Pythonのメリット・デメリットを簡潔にまとめてみた【初心者必見】

プログラミング言語ランキングで、常に上位にランクインするPython。その注目度は年々高まっています。これからPythonを学ぼうと考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、Pythonの特徴を把握せずに学習を始めてしまうと、「作りたいものが作れなかった!」といったことになりかねません。

そこでこの記事では、Pythonのメリットやデメリット・できることなどを初心者の方でも分かるよう簡潔にまとめました。

この記事を読んで、Python学習があなたにとって本当に最善であるのかを確認してみてください。

目次

Pythonとは?

画像:Shutterstock

「Python」は、1991年オランダ人のグイド・ヴァン・ロッサム氏によって開発されたプログラミング言語です。

プログラミングは規模に応じて、コードが複雑で見づらくなってしまいます。そうなってしまうと、読み間違いや書き間違いなどの細かいミスが多くなり、開発効率が落ちてしまいます。

そこで”細かいミスをなくすにはどうすればいいか”と考えて作られたのがPythonです。少ないコード量で簡単にプログラムを書くことができるので、コードが読みやすく誰でも同じような構文に仕上げることができるというのが最大の特徴ですね。

冒頭でも少し述べましたが、Pythonは非常に人気の高いプログラミング言語です。大手求人サイト「ビズリーチ」が毎年公表している「プログラミング言語ランキング」では、第3位にランクインしており、その求人数も1位「Go」2位「Scala」を圧倒しています。

特にAI分野で活用されている言語なので、今後も求人数は増えていくでしょう。

また現役エンジニアが100人にアンケートを実施したところ、「未経験者が最初に学ぶべき」という声が多かったプログラミング言語はPythonでした。

調査概要:プログラミング言語に関するアンケート
調査期間:2021/9/20~2021/10/1
調査対象:クラウドワークスに登録している現役エンジニア100名
調査媒体:クラウドワークス
掲載元:PR TIMES

Pythonのメリット

画像:Shutterstock

Pythonには技術的な部分でたくさんのメリットがありますが、ここでは初学者でも分かるメリットについてご紹介します。

コードの読みやすさ

先程も少し述べましたが、Pythonはコードが短く、非常に読みやすい言語です。

プログラミング言語の多くは、基本となるアルゴリズムと関係のないコードを大量に書き込まないと動作しないのがほとんどです。しかし、Pythonの場合は、こういった関係のないコードが少ないんです。

そのため、初心者でも理解がしやすく、学習を勧めやすいといったメリットがあります。実際にレッスンの基礎で用いられる「Hello,World」を表示するプログラムを作って、人気言語「Java」と比較してみましょう。

Javaで「Hello,World」を表示する場合は、以下の構文になります。

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        
        //Hello Worldを表示する
        System.out.println("Hello World");

    }
}

一方、Pythonの場合は以下のような構文になります。

print("Hello World")

Pythonのほうが短文でプログラムを作れることがひと目でわかりますね。このように短文でプログラムを書くことができるのはPython最大のメリットといえます。

Pythonで「HelloWorld」を表示させる詳しい方法についてはこちらの記事を参照してください。

【Python入門】Hello Worldを表示する方法
更新日:2024年3月1日

コンパイルが不要

一般的にプログラムを実行するためには、インタプリタコンパイラ2種類があります。

インタプリタはプログラム実行時にソースを読み込むため、コンパイルする必要がなく、コーディング直後にプログラムを実行できます。

コンパイラは、コーディング後にコンパイルという準備作業を行い、実行ファイルを作成します。作成した実行ファイルを読み込むことでプログラムを実行します。

コンパイル作業は、実行までに大量のエラーが発生することが多く、時間を要します。そのため、初心者には少しハードルが高いと言えるでしょう。

Pythonはインタプリタ言語のため、コンパイルの必要がなく、コーディングだけでプログラムを実行できるので、初心者でも扱いやすいです。

ライブラリの充実

Pythonは、ライブラリがとても充実しています。目的に合わせて最適なライブラリを使用することで、プログラミングをより効率的に進めることができるのは大きなメリットです。

後述いたしますが、Pythonのデメリットである処理速度の遅さを、ライブラリを使用することによって改善することができます。

また、AI分野に特化した物など、様々な種類のライブラリがあります。Pythonが多種多様な現場で活用されているのは、ライブラリが充実していることによる影響が大きいでしょう。

また、「Python=AI分野」という認識の方がいらっしゃいますが、PythonはAI専用のプログラミング言語というわけではありません。多彩なライブラリを活用することでアプリ開発やゲーム開発など様々なシステムを開発することができます。

Pythonのデメリット

画像:Shutterstock

Pythonは非常に優れたプログラミング言語ではありますが、デメリットも存在します。

大きなデメリットとして下記のような点が挙げられます。

  • 実行速度の遅さ
  • インデントが必須

これから学習を始める方はデメリットも知った上でPythonに触れてみるといいでしょう。

実行速度の遅さ

Pythonはインタプリタ言語のなかでも特に実行速度が遅い言語と言われています。そのため、企業向けの基幹システムなどには不向きであり、実際に導入事例もほとんどありません。

Pythonの実行速度が遅い要因としては、

  • GIL(グローバルインタプリタロック)
  • インタプリタ言語
  • 動的型付き言語

この3つが挙げられます。なかでも動的型付けの言語であるということが大きく、多様性に対応するために、速度を犠牲にせざるを得なかったといったところでしょうか。

このことから、処理速度の早さが求められるシステムや高度なゲーム開発などにはPythonは不向きと言えます。

インデントが必須

Pythonはインデントで文のブロックを表現するので、必ずインデントが必要となります。インデントとは、行頭に空白を入れてから、文字を入れて、字下げを行う事を指します。

簡単な例を挙げると、

# a=b=1   # True
# a=1;b=2 # False

if a == b:
    print('a')
    print('b')
else:
    print('a not equals b')

aとbの値が等しいとき、出力結果は以下のようになります。

a
b

a == bがTrueのとき、if文の次の行から始まる「インデントが一つ下がった2行」が実行されます。このように、pythonでは括弧を使わずにインデントで処理をグループ化してまとめなければなりません

そのため、他のオブジェクト指向言語に比べて若干動作が遅く感じてしまうこともありえます。

Pythonでできること

画像:Shutterstock

ここまでPythonのメリット・デメリットをご紹介してきました。それらを踏まえたうえでPythonがどんなことを得意としており、何ができるのかをご紹介いたします。

Pythonは先程に少し述べたとおり、多種多様なジャンルで活躍することができます。

具体的には、

  • 機械学習を使った人工知能の開発
  • 自動データ処理や分析などの業務効率化
  • スクレイピングによるWEB上の画像データ・テキストデータの自動収集
  • WEBサービス・WEBアプリケーション制作
  • スマホアプリ(Android)制作
  • デスクトップアプリ制作
  • 組み込みアプリケーション制作
  • フィンテック・ブロックチェーン技術の開発

といった分野の開発を行うことが可能です。AIブロックチェーンなど最近話題の技術も開発できるので、その需要は非常に高いといえるでしょう。

こちらの記事では、さらに詳しくPythonでできることを解説しています。Pythonをより深く知りたい方はぜひ参考にしてください。

Pythonでできることとは何か?活用事例を用いて解説【初心者向け】
更新日:2024年3月8日

Pythonでできないこと

画像:Shutterstock

スマホアプリ開発やゲーム開発もPythonで開発することはできますが、適しているとは言えません。

Pythonは処理速度の遅いプログラミング言語です。スマホアプリ開発ならSwiftJavaKotlinといった言語のほうが適していますし、ゲーム開発であればC#を使って開発を行ったほうがいいでしょう。

もし、あなたの目的に対して本当にPythonが適しているのか確認したいのであれば、「プログラミングプラン診断」をご利用ください。目的に合わせて必要なプログラミング言語と簡易的な学習プランを算出いたします。

プログラミング学習プランを診断する

Pythonの評判

実際にPythonを使用している方の評判も参考にしておきましょう。こちらはTwitterから生の声を引用して「良い評判」と「悪い評判」に分けてそれぞれご紹介します。

良い評判

まずは良い評判から見ていきましょう。

上記のようになんでもできるというオールラウンダーぶりから「便利だ」という評判が非常に目立ちます。

また、近年話題の機械学習に使える言語なのでとても注目度は高いようです。

悪い評判

続いて、以下がPythonの悪い評判です。

こちらはPython特有の仕様に難しさや使いづらさを覚える評判が目立つ印象です。そのためか、プログラミング初心者の方にとっては学習が難しいと感じる人が少なからず見受けられます。

より詳しくPythonの評判を知りたい方はこちらの記事でまとめているので、ぜひ参考にしてください。

Python評判総まとめ!求人情報やSNSから今後の需要を徹底調査
更新日:2019年7月30日

まとめ

Pythonは人気の言語ですが、メリット・デメリットがはっきりしている言語でもあります。そのため、目的に合っているかを確認した上でPython学習を始めなければ、失敗してしまう可能性もあります。

しかし、Pythonがあなたの目的に合っているならば、習得することであなたのキャリアをより豊かにすることができるでしょう。

この記事があなたのお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人

中川 大輝のアバター 中川 大輝 メディア編集長

東京都多摩市出身。前職では都内ホテルにて設備機器のメンテナンスを経験。当時から副業として行っていたWebライティングと独学でのプログラミング学習経験を活かし、「プログラミング学習の挫折をなくすためのコンテンツ作成」を心がけています。
プライベートでは双子育児に奮闘中。将来、子どもたちが侍ブログを見て、プログラミングを学びたいと思えるメディアを作ることが目標です。
今更ながら「キングダム」にドハマリ中。

目次