システム開発って何?
具体的にどんなことをするんだろう?
近年、IT技術の発達や業務効率の改善が求められる中で、大きな注目を集めているのがシステム開発です。
しかし、IT系の職種の方でないとイメージしにくい部分があり、なんだかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事ではシステム開発における下記の内容を解説します。
システム開発の基本的な知識をぜひ身につけていきましょう。
- システム開発とは業務効率化などを改善する仕組みづくりのこと
- システム開発は要件定義から運用・保守までの複数工程にわかれる
- システムエンジニアやプロジェクトマネージャーなどがシステム開発を担う
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
システム開発とは
システム開発とは、IT技術を駆使して、企業や事業者が抱える課題を解決するための「仕組み」や「枠組み」をつくることです。例えば、社員の勤怠管理や、経費精算、顧客情報の管理、事業の売上管理などの構築がシステム開発に該当します。
システムで利用するソフトウェアの開発だけではなく、そのソフトウェアを動かすために必要なデータベースやハードウェア(サーバーや関連機器など)との接続・連携なども開発の要件に含まれるのが特徴です。
システム開発の目的
システム開発の主な目的は、企業の業務プロセスの最適化や生産性の向上、コスト削減です。
特に現代では、業務プロセスの最適化の中でも業務効率の改善が主な目的になっています。システム開発で業務効率を向上させることで、企業の競争力強化や顧客満足度の改善にもつながるためです。
たとえば、従業員の勤怠管理システムを開発すれば、これまで手動で行っていた勤怠管理をシステムを使って効率化できます。
システム開発は、企業において情報の管理・共有・活用を効果的に行うための手段のひとつです。
ソフトウェア開発との違い
開発範囲が異なる点で、システム開発とソフトウェア開発には違いがあります。
ソフトウェア開発は、主にアプリケーションの開発を指すのに対し、システム開発は仕組みや枠組みをつくることを意味します。そのためシステム開発には、プログラミングを行う開発業務だけではなく、プロジェクト管理や、開発したハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、業務要件に適した総合的なインフラやシステム構築なども含まれます。
ソフトウェア開発と比べて、システム開発のほうがより広範で、大規模なプロジェクトとなる傾向がある点は押さえておきましょう。
システム開発の需要
システム開発は、企業のDX化やビジネス効率化、自動化の推進に不可欠です。政府のDX化推進や労働人口の減少の気運を考慮すると、今後もシステム開発の需要は高まっていくことが予想されます。
経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年時点では最大で79万人のIT人材が不足する予測です。
実際に、2024年8月時点でのシステム開発での求人は、12万件を越えています。
求人の数から見ても需要が高いことが確認できます。
システム開発の具体的な進め方
ここからは、システム開発の具体的な進め方を、7つのステップにまとめて紹介します。
という7ステップに分けられます。以下ではそれぞれのステップについてくわしく解説していきます。
ステップ1:要件定義(要求定義)
システム開発において、ユーザーが求めるものを、どうシステムに落とし込むのかを決めるのが要件定義です。ユーザーの要求に応えるため、細かな動作や考えられるエラー動作などを、プログラムをもとに想定する必要があります。
そのため、あらゆるプログラミング言語の知識や経験が求められる業務になります。
ステップ2:外部設計(概要設計)
外部設計は、概要設計とも呼ばれ、要件定義で決定した機能や性能などをもとに、システムの基本的な部分の設計を行います。基本的には外部設計までが、上流工程に含まれます。
操作画面や操作方法など、ユーザーに見える部分の仕様を決定したり、システム開発のスケジュールやセキュリティなどを設計したりと、ユーザーに向けた仕様を設計するのが外部設計です。
ステップ3:内部設計(詳細設計)
内部設計は、外部設計をもとにして、システム内部のユーザーから見えない詳細部分の設計を行います。
外部設計の結果を実際にプログラミングしやすくするために、内部設計はプログラム機能を分割し、そこで使用するデータなどを設計する業務になっています。
ステップ4:プログラミング(実装)
プログラミングの段階では、実際にプログラマーやエンジニアがコードを書いていきます。外部設計や内部設計をもとに、クライアントやユーザーが求める機能を実装していく段階です。
ステップ5:テスト
ここからは、実際に設計通りにできたプログラムが、予定通りに動いているのかをテストする段階になります。
次のように、テストにもさまざまな種類があり、下記すべてのテストを実行していきます。
単体テストでは、それぞれの機能単体が誤作動していないかどうか、チェックしていきます。エラーが発生した場合は、詳細設計書の通りに、エラー発生時の指示に従って異常を解決する必要があります。
ステップ6:システム移行(リリース)
システム移行は、旧システムから切り替える工程で、リリースは、新しく構築したシステムを本番環境に移行し公開する業務です。システム移行にも、一斉移行や、徐々に切り替える順次移行など、さまざまな移行方法があります。
ステップ7:運用・保守
システムを移行・リリースした後は、システムが停止しないよう、メモリの利用状況などをチェックする業務である、運用・保守の段階に入ります。その他にも、システムの細かな部分を改善したり、システムに不具合が起きたときの対応なども保守・運用業務に含まれます。
システム開発の事例
なかには、システム開発のイメージがわかない人もいますよね。
そこで、ここからは次の業種別で、システム開発の事例を紹介します。
事例1:製造業
プリント・印刷加工を行っている製造業の会社では、生産性の向上を目標としていましたが、データの取得に工数を取られる上に、正確性も低い受注1件あたりの原価と粗利を出せていないという課題がありました。
そこで、
- 見積
- 受注
- 生産
- 販売
- 仕入
- 在庫
- 会計
その結果、コストを細かに管理でき改善点が見つけやすくなりました。また、伝票発行や請求書の入金・会計までの処理がはやく正確になる、という成果も得ることができました。
事例2:販売業
アパレルの販売代理店では、
- 受注伝票
- メーカーへの発注書
- 加工手配書
などは全て紙で管理していたため、1件の受注の管理に多くの時間と手間がかかっていました。
そこで新たに販売管理システムを導入したところ、
- 見積で入力したデータが納品書まで一括で算出できる
- 過去の受注履歴の検索、共有が簡単になった
- 紙の受注伝票や発注書の管理をする必要がなくなった
などの成果が得られ、業務効率のアップとコストダウンの両方を実現することができました。
事例3:流通業
畜農産物の流通を行っている会社は、業務効率やサービス向上のために業務システムを積極的に導入していました。
しかしシステムが古くなってきていたため、
- 運行データを管理する手間が大きい
- ドライバーの現在地をリアルタイムで把握できない
という課題を抱えていました。そこで、クラウド型の新しい運行管理システムを導入したことで、
- ドライバーの稼働実績を一元管理、自動計算
- リアルタイムでドライバーの現在地を把握
することが可能となり、さらなる作業効率とサービスの向上を実現しました。
システム開発に関わる主な職種
ここからは、システム開発に関わる主な職種を、3つにまとめて紹介します。
に分けられます。
それでは、それぞれの職種について見ていきましょう。
システムエンジニア(SE)
システムエンジニアは、System Engineerの頭文字を取ってSEとも呼ばれている、システム開発における設計書(仕様書)の作成を主に担当する職種です。
具体的には、以下の4つがシステムエンジニアの仕事内容です。
- 要件定義
- 外部設計
- 内部設計
- テスト
しかし場合によっては、システムエンジニアがプログラミングを行う場合もあります。
求人ボックスの「給料ナビ」を参照すると、システムエンジニアの平均年収は496万円です。(2024年8月時点)
国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」では日本人の平均年収は約458万円で、システムエンジニアの年収が比較的高いとわかります。
プログラマー
プログラマーは、ProgrammerからPGとも呼ばれている設計書(仕様書)をもとに実際にプログラミングを行う職種です。システム開発においては、設計書の通りにプログラミングをしたとしても、システムがうまく動かないことがあります。
このような場合には、設計書の間違いを指摘し、修正していくのもプログラマーの重要な役割であるとされています。
求人ボックスの「給料ナビ」を参照すると、プログラマーの平均年収は419万円です(2024年8月時点)。日本人の平均年収である約458万円と比較するとやや低い結果です。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、Project Managerの頭文字を取ってPMとも呼ばれており、
- 予算
- スケジュール
- メンバー
を決定し、チームを結成してシステム開発を行っていく職種のことです。またシステム開発が進行しているときには、計画通りに進まなかったり、計画そのものを変更する必要がある場合があります。
そのような際にも、開発がスムーズに進むようにクライアントやメンバーの間に立ちながら、さまざまな業務の調整を行うことも、プロジェクトマネージャーの役割になります。
求人ボックスの「給料ナビ」を参照すると、プロジェクトマネージャーの平均年収は645万円です(2024年8月時点)。日本人の平均年収である約458万円と比較すると高い傾向です。
システム開発のスキルを身につける方法
ここからは、システム開発のスキルが身につく方法を、3つにまとめて紹介します。
企業に勤めて実務経験を積む
現在エンジニアやプログラマーが不足しているため、未経験者でも企業の技術研修を受けた上で、いきなり実務経験を積むことも可能です。
もちろん事前の知識やスキルがほとんどないまま、実際の業務を行うことになるので、
- 業務を行うハードルが高い
- 業務が自分にあわなかったときにすぐには辞められない
といったデメリットも同時にあります。
下記の記事では、未経験から転職するコツについて解説しています。
独学で学ぶ
現在プログラミングの学習教材は、
- 書籍
- Webサイト
- 動画
- 学習サービス
などがあり、価格も非常に安価であるため、だれでもシステム開発が独学できるようになっています。ただし、独学でシステム開発ができるようになるためには、かなりの努力が必要です。
- わからないところを自分で調べて解決できる
- 自分で学習のモチベーションを維持できる
といったことができなければ、途中で挫折してしまう可能性が非常に高いでしょう。
プログラミングスクールで学ぶ
最後のシステム開発ができるようになる方法は、プログラミングを学べるスクールで学習することです。
プログラミングスクールでは、
- 専門の講師に直接指導してもらえる
- わからないところを講師に直接相談できる
- 一緒に学ぶ他の学生とモチベーションを高めあえる
という環境が揃っているため、初心者の方でも学習に取り組みやすくなっています。また就職支援も同時に行っているスクールも多く、卒業後にすぐに実務経験を積むことも可能になるでしょう。
挫折なくシステム開発のスキルを学ぶなら
先ほども解説したように、システムエンジニアを目指すうえでプログラミングスキルは不可欠です。ただ、なかには
独学で習得できるか不安…
途中で挫折したらどうしよう…
と不安な人もいますよね。
実のところ、プログラミング学習で挫折する独学者は多くいます。事実、弊社の調査では
- 不明点を聞ける環境になかった
- エラーが解決できなかった
- モチベーションが続かなかった
などの理由から、87.5%が「プログラミング学習で挫折や行き詰まりを感じた」と回答しています。
また、こうした背景もあってか、弊社がプログラミングに興味がある人100名へ実施した別の調査では
- 確実にスキルを身につけられると思ったから
- 独学では不安がある
- 効率よく学べそう
などの理由から、61%が「プログラミングの勉強を始めるならスクールを選ぶ」と回答しています。
加えて、プログラミングスクールの卒業生に「独学ではなくスクールを活用した理由」を聞いたところ「できるだけ短い期間でITエンジニアへの転職や副業に必要なスキルを身につけたかった」という回答も多く寄せられました。
上記から、1人でプログラミングスキルを習得できるか不安な人や短期間でスキルを習得したい人ほど確実性を求め、現役エンジニアといったプロの講師に質問できるプログラミングスクールを利用する傾向にあるのがわかります。
いざ独学でプログラミングを学び始めても、勉強の最中に挫折しまっては学習にかけた時間を悔やむだけでなく「プログラミングスキルを身につけるのって思っていたよりも難しいんだな…」とスキルの習得自体を諦めかねません。
仮にわからないことを飛ばしながら勉強を進めたとしても、システムエンジニアへの就職・転職を実現できる実践的なスキルが身につかなければ、結局後悔することになります。
そこで、おすすめしたいのが「SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)」です。
料金 | 月分割4.098円~ |
実績 | ・累計指導実績4万5,000名以上 ・受講生の学習完了率98% ・受講生の転職成功率99% |
侍エンジニアをおすすめする最大の理由は「挫折しづらい学習環境」にあります。
先ほど述べたとおり、独学者の多くは自力で不明点やエラーを解決できないためにプログラミング学習を挫折しています。そのため、未経験者が現役エンジニアのようなプロに質問や相談できない状況で、プログラミングスキルを習得するのは非常に難易度が高いといえます。
しかし、侍エンジニアでは
- 現役エンジニア講師によるマンツーマンレッスン
- 現役エンジニアに質問できるオンラインでのQ&Aサービス
- 不安や悩み・勉強の進み具合を相談できる学習コーチ
といったサポート体制を整えているため、学習中に出てきたわからないことや不明点をいつでも相談可能です。「受講生の学習完了率98%」「転職成功率99%」という実績からも、侍エンジニアなら挫折しづらい環境でプログラミング学習を進められるといえます。
また、侍エンジニアではカウンセリングにて受講生一人ひとりの目的をヒアリングしたうえでカリキュラムを作成するため、限られた受講期間でもシステムエンジニアへの就職・転職に必要なスキルだけを効率的に習得可能です。
最短距離で目的を実現できるようカリキュラムが組まれているため、勉強する順番や内容を誤り非効率に時間や手間を費やす心配もありません。
なお、侍エンジニアでは最大70%OFFで受講可能な「給付金コース」を提供中。金銭面での支援を受けつつ、理想のキャリア実現に向けたスキルの習得から、転職活動・就業後のフォローアップ(※1)までを一貫してサポートしてもらえます。
学習と金銭面をどちらもサポートしてくれる侍エンジニアなら、未経験からでも安心してシステムエンジニアへの転職や副業での収入獲得などの目的が実現できますよ。
公式サイトで詳細を見るシステム開発にまつわるFAQ
最後に、システム開発によくある疑問へまとめて回答します。
システム開発の仕事に資格は必要?
システム開発の仕事に必須の資格はありません。実際に資格を持たずに、システム開発の最前線で活躍しているシステムエンジニアはたくさんいます。
しかし「資格・検定を取ることに意味がないか」と言うと、そうではありません。
資格・検定を取得していれば、一定水準の知識・スキルを保有していることを客観的に証明することができるため、就職・転職活動では有利に働きます。
おすすめの資格は下記のとおりです。
また、システム開発を行うにあたって取得していたほうがよい資格については、下記の記事でも詳しく紹介しています。
システム開発を仕事にするのはキツイ?
「システム開発の仕事はキツイ?つらい?」という質問は、よく聞かれる質問です。しかし結論から言うと、システム開発の仕事が本当につらいのかは、職場によって大きく異なります。
システム開発を行う職場でも、従業員にとって働きやすい環境を整えている会社もあります。そのため、仕事がキツイかどうかは、会社選びに大きく左右されるのです。転職前に各企業についてきちんと調べ、転職して問題ないと確信できてから選考を受けるようにしましょう。
システム開発の仕事がキツイかどうかは、下記の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
この記事ではシステム開発について、以下の点を紹介してきました。
IT技術が発達していく中で、システム開発はますます需要が高まることが見込まれます。システム開発の知識があれば、あなたの今後のキャリアがより良いものになっていく可能性が高まります。
今後のキャリアの選択肢として、システム開発に携わることも検討してみてはいかがでしょうか。
なお、システム開発については下記メディア「Sqripts」でも発信しているので、良ければ参考にしてください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。