ChatGPTで業務を効率化できないかな?
業務に活用できるイメージが湧かない…
「ChatGPTを使えば業務を効率化できる」といった噂を聞き、仕事に活用しようとしている人は多いですよね。
また、Twitter等でChatGPTを活用し業務の効率化を実現している人は見るものの、どうやればいいのかイメージが湧かない人もいるはず。
そこで、この記事ではChatGPTで効率化できる業務を、企業の導入事例も交えて紹介します。業務効率化にChatGPTを活用する手順や利用時の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
なお、次の記事ではそもそもChatGPTとは何なのか、その特徴をサービスの仕組みやできること、料金なども踏まえ詳しく解説しているので良ければ参考にしてください。
→ ChatGPTとは何かをわかりやすく解説!仕組みやできることも簡単に紹介
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。
およそ10社に1社がChatGPT等のAIツールを業務に活用
企業に対するリサーチを行う「帝国データバンク」の調査から、AIツールを業務に導入している企業は約9.1%と現状ではまだそれほど多くないことがわかります。しかし、すでに52%の企業は何らかの活用を検討しているようです。
すでにChatGPTの利用を推進している企業もあります。
例えば、デジタルマーケティングを手がけるナイル株式会社では社内での業務改善やマーケティング業務などへの生成AI実装に取り組んでいます(参考:PR TIMES)。福利厚生として、有料版「ChatGPT Plus」の利用料金を全額補助していることもポイントです。
他にも、ChatGPTの導入企業では活用した感想として次のような声が寄せられています。
また、傾向として規模が大きい企業ほど積極的にChatGPTを導入していることもわかります。
業務に活用するイメージが湧き、実際に業務の効率化が実現できれば自社のコストは下がります。コスト削減は利益に直結するため、他社に差をつけることもできるでしょう。
このようにいえる理由を、ChatGPTの活用度合いや業務に利用されていない背景も交えて解説します。
半数以上は業務での活用を検討中
前述したとおり、約9.1%の企業がChatGPTを業務に活用している一方、活用を検討はしているものの「活用のイメージが湧かない」といった状況の企業が、約4割もあります。
上記から「使ってみたい」とは考えているものの、あくまでも資料のたたき台や業務へのアドバイスができる程度のものと感じている企業もあることがわかります。なかには、社員の能力低下を不安視する声もありました。
「試しに使ってみた」「今後の動向を踏まえて長期的に取り組む」といった声からは、今すぐに何かに使うのではなく、将来を見据えながら少しずつ導入を進めたい企業の意識もわかります。
今後、活用方法などが広く知られるようになると、多くの企業がChatGPTをはじめとしたAIツールを導入する可能性があるといえるでしょう。
約2割の企業は業務への活用を検討していない
なかには、次のような理由からChatGPT等AIツールの業務活用を検討していない企業もあります。
「信頼できるレベルにない」「AIサービスがシステムに組み込まれる状態になっていない」といった声から、AIをどのように活用すれば業務効率化につながるかイメージできていないことがうかがえます。
こうした企業が、自社に合ったAIの活用方法を見つければ、すぐにAIの導入が進む可能性もあるのです。早いうちに業務に活用するイメージが湧き、実際に業務の効率化が実現できれば、他社と差をつけられる可能性があります。
ChatGPTで効率化できる業務10選
ここからは、ChatGPTで効率化できる主な業務を10個紹介します。
問い合わせへの対応業務
ChatGPTのようなAIツールを導入すると、問い合わせへの対応業務を効率化できます。事前に想定されるQ&Aを学習させておくことで、顧客や社内での問い合わせ業務への対応が可能です。
ChatGPTは、APIを活用すると外部のデータと接続できます。APIを利用して想定されるQ&AとChatGPTを接続したBotを作成しておけば、入力された問い合わせの内容を判断し、質問に対して適切と考えられる回答を送信できます。
ChatGPTを導入しない場合、常に問い合わせ対応のための人員を用意しておかなければなりません。また、従業員の労働環境を考えると、問い合わせの対応時間を決めておく必要もあるでしょう。
ChatGPTを導入すれば、問い合わせ対応のための人員を減らせます。また、ChatGPTが回答できる範囲の問い合わせであれば年中無休で対応可能です。
そのため、ChatGPTを導入すると問い合わせへの対応業務を効率化できます。
文章の作成業務
ChatGPTの導入によって、文章の作成業務も効率化可能です。
ビジネスシーンでは、メールをはじめとして文章の作成が必要となるシーンが多くあります。
ChatGPTは、大量の言語データを学習しています。その中には、さまざまな文章の構造やビジネスシーンでよく使われる言葉も含まれているのです。
そのため、ChatGPTに指示を出せば、利用シーンにあった文章の作成が可能です。
メール作成のイメージは次のとおりです。
自分自身で文章を作成する場合、利用シーンに合わせて適切な文面を考え、制作しなければなりません。しかしChatGPTがあれば、利用シーンや目的を入力するだけで文章を作成可能です。
短時間で必要な文章を作成でき、業務効率化につながります。
制作物の添削/修正業務
ChatGPTを使えば、さまざまな制作物の添削/修正業務も効率化できます。
例えば、クライアント向けの報告書を作成したものの読みづらいと感じたときには、ChatGPTを活用して添削すると便利です。報告書の文章を入力し、読みやすくするにはどうしたらよいか質問すれば、修正のアイディアを得られます。
ChatGPTを活用した添削のイメージは次のとおりです。
自分自身の制作物は、客観的な視点がないと欠点に気がつかないこともあります。しかしChatGPTを活用して添削すれば、より完成度の高い制作物を作れるでしょう。
一度添削を行うことで、修正作業を減らせる可能性もあります。
他者からのアドバイスを得たいときにも、ChatGPTは非常に便利です。
情報の収集業務
ChatGPTは情報収集にも活用できます。
プラグインを活用すれば、Web上からさまざまな情報を集められます。さらに、集めた情報を要約し、必要に応じて表にするなどわかりやすく整理することもできるのです。
また、長い文章をあらかじめ学習させておき、文章に関して質問することで必要な情報だけをピックアップすることもできます。
情報収集のイメージは次のとおりです。
ChatGPTを導入していないと、担当者がひとつひとつ情報を確認し、まとめなければならないケースもあるでしょう。専門的な分野であれば、論文などを読まなければならない場合もあります。
ChatGPTを活用することで、情報収集にかかる時間を減らせます。
データ/資料の分析業務
ChatGPTでは、データや資料の分析も可能です。
例えば、販売データをChatGPTに読み込ませれば傾向や売れやすい商品の特徴などを分析できます。また、販売傾向をグラフなどで視覚化することも可能です。
ChatGPTは、内部でPythonを動かす仕組みを持っています。そのため、データを読み込むだけでなくグラフなどを使って可視化することもできるのです。
人間が分析する場合には多くのデータから共通点を見つけるなど時間をかけて分析しなければなりませんが、ChatGPTを使えば指示を出すだけで分析が完了します。
時間がかかりがちなデータや資料の分析も、ChatGPTを使えば短時間で進められます。
社内での共有業務
ChatGPTのようなAIツールは、社内での知識共有にも有効です。
業務に関するノウハウを文章で残している企業は多くありますが、必要な情報にアクセスするために手間がかかることも少なくありません。しかし、AIにノウハウを学習させておけば、チャット形式で質問するだけで必要な情報を得られます。
ChatGPTはあらかじめ膨大な量の文章を学習し、言葉のつながりを学んでいます。そのため、入力された質問に対して自然な回答はどのようなものか、文章のつながりから判断できるのです。
チャット形式で知識を引き出せるため、情報を探す手間もかかりません。また、情報が見つからず困ってしまうことも避けられるでしょう。
SNSの運用業務
SNSの運用も、ChatGPTを活用して効率化できます。
SNSを人が運用する場合、ターゲットに合わせてどんなコンテンツを出すべきか考える必要があります。過去の投稿を分析し、反応が良かった投稿の特徴をつかんでおく必要もあるでしょう。
ChatGPTを使えば、ターゲットにあったコンテンツの案を短時間で大量に作成できます。ChatGPTが学習した文章の中には、さまざまな人をターゲットとしたものが含まれているためです。
現状ではそのままSNSに投稿できるほど質の高いものを作るのは難しいのですが、アイデアがあるだけでも運用の時間は短縮できるでしょう。SNS投稿の作成イメージは次のとおりです。
また、SNSの運用データを集めておけば、前述のとおりデータ分析もChatGPTで効率化できます。
ChatGPTを活用することで、アイディアや分析などに時間をかけず、コンテンツ作成に力を入れたSNS運用を実現できます。
広告クリエイティブの制作業務
ChatGPTは、広告クリエイティブの制作にも便利です。
広告クリエイティブの作成とは、キャッチコピーや画像を制作することです。効果的な広告を作成するためには、ターゲットや市場の分析も欠かせません。
ChatGPTを使用しない場合、人の力で市場調査のために大量のデータを集め、特定の傾向を見つけ出す必要があります。また、いくつものキャッチコピーを作成し比較しながら最終的に利用するものを決定します。
ChatGPTを利用すれば、データの収集から分析まで効率化が可能です。また、大量のキャッチコピー生成も短時間でできるため、業務を効率化できます。
例えばログリー株式会社では、広告クリエイティブの作成とターゲットに合わせた訴求内容の調整を自動化できるツールを提供しています。効果の高いクリエイティブを選択することでテキストの自動生成が可能なツールで、作成だけでなく運用の効率化も可能です。
広告クリエイティブの制作と分析を効率化することで、より効果的な広告を作成できる可能性が高まります。
社員への教育/研修業務
ChatGPTは、社員への教育/研修業務にも活用できます。
社員への教育/研修業務では、新入社員に業務を教えるだけでなく、特定の役職に向けたトレーニングや多くの社員を対象としたスキルアップ研修なども行います。
ChatGPTを使えば、各社員のスキルに合わせて個別に研修内容をカスタマイズすることが可能です。さらに、研修中社員からの質問受け付けや、要求に応じたまとめやテストなどの作成もできます。
ChatGPTは、入力された内容に対して返答します。そのため、それぞれの社員に合った内容を提供できるのです。
従来のやり方では、多くの社員に同じ内容の研修を行うか、担当者が主導で学習内容の調整を行うしかありません。しかしChatGPTを活用した場合、手間をかけずに各個人に合わせた研修が可能です。
その分研修にかかる時間も短くなると期待できます。社員への教育/研修業務の効率化によって、より多くの時間を本来の業務に使える可能性があるのです。
社員登用/採用業務
ChatGPTは、社員登用/採用業務の効率化にも役立ちます。
社員登用/採用業務とは、社員を新しく雇うために必要な業務を指します。社員登用/採用の際にChatGPTを活用すると、求人情報の作成や応募者のスクリーニングなどの効率化が可能です。
ChatGPTは、入力した情報から自動的に求人広告に掲載する文章や表を作成できます。また、データを分析し次の面接に進むべき応募者をピックアップすることもできるのです。
ChatGPTには、学習素材として多くの求人広告も利用されています。そのため、入力された情報と今までに学習した内容を組み合わせて、新しい求人広告の文章を作成可能です。
ChatGPTを利用しない場合、求人広告は人の手で作らなければなりません。また、次の選考に進むべき人も面接を担当した社員が決めなければならず、人数が多いと手間がかかります。
障がいの有無にかかわらず働ける社会を目指す株式会社アクティベートラボでは、ChatGPT APIを活用した採用システムを開発しています。システムを利用することで、職歴やスキルをもとに適切な配属を行うとともに、配属先のメンバーや当事者へ適切な情報提供が可能です。
ChatGPTを活用することで、採用のプロセスだけでなく情報共有も効率化できます。
なお、次の記事ではChatGPTがどのようにビジネスで使われているのか、その活用例を詳しく解説しているので良ければ参考にしてください。
ChatGPTで業務効率化を実現した企業事例
ここからは、ChatGPTで業務効率化を実現した企業の事例を、6つ紹介します。
質問/相談業務を効率化した「株式会社MILIZE」
金融サービスを提供する株式会社MILIZEでは、ChatGPTを活用した金融アドバイスサービスを提供しています。
上記で紹介したチャットによる問い合わせ対応と似たような仕組みで、あらかじめ想定される質問を組み込んでおけば、自動的に返答可能です。
LINEを利用するツールで、トーク画面から質問を投稿すると会話形式で解答が得られます。金融の情報を書籍などから得ようとすると複雑な文章を読まなければならない場合もありますが、このサービスを利用すれば簡単に回答が得られるのです。
条件を指定しての質問も可能なため、自分の今の状況に合わせた回答を得ることも可能。AIが自動で回答するため、24時間いつでも利用できます。
電話対応業務を効率化した「株式会社Widsley」
クラウドアプリケーションの開発を行っている株式会社Widsleyでは、ChatGPTを活用した電話応対業務の効率化ツールを提供しています。
このツールを利用すれば、通話内容の文字起こしと要約が可能。必要に応じて文字起こしをする手間を削減できます。
ChatGPTは、音声ファイルから文字への変換が可能です。さらに、膨大な学習データから会話として自然なつながりを判断できるため、漢字変換などもおおむね正しく実行できます。
さらに、文字に起こすことで客観的に状況を把握できる点もメリットです。今後は、商談品質の向上を目的としたアップデートも予定されています。
連絡文書の作成業務を効率化した「GMOペパボ株式会社」
GMOインターネットグループのGMOペパボ株式会社では、連絡文書の作成業務を効率化するツールを提供しています。
チームや教室を運営するうえで、全員に向けたお知らせを作成するのはよくあることです。このツールを利用すると、簡単な箇条書きや条件設定から自動でお知らせの文面を作成できます。
ChatGPTは、お知らせに使われる文章のスタイルも学習しています。そのため、情報だけを箇条書きすればお知らせとして公開するのに適した文章を作成可能です。
お知らせの文章作成の手間を削減することで、運営のためにより重要度の高い業務に力を注げるようになるでしょう。
社内資料/データの分析業務を効率化した「パナソニックコネクト」
多くの業界を対象とした産業機器やソフトウェアの開発を行っているパナソニックコネクトでは、ChatGPTを活用して資料や提案書の作成やデータ分析を行っています。
自由記述アンケートを対象とした感情分析の実施では、人間が作業すれば9時間かかる可能性がある分析を6分で完了しました。
ChatGPTは、感情と言葉の結びつきも学習しています。そのため、人間が結果を確認するよりも高速に感情分析が可能です。
また、製品情報に基づいたプレスリリースの文章や各種資料、会議のタイムテーブルなどの作成にもChatGPTを活用しているとのことです。
ChatGPTの活用によって業務を効率化するだけでなく、社員のAIリテラシー/スキル向上も期待されています。
Twitterの運用業務を効率化した「株式会社100(ハンドレット)」
HubSpotダイヤモンドパートナーである株式会社100(ハンドレット)では、ChatGPTを活用したTwitterの運用実験を始めました。
ChatGPTを活用し、HubSpotの障害情報や海外の有益な情報などを自動で発信する試みを実施しています。ChatGPTは、使われている用語などから自社のビジネスに関連するニュースをピックアップ可能です。
完全に自動化するわけではなく人力での投稿と併用しての運用です。
実験により、どのようにアカウントが変化するか注目してみるのもよいでしょう。
社員教育を効率化した「MENTA株式会社」
メンターと相談者のマッチングサービスを提供するMENTA株式会社は、エンジニア向けのスキルアップLINEアプリをリリースしました。
LINEを利用してAIに質問することで、日常の隙間時間をスキルアップに活用できます。質問だけでなく壁打ちにも活用できるほか、クイズやTipsなど楽しく学べる工夫が盛り込まれているのもポイントです。
ChatGPTは、事前に学習したデータをもとに人間より早く多くのアイデアを提供できます。また、プログラミング言語も学習教材として活用されているため、エンジニア向けにコードの解説もできるのです。
ちょっとした時間の活用で、エンジニアのスキルアップを期待できます。
業務効率化にChatGPTを活用する5STEP
なかには、実際にChatGPTをどう業務へ活用すればいいのか、イメージが湧かない人もいますよね。
そこで、ここからは業務効率化にChatGPTを活用する手順を、5つのステップにまとめて紹介します。
STEP1:効率化したい業務を明確にする
まずは業務のプロセスを洗い出し、効率化できる部分を明確にしましょう。
1つの業務は、いくつものプロセスで構成されています。その中で、どのプロセスを効率化すべきか考えなければなりません。
例えばSNSを更新する場合、次のようなプロセスが考えられます。
- 業界のトレンドや自社が発表する製品に合わせてネタを選ぶ
- ユーザーに興味を持ってもらえるようコンテンツを作成する
- 完成したコンテンツに問題がないかチェックする
- SNSサイトに投稿する
実際の作業をイメージしながら、どのようなプロセスが必要か考えてみてください。具体的には、次のような業務を選ぶのが効果的です。
- 時間がかかっている業務
- 繰り返し何度も行う業務
- 人の思考を必要としない単純作業
上記のSNS投稿の例であれば、コンテンツの作成案をChatGPTに生成してもらい、そこから担当者が効率化したい業務の中で、上記のような特徴を持つプロセスがないか確認してみましょう。
STEP2:目指す効率化の目標を具体化する
効率化したい業務を決めたら、次に目標を具体化しましょう。
目標がなければ、効果的に効率化を進められているのか判断する指標がありません。ChatGPTを利用するメリットがあるか判断するためにも、必ず事前に目標を定めておく必要があります。
例えば問い合わせ対応の効率化を行う場合「顧客からの問い合わせへの応答時間を半分に短縮する」といった目標が考えられます。
数値を用いて、できるだけ具体的な目標を設定するのがポイントです。
STEP3:業務効率化に必要な情報を共有する
ChatGPTを業務効率化に活用するために、必要な情報を共有しなければなりません。
ChatGPTは、何もチューニングしないままだと一般的な回答しか返ってきません。例えば内線電話のかけ方をChatGPTに質問すると、次のような回答が返ってきます。
上記の通り一般的な回答しか得られないため、自社での内線のかけ方を回答してほしいのであればあらかじめ情報を学習させておく必要があるのです。
問い合わせ対応に利用する場合であれば、自社の規約や利用マニュアルなどを学習させておきましょう。効率化する業務の内容に合わせて、どのような情報を共有すればよいか考えてみてください。
STEP4:ChatGPTをテスト導入する
情報の共有が完了したら、ChatGPTをテスト導入します。
いきなり本格的に導入するのではなく、まずは少しずつ利用をスタートしましょう。事前に設定した目標に基づき、次のような観点から評価を行います。
- 正確性
- 応答速度
- 顧客満足度
事前の目標を達成できていない場合には、必要に応じて調整をしてください。問題がないようであれば、順次目標としていた範囲まで活用を広げましょう。
STEP5:定期的にChatGPTの挙動を改善する
一度導入したら終わりではなく、活用しながら定期的にChatGPTの挙動を改善する必要があります。
ChatGPTは常にアップデートしています。また、業務内容に変更が生じることもあるでしょう。
そうした変更に加え、ユーザーからのフィードバックなども取り入れながら設定を改善します。より快適で効率的に活用できるよう、定期的に改善を続けてください。
ChatGPT以外でおすすめの業務効率化ツール6選
実のところ、ChatGPT以外にも業務の効率化へ役立つツールは存在します。
そこで、ここからはChatGPT以外で業務効率化におすすめのツールを6つ紹介します。
zapier
zapierは、ノーコードでアプリを連携し、業務を自動化できるツールです。
5,000以上のアプリと連携が可能で、自分の業務に合わせた自動化プログラムを作成できます。プログラミングができなくても、自然言語で自動化タスクの作成が可能な点も魅力です。
例えば、Gmailに領収書や請求書などが届いた時に、情報を自動で会計ソフトに転送するようなアプリを作成できます。
自分の仕事を自動化し、本来の仕事に集中したい人におすすめです。
Notion
Notionは、ドキュメントやプロジェクトを一括で管理できるツールです。
さまざまな種類の情報を1箇所にまとめて管理できるため、あちこちに保存した情報を探す手間を減らせます。AIが導入されており、活用すればより高度な自動化や情報分析が可能です。
タスク・ドキュメント・スケジュール・プロジェクトなどをそれぞれ別のツールで管理している企業も多いかと思いますが、情報が分散していると各ツールを確認するだけでも大変です。Notionであれば、すべてを1箇所で管理できます。
情報を一元管理したい人や、チームでプロジェクト情報を共有したい人におすすめです。
Perplexity
Perplexityは、ユーザーの問いに対して回答を返すスタイルで利用できる検索エンジンです。
幅広い問いに対しての回答が得られ、通常の検索エンジンのようにWebサイトを参照する必要はありません。プレミアムプランを活用すれば、GPT−4へのアクセスも可能です。
通常Webで検索する場合には、検索キーワードを入力して表示されたWebサイトにアクセスし、情報を調べなければなりません。しかしPerplexityを使えば、質問を入力するだけで回答が得られます。
質問に対する回答を素早く得たい人におすすめです。
GitHub Copilot
GitHub Copilotは、プログラミングをする時にコードや関数の提案を行うツールです。
ユーザーは、提案されたコードを確認し、必要に応じて修正を加えればプログラムを作成可能。自然言語をコードに変換して提案してくれるため、プログラミングのスピードが格段にアップします。
例えばプログラミングの最中に「ユーザーの年齢を表示する」とコメントを入れたとしましょう。すると、ユーザーの年齢を表示するためのコードを提案してくれます。
プログラミングを効率化したい人はもちろん、新しい言語やフレームワークを学びたい人にも適しています。
Octoparse
Octoparseは、コーディング不要で利用できるWebスクレイピングツールです。Webスクレイピングとは、Web上に公開されている情報を自動で収集することを指します。
AIを活用し、ユーザーが収集したいと考えている情報を自動的に検出するため、エンジニアでなくても使いやすいでしょう。クラウド上で稼働するため、24時間365日いつでも休まず情報収集が可能です。
例えば、同じような商品を販売している別のECサイトからの価格データ収集や、業界のトレンドニュース収集に役立ちます。
データ収集を自動化し、業務を効率化したい人におすすめです。
kintone
kintoneは、プログラミングなしでアプリケーションを作成できるツールです。
自社の業務にあわせてアプリケーションをカスタマイズできるだけでなく、高度なセキュリティ機能を備えているのもポイント。情報をまとめて管理することも可能です。
各メンバーが自分のタスク進捗を入力すると、それぞれが一覧で確認できるようになります。管理者は、各個人に向けた進捗確認を行う必要はありません。
プログラミングスキルがなくても、自社の業務に合ったアプリケーションを構築したい人におすすめです。
プログラミングなしでアプリケーションを作成できるノーコードツールは、次の記事で詳しく紹介しているためぜひご覧ください。
ChatGPTで業務効率化を進める際の注意点
ChatGPTを活用して業務を効率化する際は、機密情報や個人情報の取り扱いに注意が必要です。
現状ではChatGPTに入力した情報が学習に使われることはありません。しかし、それでも情報漏洩が発生する可能性があります。
情報漏洩が発生する理由は次のとおりです。
- サーバーやネットワークのセキュリティ
- ユーザー端末のセキュリティ
- APIキーの管理
ChatGPTを利用する時には、インターネットで通信します。そのため通常IT関連のツールを利用する場合と同様に、サーバーやネットワーク・ユーザー端末のセキュリティ不備によって情報漏洩が発生することがあります。
また、ChatGPTをツール上で利用する際に必要なAPIキーの管理不足も、情報漏洩の要因です。APIキーが漏洩してしまった場合、第三者の不正ななりすましによる情報漏洩が発生する可能性があります。
ChatGPTを利用する場合には、端末やネットワーク・ユーザー端末のセキュリティを強化しましょう。APIキーの適切な管理も欠かせません。
また、そもそも個人情報や機密情報はChatGPTに入力せずに運用できるよう、活用方法を考えることも重要です。どんなに対策をしても「絶対」はないため、万が一漏洩が起きても問題ないデータだけを入力するのがよいでしょう。
効果的にChatGPTで業務効率化を目指すなら
ここまでさまざまなChatGPTによる業務効率化の方法を紹介しましたが、自社では具体的にどのように導入を進めればよいかわからないとお悩みの人もいますよね。
ChatGPTを使った業務効率化を進めておかないと、他の企業との競争に負けてしまう可能性があります。
できるだけ早くChatGPTを活用した業務効率化を進めたいなら、SAMURAI ENGINEERの「業務改善AI活用コース」がおすすめです。
業務改善AI活用コースでは、ChatGPTに適切な指示を出すためのプロンプトエンジニアリングを学べます。さらにプログラミングの活用方法を学ぶことで、データ処理や分析、タスクの自動化などが可能です。
ChatGPTだけでもある程度便利に活用できますが、プログラミングスキルがあれば細かい部分を自分でカスタマイズしながら業務効率化ツールを構築できます。つまり、プログラミングスキルを身につければさらに効果的な業務効率化を目指せるのです。
経験豊富な現役エンジニアによるマンツーマンレッスンで、挫折せず学習を進められるのが特徴です。レッスン以外の時間帯には、Q&A掲示板を利用して質問できます。
卒業後も教材やQ&A掲示板、転職サポートは引き続き利用可能です。ChatGPTを活用した本格的な業務効率化に取り組みたい人は、ぜひ無料カウンセリングでご相談ください。
公式サイトで詳細を見るまとめ
この記事では、ChatGPTで効率化できる業務を、企業の導入事例も交えて紹介しました。
ChatGPTを利用した業務効率化に興味を持っている企業は多いものの、実際に導入している企業はまだ少ないのが実状です。今のうちにChatGPTの導入方法をイメージしておけば、他社に差をつけられるでしょう。
ChatGPTを使えば、さまざまな業務効率化が可能です。この記事を参考に、ChatGPTの導入を検討してみてください。
不動産業(PR TIMES 帝国データバンクの記事より引用)