未経験からでもPythonエンジニアになれるの?
Pythonエンジニアになるために必要な資格・スキルは?
この記事をご覧の方は、このような悩みを持っているが多いのではないでしょうか?
Pythonは近年人気が高いプログラミング言語で、AI(人工知能)やデータ解析、Webアプリケーションなどさまざまな分野で用いられています。
本記事では、Pythonエンジニアの仕事内容や転職市場の動向から、未経験からPythonエンジニアに転職するためのノウハウまでご紹介します。これからPythonを勉強してエンジニアに転職したい、もしくはPythonエンジニアに興味があるという方はぜひ最後までご覧ください。
この記事の目次
Pythonエンジニアの仕事内容

Pythonエンジニアの仕事内容は、大きく以下の3種類に分けられます。
- 機械学習
- データ解析
- アプリケーション開発
Pythonは機械学習やデータ解析の分野で用いられることが多いプログラミング言語ですが、時にはアプリケーション開発でもPythonが採用されることがあります。
一部Pythonで開発されているサービスとして代表的なものはYouTube・Instagram・Spotify・Dropbox・Evernoteで、特に海外のテック系企業ではPythonエンジニアの採用が盛んです。
さらに機械学習やAIと関連して、ビッグデータなどを解析する際にもPythonが用いられています。
このようにPythonエンジニアの仕事内容はさまざまですが、大きく「機械学習(AI)」「データ分析やビッグデータの活用」「Webアプリケーション開発」に分かれると覚えておくと良いでしょう。
Pythonエンジニアの転職市場
ではここからはPythonエンジニアの転職市場について、下記3つを解説します。
- Pythonエンジニアの求人数は少ないが、増加傾向にある
- Pythonエンジニアの平均年収は575万円
- Pythonエンジニアの求人例
Pythonエンジニアの求人数は少ないが、増加傾向にある

人材紹介サイトのレバテックキャリアの調査によると、Pythonエンジニアの求人数自体はそれほど多くないものの、これから微増状態が続いていくようです。
下記の図は、レバテックキャリアが4つの転職サイトの求人情報を言語別に調査した結果を表にしたもの。ご覧の通り、システム開発やAndroidアプリの開発に使われるJava、サーバー系言語のPHPに比べると、Pythonの求人数はかなり少ないと言えます。

その一方で、ウェブサイト制作に使われるCSSや、Webサービス開発などに使われるRubyに比べると、Python求人の方が多く、このことから、Pythonエンジニアに対する求人が極端に少ないという訳ではないこともわかります。
今までPythonは、PHPやRubyなどに比べて開発コストがかかることや、人工知能の開発やデータ分析などの比較的限られた分野で使われる言語であることが原因で、求人数が限られていました。
しかし最近では、利用できるPython用のライブラリやフレームワークも増えてきていますし、今後ますますAIやビッグデータの分析などの需要が増えることが見込まれます。そのため急激にではないものの、求人数も今後伸びていくことが予想されています。
ちなみに現役エンジニア100名にアンケート調査を実施したところ「将来性が高いと感じるプログラミング言語」はPythonでした。

調査概要:プログラミング言語に関するアンケート
調査期間:2021/9/20~2021/10/1
調査対象:クラウドワークスに登録している現役エンジニア100名
調査媒体:クラウドワークス
掲載元:PR TIMES
特にPythonがメインである「人工知能」や「ビッグデータ」の分野では、Pythonエンジニアのニーズが高まっているといえるでしょう。
需要に対して供給が追いついていない現状を受けて、Pythonエンジニアが高額の年収で募集されているケースもあります。
Pythonエンジニアの平均年収は575万円
Pythonエンジニアに転職するとどの程度の年収を得られるのかという予測は、これから転職を考えている人にとって重要な指標になるのではないでしょうか。
求人検索エンジン「スタンバイ」を運営するBIZREACHの調査によると、2018年のPythonエンジニアの平均年収は575.1万円で、プログラミング言語全体のなかで3番目の位置です。

国税庁の民間給与実態調査によると、2018年の平均給与は432万円となっているため、比較的高い給与水準を狙えることが分かります。
またPythonに関連する職種にAIエンジニアがありますが、求人ボックス調査によると2021年3月時点でのAIエンジニアの平均年収は約599万円。同じPythonエンジニアでも、AI(人工知能)やデータ解析、Webアプリケーションの開発など、職種によっても収入に違いがあることが分かります。

Pythonエンジニアの詳しい年収は下記の記事にもまとめていますので、併せてご覧ください。

Pythonエンジニアの求人例
Pythonエンジニアの実際の求人例を見てみましょう。
Pythonエンジニアの求人例1

こちらの求人は、実務未経験OKの求人です。Webアプリケーション開発をメインとしており、サーバーサイドでPythonを採用しています。
応募必須条件
- 個人開発をしている方 ※GitHub等ソースコードがわかるものが必須
- 開発が好きな方
- セルフマネジメントが出来る方
Pythonエンジニアの求人例2

こちらは、開発経験がある人向けの求人です。PythonやPHPを使って社内システムの開発、保守をします。
応募必須条件
- PHP/Pythonいずれかを使ったWebシステム開発実務経験
- MySQLを用いたWebシステム開発の実務経験
- Gitを利用した開発経験
Pythonエンジニア転職に求められるスキルとレベル

ここからは、Pythonエンジニアの転職で求められるスキルとレベルについて解説します。
- 2〜3年の実務経験
- Python以外の言語や技術に関する知識
- Pythonに関する資格
- 機械学習・AI・データ分析に関する知識
Pythonエンジニアに転職するために必要なこれらの要素について、順番に解説します。
2〜3年の実務経験
1つめは、実務経験についてです。
一般的に実務経験があるエンジニアは即戦力になると見なされやすいため、エンジニア転職において実務経験は非常に大切です。実務経験ありと見なされる目安は、2~3年。
大手企業や目指すポジションによっては、5年程度の実務経験が求められることもあります。またマネジメント経験があればさらに大きなアピールポイントとなるでしょう。
一方で数は少ないですが、実務経験なし~1年程度の実務経験でも応募可能な求人もあります。そのような企業は入社後にどれくらい努力できるかや、Python以外に現場で使える知識があるかを問われる場合が多いです。
例えば他の言語での開発経験がある場合は、他の言語での開発経験+Pythonの独学経験でアピールするのも効果的でしょう。
Python以外の言語や技術に関する知識

2つめは、Python以外の言語や技術に関する知識です。
実務経験の説明でもお話ししましたが、Pythonに限らず他のプログラミング言語を用いた開発経験がある場合も転職では有利になりやすい傾向があります。
またPythonエンジニアになっても、Pythonのみで開発をするわけではありません。例えばWebアプリケーション開発に携わるのであれば、HTMLやCSSといった基本的なWebの知識も求められます。
自分がやりたいことや作りたいものが見つかったら、Python以外にも身に付けるべき知識がないか調べてみるとよいでしょう。
機械学習・AI・データ分析に関する知識
3つめは、機械学習・AI・データ分析に関する知識です。
Python人気が高まっている背景には、機械学習やAI、データ分析の発展にともない、Pythonの需要が増えたという理由があります。企業も機械学習やデータ分析の分野で活躍できるPythonエンジニアを求めている例が多々あります。
そのためこれらの分野でPythonエンジニアを目指す方は、機械学習・AI・データ分析などそれぞれの分野の知識が必須です。
Pythonに関する資格

4つめは資格。エンジニア転職において、資格は自分の実力をアピールするための武器になります。
しかし資格を取ることを目標にするのではなく、あくまで個人でポートフォリオなどを作成したうえで、さらに知識を深めるために資格勉強をするとよいでしょう。
資格勉強がメインになってしまうと、肝心の開発経験を積むことができません。これらを理解したうえで、どのような資格がよいのかは次の章にまとめています。
Pythonエンジニアへの転職に有利な資格

ここからは、Python資格の資格について解説します。Pythonに関する資格には、Python3エンジニア認定基礎試験とPython3エンジニア認定データ分析試験があります。
資格を取得するメリットは、Pythonの知識がどのくらいあるか証明できることと、資格試験の勉強を通して体系的にPythonの勉強ができること。
どちらの資格も比較的新しい試験で難易度もさほど高くないため、今のうちに受験しておくといいでしょう。
Python3エンジニア認定基礎試験

Python3エンジニア認定基礎試験では、文法の基礎が身に付いているかどうか問われます。受験概要は下記の通り。
- 開催時期:通年
- 開催場所:全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター
- 申込URL:http://cbt.odyssey-com.co.jp/pythonic-exam.html
- 受験料金:1万円(税別) 学割5千円(税別)
- 問題数:40問(すべて選択問題)
- 試験時間:60分
- 合格ライン:正答率70%
出題範囲は、オライリー・ジャパン「Pythonチュートリアル 第3版」の掲載内容を中心に、一般的な知識からも出題されます。
Python3エンジニア認定データ分析試験

Python3エンジニア認定データ分析試験では、Pythonを使ったデータ分析の基礎や方法が問われます。受験概要は下記の通り。
- 開催時期:通年
- 開催場所:全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター
- 申込URL:http://cbt.odyssey-com.co.jp/pythonic-exam.html
- 受験料金:1万円(税別) 学割5千円(税別)
- 問題数:40問(すべて選択問題)
- 試験時間:60分
- 合格ライン:正答率70%
出題範囲は、主教材である翔泳社「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」の内容から出題されます。
【未経験者向け】Pythonエンジニアへの転職に必要なこと

ここまで、Pythonエンジニアに転職するために必要なスキルや資格について解説してきました。とはいえPython未経験者であれば何から始めればよいか分からないという方も多いでしょう。
ここからはそのような方に向けて、未経験者がPythonエンジニアとして転職するために必要なことを3つご紹介します。
- 業界や仕事内容を知り、目標を定めよう
- Pythonのスキルを身につけよう
- ポートフォリオを作成しよう
業界や仕事内容を知り、目標を定めよう
Pythonエンジニアへの転職で必要なことの1つめが、業界を知り目標を定めることです。
これはPythonに限らずエンジニア転職全体に言えることですが、
- なぜPythonエンジニアになりたいか
- Pythonを習得してどのようなサービスの開発に携わりたいか
などの目標が無ければ、プログラミング学習で挫折してしまう可能性があります。
まだPythonについて良く分からないという方は、Pythonを使って何ができるかや、実際にPythonで作られたサービスを知ることで業界や仕事内容をイメージしやすくなります。
Pythonのスキルを身につけよう

Pythonエンジニアへの転職で必要なこと2つめが、Pythonの知識を身に付けることです。
Pythonエンジニアになるためには、Pythonの基本的なプログラミングスキルを身に付ける必要があります。
Pythonは近年人気が出ている言語なので、オンラインでの学習サイトや入門書籍も充実しています。自分に合ったレベルの学習教材を選んで、開発環境の構築からプログラミングスキルまで身に付けましょう。
具体的な書籍や学習サイトについては、以下の記事で紹介しています。


ポートフォリオを作成しよう
Pythonエンジニアへの転職で必要なこと3つめが、ポートフォリオの作成です。
エンジニア転職では自ら開発したWebサイトやサービスをいうポートフォリオとして企業に提出することで、スキルレベルをアピールできます。
Pythonエンジニアに限らず、ポートフォリオはエンジニア転職を有利に進めるための武器になります。自らのスキルレベルや学習意欲をアピールするために、企業から一目置かれるようなポートフォリオを作成してみましょう。
ポートフォリオの詳しい作り方はこちらの記事にまとめていますので、併せてご覧ください。

Pythonエンジニアに転職する方法

Pythonエンジニアに転職する方法は色々ありますが、今回は
- 転職エージェントを利用する
- プログラミングスクールを利用する
の2つを解説します。
自らのスキル習得レベルに合わせて、好きな方を選んでみてください。
転職エージェントを利用する
ある程度Pythonの知識がある方やエンジニアとしての実務経験がある方には、転職エージェントの利用がおすすめ。転職エージェントには、あらゆる職種の仕事を紹介する総合転職エージェントと、特化型転職エージェントの2種類があります。
エンジニアに特化した転職エージェントなら、エンジニアの求人数も多く、エンジニア業界出身者の担当者からのアドバイスを受けることが可能です。
ここではエンジニアの転職に強い、おすすめの特化型転職エージェントを紹介します。
レバテックキャリア

レバテックキャリアは、ITエンジニアとデザイナーのための転職エージェント。専門性の高いアドバイザーがあなたの強みに合った、企業を紹介し転職までしっかりサポートします。
また非公開求人を含め、人気のある優良ベンチャー企業や新規サービスの中核メンバー募集など厳選された求人を豊富に保有しているのも特徴です。
マイナビエージェントIT

マイナビエージェントITは、株式会社マイナビが運営する、IT・Web業界へ転職に特化した転職エージェントです。
エンジニアに特化した転職エージェントの場合、都市圏の求人が中心ですが、マイナビエージェントITは都心部だけでなく、地方の優良中小企業やベンチャー企業の求人も豊富です。
ギークリー

ギークリーは、IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェント。首都圏勤務の案件を中心に、10,000件以上の非公開求人を保有しています。
またギークリー独自のノウハウにより、登録から転職までの期間が1ヶ月と他社に比べて内定までのスピードが早いのが特徴です。
プログラミングスクールを利用する

プログラミング完全未経験者の場合は、プログラミングスクールの利用がおすすめです。未経験者の場合は求人を探すよりも、Pythonに触れて知識を身に付ける必要があります。
とはいえプログラミングに触れたことがない人が勉強を始めると、右も左も分からずに挫折してしまうケースが後を絶ちません。そのため、プログラミング未経験者はスクールを活用するのも一つの手です。
弊社「侍エンジニア」では、現役エンジニア講師によるマンツーマンレッスン、個人のレベルに合わせたオーダーメイドカリキュラムの作成をしており、あなたに合った学習プランをお作りしています。
学習の進捗管理はもちろん、いつでも質問・相談できる体制も完備。さらに、専任キャリアコンサルタントによる徹底した転職サポートも備えています。
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また以下の記事でPythonが学べるプログラミングスクールもまとめていますので、気になる方は併せてご覧ください。

まとめ
今回はPythonエンジニアの仕事内容や転職市場、Pyhtonエンジニア転職に求められることについて解説しました。
Pythonは汎用性が高く、あらゆる分野で活躍できるプログラミング言語です。ぜひこの機会にPythonを身に付けて、エンジニア転職を目指してみてはいかがでしょうか。
この記事のおさらい
まだ求人数は少ないが、増加傾向にあります。平均年収は575万円で、Pythonを使った「AIエンジニア」の仕事になれば平均年収は約599万円です。
エンジニアとしての2〜3年の実務経験とプログラミングそのものに関する知識。その他、即戦力で転職するならPythonに関する資格や機械学習・AI・データ分析に関する知識もあるといいでしょう。
転職エージェントを利用する方法と、プログラミングスクールを利用する方法の2種類があります。プログラミング未経験者やPythonをまだ扱ったことがない方はスクールがおすすめです!