ネットワークエンジニアなら是非とっておきたい資格「CCNA」。年々取得難易度も上がってきており、一度取得しても有効期限があり再認証試験を受けなければならないなど、様々なハードルがある資格です。
そんなCCNA試験において、
CCNAを受験するときのポイントなどはあるのかな?
CCNA試験対策方法はあるのか?
このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな方に向けて、CCNA資格の勉強方法を徹底的に解説していきます。勉強法の他に試験の概要や受験する際のポイントなどもまとめているので、現役ネットワークエンジニアの方や未経験からネットワークエンジニアになろうと目指している方は、本記事を参考にしてみてください。
- CCNAはシスコシステムズ社が実施する有認定資格試験
- CCNAの取得にはネットワークやセキュリティなどへの幅広い知識が求められる
- CCNAの試験対策には問題集の反復が効果的
CCNAとは?
CCNA資格とは、シスコシステムズ社が実施している認定資格試験。主にネットワーク関連の基礎知識や、シスコシステムズ社の提供している製品の使い方などの知識や技術を証明するための資格です。このCCNA資格は世界的にも有名な資格で、ネットワークエンジニア界隈では知らない人はいないと言っても過言ではないほど。
ネットワークエンジニアとして働く方にとって非常に大切な資格試験であり、取得をおすすめしている資格でもあります。
CCNA資格試験の概要
では、CCNA資格試験の概要について触れてみましょう。
CCNAはシスコ技術者認定試験の一つとして位置づけされており、難しさの順にグレードが5つ分けられています。CCNAはその中でも下から2番目の難易度という立ち位置。
難易度的には下から2番目と言っても、CCNA試験は決して簡単ではありません。それどころか、年々技術や知識の進歩によって試験範囲や内容も濃くなっており、難しさを増しています。
試験については、いつでも好きな日にちにエントリーすることができますので、自分のペースで受験をすることが可能。年に1、2回しか実施されない国家資格などに比べると、取得しやすい試験だと言えるでしょう。ただし受験料は約3万円と決して安くないので、しっかりと対策・勉強をして臨むことをおすすめします。
CCNAの勉強方法
では、ここからはCCNAの具体的な勉強方法についてご説明していきます。
今回ご紹介するのは「参考書を買って勉強する方法」と「CCNAの試験対策ができるサイトを活用する方法」の2種類。この2つの方法にはそれぞれメリット・デメリットがあるので、しっかりと見極めて自分に合った方法で試験対策勉強に取り組みましょう。
おすすめの参考書
まずは、参考書を使った勉強方法についてご説明します。CCNA資格試験の勉強方法として参考書を利用する際のメリットは、
- 正確な情報が手に入る
- 直接マーカーやメモなどが記入できるので自分好みに見やすくできる
- 公式が出している本などもあるので、対策しやすい
個人的には2つ目に紹介した「自分好みに見やすくできる」という点が非常におすすめ。勉強するにあたって、モチベーションが非常に大切です。自分好みにアレンジしたり、見やすくできる点は自身のやる気が上がる要素にも繋がり、勉強効率も上がります。
また、正確な情報が手に入る点においては、公式のシスコシステムズ株式会社が出版している本があるので安心。信頼できる情報を手に入れることができます。
では数あるCCNAの勉強ができる参考書の中から厳選した、CCNA資格試験対策におすすめの参考書をご紹介します。
シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301 (日本語)
まず初めに紹介するのは、「シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301 (日本語)」。CCNA資格試験は2020年から新試験に変更されたのですが、その新試験にも対応している一冊です。IT技術の専門スクールの講師陣が書き下ろしており、信頼性の高い情報に加えより実戦に近い方法や知識を身に付けることができます。
この参考書は日本語で記載されている中では一番のおすすめなので、気になる方は是非試してみてください。もし、英語ができる方は次に紹介するシスコシステムズ公式の参考書を試してみると良いでしょう。
CCNA 200-301 Official Cert Guide Library (英語)
こちらは、公式ガイドブックである参考書。600以上の模擬試験の質問に加えて2時間以上のビデオトレーニングが収録されており、ネットワークシミュレータも無料でダウンロードできたりと、非常にお得な一冊です。
Cisco Pressが出版している公式ガイドブックということもあり、信頼できる本ですが、英語で書かれているのが唯一の欠点と言えるでしょう。
おすすめサイト
次に、CCNAの試験対策におすすめなサイトをご紹介します。
場所を選ばずにネット環境があればどこでも学習可能で、隙間時間を有効に活用できたり、サイトによってはわからないことを質問できたりと、Webサイトの魅力は豊富。もしCCNA資格の勉強をするのであれば、メリットがたくさんある学習サイトを積極的に利用していきましょう。
ここでは、数あるCCNA学習サイトの中から特におすすめする学習サイトを2つご紹介します。
Ping-t
「Ping-t」は国内でも有名なCCNA学習サイトで、10万人を超えるユーザーが登録しているポータルサイト。
「豊富な問題集」と「助け合いのフォーラム」という、困っている方とその疑問を解決できる方が助け合ってみんなでレベルアップできる、ポータルサイトならではの特徴が最大の強みでありポイントです。
基本的に無料で登録をすることが可能ですが、もっと深い学習をしたい方は月額2400円でプレミアムコンテンツを登録することも可能。とりあえず無料登録して、気に入れば月額課金してさらなる技術向上を目指すと良いでしょう。
@network Cisco
次に紹介するサイトは「@network Cisco」。豊富な問題集だけではなく実機を使って実践できるという、他にはない最大の特徴を持っているのがポイントです。また、シスコの資格試験関連の様々な情報が網羅的に集約されているのでわかりやすく、初心者でも簡単に学習できます。
個人の方が運営しているサイトなのですが、「ネットワーク学習をもっとお手軽に」をモットーに運営されており、全て無料で利用できる非常に太っ腹なサイト。CCNA試験の受験を検討している方は、一度目を通しておくことをおすすめします。
CCNA資格取得に必要な知識とは
CCNAの資格を取得するには、どのような知識が必要なのでしょうか。具体的にみていきましょう。
ネットワークの基礎
当たり前ですが、「ネットワークの基礎知識」が必要です。
ネットワークとは、大きく分けるとLANやWAN、インターネットの3種類に分類されるもののこと。現在ネットワークエンジニアにとっては簡単と思える項目かもしれませんが、CCNAを受験する際には再度復習しておくのがおすすめです。
セキュリティの基礎
次に必要な知識として、セキュリティがあります。
ネットワークを取り扱う以上必ず考慮する必要があり、ネットワークエンジニアが常に気をつけなければいけない分野。情報漏洩の危険性を0にするために最大限考慮すべき事柄ですので、最新の技術を常に追い求め、日々アップデートされるテクノロジーについていく必要があります。
IPサービス
IPサービスの知識も必要です。TCP/IP通信についての知識やIPアドレスを利用して通信する「ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト」の3種類についてなどもしっかりと押さえておきましょう。
ネットワーク管理の自動化
ネットワーク管理の自動化に関する知識やスキルを身につけるポイントは、ネットワークの運用・構築・設計の業務について詳しく理解すること。それぞれの作業について、対応頻度の大小やリスクの高さなどもしっかり認識しておきましょう。
ネットワークを自動化する際には設計から運用までの全工程を把握する必要があるので、そこを前提に考えて学習するのがおすすめです。
CCNA試験に合格するためのポイント
では次に、CCNA試験に合格するためのポイントについてまとめます。
そもそも合格ラインは?
具体的な合格ラインは公式で発表されていないため、ハッキリとした数値は明かされていないのですが、一般的に8〜9割の正答率が必要で、合格率は半分もないと言われています。ネットワーク系の技術は年々アップデートされており、さらに難易度は上がっているので、試験には万全の準備をしてから受験しましょう。
試験範囲の把握
CCNA試験に限った話ではありませんが、試験にどの範囲の内容が含まれるのか把握しておくのは重要。必ず把握しておきましょう。
CCNAのWEB問題集をやり込む
CCNA試験に合格するためのポイントで一番大切なのが「問題集をやり込むこと」。先ほどご紹介した「Ping-t」などでは無料会員登録するだけでWeb問題集を解くことができるので、そのようなサイトを利用してどんどんWeb問題集を解いていきましょう。
CCNA試験に必要な勉強時間はどれくらい?
少し前までは、IT企業の未経験者向けの研修期間の3ヶ月の間にネットワークの勉強をして、研修期間を卒業するタイミングでCCNA試験の取得を目指す企業なども見られましたが、CCNA試験は年々アップデートされて難易度が非常に高くなっているので、未経験者が3ヶ月で取得するのも難しいのが現状です。
現在は、現役のネットワークエンジニアの方でも数ヶ月かかる程難しくなっています。CCNA試験は好きな時に受験でき、受験料も決して安くないので、1回で合格できるようにしっかり勉強しておきましょう。
CCNA資格の受験方法
では、具体的なCCNA資格の受験方法について説明していきます。
登録と申込
まずは、登録と申し込みについてみていきましょう。試験を受けるにはアカウントが必要になるので、シスコシステムズ社のアカウント作成画面よりアカウントの作成を行ってください。
その後、「監督付き試験」というボタンをクリックすると色々な試験の名前が表示されますので、該当試験を選択しましょう。その後は、画面の指示通りに操作すれば試験の申し込みができます。
試験当日の流れ
簡単に試験当日の流れをご紹介します。
- 試験の当日は予約した日時に遅れずに行く
- 免許証などの身分証を提示
- デジタル写真を撮影し、署名確認
- 持っている電子機器の電源を全て切り、全ての私物をロッカーなどに保管
※待ち時間に問題集や参考書を読むのは禁止されています - 名前が呼ばれたら持ち物検査をして試験会場に入室
- 試験が終了したら試験管に従い退出
- 退出後にスコアレポートを受け取る
CCNA資格に合格したら?
試験の合格後約1ヶ月で、合格証書が到着します。もし会社などに合格したことを合格証書到着前に証明したい場合には、トラッキングシステムなどもあるので公式サイトで確認してみてください。
また、CCNAは資格には有効期限が設定されています。有効期限を更新するためには再認証試験を受ける必要がありますので、忘れないように更新しましょう。その辺りの注意点などは、この次の章で解説します。
CCNA資格の注意点
先ほども述べましたが、CCNA資格は有効期限や更新が必要です。注意点を簡単にみていきましょう。
CCNA資格には有効期限がある
CCNA資格には有効期限があり、その期限は「3年」。一般的な資格は1度取ってしまえばOKですが、ネットワークエンジニアという職種は他のエンジニア職と比べても特にトレンドや技術の移り変わりが激しいため、資格に有効期限が設定されています。
3年毎に資格を更新して、自身の技術や知識も最新だという証明を行うようにしましょう。
CCNA資格の更新方法は?
CCNA資格の更新方法は実にシンプルで、以下の2つ。
- CCNA試験を再度受けて合格する
- CCNA資格の上位資格CCNPの試験に合格する
このように、再度同じCCNA試験を受験するか上位資格のCCNPを受験するかです。しかし実際には、CCNA資格を更新するために再受験する方は稀。ネットワークエンジニアとしてCCNAを取得し、その後3年間実務に就けば否が応でも技術や知識は向上するので、上位資格であるCCNPの取得を目指すのがおすすめです。
CCNA取得後のキャリアアップを考えていてCCNA上位資格の「CCNP」についてもっと知りたい方は、こちらの公式サイトから詳細を確認してみてください。
まとめ
今回はCCNA資格試験の勉強法や合格するためのポイントなどをご紹介しました。CCNA試験はネットワークエンジニアにとっては必須と言っても過言ではない資格となっていますので、効率的に勉強して1発合格を目指しましょう。
下記に今回ご紹介した試験勉強法やポイントをまとめておきますので、資格試験の取得を目指している方は参考にしてみてください。
- 勉強方法は参考書や学習サイトを活用する
- 試験範囲はしっかりと把握
- 資格取得後のキャリアアップをしっかり計画する
- 資格取得後は有効期限を忘れずに更新
もしCCNAを取得することができた場合は、3年後の更新の際に是非CCNAの上位資格であるCCNPを目指して、さらなる技術向上に励みましょう。