どんな言語があって、どうやって勉強するの?
普通のプログラミングとなにが違うの?
最近、じわじわと話題に上がることが多くなってきたビジュアルプログラミング。まだまだ耳慣れない言葉ですから、こんな疑問がたくさんありますよね。
そこで、この記事ではビジュアルプログラミングについて
- そもそもビジュアルプログラミングとは?
- ビジュアルプログラミング言語の種類
- おすすめのビジュアルプログラミング
- メリット・デメリット
などなど「ビジュアルプログラミング」についてのよくある疑問について、わかりやすくざっくりまとめました。
この記事の目次
ビジュアルプログラミングとは?
ビジュアルプログラミングとは、その名のように絵や図を用いて「視覚的」に行うイメージのプログラミングです。
JavaScriptやPHP、Pythonなどのプログラミング言語を使わないので、直感的・視覚的にプログラミングを行うことができ、学習ハードルも低い新しい形のプログラミングといえます。
一般的なプログラミングとの違い
一般的なプログラミングとの大きな違いは、その見た目です。
ビジュアルプログラミングは先述のように絵や図を用いますが、一般的なプログラミング言語はコードと呼ばれる英語や数字・記号などを使用して命令を行います。
また、Webサイトは「PHP」、iPhoneアプリなら「Swift」のように、作るもの・目的に応じて使い分ける必要があり、それぞれ学習して身につける必要があります。
これに対しビジュアルプログラミングは、視覚的・直感的に使えることから学習ハードルが低く、子どもや初心者向けのプログラミングです。
ざっくりまとめると、一般的なプログラミングは専門的で難しく、ビジュアルプログラミングはゲーム的でわかりやすいという違いがあります。
ビジュアルプログラミングのメリット・デメリット
では、ビジュアルプログラミングにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?それぞれ3つずつ簡単に説明します。
ビジュアルプログラミングのメリット
まずはビジュアルプログラミングのメリットからご紹介していきます。
直感的に操作できる
先ほどから繰り返し書いているように、ビジュアルプログラミングは絵や図形、アイコンなどを使ってプログラミングができます。
ドラッグ&ドロップで操作したり、スマホアプリでも使えるので、子どもや初心者でもすぐに使いこなすことができます。
学習が比較的かんたん
先程も書いたように、一般的なプログラミングと違い、誰でも視覚的かつ直観的に使うことができるため、学習のハードルが低いのが特徴です。
この後紹介するビジュアルプログラミングソフト等を使えばゲーム感覚で勉強でき、一度プログラミング学習に挫折した人にもおすすめです。
ゲーム感覚で子どもでも楽しめる
ビジュアルプログラミングは見た目や操作性にもこだわっているソフトが多いです。キャラクターが登場したり、自分で絵を書いてそれを動かすことができたりして「ゲーム感覚」 が味わえます。
そのため、特に子どもに最適なプログラミングといえます。2020年から必修化になるプログラミング教育の対策としても活躍することでしょう。
ビジュアルプログラミングのデメリット
上記のように簡単で学習もしやすいというメリットがある一方、もちろんデメリットもあります。
プログラムの修正に時間がかかる
プログラムの修正を行う際に、一般的なプログラミングであればコードを書き換えるだけですぐに済みます。
しかしビジュアルプログラミングの場合は、最初から組み直さなければならない場合も多く、修正に時間がかかります。
コードを検索しづらい
一般的なプログラミングはキーボードで英数字や記号を書いていくので、テキストベースになっています。そのため特定の文字列を検索する際に非常に簡単に行えます。
しかし、絵や図形で構成されているビジュアルプログラミングは検索が非常にやりづらく、見つけたいものをすぐに探せないという欠点があります。
通常のプログラミングとの互換性がない
ビジュアルプログラミングは、一昔前の、それほど性能の高くないプログラミング言語をベースにできているものがあります。
また、視覚的・直感的である分、通常のプログラミングへの学習の切り替えが難しく、性能面・学習面ともに互換性に乏しいのが欠点です。
ビジュアルプログラミングの言語の種類
では、ビジュアルプログラミング言語にはどんな種類があるのでしょうか? 代表的なものをいくつかご紹介します。
- Choregraphe
- Microsoft Robotics Studio
- Springin(スプリンギン)
- VISCUIT(ビスケット)
- VSXu
- OpenMusic
上記のうち「Choregraphe」「Microsoft Robotics Studio」はロボット向けのプログラミング言語です。「Choregraphe」は、ソフトバンクが開発したロボットとして有名な「Pepper」の開発ツールにもなっています。
「Springin(スプリンギン)」「VISCUIT(ビスケット)」は子ども向けに作られたビジュアルプログラミング言語で、主にタブレットやスマートフォンのアプリをダウンロードすることで使うものです。ゲーム感覚・遊び感覚で楽しんで学習を進めることができるでしょう。
そして最後の2つ「VSXu」と「OpenMusic」は主に作曲用に使われるビジュアルプログラミング言語です。
このように、全体的に、エンタメ要素の強いものが多いのがビジュアルプログラミング言語の特徴と言えます。
子どもにも簡単でおすすめ!ビジュアルプログラミングソフト7選
では最後に、子どもや初心者の方でも簡単に遊び感覚で使える、おすすめのビジュアルプログラミングソフトをご紹介します。
Scratch(スクラッチ)
最も有名なビジュアルプログラミングソフトが「Scratch(スクラッチ)」です。
MIT(マサチューセッツ大学)のメディア・ラボのライフロング・キンダーガーデンという研究チームによって作られた無料のプログラミング言語で、日本語にも対応。
実際に小学生向けのキッズプログラミング教室でも使われているソフトで、日本だけでなく世界中の子どもたちに広く使われています。
ネコなどの動物キャラクターを、簡単なキーボード入力やマウス操作でブロックをつないでプログラムを組み、動かします。
プログラミン
プログラミンは、文部科学省が開発した子ども向けプログラミング作成サイトです。
机の上に工作用のボードが乗せてあるようなかわいらしいデザインと、ポップな絵柄・サウンドが特徴的。操作方法もアイコンを用いているので簡単です。
さらに、あらかじめ用意された絵や自分で描いた絵を動かすというシンプルな操作のみになっており、誰でもすぐにプログラミングを始めることができます。
人気漫画「宇宙兄弟」とのコラボレーションでコンテンストを開催したりと、政府機関が作っているだけあって豪華な取り組みも話題です。
⇨ プログラミン
MOONBlock(ムーンブロック)
MOONBlock(ムーンブロック)は、enchant.js(エンチャント・ジェイエス)というゲームエンジンをベースに作られたビジュアルプログラミングソフトです。
ゲームやスマホアプリを作ることを前提として開発されているため、多種多様なゲーム・アプリが作れます。操作方法も、ブロックを組み合わせて作るだけの非常に簡単なものになっています。
しかも、公式サイトにアクセスするだけですぐに始めることが可能で、面倒なアカウント登録やソフトのダウンロードも一切必要ないという手軽さも魅力。
作った作品をQRコードやURLでシェアし合うこともできますので、ビジュアルプログラミングの入門編として最適なソフトです。
⇨ MOONBlock(ムーンブロック)
Springin'(スプリンギン)
Springin'(スプリンギン)は、先程も紹介したように、子ども向けに作られたビジュアルプログラミングアプリです。現在はiOSアプリにのみ対応しています。
右脳と左脳を同時に鍛えて人間の「創造力」を鍛えるというコンセプトで作られており、専門家からの評価も高い話題のアプリです。
写真や画像を加工したりして、自分だけのゲーム作品を作ることができ、しかも作品はマーケットに出品(アップロード)することで、世界中の人とシェアすることが可能です。
作品がダウンロードされると、アプリ内で使えるコインという通貨が得られ、それを使ってマーケットに出品されている作品を購入することができたりという特徴も持っています。
⇨ Springin'(スプリンギン)
VISCUIT(ビスケット)
VISCUIT(ビスケット)も先程紹介しましたが、子ども向けに開発されたビジュアルプログラミング言語ソフト(言語)です。2003年にNTTの研究で開発されたもので、国内のビジュアルプログラミングの中では歴史の古いソフトの1つです。
スマホ・タブレットにアプリ(iOS・Android共に対応)をインストールして使用できます。他のビジュアルプログラミングと違い、ブロックを組み合わせたりはせず、自分で描いた絵を動かしながらプログラミングを学ぶという形式を取っています。
また、ビスケットを使って指導したいという方向けの講習も毎月1回開催しており、現在まで修了生は700名以上となり、各方面で活躍しているとか。
利用者・指導者両方にやさしいビジュアルプログラミングといえます。
⇨ VISCUIT(ビスケット)
タイルズ
タイルズは、たった6つの命令しかない極めてシンプルなビジュアルプログラミングソフトです。
アイコンで表示される命令を組み合わせてシンプルなゲームを作り上げていくソフトですが、6つしか命令がないとはいえ、もぐらたたきやじゃんけん等、多彩なゲームを作ることが可能です。
そのため、プログラミング学習につまづいた経験のある人や子どもに人気で、つまづくことがないようにプログラミングの基礎が学べる学習テキストも用意されています。
また、対応OSも幅広く、iOS、Androidの他、AmazonアプリやWebアプリにも対応しており、さらにAI(人工知能)の制作もできる等、シンプルでいて多機能なソフトです。
⇨ タイルズ
Google Blockly
Google Blocklyは、Googleが提供するビジュアルプログラミングで、マウスによる操作のみでパズルのようにブロックを組み合わせてプログラミングを作っていきます。
「パズル」「迷路」等、あらかじめ7つのアプリが用意されていて、これをカスタマイズしてアプリを作ることはもちろん、自分で1からオリジナルのアプリを作ることも可能です。
さらに、Google Blocklyの優れている点は、通常のプログラミングの勉強にも使えるという点です。
ブロックの内容をJavaScriptのコードで表示することができ、さらに他の言語(Python、Dart、XML)へワンタッチで変換できるという非常に便利な機能まで付いています。
入門編としてだけでなく、本格的なプログラミング学習への「つなぎ」としても優秀なソフトです。
まとめ
誰でも遊び感覚でプログラミングに触れられる「ビジュアルプログラミング」は、子どもはもちろん、一度プログラミング学習に挫折してしまった大人にもぴったり。
2020年から小学校でプログラミング教育が必修となるように、今やプログラミングは私たちの生活とは切っても切り離せない関係にあります。
ビジュアルプログラミングは、そんなプログラミングを体験するのに最適な手段になることでしょう。