インフラエンジニア向けの本はどのように選べばいいの?
インフラエンジニアに興味があるので本で学習しようと思っても、実際にどんな本を選べばいいかわからないですよね。
そこでこの記事では、まずインフラエンジニアの仕事内容やインフラエンジニアが扱うサーバーについて軽く解説し、その後学習するための本の選び方を解説しておすすめの本を紹介します。
初心者がインフラエンジニアの本を読む前に押さえておくべきこと
ここでは、以下の内容について解説していきます。
- インフラエンジニアとは
- インフラエンジニアが扱うサーバーの種類
インフラエンジニアとは
インフラエンジニアが担うのは、ネットワークとサーバーの構築です。それぞれの業務にあたるエンジニアをネットワークエンジニア、サーバーエンジニアと呼ぶこともあります。
ちなみにネットワークの構築は社内などにおいて、接続機器のハブやスイッチ、有線LANケーブルや無線LANを使ってコンピュータ同士を繋いで、それぞれのコンピュータにIPアドレスを割り振ります。また、ネットワークにルータを繋いでインターネットに接続します。
ネットワークのシステムにおいて、データの保管、処理、提供といった機能に特化したコンピュータをサーバーと言います。サーバーに対してユーザーが入出力するコンピュータをクライアントと言います。
サーバーの構築ではデータの保管、処理、クライアントへのデータの提供といった、それぞれの機能をもつサーバーのシステムを形成します。
インフラエンジニアが扱うサーバーの種類
サーバーには以下のものがあり大規模なシステムになると、それぞれに専門のインフラエンジニアが配置されシステムの構築や運用を任されます。
Webサーバー
Webサービスにおいてクライアントからの要求を受け取って、情報を処理・加工してクライアントのブラウザへ送信します。
メールサーバー
メールの送受信を担うサーバーで、送信用のSMTPサーバーと受信用のPOPサーバーがあります。メールソフトはメールサーバーの承認のもとサーバーと送受信しています。
データベースサーバー
データベースとしてデータを整理・保管しているサーバーで、要求に応じてデータを検索・処理して結果を返します。
DNSサーバー
WebサイトのURLやメールアドレスといったドメインを、ネットワーク上の機器を識別するIPアドレスに変換することで通信を成立させる役割をするサーバーです。
FTPサーバー
ファイルを転送するファイル転送プロトコルを使用して、クライアントからWebサーバーへファイルをアップロードしたり、Webサーバーからファイルをダウンロードしてクライアントへ転送するサーバーです。
SSHサーバー
社内のネットワークなどへのログインを管理し、ネットワークの安全性を確保するためのサーバーです。

インフラエンジニア向け書籍の選び方
サーバーについて解説してきましたが、サーバーのコンピュータに使用されるOSは皆さんが使用しているパソコンのOSとは異なります。
サーバー用のOSにはMicrosoft関連のものとLinux関連のものとがあります。つまり、インフラエンジニアの学習においてはOSとして、Microsoft関連にするかLinux関連にするかを選択する必要があります。
また、近年は1つのコンピューターの中に複数のサーバーを、仮想的に構築する手法が用いられることも少なくありません。OSに引き続いて仮想サーバーについても学習すると良いでしょう。
Microsoft関連
Microsoft社が提供しているサーバーOSは、普通のパソコンと同じようにGUI(グラフィックユーザーインターフェース)で操作が可能で、多くの企業で採用されています。
有料のOSですが、Microsoft社の手厚いサポートが受けられるというメリットがあります。
Linux関連
LinuxのサーバーOSはオープンソースなので、無料で使用できるためシェアを拡大しています。MicrosoftのサーバーOSよりも動作が安定していますが、おもにCUI(キャラクターユーザーインターフェース)で操作する必要があるので、CUIの知識が必要になります。
仮想サーバー関連
仮想サーバーは1台のサーバー用のコンピューターに仮想環境で複数のサーバーを構築したり、WindowsやMacに仮想化ソフトウェアをインストールしてサーバーを構築したものです。
1台のコンピューターで複数のサーバーを構築できるため、手軽に設置できてコストも抑えられますが、処理能力は低くなります。レンタルサーバーなどのクラウドサービスは、仮想サーバーをレンタルするものです。
また、学習段階においてWindowsやMacに仮想環境でサーバーを構築すると、実際にサーバーを動かせるので有用です。
初心者が読むべきインフラエンジニアになるための本
インフラエンジニアについて学習するには、まず、サーバーOSとしてMicrosoft関連にするかLinux関連にするかで書籍を選びましょう。
Microsoft関連:絵で見てわかるWindowsインフラの仕組み (日本語) 単行本
Windows Serverをはじめとした製品群でシステムを構築するための解説書で、おもに絵で解説されていて初心者にも理解しやすい構成になっています。
Microsoft社が提供している各サーバー製品やサービス、クラウドサービスについての概略と特徴を理解できます。
書籍の内容
- 第1章 Windowsをとりまく環境
- 第2章 Windowsの構成要素
- 第3章 Windowsが動く仕組み
- 第4章 サーバー技術
- 第5章 主な製品
- 第6章 クラウド
- 第7章 開発
- 第8章 その他の技術
Linux関連:本気で学ぶ Linux実践入門 サーバ運用のための業務レベル管理術 (日本語) 単行本
Linuxの基礎知識を学びながら、実用的な操作・設定・管理方法を身につけられる実践的な入門書です。
業務に使用するコマンドの実行例が多数掲載されていて、必要なコマンドを学習できます。
書籍の内容
- hapter1 Linuxの概要と導入
- Chapter2 Linuxの起動・停止を行う
- Chapter3 ファイルを操作する
- Chapter4 ユーザを管理する
- Chapter5 スクリプトやタスクを実行する
- Chapter6 システムとアプリケーションを管理する
- Chapter7 ディスクを追加して利用する
- Chapter8 ネットワークを管理する
- Chapter9 システムのメンテナンス
- Chapter10 セキュリティ対策
- Appendix 仮想環境を構築する
⇒参考:本気で学ぶ Linux実践入門 サーバ運用のための業務レベル管理術
仮想サーバー関連:仮想化の基本と技術 (仕組みが見えるゼロからわかる) 単行本
仮想化技術のうち、「サーバーの仮想化」と「ストレージの仮想化」を中心に、仮想化の概念と技術の全体像を解説しています。本書は初心者でも理解しやすく実用性の高い内容構成になっていて、インフラエンジニアにおすすめです。
書籍の内容
- 第1章 仮想化技術の概要
- 第2章 仮想化技術の基礎知識
- 第3章 サーバーの仮想化
- 第4章 ネットワークの仮想化
- 第5章 ストレージの仮想化
- 第6章 クラウドと仮想化
- 第7章 仮想化のこれから
⇒参考:仮想化の基本と技術 (仕組みが見えるゼロからわかる)
まとめ
インフラエンジニアについての概要と、学習に役立つ書籍について見てきました。企業においてインフラエンジニアとして仕事をするのであれば、Microsoft関連の書籍を学習しておくと良いでしょう。
仮想サーバーについては技術やサービスの拡充が目覚ましく、しっかりと理解しておくべきです。社会におけるITの必要性は揺るぎないことから、インフラエンジニアは社会に不可欠な存在です。
インフラエンジニアの仕事は専門的な知識を必要とするため、ここで紹介した書籍から得られる知識は必ず実務に活かせるものです。インフラエンジニアを目指すための基礎になると信じています。