コマンドプロンプトとはどんなもの?
コマンドプロンプトを使ってできることは?
コマンドプロンプトの使い方は?
職場で普段Windowsを利用していても、実際にコマンドプロンプトを使う機会がなく、このような疑問を抱えていませんか?
コマンドプロンプトを使いこなせるようになると、Windowsでの定形作業を自動化したり設定作業を効率化できたりするなど、大変役に立ちます。
この記事では、コマンドプロンプトをどう使っていいかわからない初心者の方向けに、基礎知識や使い方をご紹介します。また、コマンドプロンプトを使いこなすための便利技もご説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
- コマンドプロンプトとはWindowsに命令を出せるツール
- コマンドプロンプトを使えば作業自動化や効率化を実現できる
- コピペや履歴表示でコマンドプロンプトを便利に活用できる
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本記事の解説内容に関する補足事項
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また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
コマンドプロンプトとは?
「コマンドプロンプト」とは何かをイメージするために、『コマンド(命令メッセージ)』と『プロンプト(支持する)』の2つに分けてみましょう。
コマンドプロンプトは、コマンドと呼ばれる命令メッセージを用いることでWindowsのさまざまな操作が行えるツールです。
コマンドプロンプトはOSを任意の命令により操作するという点で、スマートフォンでいう所の「Siri」や「Amazon Alexa」に似ています。異なるのは、SiriやAmazon Alexaは「音声」でスマートフォンを操作し、コマンドプロンプトではコマンドという「文字列」でWindowsを操作する点。
コマンドプロンプトを使いこなすためには、コマンドやその使い方を正確に知っておくことが重要です。この記事で、よく使うコマンドの使い方をしっかり押さえておきましょう。
なお、Linux環境の「シェル」macOS環境の「ターミナル」は、コマンドプロンプトとほぼ同等のツールです。
コマンドプロンプトでできること3つ
まずは、コマンドプロンプトを使って何ができるか把握しておきましょう。
できることは、大きく分類すると次の3種類です。
- ファイルやフォルダの操作
- システム設定の変更・確認
- アプリケーションの実行
この3種類のコマンドプロンプトでできることを、ひとつずつ順番に解説していきます。
ファイルやフォルダの操作
コマンドプロンプトを使うと、ファイルやフォルダに対して作成、コピー、削除、移動などの操作ができます。
コマンドという文字列を使用して処理命令を定型化することで、決まった操作を定期的に行いたい場合などに効率アップが可能です。
たとえば、「あるフォルダの中身を、別のフォルダにコピーする」という操作をコマンドプロンプトなしで行うとしましょう。この場合、以下5ステップもの操作が発生します。
- 1.コピー元のフォルダを開く。
- 2.「Ctrl + A」キーでフォルダの中身を全選択する。
- 3.「Ctrl + C」キーでコピーする。
- 4.コピー先のフォルダを開く。
- 5.「Ctrl + V」キーでペーストする。
マウスやキーボードを用いた細かい操作が、たくさん発生することが分かります。仮に毎日行う必要のある操作だとすれば、多くの時間を費やすことになるだけでなく操作ミスも発生しやすいでしょう。
一方コマンドプロンプトを使う場合、次の3ステップで操作が完了します。
- 1.コマンドプロンプトを開く。
- 2.コピーコマンドでコピー元とコピー先を指定する。
- 3.「Enter」キーで実行する。
毎日同じ操作を行う作業であれば決まったコマンドを実行するだけで良いので、手順を簡略化でき、操作ミス防止にも繋がります。
より効率的にコマンドプロンプトでファイルやフォルダを操作する方法については、次章で詳しく解説します。
システム設定の変更・確認
Windowsのシステム設定などを変更・確認する場合にも、コマンドプロンプトが良く使われます。
通常は設定内容に応じて複数の画面を開く必要がありますが、コマンドの知識があればコマンドプロンプトだけで大半の設定が可能です。
また、後述のバッチファイルを使うことでシステム設定を自動化でき、業務でWindowsの環境構築が必要な場合などに役立ちます。ただし、重要な内部情報を変更する場合には細心の注意が必要です。
アプリケーションの実行
コマンドプロンプトで、「.exe」等の拡張子がついたプログラムファイルを実行可能です。
マウスを操作して直接ダブルクリックせずとも実行できるため、バッチファイルやプログラムで処理を自動化するときに良く使われます。
またコマンドプロンプトであれば、「コマンドライン引数」やオプションで追加情報を与えて実行できます。特に「Git」などのアプリケーションでは、コマンドライン引数によって様々な操作を切り替えられるので便利です。
Gitの基礎知識やできることについて知りたい方は、次の記事をご覧ください。
コマンドプロンプトを使う3つのメリット
できることが分かったところで、次にコマンドプロンプトを使うことで得られるメリットを3つ説明します。
- バッチファイルで定型作業を効率化
- 面倒なWindowsのシステム設定を簡略化
- プログラミングでも使える
詳細については、それぞれ解説していきます。
メリット1:バッチファイルで定型作業を効率化
「バッチファイル」は、複数のコマンドを一行ずつ記述することで一連の処理としてまとめて実行できるファイル(拡張子は「.bat」)です。
バッチファイルをコマンドから実行したりダブルクリックしたりすることで、記述された複数のコマンドが一行目から順に実行されます。ファイルの移動やコピーなどの定期的に行いたい作業をバッチファイルとしてまとめることで、手作業の負担を大きく削減することが可能です。
また、ファイル名の確認や移動先フォルダの指定など、エクスプローラを目で見て確認しながら操作すると複雑になってしまいます。このような操作を定型化し、バッチファイルにして簡略化することで操作ミスも防げるでしょう。
バッチファイルを作成するためには、コマンドの種類や使い方を学ぶ必要があります。この記事の後半では良く使うコマンドを10点ご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
メリット2:面倒なWindowsのシステム設定を簡略化できる
コマンドプロンプトを使うことで、手間のかかるWindowsのシステム設定を1画面で行えます。コマンドさえ把握していれば、複数の画面を開いてシステム設定するよりも効率的です。
また複数のパソコンを対象にシステム設定する場合、個別に手作業で行っていては経験者の方でも操作を間違えてしまうことがあり得ます。作業内容をバッチファイルとして定型化することで、同じ内容のシステム設定を行うときのミスの発生を防止可能です。
なお、コマンドプロンプトはシステムエラーの確認・修復にも使えます。
次のリンク先の記事ではWindows10での具体的な方法を解説していますので、参考にしてください。
メリット3:プログラミングでも使えて便利
コマンドプロンプトは、Windowsアプリケーションを動かすプログラム内の処理からでも利用できます。プログラミング言語によって書き方は異なりますが、大抵の言語で使用可能です。
プログラムの中でファイル操作やシステム設定を行う場合、エクスプローラやコントロールパネルを開くのでは手間がかかります。プログラムからコマンドを実行すれば、より少ない行数で同じ処理を実現できることが多いので、知っておくと便利です。
一例として、以下の記事では「VBA」というプログラミング言語からコマンドプロンプトを使う方法を紹介しています。こちらも併せてご確認ください。
コマンドプロンプトを使う2つのデメリット
コマンドプロンプトを使うことで得られる3つのメリットについて解説しました。しかし、その一方で以下2つのようなデメリットも考えられます。
- コマンドが多くて覚えるのが大変
- 使い方を間違えると困ることも
2つのデメリットについて、それぞれ順番に解説していきます。
デメリット1:コマンドが多くて覚えるのが大変
コマンドプロンプトで使えるコマンドは、実に90種類以上存在します。また各コマンドに「オプション」を指定でき、オプションの組み合わせでコマンドの実行条件を細かく変更可能です。
このようなコマンドやオプションを把握していないと、コマンドプロンプトを使いこなすのは難しいでしょう。
種類が多く覚えるのが大変なので、慣れるまではコマンドの使い方に苦戦するかもしれません。
デメリット2:使い方を間違えると困ることも
コマンドプロンプトには便利なコマンドが多数存在しますが、使い方を間違えると簡単には元に戻せず困ることも。
たとえば削除するファイルを間違えてしまった場合、エクスプローラであれば「Ctrl + Z」キーで元に戻せます。しかしコマンドプロンプトではこのキーが使えないため、どのファイルを削除したのか確認して自ら手作業で元に戻す必要があります。
1ファイルだけならまだしも、バッチファイルで多くのフォルダやファイルを操作した場合は、完全に差し戻すのは困難でしょう。特に、Windowsの重要な内部情報をコマンドで書き換えるようなケースでは、細心の注意を払わなければなりません。
コマンドの使い方を慎重に確認し、使い方を正確に把握した上で利用しましょう。
コマンドプロンプトの基本的な使い方
コマンドプロンプトを使う上で覚えておきたいのは、以下4つの使い方です。
- 通常の起動方法
- 管理者権限で起動する方法
- コマンド実行方法
- 使いやすくカスタマイズする方法
それぞれの使い方について、キャプチャ付きで解説していきます。ぜひ、コマンドプロンプトを使いこなすための練習に役立ててください。
通常の起動方法
まずは、通常の起動方法を押さえておきましょう。以下の3ステップで起動できます。
1. 「Windows(旗のマーク) + S」キーを押して、検索窓を表示します。
2. 検索窓に「cmd」と入力します。
- 補足
- コマンドプロンプトの実行ファイル名は「cmd.exe」で、上記で検索しているのはこの名称の一部です。その実行ファイルはWindows10環境では、「C:\WINDOWS\system32」というパスに格納されています。
3. 「Enter」キーを押すと「cmd.exe」が起動し、コマンドプロンプトの画面が表示されます。
- 補足
- 上記コマンドプロンプト画面に表示されている「C:\Users\TEST」は、「カレントディレクトリ」と呼ばれるものです。
カレントディレクトリはコマンドプロンプトが次に処理するパスを意味し、ファイル操作などの際に参照されます。コマンドプロンプト起動時のカレントディレクトリは、自分のユーザーフォルダ直下(C:\Users[自分のアカウント名])です。カレントディレクトリを変更するコマンドについては、後述します。
なお、コマンドプロンプトの起動方法は上記以外にも存在します。どの方法が起動しやすいかは人それぞれなので、気になる方は以下の記事も参考にしてください。
管理者権限で起動する方法
前章でご紹介した起動方法では、ファイル操作はできますがシステム設定はできません。
システム設定を行う場合は、管理者権限でコマンドプロンプトを起動する必要があります。
上記の手順3.で「Enter」キーの代わりに「Ctrl + Shift + Enter」キーを同時押しすると、管理者権限で起動できます。または「コマンドプロンプト」の所で右クリックし、「管理者として実行」を選択してもOKです。
管理者権限で起動すると、Windowsを制御するための重要なファイルや内部情報を操作できるようになります。
ただし間違った操作をするとWindows自体に影響を与えかねないので、必要がないときは「Enter」キーのみで通常起動するようにしましょう。
コマンド実行方法
基本は、コマンドを1行入力したら「Enter」キーです。そうすることで、コマンドプロンプトのプログラムが入力されたコマンドを解釈して操作を実行してくれます。
たとえば下図のように「ipconfig」と入力して、「Enter」キーを押してみましょう。
「ipconfig」は、Windowsのネットワーク設定を表示するコマンドです。
「Enter」キーを押したことでこのコマンドが実行され、ネットワーク設定が表示されました。
1行のコマンド実行が完了すると、次のコマンドを入力できるようになります。
使いやすくカスタマイズする方法
コマンドプロンプトのフォントやレイアウトは、以下の3ステップで自分が使いやすいようにカスタマイズできます。
1. コマンドプロンプト上部のバー(赤枠)を右クリックします。
2. 「プロパティ」を選択して、コマンドプロンプトのプロパティを表示します。
3. プロパティでは、フォントやレイアウトなどの様々な設定を行えます。設定できる内容はWindowsのOSバージョン等によっても異なるので、色々試してみると良いでしょう。
コマンドプロンプトでよく使うコマンド一覧
コマンドプロンプトでよく使うコマンドを、10点ピックアップしました。まずは一覧表でご紹介します。
コマンド名 | 主な機能 |
cd | カレントディレクトリの変更 |
dir | ファイル一覧の取得 |
md | フォルダの作成 |
rd | フォルダの削除 |
del | ファイルの削除 |
move | ファイルの移動 |
copy | ファイルのコピー |
xcopy | フォルダごとコピー |
ipconfig | ネットワーク設定の確認 |
set | 環境変数の確認や設定 |
各コマンドの詳細については、順番に解説していきます。なおコマンドは以下の記事でも紹介していますので、併せて読むと良いでしょう。
カレントディレクトリの変更:cdコマンド
前述のカレントディレクトリを変更するコマンドです。パスを指定せずに実行した場合は、現在のカレントディレクトリが表示されます。
■入力方法
cd [パス]
■実行結果
以下の記事ではcdコマンドのさらに応用的な使い方についても解説していますので、参考にしてください。
ファイル一覧の取得:dirコマンド
指定パスに存在するファイルやフォルダの情報を一覧表示するコマンドです。パスは省略可能で、その場合はカレントディレクトリが対象となります。
■入力方法
dir [パス]
■実行結果
上記は、カレントディレクトリに対してdirコマンドを実行した場合の例です。表示内容は上から順に、それぞれ以下の情報を意味しています。
- ボリュームラベル名(Cドライブなどが持っている名前)
- ボリュームシリアル番号(Windowsが自動的に決める識別番号)
- ファイルやフォルダの更新日時
- ファイルサイズ(1byte単位。フォルダの場合は<DIR>と表示される)
- ファイルやフォルダの名称
- ファイルやフォルダの総数
- 空き領域サイズ
dirコマンドをさらに使いこなしたい方は、以下の記事もチェックすると良いでしょう。
フォルダの作成:mdコマンド
指定した場所に、指定した名称の空フォルダを作成するコマンドです。ほぼ同等の「mkdir」というコマンドもありますので、気になる方は調べてみてください。
覚えにくいときは「md」はMakeとDirectoryの頭文字と考えましょう。後述の「rd」も同様にRemoveとDirectoryの頭文字です。
「md」コマンドの使い方ですが、「md C:\Users\TEST\FOLDER1」のようにフルパスを指定した場合、「TEST」フォルダ下に「FOLDER1」を作成します。
■入力方法
md [パス または フォルダ名]
■実行結果
「md FOLDER1」のように、フォルダ名だけの指定もOKです。フォルダ名だけの場合、カレントディレクトリにその名称の空フォルダを作成します。
フォルダの削除:rdコマンド
指定した場所にある、指定した名称のフォルダを削除するコマンドです。
「rd C:\Users\TEST\FOLDER1」のようにフルパスを指定した場合、「TEST」フォルダ下にある「FOLDER1」を削除します。
mdコマンドと同様、単に「FOLDER1」のようにフォルダ名だけの指定もOKです。フォルダ名だけの場合、カレントディレクトリにあるその名称のフォルダを削除します。
■入力方法
rd /S [パス または フォルダ名]
なお「/S」は前述した、オプションの1つです。rdコマンドにこのオプションを付けると、フォルダの中身が空でなかった場合に確認のメッセージを表示します。
削除を実行する場合は「y」、キャンセルする場合は「n」とそれぞれ入力して「Enter」キーを押せばOKです。
オプションは種類が多くコマンドによっても意味が変わってくるため、詳細は割愛します。
■実行結果
ファイルの削除:delコマンド
指定した場所にある、指定した名称のファイルを削除するコマンドです。
「del C:\Users\TEST\FILE1.txt」のようにフルパスを指定した場合、「TEST」フォルダ下にある「FILE1.txt」を削除します。
単に「FILE1.txt」のようにファイル名だけの指定もOKです。ファイル名だけの場合、カレントディレクトリにある、その名称のファイルを削除します。
■入力方法
del [パス または ファイル名]
■実行結果
delコマンドについてより詳しく知りたい方には、以下の記事がおすすめです。
ファイルの移動:moveコマンド
指定したファイルを、指定した別のパスへ移動するコマンドです。
delコマンドと同様、フルパス指定でもファイル名指定でも問題ありません。ファイル名指定の場合、カレントディレクトリにあるその名称のファイルが移動対象となります。
■入力方法
move [移動させるファイル名] [移動先パス]
■実行結果
■補足
moveコマンドは、フォルダ名を変更する際にも利用可能です。その場合、以下のように入力します。
move [元のフォルダ名] [新しいフォルダ名]
■実行結果
ファイルのコピー:copyコマンド
指定したファイルを、指定したフォルダへコピーするコマンドです。コピーなので元のファイルは変更されず、新しいコピーファイルが作成されます。
コピー元はdelコマンドと同様、フルパス指定でもファイル名指定でもOKです。ファイル名指定の場合、カレントディレクトリにあるその名称のファイルがコピー対象となります。
■入力方法
copy [コピー元ファイル名] [コピー先フォルダ名]
■実行結果
次のリンク先の記事ではcopyコマンドについてより詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
フォルダごとコピー:xcopyコマンド
指定したフォルダの中身を全て、指定した別のフォルダへコピーするコマンドです。
xcopyコマンドでは「/E」オプションを入れることで、ファイルだけでなくフォルダもコピーできます。
■入力方法
xcopy /E [コピー元フォルダ名] [コピー先フォルダ名]
■実行結果
コピー元はdelコマンドと同様、フルパス指定でもフォルダ名指定でもOKです。フォルダ名指定の場合、カレントディレクトリにあるその名称のフォルダがコピー対象となります。
ネットワーク設定の確認:ipconfigコマンド
ipconfigコマンドは、ここまで説明してきたファイル等操作のためのコマンドと目的が異なり、Windowsのネットワーク設定を確認するコマンドです。
「/all」を付けるとより詳細な設定を確認できます。
■入力方法
ipconfig
■実行結果
実は、ipconfigコマンドを用いるとIPアドレスの解放や再取得も可能です。詳細は次のリンク先の記事で紹介していますので、こちらもご確認ください。
環境変数の確認や設定:setコマンド
環境変数の確認や設定を行うコマンドです。引数なしで実行すると現在の環境変数を一覧表示し、環境変数名と設定値を指定すると、追加や変更を行います。
ただし、setコマンドで設定した内容はコマンドプロンプトを閉じると失われるので注意が必要です。
バッチファイルや、プログラムからコマンド実行する場合に用いられます。
■入力方法①:現在の環境変数を確認する場合
set
■実行結果
■入力方法②:環境変数を追加・変更する場合 ※設定値を省略すると、環境変数自体を削除
set [環境変数名]=[設定値]
■実行結果
コマンドプロンプトを使いこなすための便利技5選
さて、いよいよ最後のテーマです。
ここでは、実際にコマンドプロンプトを使いこなすためのテクニックを5つご紹介します。
- コピーアンドペースト
- 実行履歴の単独表示
- 実行履歴の一覧表示
- 単語ごとにカーソルを移動
- 処理を途中で中断
コピーアンドペースト
コマンドプロンプト上でコピーやペーストを行う場合は、右クリックを使います。手順は以下の通りです。
1. コピーしたい文字列を選択して、右クリックします。
2. ペーストしたい位置を選択して、再度右クリックします。
3. 手順1.でコピーしたものがペーストされました。
- なおWindows10環境では、他のWindowsアプリケーションと同様に「Ctrl + C」でコピー、「Ctrl + V」でペーストできる設定が追加されました。コマンドプロンプトのプロパティから「Ctrlキー ショートカットを有効にする」にチェックを入れればOKです。
興味のある方は、そちらもお試しください。
実行履歴の単独表示
「↑」キーを押すと、そのコマンドプロンプトで過去に実行したコマンドを単独表示可能です。
「↑」キーを1度押すごとに1つ前の実行コマンドに戻り、途中で「↓」キーを押すと1つ後ろの実行コマンドに進みます。
「Enter」キーを押せば過去の処理がそのまま実行できますし、表示されているコマンドや引数等を書き換えてから実行もできます。
実行履歴の一覧表示
「F7」キー (または「Fn + F7」キー)で、実行履歴を一覧表示できます。
単独表示と同様に、「↑」「↓」キーで実行コマンドを選択して「Enter」キーを押すと、コマンドを再実行します。一覧表示を消す場合は、「Esc」キーを押せばOKです。
単語ごとにカーソルを移動
長々とコマンドを入力してから、途中で入力ミスに気付くケースもあります。
そのような時は「Ctrl + ←」キー、または「Ctrl + →」キーでワードごとのカーソル移動が可能です。
「Ctrl + ←」キーを1度押すと、カーソルが現在位置から最も近いワード先頭に戻ります。
以下のように、無事直したいワードまでカーソル移動できました。
このようにマウスを使わず直したいワードまで移動できるので、慣れると便利です。
処理を途中で中断
コマンド実行で処理を開始してから、パスの指定間違いに気がついたり、ネットワーク情報の参照に時間がかかったりするなどして、実行中の処理をキャンセルしたいケースもあります。
そのような時は、「Ctrl + C」キーで処理を中断しましょう。
ただし、先に処理が終わってしまった場合は中断のしようがありませんので、ご注意ください。
このテクニックは時間のかかる処理や、途中で入力待ち(ユーザーにキー入力を要求)が入るケースで役立ちます。
まとめ
今回はコマンドプロンプトについて、以下の6点をご紹介しました。
- コマンドプロンプトとは?
- できること
- メリット・デメリット
- 基本的な使い方
- よく使うコマンド一覧
- 使いこなすための便利技
コマンドプロンプトに慣れるためには、実際に使ってみることが一番です。Windowsのパソコンさえあれば自宅でも簡単に試せるので、使ってみると良いでしょう。
また分からなくなったら、いつでもこの記事を読み返してくださいね。
コマンドを用いてWindowsのさまざまな操作が行えるツールです。Linuxの「シェル」、Macの「ターミナル」に相当します。
「ファイルやフォルダの操作」「システム設定の変更・確認」「アプリケーションの実行」の3つ。
複数のコマンドを一連の処理としてまとめて実行できるファイル。拡張子は「.bat」です。