Webエンジニアからキャリアアップできる職業ってどれだろう?
別の職種へのキャリアアップもできるみたいだけど、どれを選んだらいいの?
と悩んでいませんか?
そこで、この記事ではWebエンジニアのキャリアパスを、下記のカテゴリー別に選び方も交えてご紹介します。
- 技術職
- マネジメント職
- 別職種
- フリーランス
この記事を読んであなたの理想のキャリアパスを見つけてください。
なお、Webエンジニアの仕事内容や就職・転職のノウハウについては下記記事で詳しく説明しています。今回の内容とあわせてぜひ読んでみてください。

この記事の監修者
株式会社SAMURAI
SAMURAI ENGINEER Blog編集部
日本初の現役エンジニア講師によるマンツーマン専門プログラミングスクールを運営。卒業生は累計28,000名以上。挫折しないプログラミングスクールNo.1にも選ばれています。2013年創業以来の運営で得た知見をもとに、プログラミング学習・スクールの選び方・エンジニアのキャリアについて専門的な立場から解説します。
この記事の目次
Webエンジニアのキャリアの選び方
Webエンジニアの具体的なキャリアパスの前に、キャリアの選び方についてご紹介します。キャリアを選ぶ際のポイントは下記の3つです。
- 自己分析をして適性を知る
- キャリア目標を決める
- キャリアパスの将来性をチェックする
1つずつ解説いたします。
自己分析をして適性を知る
将来のキャリアを選ぶ前に、まずは徹底的に自己分析をして自身の適性を把握しましょう。適性を知ることで、より自分に合ったキャリアを選びやすくなります。
これまで経験した仕事について「楽しいと思ったこと」や「得意な作業」といったポジティブなもの、その反対に「辛いと思ったこと」や「苦手な作業」といったネガティブなものをリストアップしていきましょう。これにより、自分自身の強みと弱みの傾向を理解することができます。
自分自身の適性が分かっていないと、強みを活かせないキャリアを選んでしまう可能性もあります。また、苦手な業務を続けることで、ストレスを感じてしまい、最終的には心身に影響が出てしまうリスクも小さくありません。
挫折の原因を作らないためにも、キャリアを計画する段階で自己分析により、潜在的な部分も含めて自分自身を良く知ることが大事です。
キャリア目標を決める
自分の適性について理解したところで、次はキャリアの目標を決めることが大切です。
- 5年後・10年後になりたいエンジニア像
- やりたい業務
- 希望年収
などをできるだけ具体的に決めることで、自ずとキャリアパスが見えてきます。自分の適性と目標をもとに、自分に合ったキャリアを選ぶと良いでしょう。
キャリアパスの将来性をチェックする
キャリアを選ぶ際は、できるだけ長く活躍できる、あるいはできるだけ仕事や収入が多い職種が良いですよね。
そのため、キャリアパスを考える際には、そのキャリアの将来性をチェックすることも大事です。将来性が高いキャリアであれば転職先や案件の多さも期待できます。
キャリアの将来性を判断するのは、とても難しいことです。ただ、インターネットや書籍などを見れば関連する情報を得ることができます。こうしたさまざまな情報をもとに総合的にキャリアの将来性を予測すると良いでしょう。
【技術職】Webエンジニアのキャリアパス

ここまではキャリアの選び方についてのポイントを解説しました。ここからはWebエンジニアの技術職に関するキャリアパスをご紹介します。
今回ご紹介する技術職関連のキャリアパスは下記の4つです。
- ITスペシャリスト
- ITアーキテクト
- テックリード
- フルスタックエンジニア
1つずつ見ていきましょう
ITスペシャリスト
ITスペシャリストという職種には、明確な定義はなく、ITに関する専門家の総称です。
たとえば、開発の要素としては下記のようなものがあります。
- ネットワーク
- サーバー
- データベース
- セキュリティ
- システム管理
1つのアプリケーションを開発するためには、このように幅広い分野を考慮する必要があります。
ただし、1人のエンジニアがこれらすべてを対応するのは現実的ではありません。そのため、各分野に精通した専門家がいるのです。こういったある特定の分野について、豊富なスキルや知識を有する専門家をITスペシャリストと呼んでいます。
ちなみに、ITSS(IT人材の職種や能力をIPAが定義したもの)によれば、ITスペシャリストは「ITSSにおける標準レベルの知識を要しており、ある特定の分野について、豊富なスキルや知識を有する専門家であること」と定義されています。
なお、求人ボックス 給料ナビによれば、ITスペシャリストの平均年収は約570万円です。スキル次第では1,000万円も狙えるため、年収的にもかなり魅力的であることがわかります。

求められるスキル
ITスペシャリストに求められるスキルは、各分野に対する極めて専門的な知識です。
IPAが定義しているITスキル標準では、達成度指標として7段階のレベルが定義されています。ITスペシャリストにあたるレベル4では、「自らのスキルを活用することによって、独力で業務上の課題の発見と解決をリードするレベル」と定義されています。
つまり、ITスペシャリストは、ある特定の分野において、人の助けを借りることなく自分1人で解決まで導くことができるレベルのスキルが必要といえるでしょう。
将来性
ITスペシャリストの将来性は、基本的に高いといえます。
特に、ITスペシャリストの中でも、セキュリティスペシャリストの将来性は極めて高いと予想することができます。
昨今ではインターネットを中心としたサイバー犯罪が増加しています。それらの影響もあり、セキュリティの重要性について再認識されつつある状況です。こういったトラブルに対応したり未然に防いだりするセキュリティスペシャリストは必要不可欠と言えます。
一方、ネットワーク、サーバーといった分野においては、急激にクラウド化が進んでいます。どちらも重要な要素ではありますが、スペシャリストとして活躍するためには、既存の知識だけではなく常に知識をアップデートしていくことが求められます。
こんな人におすすめ
- 特定の分野についてとことん極めたいと考えている人
- 好きな分野がはっきりとしている人
ITスペシャリストは、それぞれの分野をリードするエンジニアです。そのため、その分野に対する圧倒的な知識や経験が必要となります。
ITアーキテクト
ITアーキテクトは、企業の経営計画を見据えて、ITシステムのあるべき姿を検討し、その実現方法を検討するのが主な仕事です。
ITアーキテクト以外の職種もビジネスパーソンである以上、企業の経営計画を把握しておく必要があります。ですが、ITシステムは最低でも数年、長い場合は十数年程度使用します。
ITアーキテクトは、このような長期的な視点でアーキテクチャを構築することが求められます。
そのため、3~5年の中期経営計画、5~10年の長期経営計画を正しく理解しておく必要があります。
なお、求人ボックス 給料ナビによれば、ITアーキテクトの平均年収は約717万円ということです。求められるスキルも高いですが、そのリターンもかなり高額であるといえます。

求められるスキル
ITアーキテクトは、ITシステム全体の在り方を決定する必要があります。これを実現するためには、インフラ面までを含めたシステム全体に関する知識やスキルはもちろん、対象のアプリケーション開発に関するスキルが求められます。
また、1つのITシステムを開発するためには、さまざまな人々が関与しています。クライアントはもちろんですが、開発側であっても、インフラ部門、アプリケーション部門、営業部門といった具合です。ITシステムをあるべき姿に導くためには、こういったステークホルダーと交渉・調整するスキルも必要です。
将来性
ITアーキテクトの将来性は、かなり高いです。
近年のITシステムは、さまざまな要素が複雑に絡み合ってつくられています。クラウド、AI、IoTといった最先端技術などは、その一例です。
一方でビジネス状況を見ると、ビジネス全体の流れは加速し続けています。開発面では難易度が高い開発が増えながら、ビジネス面ではよりスピーディーさを求められるという、二律背反ともいえるようなプロジェクトが増えているのです。
開発側とビジネス側といったそれぞれの課題を解決するためには、ITアーキテクトの仕事である「ITシステムをどうつくるか」にかかっているといえるでしょう。
こんな人におすすめ
- ゼロからモノを生み出すのが好きな人
- システムのあるべき姿にこだわりを持っている人
ITアーキテクトは、ITシステムのあるべき姿や骨組みを考え、生み出していく仕事です。自身がゼロから生み出したシステムが無事に稼働したとき時、あるいはビジネス的な価値を生み出したとき、大きなやりがいを感じることでしょう。
テックリード
テックリードは主に下記3つの業務をこなす職種です。
- 開発チームの技術的なリーディング
- ITシステムの品質管理
- 開発チームとクライアント・他部署をつなぐ
テックリードは、海外ではメジャーな職種ですが、近年日本でも開発チームに配置する企業が増加しています。
求められるスキル
テックリードは、前述したとおり開発チームの技術リーダーです。そのため、幅広く高い技術力が求められます。また、クライアントや他部署と円滑にものごとをすすめるコミュニケーションスキルも必要です。
特に、クライアントや自社の他部署とやりとりする際は、専門用語などが分からない方も多くいます。そのような、技術に精通していない方に対して分かりやすく説明して、プロジェクトを推進することもテックリードに必要なスキルです。
将来性
テックリードの将来性は高いです。
日本ではまだまだテックリードの絶対数が少ないです。一方でテックリードの需要があがりはじめているため、将来性は十分にあるといえるでしょう。
現在、日本は深刻なエンジニア不足の状態が続いています。この問題はすぐに解消できるものではないため、エンジニアになって間もないジュニア層に活躍が求められます。このようなジュニア層のエンジニアに、能力以上のパフォーマンスを発揮してもらうためには、テックリードの存在が必要不可欠なのです。
こんな人におすすめ
- 物事を他人に教えるのが好きな人
- 自分のスキルをチームに還元することにやりがいを感じる人
テックリードは、自身が身につけた高水準のスキルを、他の人にアウトプットする仕事ともいえます。開発チームのメンバー、技術に疎いビジネス部門のメンバー、ITシステムを導入するクライアントなど、さまざまなシーンで「教える」必要があります。
フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアとは、システム開発に必要となる一連の業務を手掛けることができる万能エンジニアです。1つのアプリケーションを開発するためには、さまざまなスキルが必要となります。
具体的には、Webアプリケーションのフロントエンドであればフロントエンドエンジニア、サーバーサイドであればサーバーサイドエンジニアが開発を担当しますし、ネットワークやサーバーといったインフラの構築はインフラエンジニアが担当します。
また、セキュリティ面については、セキュリティエンジニアが担当します。このように、専門分野や開発の工程別に分業することで、開発を進めていくのが一般的な開発スタイルです。
フルスタックエンジニアは、前述したようなさまざまな分野や開発工程の作業を1人で対応することができます。
そのため、プロジェクトによっては、インフラ構築、フロントエンド開発、サーバーサイド開発などを1人で対応するケースもあれば、それぞれの工程の担当として仕事を行うケースもあります。
開発の作業すべてに対して高い専門性を発揮しつつ、開発体制にも柔軟性をもたらすことができる存在がフルスタックエンジニアなのです。
求められるスキル
フルスタックエンジニアには、最低限次の業務ができるスキルが求められます。
- 要件定義
- 基本設計
- 開発
- テスト
- 保守・運用
フルスタックエンジニアは、開発工程のすべてを1人で対応する必要があります。一般的に開発は要件定義からはじまり、設計、製造、テスト、運用・保守といった流れで進みますが、これらすべての工程に対応できるスキルが求められます。
また、アプリケーションだけではなく、サーバー、ネットワーク、データベースなどといったインフラ面についても、あらゆる分野の専門的なスキルが必要となります。さらにはセキュリティなどの非機能要件に該当する部分についても、しっかりと対応できることが求められます。
将来性
フルスタックエンジニアの将来性は高いといえます。
企業にとって、IT化あるいはDX化は喫緊の課題となっています。
企業が競争力を維持するために、そしてさらに成長していくためには、迅速にITシステムを構築していく必要があるのです。
DX化の一環としてWebアプリケーションを開発する場合、大企業や資金に余裕のある会社であれば、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアといった2種類のエンジニアを採用して、分業制で進めるのが良いでしょう。
ただし、中小企業やスタートアップ企業の場合は、資金的に余裕がないケースも多く、複数名のエンジニアを雇えないことがあります。その一方で、大企業や競合他社に対抗するためには、より速いスピードを求められます。
これを解決する1つの解が、フルスタックエンジニアです。フルスタックエンジニアであれば、1人で広範囲の業務を担当することが可能です。また、コミュニケーションロスなどもないため、生産性の向上も期待できます。
現在、日本でも働き方が少しずつ変わりはじめており、政府も副業や兼業を推進しています。超高齢化時代を迎え、人生100年といわれる時代になってきました。
この長い人生を生き抜くためには、1つの会社にしがみつくだけではなく、自らの経験を活かして起業するケースが増えてくることでしょう。そうなれば、フルスタックエンジニアが活躍できるフィールドはまずます広がるはずです。
これを実現するためには、1人でさまざまなことを対応できるフルスタックエンジニアの存在が必要不可欠なのです。
こんな人におすすめ
- さまざまな分野に興味がある人
- 多くのスキルを幅広く身につけたい人
フルスタックエンジニアになるためには、多くの学習や経験が必要です。そのため、簡単になれるものではありません。ただし、フルスタックエンジニアを求める企業は増加しているため、努力した分以上のリターンを期待することができるでしょう。
フルスタックエンジニアについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

【マネジメント職】Webエンジニアのキャリアパス

Webエンジニアのキャリアパスは、技術系だけではありません。マネジメント系も1つの選択肢として考えておきましょう。ここではマネジメント系の職種として、下記の2つをご紹介します。
- システムエンジニア
- プロジェクトマネージャ
システムエンジニア
システムエンジニアも他のIT関連の職種と同様に、明確な定義はありません。一般的には、SIer業界において要件定義や基本設計といった上流工程を担当するエンジニアを指すケースが多いです。
ただし、企業やプロジェクトによっては、開発チームや外部ベンダー企業のマネジメント業務を兼任することも少なくありません。また、経験が豊かなシステムエンジニアは、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーの補佐としての役割を担うこともあります。
傾向としては、比較的小さめのプロジェクトにおいて、システムエンジニアがマネジメント業務を担当することが多いです。
なお、求人ボックス 給料ナビによれば、システムエンジニアの平均年収は約513万円ということです。

求められるスキル
システムエンジニアに求められるスキルは下記のとおりです。
- システム開発に関するスキル
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
まず、システムエンジニアは、設計やプログラミングなどといったシステム開発に関する幅広い知識が必要です。また、前述したとおり、プロジェクトのマネジメントを担当することがあるため、進捗管理やチームメンバーのケアなどといったマネジメントスキルも求められます。
そのほか、開発チームのメンバーとのやりとりはもちろん、クライアントなどの対応するケースも少なくありません。そういったシーンにおいては、高いコミュニケーションスキルが必要になります。
将来性
システムエンジニアの将来性は、働いている企業やプロジェクト次第に左右されます。
SIer業界に属するシステムエンジニアは、ほとんど開発業務を行わず下請け企業のマネジメントのみを行うケースも少なくありません。このような「自分で作ることができない」システムエンジニアの将来性は、あまり高くないと言わざるを得ません。
その反面、マネジメントも行いつつ、しっかりと自分でも開発を担当しているシステムエンジニアもいます。そのようなシステムエンジニアは、今後もIT業界で活躍し続けることができるはずです。
こんな人におすすめ
- 開発もマネジメントも行いたい人
- 将来はマネジメントに関する仕事を行いたいと考えている人
システムエンジニアについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

プロジェクトマネージャ
プロジェクトマネージャは、開発プロジェクトのマネジメントを行う職種です。
エンジニアに関する職種の中でも、上級に分類される職種であり、システム開発全般に対する知識をベースとして、システム開発の企画や進捗管理などを行います。
また、マネジメントだけではなく、技術面についてもチームを牽引することが求められることもあるため、Webエンジニアで培った経験を活かすことができます。
そのほか、プロジェクトマネージャは営業に同行したり、クライアントと折衝したりなど、対外的な仕事が多いのも特徴です。
なお、求人ボックス 給料ナビによれば、プロジェクトマネージャの平均年収は約618万円ということです。一般的にマネジメント系の職種は年収も高い傾向にあります。プロジェクトマネージャも管理系の職種ということで、年収も高めであることが分かります。

求められるスキル
プロジェクトマネージャに求められるスキルは下記のとおりです。
- マネジメントに関するスキル
- 開発に関する幅広いスキル
- コミュニケーションスキル
プロジェクトマネージャは、マネジメントが主な業務となります。そのため、マネジメントに関するスキルは必要不可欠です。
また、プロジェクトでさまざまな課題が発生した場合は、プロジェクトの責任者として決断することが求められ、開発に関する幅広いスキルが求められます。そのほか、対外的な仕事も多くこなすため、高いコミュニケーションスキルも必要とします。
将来性
プロジェクトマネージャの将来性は高いです。
プロジェクトマネージャは、エンジニアに関する職種の中でも上級職に位置付けられることは前述したとおりです。
現在では、さまざまな業界・分野でIT化が進んでおり、これに伴いたくさんのプロジェクトが存在しています。しかしこれらを管理するプロジェクトマネージャは、すぐに育成できるものではないため、枯渇した状態が続いており、優秀なプロジェクトマネージャが求められています。
こんな人におすすめ
- 面倒見がよい人
- メンバーのさまざまな変化に気付くことができる人
プロジェクトマネージャの仕事自体は、前述したようにプロジェクトの管理です。ただし、実際の開発現場では、チームメンバーが快適に仕事を進めることができる環境を整えるという仕事も行います。
管理というと、進捗・納期管理というイメージがあると思いますが、実際はそれよりも、メンバーがいかに生産性を高め、よりストレスなく働けるかのほうが重視されます。
【別職種】Webエンジニアのキャリアパス

Webエンジニアのキャリアパスは、技術系やマネジメント系だけに留まりません。ここでは、そのほかにWebエンジニアからのキャリアパスとして考えられるものをご紹介いたします。具体的には下記の2つです。
- Webディレクター
- Webコンサルタント
こちらの職種について、1つずつ解説いたします。
Webディレクター
Webディレクターは、WebサイトやWebアプリケーションを開発する際のプロジェクト管理、スケジュール管理などを担当します。
仕事内容はプロジェクトマネージャと似ていますが、WebディレクターはWebサイトやWebアプリケーションの開発管理に特化した職種です。
また、Webサイトのコンテンツをどういったものにするか企画したり、クライアントへ提案するといった仕事を担当することもあります。
なお、求人ボックス 給料ナビによれば、Webディレクターの平均年収は約500万円ということです。

求められるスキル
Webディレクターに求められるスキルは下記のとおりです。
- マネジメントスキル
- コミュニケーションスキル
Webディレクターは、マネジメントが主な業務なのでプログラミングスキルよりも、進捗管理や品質管理といったマネジメントスキルが必要です。
また、開発チームはもちろん、社内外の関係者とのやりとり、クライアントと企画の打ち合わせなどのシーンではコミュニケーションスキルが求められます。
将来性
Webディレクターの将来性は高いといえます。
昨今では、さまざまなものがWebサイトやWebアプリケーションで実現されています。すでにWebサイトやWebアプリケーションは、社会的に重要なインフラになりつつあるのです。
具体的な事例として、電子商取引を見てみましょう。
下のグラフは経済産業省から発表された、令和元年の日本国内における電子商取引市場規模です。こちらをご覧いただくと、2010年には約7兆8,000億円だった電子商取引の市場規模は、2019年におよそ20兆円にまで拡大していることがわかります。わずか10年間で約2.5倍もの成長を遂げているのです。
これまでは実店舗で発生していた取引が、急速にWebアプリケーションを中心としたデジタル空間へ移行していることを表す好例といえます。
電子商取引という1つの分野だけでも、ECサイトなどのようなWebアプリケーションに対する需要が急激に高まりを見せていますが、ほかの分野まであわせると需要はさらに高いものとなります。
そのWebサイトやWebアプリケーションは、Webディレクターが指揮をとって開発を進める必要があります。このような理由から、Webディレクターは今後も引き続き求められる存在であるといえます。
こんな人におすすめ
- 面倒見がよい人
- Web関連の技術が好きな人
プロジェクトに関するさまざまな課題、メンバーに対するケアなど、細やかな気配りができる人は、Webディレクターに向いているといえるでしょう。
もちろん、Web制作に関わる職種ですので、Web関連技術への興味関心が強い人にも向いています。
Webコンサルタント
Webコンサルタントは、主にWebに特化したコンサルティングを行います。
昨今、WebサイトやWebアプリケーションは、ビジネスを成功させるために必要不可欠な要素になっています。ただし、多くの企業はWebを活用しきれていないのも事実です。
Webコンサルタントは、企業のWebサイト、Webアプリケーションに関する課題を分析し、改善に向けた提案するのが主な仕事です。
Webエンジニアとして培った知識に加え下記で挙げるWebマーケティングや課題解決など、複数の知識やスキルも求められるため、専門性も総合力も求められる職業と言えるでしょう。
求められるスキル
Webコンサルタントに求められるスキルは下記のとおりです。
- 課題分析・解決のスキル
- Webマーケティングに関するスキル
一般的に、コンサルタントという仕事は、クライアントの業務に潜む課題を発見、分析し、解決策を検討します。これには、コンサルティング関連の専門的なスキルを必要とします。
また、WebサイトやWebアプリケーションを改善するためには、SEOなどといったWebマーケティングのスキルも求められます。
将来性
Webコンサルタントの将来性は高いといえます。
なぜなら、企業の最重要課題であるWebサイトやWebアプリケーションの活用には、Webコンサルタントの存在が欠かせないからです。ここを疎かにする企業は近い将来に淘汰されてもおかしくありません。
下のグラフは株式会社ZUUと株式会社日本M&Aセンターの合弁会社であるZUUM-A社が行った「会社経営における課題」に関するアンケート結果の一部です。
こちらの結果によれば、会社経営の課題として「デジタル化・DX」が全体の2位となっており、多くの経営者が課題を感じていることが分かります。ただ、その必要性は十分に理解しているものの、デジタル化やDXに対応できる人材が社内にいないため、具体的なアクションを取ることができないままとなっている様子がうかがえます。
このようなデジタル化やDXを推進するためには、豊富な実績や経験を有するWebコンサルタントが必要となるのです。
こんな人におすすめ
- 困った人を助けることが好きな人
- 誰かの役に立つことに喜びを感じる人
Webコンサルタントはクライアントの課題を見つけ、ITを活用して解決策を提案するのが仕事です。クライアントの経営に直結する仕事でもあるため、仕事の難易度も高く、ハードな局面も多い仕事です。ただし、課題を解決まで導いた時の達成感は何物にも代えがたいものがあります。
そのため、少々ハードなことがあっても「困った人を助けたい」あるいは「誰かの役に立ちたい」という思いが強いタイプの人には、おすすめしたい職種です。
【フリーランス】Webエンジニアのキャリアパス

Webエンジニアとしてスキルを高めておけば、フリーランスエンジニアとなることも可能です。
フリーランスとして独立する場合、仕事や案件は自分自身で決めることができます。そのため、興味がある技術に関する仕事ができたり、収入がアップするメリットがあります。
一方で、案件獲得や事務作業を自力で行う必要があったり、案件を獲得できなければ収入が不安定になったりといったデメリットもあります。
求められるスキル
フリーランスのWebエンジニアには、下記のスキルが必要となります。
- 1人でWeb開発ができるスキル
- 営業スキル
企業に属するエンジニアは、先輩エンジニアや同僚に質問することができます。ただし、フリーランスWebエンジニアは、基本的に1人で仕事を進めていく必要があります。そのため、1人で問題なくWebサイトやWebアプリケーションを開発できるスキルを持っていることが望ましいです。
また、フリーランスWebエンジニアは、案件獲得、報酬の調整などの営業スキルも求められます。
将来性
フリーランスWebエンジニアの将来性は高いといえます。
現在、IT業界は空前の売り手市場であるため、多くの企業は採用で苦戦しています。ただし、だからといって採用する人材のレベルを落とすと、教育投資が無駄になるリスクがあります。
また、ポテンシャルが低い人材を採用しても、将来的に企業に対して貢献できない可能性が高くなります。その一方で、仕事は次から次へと発生していくため、企業はこれらに対応する人材をそろえる必要があります。
このようなケースにおいて、高いスキルをもち、即戦力として活躍できるフリーランスWebエンジニアを活用するケースが増えているのです。
株式会社Brocanteの調査によれば、ITフリーランスのエージェント市場規模は今後1,000億円以上に拡大するということです。フリーランスエンジニアと企業をつなぐエージェントの市場が拡大しているということは、実際にフリーランスエンジニアと契約する企業が増加していることを表しています。すでにフリーランスエンジニアの活用は当たり前の状態になりはじめているのです。
今後もフリーランスWebエンジニアとして豊富な実績とスキルがあれば、どの企業からも引く手あまたであることは明らかです。
こんな人におすすめ
- 自由な働き方を実現したい人
- 企業の制約に縛られたくない人
企業で働くエンジニアは、個々のエンジニアの考えより、企業にとって有益であるかを優先させなければいけないシーンが多くあります。そういった場面にストレスを感じる方はフリーランスとして独立するのがおすすめです。
Webエンジニアがキャリアパスを実現する4つのポイント

Webエンジニアのキャリアパスはたくさんあるため、自分に合った選択をすることが重要です。最適な選択をすれば、モチベーションも高まりますし、それに伴って収入も増えていくことでしょう。
ここからは、理想のキャリアパスを実現するためのポイントとして下記の4点をご紹介いたします。
- しっかりスキルアップをしておく
- 履歴書などを整理しておく
- 面接対策を万全に行う
- 副業で実務を経験しておく
1つずつご説明します。
必要なスキルを習得しておく
キャリアパスを実現するためには、それぞれのキャリアパスに必要となるスキルをしっかりと習得しておく必要があります。
今回ご紹介した職種は、いずれもWebエンジニアよりも高度なスキルや経験が必要です。スキルの習得には時間がかかるため、少しずつスキルや経験を積み増しておくことが大事です。
まだキャリアパスを決めかねている場合は、プログラミングスキルやマネジメントスキル、ネットワークやセキュリティなど、できるだけ幅広いスキルを身につけておいた方が、将来の選択肢は広がります。
一方、スキルが低いままでは、希望したキャリパスを実現できなくなってしまうリスクもあります。
プライベートな時間に学習をしたり、最新の技術動向を常にキャッチアップするなどして、日々のスキルアップを心がけましょう。
ポートフォリオを作成・更新する
エンジニアとしての実績を示すためには、ポートフォリオを用意する必要があります。優れたポートフォリオは企業側にスキルや実績をアピールすることができます。
Webエンジニアであれば、オリジナルのWebサイトやWebアプリケーションなどをいくつか開発して、ポートフォリオとして提出するようにしましょう。その際、
- どこにこだわったか
- 苦労したポイントと解決方法
などを、自分の言葉で話せるようにしておくと良いです。
ポートフォリオの重要性と作成のポイントは次の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

履歴書や面接の対策をしておく
履歴書や面接の対策も万全に行いましょう。
転職活動を行うためには必ず履歴書を書き、面接を受ける必要があります。その際、企業に対して、下記のポイントを中心に自分の魅力とやる気をアピールしましょう。
- 志望動機
- 開発実績
- 得意な開発分野
- 今後のキャリアプラン
とはいえ、こうしたポイントを客観的に見て、履歴書や経歴書に書いたり、面接の場で伝えたりするのは簡単なことではありません。
最近の転職エージェントでは、書類添削や面接対策、ビジネスマナーの教育といったサポートをしているところも多いので、利用してみるのもおすすめです。
案件の紹介、企業とのやりとり代行なども対応してくれるので一石二鳥です。
なお、履歴書や面接時の質問において重要な「志望動機」については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

副業で実務を経験しておく
副業で実務を経験しておくこともおすすめです。
今回ご紹介した職種の中には、副業で実務を経験できるものもあります。そういった仕事をあらかじめ副業として経験しておくことで、仕事の進め方や必要なスキルとレベル感など、自分が考えていたギャップを埋めることができま、実際にキャリアパスを実現する際の貴重な経験値となります。
人から聞いた話やインターネットで調べた情報だけでは、その職種についてすべてを知ることはできません。目指す職種が、自分が考えていたような仕事であるかを確認するためにも、副業で実務を経験しておくようにしましょう。
まとめ
今回はWebエンジニアのキャリアパスについてご説明しました。
Webエンジニアのキャリアパスは「技術職系」「マネジメント職系」「それ以外の職種系」に分けることができます。どのようなキャリアパスを選択するかによって、エンジニアとしての将来はまったく別のものになります。
日々の仕事を、ただなんとなくこなしているだけでは、希望するキャリアパスを実現することはできません。将来どんな仕事がしたいのかを考え、目標に向けて少しずつスキルアップをしておきましょう。
それこそがWebエンジニアのキャリアパスを実現するための、唯一の近道なのです。
この記事のおさらい
Webエンジニアがキャリアを選ぶ場合、自己分析をして自分を知ることから始めましょう。そのあと、目標のキャリアやキャリアパスの将来性をチェックします。これにより、将来性が高く、自分に合ったキャリアを選ぶことができます。
Webエンジニアがキャリアパスを実現するためには、スキルアップが重要です。また、そのスキルを証明するためにポートフォリオにも力をいれましょう。また、どれだけスキルがあっても相手に伝わらないと意味がありません。そのため、履歴書や面接の対策も事前にしっかりと行っておくことが大事です。あらかじめ副業で対象の職種を経験しておけば、よりキャリアパスを実現しやすくなります。