基本情報技術者試験とは? IT業界人なら必須といわれる資格を解説

基本情報技術者試験ってどんな試験?
資格を持っているとどんなメリットがあるの?
文系が独学しても取れるかな?

こんにちは。文系出身の現役エンジニアの佐藤です。

皆さんはIT業界では有名「基本情報技術者試験」についてご存知でしょうか。IT業界以外の方や文系の学生ならば馴染みがない資格かもしれません。

この記事では「基本情報技術者試験とはなにか?」について、概要から取得のメリットを解説していきます。

後半では独学での学習方法について紹介していきますので、取得しようと考えている方はぜひご覧ください。

あなたがIT業界に就職や転職をお考えなら、取得しておけば有利になる資格です。もちろん、現在IT業界にいる方もこの資格を取得すれば信頼を高めることができるでしょう。

資格の概要から見ていきましょう。

基本情報技術者試験とは?

この章では、基本情報技術者試験の概要について解説していきます。まずはどんな試験なのか知っていきましょう!

IT技術を提供する側なら取っておきたい資格

基本情報技術者試験は情報処理技術者試験の一区分である国家試験です。受験に条件はありません、誰でも受験することができます。

引用元:IPA 情報処理推進機構 情報処理技術者試験 試験要綱

情報処理技術者試験という枠組みには他にも高度な専門的知識に関する資格(データベーススペシャリストなど、ピンク色の部分)もありますが、基本情報技術者試験はその中でも一番基礎的な知識に関する資格です。

ITパスポートなどの資格は「ITを利用する側」の資格ですが、基本情報技術者試験は「IT技術を提供する側」の資格といえます

エンジニアとしてのキャリアを始めるなら、まず初めに取得したい資格です。統計資料には基本情報技術者試験を受験した人の平均年齢は約25歳くらいです。多くの人がキャリアのスタート時に受験しているということが分かりますよね。

まだ取得していない方はぜひ受験を検討してみてはいかがでしょうか。さて、次は気になる難易度について見ていきましょう。

受かる為にはしっかりしたIT知識が必要な難易度

基本情報技術者試験はIT業界にいる方でも簡単に合格することは難しい試験になっています。合格率はおよそ23~25%程度で、ITパスポート合格率の半分ほどです。

なぜ難しいのかというと、この試験からプログラミングに関する知識が問われるようなるためです。初めて学習するという方も多い分野になると思うので難易度が上がっているんですね。

直近の試験の統計結果を見てみましょう。

社会人勤務先別
IT系企業 非IT系企業
受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
15,577 3,156 20.3% 5,638 1,575 27.9%

参照元:IPA 情報処理推進機構プレス発表

なんと非IT企業の方のほうが合格率が高いのです。しっかり学習すればIT業界以外の人でも取得できる資格です。

試験の時間・実施時期

試験の時間や実施時期についてここでは解説していきます。

試験時間について

基本情報技術者試験は午前の試験と午後の試験に分かれて実施されます。午前午後ともに150分間の試験なので、合計で5時間(300分)の試験時間になっています。長丁場です!

実施時期について

試験は年に2回、春と秋に実施されます。大体毎年4月の第3日曜日と10月の第3日曜日に試験が行われているようです。

秋の試験は7月頃から、春の試験であれば1月頃から申し込みができますので公式の案内ページをチェックしておきましょう。もちろん、インターネットからも申し込みができますよ。

試験内容・受験料

ここでは試験の内容について詳しく解説していきます。

午前の問題内容について

午前中の出題範囲はITパスポートと比べてかなり広がりますが、大まかなジャンルは変わりません。

テクノロジ系

ハードウェアからプログラミング・アルゴリズムなど、IT技術に関する幅広い基礎知識が問われます。ここでは計算問題も出題されることがあります。

マネジメント系

プロジェクトマネジメント、サービスマネジメントなどの問題が出題されます。

ストラテジ系

企業活動や法務、システム戦略、企画などに関する問題が出題されます。

 

詳しい出題範囲については公式のシラバスを確認しましょう。シラバスは更新されることもあるので、試験の前には公式のページを必ずチェックすることをおすすめします。2019年にも試験範囲の大きな変更がありました。


参照元:IPA 情報処理推進機構プレス発表

午後の問題内容について

午後の試験範囲は午前の範囲と同じ部分もありますがプログラミングに関する問題が出題されます。

コンピュータシステムに関すること

ハードウェアからソフトウェア、データベース、ネットワークに関する問題が出題されます。

情報セキュリティに関すること

情報セキュリティ全般に関する問題が出題されます。

データ構造及びアルゴリズムに関すること

数値計算、ファイル処理、データの構造などに関する問題が出題されます。

ソフトウェア設計に関すること

要件定義など設計に関する問題が出題されます。

ソフトウェア開発に関すること

プログラミングに関する問題が出題されます。

マネジメントに関すること

プロジェクトマネジメント、サービスマネジメントについての問題が出題されます。

ストラテジに関すること

システム戦略、経営戦略、企業と法務についての問題が出題されます。

 

このように幅広い知識が必要とされます。

特に、アルゴリズムに関すること、ソフトウェア開発に関することが難関と言われています。アルゴリズムは難しいとされていながら、午後試験の中で配点がかなり高いため合否を分ける分野です。

こちらも公式の試験要綱に記載がありますので、学習を始める前によく読んでおきましょう。

合格点について

基本情報技術者試験は午前100点満点、午後100点満点で採点されます。合格するには午前で60点以上、午後でも60点以上取る必要があります。

「午後は捨てよう」ということはできないので、まんべんなく学習しましょう。

試験の方法について

試験は申し込み時に選択した地域の中にある試験会場で行います。

受験票が試験月くらいに送られてきます。そこでようやくどの会場で受験するのか判明します。受験票が送られてきたら、会場のチェックを忘れずに行いましょう。

試験問題はマークシートで回答していきます。必ず鉛筆と鉛筆削り、消しゴムは持っていきましょう。マークシートの段ずれなどにも注意が必要です。

生年月日や受験番号のマーク漏れにも必ず注意します、マークが漏れていると一切採点されないという悲しいことになってしまいます……ぜったい気を付けてくださいね!

受験料について

受験料は5,700円です。払い戻し等はできないので、体調管理等には気を付けて試験まで過ごしましょう。

午前試験の免除について

実は、基本情報技術者試験には午前試験の免除という制度があるんです。免除を受けるためには「IPAに認定された講座を受講し、修了試験に合格する」必要があります。

個人でも講座を受講して、試験に合格すれば午前試験をスキップすることができます。詳しくは以下のページの講座を受講したい方(個人)の項目に記載がありますので、ご確認ください。

基本情報技術者試験(FE)の午前試験が免除される制度について

以上で基本情報技術者試験についての概要解説は終了です。どんな試験なのか把握することができたでしょうか?

次は、ITパスポートとの関係について少し解説していきます。

ITパスポートと基本情報技術者試験

ITパスポートは、会人・これから社会人になる人が備えておくべきITの基礎知識を証明する資格といわれています。
ですが、ITパスポートを飛ばして、基本情報技術者試験を受けようかな……と考える方もいるようです。

基本情報技術者試験の概要説明の際にも良く比較しましたが、ITパスポートと基本情報技術者試験では難易度にかなりの差があります。

IT業界にお勤めでどちらを受けようか悩んでいる方なら、いきなり基本情報技術者試験から取得しても良いかもしれません。しかし、ITの知識に自信がない方が、ITパスポートを飛ばして基本情報技術者試験から受験するという方法はおすすめしません。

時間がかかる……と思われるかもしれませんがITパスポートはいつでも自分が決めた日に受験ができる形式です。

苦手意識がある、まだ学生であるという方はまずは手軽に受験できるITパスポートの学習から始めてみることをお勧めします。ITパスポートも取っておいて損はしない資格です。

ITパスポートについてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、興味がある方はぜひご覧ください。

次に、基本情報技術者試験のメリットについて紹介していきます。

基本情報技術者試験に合格するメリットとは

この章では基本情報技術者試験を取得するメリットについて紹介していきます。

一番大きなメリットとしては、この資格を持っていれば知識の証明になるため仕事上の信頼を得たり、提案に説得力を持たせることができるということです。

今回は就職、転職に注目して紹介していきます

就活生でIT企業を目指しているなら

もしあなたが就活生でIT企業を目指している、エンジニアを目指しているという事なら、この資格を取っておいて損はありません。

入社後、受験を義務付けている会社もあるくらいなので、学生のうちに取得できればかなり有利に働くはずです。学生のうちに取得するには難しい資格かもしれませんが、ぜひ挑戦してみてください。

非IT企業からIT企業へ転職を目指しているなら

もしあなたが非IT企業から、IT企業への転職を目指しているなら、取得できればかなり大きなアピールポイントになるでしょう。

非IT企業からIT企業への転職は、ITの知識や技術力の証明等が簡単にはできません。資格があれば一つの証明になるため転職活動にも生かすことができます。

IT知識に自信がない方にとっては難しい試験かもしれませんが、取得できれば自信にもつながります。ぜひ挑戦してみてください。

IT企業からIT企業へ転職を目指しているなら

もしあなたがIT業界にいて同じくIT業界への転職を目指しているなら、持っていてほしい資格ではあります。

転職活動の際、あなたが今までどんな言語でどんな実績を積んできたかしっかり説明でき、技術力を証明できるなら必要ないかもしれません。

ですが、資格があるというだけで相手企業の目には留まりやすいものです。チャンスにつなげるために、まだ取得していないということであれば受験をお勧めします。

フリーランスになろうと思っているなら

あなたが経験の長いエンジニアで、これからフリーランスになろうと思っているなら、資格にこだわる必要はないかもしれません。自分の技術をポートフォリオ等で証明できる、という自信があれば試験勉強よりもそちらに時間をかけるのが良いでしょう。

逆に、IT業界未経験からフリーランスにと考えているなら、基本情報技術者試験の知識はこの先役に立つことがあるはずです。学習やポートフォリオ作成で忙しいかと思いますが、落ち着いたころには取得に挑戦することをお勧めします。

次は、基本情報技術者試験を独学で取得したいと考えている方に向けて「独学での学習方法」について紹介していきます。

独学で学習する方法

基本情報技術者試験もきちんと学習すれば、独学で取得できる資格です。
ここでは独学での学習時に役立つ情報を紹介していきます。

まずは過去問を解いてみよう

どの資格勉強についてもいえることですが、まずは過去問を解いて自分のレベルをしっかり把握しましょう。自分がどの分野の知識が足りてないのか、しっかり分かってから書店などに行って書籍を選ぶことをお勧めします!

過去問は公式サイトで公開されていますので、自由に解くことができます。

書籍を使って学習する

自分のレベルが把握できたら、自分に合った書籍を購入しましょう。

古い書籍は出題範囲が改定前のものもありますので、最新の書籍を購入するようにしましょう。最近では電子書籍も充実しているので、電子書籍派の方も安心です。

・なるべく文字を読みたくない方へ
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者

イラストが多く、絵や図を見ながら学習できます。文字が沢山あるのは苦手な方に勧めな一冊です。ひとつひとつの項目の解説もかなり詳しくなっていて、単に用語の暗記だけではなく仕組みを理解させてくれる良本です。

一つ注意点としては、解説がかなり詳しいため午前の試験の出題範囲のごく一部がカバーできていないことです。残りは自分で別の本から学習するか、インターネットでの学習を行いましょう。

・IT用語になじみがない方へ
イメージ&クレバー方式でよくわかる栢木先生の基本情報技術者教室

こちらは先ほど紹介した書籍より文字数は多くなってしまいますが、程よくイラストを交えて初心者にも分かりやすいように用語を身近なものに例えて解説してくれます。

IT用語に馴染みがなく、横文字が苦手だ……と感じている方にはお勧めの一冊になっています。

・午後試験のアルゴリズム分野が全く分からないという方へ
うかる! 基本情報技術者 午後アルゴリズム編

アルゴリズムの問題は難しい上に配点が高く、合否を分ける重要な問題です。こちらの書籍は、アルゴリズムとは?という基礎的な内容から学習することができる一冊です。

基礎が理解できていないと、問題を解いて解説を読んでもなぜ間違っているのか、どうしてその回答になるのか分かりません。まずは問題より基礎から学習していこう、という方はこちらの一冊をお勧めします。

学習サイト・アプリを活用して学習する

移動中に本で学習するのは大変という方は学習サイト、アプリも利用していきましょう。

基本情報技術者過去問道場
https://www.fe-siken.com/fekakomon.php

ITパスポートなどでもおなじみの過去問道場です、過去問を大量に解くことができます。

年度別・ランダム・ジャンル別出題など苦手な分野の過去問を重点的に解いてみるということも可能です。スマホでも見ることができるので、移動中などにおすすめです。

【令和元年秋対応】基本情報技術者試験 午前問題集

こちらはスマホ用アプリです。一問一答形式で過去問題が出題され、回答すると正解と解説が表示されます。こちらも移動中などにおすすめです。

基本情報技術者試験 午前問題集(開発元:Maiji Saito)
AppStoreからダウンロードGoogle Play で手に入れよう

学習の方法について

とにかく夜たくさん勉強しよう、休みの日には一日中勉強しようと思っても集中力が切れたり、予定が入ったりして上手くいかないものです。

短くても良いので、毎日問題を解くor教科書の〇〇分野のページは読むと決めて、毎日試験と向き合うことが大切です。これならできそう、と思えるレベルのノルマで良いので、自分で設定しましょう。もちろん、余裕があればノルマ以上の学習を進めてもOKです。

また、一冊を読み終わった、解き終わったからといって、新しい書籍を購入するのはおすすめしません。

購入した教科書や問題集の一冊程度を何度も読み、知識を身に付けることを意識しましょう。本を読み終えることが目的になってしまうと、知識がつかないままになりがちです。

難関といわれるプログラミングの学習

この試験で難関であるのが「アルゴリズム」と「プログラミング」に関する問題です。試験では言語を選択することができます。すでに開発でJavaやC言語に触れているかたはそちらを選択すれば問題ありません。

ここではプログラミングに全く触れてこなかった方へおすすめの言語を紹介していきます。

プログラミング初心者+今後もプログラミングはしない

そんな方は「CALSⅡ(アセンブラ)」を選択することをお勧めします。CALSⅡは、情報処理技術者試験のために作成された言語です。

「表計算」も進められることが多いですが、思った以上に難易度の高いマクロに関して出題されることが多いため、アセンブラを筆者はおすすめしています。

理由として、

 

覚える規約が少ない
言語の命令文などは問題に記載されていることが多く、ひとつひとつを覚える必要はありません。どういった仕組みで動くのかという点をしっかり学習すれば、自分の知識で問題が解けるようになっています。

問題のコードが短い
プログラミングに触れたことのない人なら、コードが長いだけで分からないということに陥りがちです。アセンブラはJavaなどに比べて問題のコードが短く分かりやすくなっています。

といっても、どうやって学習したらいいのか不安になりますよね。そこで公式では言語の仕様も公開しているので、仕様を確認しつつ過去問を解いてみるという学習法をおすすめします。

書籍なら、この過去問集は解説もしっかりしています。繰り返し説いてみて仕組みを理解してみてはいかがでしょうか?

平成31年【春期】基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集|Amazon

また、解説を読んでもどうしてそのように動くのか分からない……という方は、公式からシミュレーターをダウンロードできるので実際に問題と同じようなプログラムを作成して実行してみましょう。理解が深まること間違いなしです。

情報処理推進機構:CASLIIシミュレータ
⇨ https://www.jitec.ipa.go.jp/1_20casl2/casl2dl_001

プログラミング初心者+今後もプログラミングしたい

そんな方はJavaなどの学習をお勧めします。プログラミングの学習は時間のかかるものですが、今後も必ず役に立ちます。

問題を解くだけなら、解説を読んで覚えればよいかもしれませんが基礎から学習しようと考えている方はこちらの学習サイトをお勧めします。

Progate
⇨ https://prog-8.com/

Java以外の言語も学習できるので、興味が湧いたら他の言語の学習も可能です。

また、本格的にプログラミングを始めてみたいと思ったときには、この侍エンジニア塾のブログで言語別にさまざまな解説を用意しています。もちろんスクールもありますのでぜひご検討下さい!

まとめ

技術者なら持っていたい資格「基本情報技術者試験」について解説しました。

受験を迷っていた方や、学習法に悩んでいた方、いろいろな方の参考になれば筆者もうれしいです。自分に合った学習方法で合格を目指しましょう!

それでは次の解説で!

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書いた人

佐藤

佐藤

文系大学出身、なんとか自力で頑張りプログラマー歴今年で8年目。
自力で頑張って勉強した経験を生かし、読者の皆様に分かりやすく親しみやすい記事を書けるよう日々邁進中です。
出来る言語はC#,VB,Java,Delphiなどなど、幅広く触っています。

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