高まるIT技術、人材不足でITエンジニアの需要が伸びている理由とは

どうも!侍エンジニアブログ編集部のダイキです!

突然ですが、皆さんはいま日本のIT業界が深刻な人材不足という話を聞いたことはありますか?人材不足解消のために国が、2020年から小学校でプログラミングを必修科目にするという話も出ているほどです。

エンジニアと聞くと悪いイメージを持つ方も多いと思いますが、人材不足のいまエンジニアの価値が高騰しています!

と言っても根拠を示さないと皆さんも納得できないですよね。

そこで、この記事ではエンジニアが不足する理由と今後需要が高いのはどんなエンジニアなのかを紹介します。エンジニアに偏ったイメージを持っている方や、今後のキャリアが不安なエンジニアの方はぜひ読んでみてください!

【こんな方に向けて書きました】
・エンジニアに対して偏ったイメージを持っている
・エンジニアの人材不足に漠然と不安を感じている
・エンジニアとして、現在のキャリアに満足していない
・エンジニアに興味があり、転職を考えている

この記事の要約
  • 日本は2019年をピークにIT人材不足が加速している
  • 特にAIやビッグデータなどの先端技術を扱う人材が不足している
  • 人手不足に対し労働環境の整備や人材育成の促進が進められている

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目次

エンジニアの人材不足が深刻

2019年をピークにエンジニアの人材不足はますます進む

[引用:経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果

経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査」によると、若者の人口減少に伴い、2019年をピークにエンジニアの人材不足は加速すると予測されています。2030年には最低でも約41万人も不足してしまうというデータが出ています。

いままでは、退職者の人数よりも新卒者の人数が上回っていたため、人材不足はここまで深刻に考えられてはいませんでした。しかし今後は、IT業界を支えていた団塊世代のエンジニアが、どんどん退職していきます。

ITエンジニアは相対的に不足していくのに、IT業界の市場は年々増加していくので、エンジニアの需要と供給のギャップが生じています。

参考/経済産業省 27年度調査研究レポート

参考/経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査

先端IT分野のエンジニアが圧倒的に不足

[引用:経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果

IT業界全体でエンジニアは不足しているのですが、特に人材不足が顕著になっていくと言われているのが、先端IT分野の「人工知能」「ビッグデータ」「IoT」「ロボット」に関わる人材です。「人工知能」「IoT」は日常生活に浸透してきており、皆さんも聞き覚えがあるのではないでしょうか。

この分野がなぜ人手不足なのかというと、ずばり「最先端技術」だからです。

近年、急速に発達した分野であり、高いスキルを必要とするため、扱える人材が非常に少ないという背景があります。生活に直結する技術なので、ものすごい速度で技術革新を続けていますが、その成長速度にエンジニアがついていけず、人材が不足しているのです。

しかし、今後のエンジニア不足を解消するために、今では国全体が動いています。そのため、エンジニアの価値が今後上昇していくと考えられています。

エンジニアの人材不足解消のため「プログラミング必修化」へ

このような状況から、政府も成長戦略の中に「プログラミング教育」について明記し、エンジニアの人材育成に力を入れていますエンジニア不足解消のため、経済産業省による主に30~40代技術者向けの「Reスキル講座」など、省庁もエンジニア人材不足の問題に取り組んでいます。

また、2020年から小学校の「プログラミング教育」が必修化されました。そのため、プログラミングの注目度がかなり上昇し、今では子どもにプログラミングを習わせる家庭も増えてきました。

最近だとお台場の花火大会で、子どもたちがプログラミングした花火が打ち上げられて話題になりましたよね。

将来的に、プログラミングは誰でも出来るスキルに変わっていると予想されます

エンジニアが不足する理由に迫る

現在、日本ではIT業界の人材不足が問題となっています。IT業界では、なぜ人材が不足してしまうのでしょう。

原因として挙げられるのが、

  • エンジニアの労働環境は悪いというイメージ
  • エンジニアの給与の低さ
  • IT業界全体で技術の進化が速い

この3点の問題によって、人材が集まらないと考えられています。

エンジニアの労働環境は悪いというイメージが定着している

まず、世間的なエンジニアのイメージとはどういったものでしょう。ITエンジニアといえば、残業は当たり前、問題が起きれば終電帰りや会社に泊り込みをしたりと、なかなか家に帰れないというイメージがあるのではないでしょうか。

クライアントから納期を短縮されたり、開発途中での仕様変更など、理不尽に感じることも多く心身ともに負担が大きくてエンジニアを辞めていく人もいます。

このような状況から、最近では政府の働き方改革の施策もあり、企業側もエンジニアが働きやすい環境の整備や独自の福利厚生を取り入れるなど、労働環境の見直しに取り組む企業が増えています

その結果、労働環境や待遇は以前と比べて大幅に改善されています。しかし、まだ求人数に対して応募数が全く見合っていない状況が続いています。

エンジニアの平均年収の低さ

経済産業省の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、ITエンジニアの平均年収は600万円前後となっています。

金額だけを見ると低くはないのですが、労働時間や仕事のきつさに比べると報酬が見合っていないと思う人も多いのではないでしょうか。

特に従来型のシステム会社は年功序列であることが多く、若い社員は能力に関わらず少ない給与で働いています。

最近では、能力に合った給与体系にする会社も増えてきています。特にWeb企業やスタートアップ企業では、有能なエンジニアを獲得するために高額な給与を出すところもあります。

業界のトレンドがすぐに移り変わる

IT業界は技術の進化が非常に速いです。そのため、エンジニアは技術の進化に合わせてスキルアップすることが求められ、常に最新技術を学び続ける姿勢や時間が必要となってきます。

現役エンジニアは、忙しく働く中で時間を見つけて技術を習得する必要がありますが、なかなかついていけないという方も多いようです。特に、情報収集が非常に難しく、情報を集めるだけでも時間がかかってしまうという問題もありました。

そのため、技術が進歩すればするほど、最新技術に対応できるエンジニアの人材が不足してしまうのです。

しかし、現在は情報メディアなどで業界の動向は逐一発信されており、情報収集の時間は大きく削減できます。また、学習教材が昔よりも充実しているため、独学での学習も容易になっており、未経験からエンジニアに転身する方も増えてきています。

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更新日:2024年3月1日

エンジニアの雇用状況が変化している

[引用元:トラッシュブリーフィング合同会社]

IT業界は、起業しやすいという背景からか、日々スタートアップ企業が立ち上がります。スタートアップ企業では、エンジニアが不足しているにもかかわらず、コストの掛かる中高年のエンジニアを雇用しようという姿勢が低いのです。

グラフを見ると分かるように、年齢が高くなるとエンジニアの給与は増加し、需要は急速に低下していきます。どの企業も、コストを掛けて中高年のエンジニアを雇用するよりも、コストの掛からない新卒採用や中途採用に力を入れるからです。

中高年でも経験豊富で高スキルを持つ人材であれば、マネージャーなど管理職としての雇用はありますが、それも狭き門となっています。

そのため、中高年エンジニアが引退に追い込まれているということも、人材不足の要因になっています。

エンジニアの現状は変わりつつある

今後、IT業界が主流となっていくことから、現在は国を挙げて人材不足の改善に取り組んでいます。その結果、IT業界の労働環境は少しづつ改善されてきました。

大きく改善された点としては、以下の3点があります。

  • エンジニア教育の充実
  • 高待遇の案件が増えた
  • 労働環境が改善された

この3点について詳しく紹介します。

エンジニア教育が充実した

まず、大きく変わったのが教育環境です。以前、プログラミングスクールや学習用教材が整っておらず、プログラミングは専門的な知識を持った人にしか出来ない職業と捉えられていました。

しかし、現在はプログラミングスクールの多様化、学習用教材の充実など、未経験者でもプログラミング技術を学ぶことができる環境が整っています。

その結果、未経験からエンジニアを目指す人も増えてきており、就職先を保証するプログラミングスクールも多く出来てきました。

また、昔は有料でしか手に入らなかった学習用教材や開発ツールが無料で手に入ったり、プログラミングを学べる無料のオンラインサイトが多くあります。無料学習サイトやプログラミングスクールをまとめた記事があるので、興味のある方はぜひチェックしてみてください!

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高待遇の案件が増えた

エンジニアは「給与が安い」というイメージが付いていることを先ほど述べましたが、実際のエンジニアは高待遇の案件が多くあります。

厚生労働省が発表している平成29年の「賃金構造基本統計調査」によると、SEの平均年収は550万円と一般の平均年収418万円を大きく上回ります。

人材不足のため、IT業界は現在売り手市場になっており、年収1000万円を超えるエンジニアも多く存在し、AIや機械学習など専門スキルを持っている人材に対する高額報酬の案件が多くなっています

特に最近は、クラウドソージングの普及によって、未経験からでもフリーランスエンジニアになることができたりと、より良い条件で働ける環境が整ってきています。クラウドソージングに関しては、こちらの記事を参照してください!

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更新日:2024年3月1日

労働環境が改善された

昔に比べて、エンジニアの労働環境は大きく改善されています特に労働時間に関しては、過重労働の削減に取り組んでいる企業も増えてきています。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を見ても、エンジニアの平均労働時間は178時間と決して多くありません。また、IT企業ならではのユニークな福利厚生や安心して働ける環境作りを積極的に行なっている企業も多く、既存のイメージを払拭してエンジニアの人材不足解消に向けて取り組む流れができつつあります

エンジニアの価値が高騰している理由

IT業界の成長速度が速すぎる

IT業界の成長速度は凄まじく、将来的には経済をITが担うと予想されています。しかし、いままで活躍していたエンジニアは定年となり、実力のあるエンジニアが減少していきます。

そのため、開発経験豊富な高度ITエンジニアの争奪戦が企業間で行われるようになります高度なスキルを持つエンジニア側からすれば、ITエンジニア業界は超買い手市場になるので、理想の職場環境を容易に手に入れることが出来るようになるでしょう。

将来的にエンジニアの質が下がると予想されている

2020年から義務教育での「プログラミング必修化」に伴い、今後はある程度プログラミング知識を持っていることが当たり前になるでしょう。しかし、一般的なプログラミングスキルを持っていても、実践レベルで使えるスキルを身につけている人材は少ないといえます。

現在20〜30代のエンジニアは、将来的にIT業界を担う存在になります。そのため、企業は今のうちから若手エンジニアを自社で育てる方針で動いています。自社で育てることで、長期的に活躍出来るエンジニアを抱え込みたいという意図があるわけですね。

しかし、需要に対して供給が足りず人材不足のため、どの企業も他業種に比べてかなり高額の年収で外部からもエンジニアを雇用する傾向にあります。この傾向は今後加速すると予想されているため、現役エンジニアの市場価値はどんどん向上していくでしょう。

高収入を勝ち取るためには?

人手不足ではなく人材不足ということを把握しよう

前述の経済産業省の調査によると、2030年にAIやIoTなどに携わる先端IT人材が55万人不足すると同時に、受託開発や保守運用を担う従来型のIT人材は10万人余るそうです。

従来通りの仕事をしているだけでは、技術革新が激しいIT業界で求められない人材となってしまいます。そのため、開発経験を積んだり、常にスキルを磨いているエンジニアのニーズは今後上昇します。

特にIT業界のトレンドスキルを身に付けたエンジニアの需要はさらに加速し、超高待遇で働ける可能性はかなり高いです。あくまでも人手が足りないのではなく、人材が足りないということを把握しておきましょう。

需要の高い人材を目指そう

将来、市場価値を勝ち取るためには、需要を見極める必要があります。今後の市場拡大が見込める先端IT技術は、「ビックデータ」、「IoT」、「AI」、「VR」とされ、かなり注目度が高いです。

価値が高いエンジニアになるには、これらの先端IT技術に対応できるスキルを身につける必要があります。いまからエンジニアを目指す場合は、この4つの分野を学習することを検討してみるといいかもしれません。

今後、需要が求められるエンジニアとは?

エンジニアといっても、多種多様な業種があります。トレンドの移り変わりが速いIT業界にとって、どのような職種にニーズがあるのか皆さん気になりますよね?

ここからは、今後需要が高まるエンジニアの職種を紹介します。

IoTエンジニア

現在、IoT市場は急速に拡大しており、今後も成長を遂げると考えられています。しかし、市場拡大の速度に対して、まだまだ開発できる人材が不足しているのが現状です。

そのため、IoTエンジニアは非常に重宝されており、現在は企業間で人材の獲得競争が起こるほど需要が高まっています!

当然、売り手市場ということもあり高待遇の案件が多いので、収入面や福利厚生など様々な面で優遇されるでしょう。IoTについてはこちらに詳しくまとめていますので、ぜひ参照してください!

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更新日:2024年3月1日

AIエンジニア

IoT市場と同じくAI市場も急速に成長を遂げていますAI技術は今後、さらに成長していくと考えられており、現在ある職業の半分以上がAIによって自動化されるという論文も発表され、注目を集めています。

AIを作ることができるAIエンジニアの需要は非常に高く、人材の獲得競争が過熱しています。AIは非常に専門性が高い分野で人材も圧倒的に不足しているため、高待遇の案件に付く機会も多いでしょう。

AIについてはこちらに詳しくまとめていますので、ぜひ参照してください!

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更新日:2024年3月1日

マルチスキルエンジニア

マルチスキルエンジニアはフルスタックエンジニアとも呼ばれ、すべての開発を一人で進められる人材のことを言います。現在、マルチなスキルを持ったエンジニアに対するニーズが増えています

先端IT技術に対応できる人材への需要は高まる一方で、1つのスキルしか持っていない人材は今後活躍の幅が限られていくでしょうマルチなスキルを持っていれば、その分活躍の場は多くなり、企業の選択の幅も広げることが出来ます!

大事なことは、どのスキルも一定のレベルを備えていなければならないということです。全てが中途半端だと、企業にとって扱いづらい人材と見られてしまうため、注意が必要です!

マルチスキルエンジニアについてはこちらに詳しくまとめていますので、ぜひ参照してください!

まとめ

ここまで、エンジニアが人材不足となっている理由と、これから需要が求められる人材について紹介しました。

高度なスキルを持つ人材の需要はますます伸びていくと言われています。その中で、キャリアアップを検討し先端IT技術エンジニアやマルチスキルエンジニアを目指す人も増えるでしょう。

IT業界は技術革新のスピードが速いため、常に新しいスキルを得ることが大切です。当塾では、キャリアアドバイザーによる無料相談を行なっております。キャリアアドバイザーに今後のキャリアを相談するのも1つの手かもしれませんね。

この記事が、皆さんの今後のキャリア形成に役立つことができれば嬉しいです!

この記事を書いた人

中川 大輝のアバター 中川 大輝 メディア編集長

東京都多摩市出身。前職では都内ホテルにて設備機器のメンテナンスを経験。当時から副業として行っていたWebライティングと独学でのプログラミング学習経験を活かし、「プログラミング学習の挫折をなくすためのコンテンツ作成」を心がけています。
プライベートでは双子育児に奮闘中。将来、子どもたちが侍ブログを見て、プログラミングを学びたいと思えるメディアを作ることが目標です。
今更ながら「キングダム」にドハマリ中。

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