{ }に入り「子供料金」と出力されます。
上記の例では、年齢を12歳としているため、if文の条件を満たしません。そのため、else句の「子供料金」が出力されます。if文の条件分岐は使いどころが多いため、基本を押さえておきましょう。
繰り返し処理
「繰り返し処理」とは、パターンの決まった処理を繰り返すテクニックのことです。繰り返し処理を用いることで、同じようなコードを何行も書かずに済むため、プログラミングの無駄を減らせます。
例えば「1から5までの数字を繰り返し出力」したいとしましょう。先ほどのconsole.log()を用いて普通に記述すると、次のようになります。似たような処理が5行もあり、無駄に感じる人が多いでしょう。
console.log(1); console.log(2); console.log(3); console.log(4); console.log(5);
そこで、繰り返し処理のfor文を用いると、同じ処理を次のように書けます。console.log()が1行にまとめられました。ループカウンタ(繰り返し回数をカウントする変数)の「i」を1~5の順番に変化させ、処理を繰り返しています。
for (let i = 1; i <= 5; i++) { console.log(i); }
なお、JavaScriptの繰り返し処理にはfor文とwhile文の2種類があります。while文は、繰り返し回数が決まっていない(ランダムに変わる)場合に使える構文です。詳細は、後ほど紹介する記事を参考にしてください。
配列
「配列」とは、複数のデータをまとめて管理できる変数のことです。同じ種類のデータを数多く管理しないといけない場合、配列にすると管理がしやすくなります。
例えば「開発部」「人事部」「営業部」という部署があった場合、それぞれ別の変数として扱うと煩雑です。そこで配列を使うと、次のように1つの変数にまとめて部署を扱えます。
// 配列の宣言 const departments = [ '開発部', '人事部', '営業部' ];
配列の宣言には、定数と同じconstを使うことが一般的です。これは、データの書き換えに制約のあるconstのほうが、予期せぬ動作を防げるため。ただしconst宣言でも、次のように部分的なデータの書き換えは可能です。
// 2番目のデータを更新(要素番号は0始まりのため[1]を指定) departments[1] = '総務部';
このように、配列内の特定データの代入・参照では”配列名[要素番号]”と指定します。ただし、配列の要素番号は0から始まる点に注意が必要です。例えば、上記の配列departmentsは3要素ですが、要素番号は[0]~[2]となります。
そのため、3番目のデータ(営業部)を表示したい場合、次のようにdepartments[2]と指定します。
// 3番目のデータを参照して出力 console.log(departments[2]);
配列は多くのデータを効率よく管理できるテクニックです。しっかり覚えておきましょう。
関数
「関数」とは、処理を1つにまとめて再利用できるようにする仕組みのことです。例えば「価格に送料500円をプラスした合計金額を表示する」のように、パターンが決まった処理を関数にすることで無駄を減らせます。
JavaScriptで関数を使う手順は、大まかに次の2ステップです。
- 1.定義(関数をつくる)
- 2.呼び出し(つくった関数を実行する)
上記の例を関数にする場合、定義は次のようになります。functionというキーワードを使うことで関数を定義できます。アロー関数という書き方もありますが、ここでは割愛します。
// 送料込みの合計金額を表示する関数 function getTotalPrice(price) { // 送料500円をプラス const totalPrice = price + 500; // 合計金額を返す console.log('送料込みで' + totalPrice + '円です。'); }
価格(price)に対して500円をプラスし、定数totalPriceに代入し、その値をconsole.log()で表示しています。このように、関数にすることで「計算処理」と「出力処理」といった複数の処理をまとめることが可能です。
定義した関数は、次のように呼び出せます。価格を( )内に指定するだけで、上記の計算処理・出力処理がまとめて行われます。
getTotalPrice(1000); // 1000円の送料込み価格を表示 getTotalPrice(2000); // 2000円の送料込み価格を表示 getTotalPrice(3000); // 3000円の送料込み価格を表示
上記のプログラムを実行した結果は、次のとおりです。
送料込みで1500円です。 送料込みで2500円です。 送料込みで3500円です。
このように関数を使うことで、パターンが決まった処理を無駄なく行えます。なお、JavaScriptの基礎文法について詳しく知りたい人は、次の記事も参考にしてください。
コメント
「コメント」とは、プログラムの注釈(コメント)を残しておける機能のことです。特に初心者の内は、自分が書いたコードが何をしているのかわからなくなってしまうことがあります。
プログラムの注釈としてコメントをコード部分に入れたい場合は「//」を先頭に記述すると行末までコメントとして扱われます。コメントがあれば処理の内容がわかるため、大きく流れが切り替わるタイミングや変数の説明などに使いましょう。
num = 5; //numに5を代入
複数行コメントしたい場合は「/」~「/」で囲むことでコメントを残せます。
/*
let x = 5;
let y = 10;
*/
初心者は、コメントもぜひ覚えておきたい機能です。
JavaScriptの学習ロードマップ
JavaScriptを学習するときには、次のロードマップに沿って進むのがおすすめです。
- 1.HTML・CSSを勉強する
- 2.JavaScriptの文法・構文を勉強する
- 3.ライブラリを勉強する
- 4.JavaScriptの環境構築を行う
- 5.フレームワークを勉強する
- 6.JavaScriptの開発実践を繰り返す
JavaScriptは、Web開発に使われることが多い言語です。そのため、まずはWebサイトを作るのに欠かせないHTMLやCSSを学んでおきましょう。
次に、学習サイトなどを利用してJavaScriptの文法・構文を学習します。文法や構文がある程度わかるようになったら、次はライブラリについて学びましょう。
ここまで進んだら、JavaScriptの環境構築を行います。それほど難しい作業は必要ありません。Webサービスを利用するか、エディタを使用するのが一般的なやり方です。
環境構築ができたら、フレームワークを学びましょう。その後はアニメーションの作成など、さまざまなJavaScriptの実践を繰り返していきます。Webサイトを自由に動かせるように、JavaScriptのスキルを磨いていきましょう。
次の記事では独学者向けのJavaScript勉強方法を、おすすめ本や学習サイトも交え詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
→ JavaScript初心者の独学勉強法まとめ!おすすめ本・サイトも紹介
また、JavaScript初心者向けの学習ロードマップを詳しく知りたい人には、次の記事もおすすめです。
→ 【JavaScript完全入門ガイド】初心者向け学習ロードマップ必勝正攻法
挫折なくJavaScriptを習得するには
先ほど述べたとおり、JavaScriptは初心者にも学びやすいプログラミング言語です。しかし、初学者のなかにはJavaScriptといったプログラミング言語の習得に挫折する人も多くいます。
事実、弊社の調査では
- 不明点を聞ける環境になかった
- エラーが解決できなかった
- モチベーションが続かなかった
などの理由から、87.5%が「プログラミング学習で挫折や行き詰まりを感じた」と回答しています。
またこうした背景もあってか、弊社がプログラミングに興味がある人100名へ実施した別の調査では
- 確実にスキルを身につけられると思ったから
- 独学では不安がある
- 効率よく学べそう
などの理由から、61%が「プログラミングの勉強を始めるならスクールを選ぶ」と回答しています。
加えて、プログラミングスクールの卒業生に「独学ではなくスクールを活用した理由」を聞いたところ「できるだけ短い期間でITエンジニアへの転職や副業に必要なスキルを身につけたかった」という回答も多く寄せられました(※1)。
上記から、1人でプログラミングスキルを習得できるか不安な人や短期間でスキルを習得したい人ほど確実性を求め、現役エンジニアといったプロの講師に質問できるプログラミングスクールを利用する傾向にあることがわかります。
いざ独学でプログラミングを学び始めても、勉強の最中に挫折してしまっては「プログラミングスキルを身につけるのって思っていたよりも難しいんだな…」とJavaScriptの習得自体を諦めかねません。
また、JavaScriptの学習にあたってはHTMLやCSSの事前学習を行っているはずです。JavaScriptで挫折すれば、それまでに学んだHTMLやCSSの学習にかけた時間も無駄になり悔やむことになるでしょう。
仮にわからないことを飛ばしながら勉強を進めたとしても、ITエンジニアへの転職や副業での収入獲得を実現できる実践的なスキルが身につかなければ、結局後悔することになります。
そこで、おすすめしたいのが「SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)」です。
分割料金 | 一括料金 | 受講期間 |
---|---|---|
4,098円~ | 16万5,000円~ | 1ヶ月~ |
- 転職・副業・独立などの目的に特化したコースあり
- 累計指導実績4万5,000名以上
- 給付金活用で受講料が最大80%OFF
侍エンジニアをおすすめする最大の理由は「挫折しづらい学習環境」にあります。
冒頭で述べたとおり、独学者の多くは自力で不明点やエラーを解決できないためにプログラミング学習を挫折しています。そのため、初心者が現役エンジニアのようなプロに質問・相談できない状況でJavaScriptを習得するのは非常に難易度が高いといえます。
しかし、侍エンジニアでは
- 現役エンジニア講師によるマンツーマンレッスン
- 現役エンジニアに質問できるオンラインでのQ&Aサービス
- 不安や悩み・勉強の進み具合を相談できる学習コーチ
といったサポート体制を整えているため、学習中に出てきたわからないことや不明点をいつでも相談可能です。「受講生の学習完了率98%」「転職成功率99%」という実績からも、侍エンジニアなら挫折しづらい環境でJavaScript言語の学習を進められるといえます。
また、侍エンジニアでは受講生一人ひとりの目的をヒアリングしたうえでカリキュラムを作成するため、限られた受講期間でもITエンジニアへの転職や副業での収入獲得に必要なプログラミングスキルだけを効率的に習得可能です。
最短距離で目的を実現できるようカリキュラムが組まれているため、勉強する順番や内容を誤り非効率に時間や手間を費やす心配もありません。
なお、侍エンジニアでは最大80%OFFで受講可能な「給付金コース」を提供中。金銭面での支援を受けつつ、理想のキャリア実現に向けたスキルの習得から、転職活動・就業後のフォローアップ(※1)までを一貫してサポートしてもらえます。
学習と金銭面をどちらもサポートしてくれる侍エンジニアなら、未経験からでも安心してITエンジニアへの転職や副業での収入獲得などの目的が実現できますよ。
公式サイトで詳細を見るJavaScriptにまつわるFAQ
最後に、JavaScriptの初心者が抱えがちな疑問へ回答します。
Java言語とは何が違うの?
JavaScriptと名前の似ている「Java」は、名前が似ているだけで別のプログラミング言語です。JavaScriptとJavaで似ている文法もありますが、用途は全く違います。
JavaScriptは前述のように、Webのフロントエンド開発が得意な言語です。一方、JavaはWebのサーバーサイド開発でよく使われます。Javaは、ほかにも業務システムやAndroidスマホアプリなど、幅広い開発が可能です。
もともとJavaScriptは「LiveScript」という名前で開発されていました。しかしJavaは当時から絶大な人気を誇っており、その勢いに乗るために「JavaScript」に変更したと言われています。
名前が変更された1995年から、マイクロソフト社の「Internet Explorer」を含め、いくつかのブラウザで使われるようになりました。現在でもJavaScriptは毎年のようにバージョンアップされており、便利な機能が追加され続けています。
監修者「金田茂樹さん」からのコメント
JavaScriptとJavaは全然違うものです。これを言い間違えると「業界」で恥ずかしい思いをします。お気を付けください!
なお、下の記事ではJavaとJavaScriptの違いを詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
スマホ上でJavaScriptを有効にする方法は?
スマホのブラウザだと、JavaScriptが無効になっている場合があります。Webサイトに動きをつけたい場合は、ブラウザの設定を開き、JavaScriptを有効にしましょう。
iOSの標準ブラウザ「Safari」の場合は、設定→Safari→詳細の順に遷移し、「JavaScript」の設定項目を有効にすればOKです。Androidの標準ブラウザの場合は、設定オプションから「詳細設定」を開き、「JavaScript」の設定項目を有効にしてください。
スマホの機種やブラウザによって設定手順が異なる場合があるため、注意が必要です。ただし、基本的にはブラウザの設定を変更すれば問題ありません。
なお、次の記事ではパソコンやスマホのブラウザでJavaScriptを有効にする方法を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
JavaScriptに将来性はあるの?
JavaScriptは将来性が高く、今後も需要が見込まれるプログラミング言語です。
前述のように、JavaScriptはほとんどのWebサイトに使われています。開発言語の変更は手間やリスクをともなうため、ほかの言語に置き換えられることは考えにくいでしょう。
実際、多くの企業がホームページや自社サービスにJavaScriptを採用しています。こうした既存サイトの機能追加・仕様変更はもちろん、新規サイトの立ち上げも含めて、今後もJavaScriptの高い需要は続くと考えられます。
これからエンジニアを目指す場合、JavaScriptを身につければ仕事の幅が大きく広がるでしょう。未経験でも就職・転職しやすい言語のため、これからプログラミングを学ぶ人にJavaScriptはおすすめです。
なお、下の記事では需要や年収の観点でJavaScriptの転職事情を詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
JavaScriptを使用するITエンジニアの平均年収は?
ITやテクノロジーに関するメディア「TECH Street」は「2020年プログラミング言語別年収ランキング」を発表しています。このランキングは、「doda」会員である20~50代のITエンジニアに調査した結果を集計したもの。
JavaScriptを使用しているエンジニアの平均年収は、年代別に次のとおりです。
次に、エンジニア全体の年代別の平均年収を見てみましょう。
上記2つのデータを比較すると、JavaScriptを利用しているエンジニアの平均年収は、どの年代でもエンジニア全体の平均年収より高いことがわかります。JavaScriptエンジニアが高年収なのは、次のような理由が考えられます。
- Webサイト制作やWebアプリ開発に欠かせず、高需要なため
- さまざまなことを実現できる分、仕事内容も豊富なため
需要が高いJavaScriptは仕事を獲得しやすい上に、できることが幅広いため仕事内容も豊富です。こうした理由からエンジニアとしての稼働率が上がりやすく、収入アップにつながっていると考えられます。
監修者「金田茂樹さん」からのコメント
もはや「JavaScriptなしではサイトの制作は成り立たない」と言われるくらい、JavaScriptは大事なプログラミング言語です。 学習を始めやすく、わからないところが解決しやすい。つまり、JavaScriptはプログラミングの初心者に最適な言語です。とりあえず勉強してみて損はないと思います。
なお、次の記事ではJavaScriptエンジニアの年収を、高い理由や働き方の特徴も交え紹介しているので良ければ参考にしてください。
まとめ
今回は、そもそもJavaScriptとはどんなプログラミング言語なのか、その特徴を用途やできることも交えて解説しました。
JavaScriptは複雑な環境構築が不要で手軽に始められるため、初心者でも学びやすい言語です。ただし色々なことが実現できる分、JavaScriptの仕事では色々なテクニックが求められます。JavaScriptを仕事で活かすなら、確かなスキルを身につけることが大切です。
本記事を参考に、ぜひJavaScriptの学習を進めてみてください。なお、独学に不安のある人はプログラミングスクールを活用するのもおすすめです。
この記事のおさらい
JavaScriptとは、Webブラウザ上で動くプログラミング言語です。ほとんどのWebサイトで利用されています。
JavaScriptでできることの代表的な例は次の3つです。
・Webサイトに動きを加える
・イベントに対して動作させる
・非同期通信
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下の記事では、JavaScriptを使ったゲーム開発の方法を、おすすめサンプルも交えて紹介しているのでぜひ参考にしてください。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
フリーランスエンジニア
【プロフィール】
株式会社エスワイシステムにて、社内システム開発や業務用Webシステムの開発に従事。その後、独立しWeb制作やIT業務の活用支援、プログラミング教育サービス事業を行うフリーランスとして活躍中。
【専門分野】
Web開発(HTML/CSS,JavaScript,PHP,Laravel,Vue,Inertia.js など)
【保有資格】
ITパスポート
監修者「金田茂樹さん」からのコメント
フルスタックエンジニア兼プログラミングスクール講師