Pythonの開発環境構築にはAnacondaを使う方法もあります
ここまで、Pythonを直接インストールする方法を紹介してきました。直接インストールする方法以外にも、必要なファイル類が入っているパッケージをインストールする方法もあります。
代表的なパッケージは「Anaconda」です。Windows、macOS、linuxに対応していて、簡単にインストールできるので環境準備でつまずきやすい初心者におすすめです。詳しいインストール手順は以下の記事で解説しています。Anacondaを使ってみたい方は参考にしてみてください。
【Windows編】0から始める!AnacondaでPython環境を一括インストール
更新日 : 2020年5月15日
Pythonの統合開発環境IDEとは?
IDEとは、ソフトウェア開発に必要なソフトウェアを一つに組み合わせ、同じ操作画面から統一的な操作法で利用できるようにしたソフトウェアパッケージ。一般的にはコードエディタやコンパイラ、リンカ、デバッガ、テストツール、バージョン管理ソフトなどで構成される。
IDE(統合開発環境)は簡単にいえば、プログラマの開発作業を支援してくれるアプリケーションです。開発に必要なツールがたくさん集められていて、入力中のコードを補完してくれたり、開発しているプログラムを実行中に一時停止して変数の値を確認したり、といったことが簡単に行えます。
Pythonの統合開発環境おすすめ一覧
Pythonが使えるおすすめのIDEを紹介します。
PyCharm(最もおすすめ)
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PyCharmはPython専用のIDEです。Windows、macOS、linuxどのOSでも使えます。コードの補完やライブラリ管理、プロジェクト管理など、Pythonの開発をサポートする機能が充実しています。有料版のProfessionalと無料版のCommunityがあり、有料版ではHTML、CSS、JavaScripなどのWeb開発の機能が使えます。
PythonのIDEの中で最強と言われているほどなので、特にこだわりがなければPyCharmを使うと良いでしょう。PyCharmの初期設定方法はこのあと図解付きで詳しく説明します。
Atom
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GitHub社が開発した、完全無料のIDEです。Windows、macOS、linuxどのOSでも使えます。拡張機能が豊富で、自分好みの開発環境にカスタマイズできるのが特徴です。
Eclipse
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IBM社が開発した無料で使えるIDEです。Windows、macOS、linuxどのOSでも使えます。もともとJavaやPHPなどに使われていたIDEで、非常に長い歴史があります。また、日本で多く使われているIDEのひとつなので日本語の情報が多く、初心者におすすめです。
visual studio
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マイクロソフト社が提供しているIDEで、WindowsOSのみ使えます。WindowsアプリケーションやWebアプリケーション、スマートフォンアプリ、複数のプラットフォームで動作するアプリなど、幅広い開発が行えるのが特徴です。
VScode
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マイクロソフトが提供している無料のコードエディタです。Windows、macOS、linuxどのOSでも使えます。厳密にはIDEではありませんが、プラグインをインストールすることで、IDEと遜色ない開発環境を構築できます。Visual Studioと比べて軽いので、小規模なアプリを作る場合はVScodeの方が良いでしょう。
Pythonの最強開発環境「PyCharm」を設定してみよう
ここからは、Pythonの最強開発環境である「PyCharm」の設定手順を解説していきます。実際の画面も掲載するので、一緒にやってみましょう!
ステップ1:PyCharmをインストールしよう
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(1)PyCharmにアクセスして、「DOWNLOAD NOW」をクリックします。
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(2)「Download PyCharm」の下で「Windows」が選択されていることを確認して、「Community」の「DOWNLOAD」をクリックします。
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PyCharm Community(pycharm-community-2018.1.3.exe)がダウンロードされます。今回ダウンロードしたPyCharm Communityは、無料でオープンソースのIDEです。
もう一方のPyCharm Professinoalは、PyCharm Communityの機能に加えて、Djangoなどのフレームワークやツールキットをサポートしています。CommunityとProfessionalの違いについて詳しくは、こちらのサイトをご覧ください。
(3)pycharm-community-2018.1.3.exeを実行します。
(4)「Next」をクリックします。
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(5)インストールするフォルダを確認して、「Next」をクリックします。
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(6)デスクトップに作成するショートカットの種類などを選択し、「Next」をクリックします。
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(7)スタートメニューのフォルダ名を確認して、「Install」をクリックします。
![python-ide07]()
(8)「Finish」をクリックします。
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これで、PyCharmのインストールは終了です。
(9)PyCharmを起動するには、スタートメニューの「JetBrains」→「JetBrains PyCharm Community Edition 2018.1.3」をクリックします。
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(10)初めて起動したときは、以下の画面が表示されますので、「OK」をクリックします。
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(11)PyCharm User License Agreementを確認して(スクロールバーを一番下まで動かして)、「Accept」をクリックします。
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次に、PyCharmやプラグインの使用方法を改善するために、匿名化されたデータをJetBrainsに送信するかどうかを選択します。
(12)送信する場合は「Send Usage Statistics」、送信しない場合は「Don't send」をクリックします。
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(13)UIテーマを選択して、「Next: Featured plugins」をクリックします。
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おすすめのプラグインが表示されます。
(14)「Start using PyCharm」をクリックします。
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(15)「Create New Project」をクリックします。
![python-ide15]()
(16)「Location」を入力し、「Create」をクリックします。
後ほどTensorFlowで「Hello World」を出力したいと思いますので、「D:PyCharmhelloworld」フォルダを指定しました。
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PyCharmが起動します。
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PyCharmを日本語化しよう
続けて、PyCharmを日本語化しましょう。
(1)http://mergedoc.osdn.jp/にアクセスして、「Pleiadesプラグイン・ダウンロード」の「Windows」をクリックします。
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pleiades-win.zipがダウンロードされます。
(2)pleiades-win.zipを解凍し、setup.exeを実行します。
![python-ide19]()
(3)「選択」をクリックします。
![python-ide20]()
(4)「pycharm64.exe」を選択し、「開く」をクリックします。
pycharm64.exeは、標準では「C:Program FilesJetBrainsPyCharm Community Edition yyyy.mm.ddbin」フォルダに保存されています。
![python-ide21]()
(5)「日本語化する」をクリックします。
![python-ide22]()
(6)「OK」をクリックします。
![python-ide23]()
これ以降、PyCharmを起動すると、日本語化されたPyCharmを起動できます。
![python-ide24]()
Anaconda環境を使おう
今回は、以下の記事で作成したGPU版TensorFlow(tensorflow-gpu環境)を利用したいと思います。
【2019年度版】TensorFlow 1.5のインストール方法を解説!【Windows 10】
更新日 : 2019年7月17日
(1)PyCharmを起動して、「ファイル」→「設定」の順にクリックします。
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(2)「プロジェクト:helloworld」(helloworldプロジェクトの場合)→「プロジェクト・インタープリター」→「
」の順にクリックします。
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(3)「追加」をクリックします。
(4)「Conda Environment」→「既存の環境」→「...」の順にクリックします。
![python-ide27]()
(5)「C:Users(ユーザー名)Anaconda3envstensorflow-gpupython.exe」と入力し、「OK」をクリックします。
![python-ide28]()
(6)「OK」をクリックします。
![python-ide29]()
(7)「OK」をクリックします。
![python-ide30]()
これで、helloworldプロジェクトで、Anacondaのtensorflow-gpu環境が利用できるようになりました!
TensorFlowのコードを書いてみよう
それでは、TensorFlowを使ってHello Worldを表示するコードを書いてみましょう。
(1)「helloworld D:PyCharmhelloworld」をクリックします。
![python-ide31]()
(2)「ファイル」→「新規」の順にクリックします。
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(3)「Pythonファイル」をクリックします。
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(4)「名前」に「helloworld.py」と入力し、「OK」をクリックします。
![python-ide34]()
(5)「import ten」と(途中まで)入力し、「tensorflow」をダブルクリックします。
![python-ide35]()
コード補完が効いていますね。
(6)「 as tf」と入力し、Enterキーを押して、「hello = tf.cons」と(途中まで)入力し、「constant」をダブルクリックします。
![python-ide36]()
(7)「(‘Hello, World!」と入力します。
最後の「’)」は自動的に入力されます。
![python-ide37]()
(8)同様に操作して、以下のコードになるように入力します。
import tensorflow as tf
hello = tf.constant('Hello, Hello World!')
sess = tf.Session()
print(sess.run(hello))
(9)2行目の左側(赤枠部分)をクリックして、ブレークポイントを設定します。
![python-ide39]()
(10)「実行」→「デバッグ」の順にクリックします。
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(11)「helloworld」をクリックします。
![python-ide41]()
helloworld.pyが実行され、ブレークポイントを設定した行で一時停止します。
(12)画面下部の「
」をクリックします。
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ブレークポイントを設定した行が実行され、変数欄にhello変数の情報が表示されます。
![python-ide43]()
同様の操作でスクリプトを1行ずつ動作させられます。
(14)実行結果を確認する場合は、「コンソール」をクリックします。
![python-ide44]()
「b’Hello, Hello World!’」と表示されていますので、TensorFlowを実行できていますね。
まとめ
OS別のPythonの環境構築とIDEを紹介してきました。数あるPythonのIDEの中で最もおすすめなものは、Pythonの開発をサポートする機能が充実していて、最強のIDEと呼ばれている「PyCharm」です。
この記事では、PyCharmのインストールから日本語化、Anacondaで作成したTensorFlowのコード実行まで説明しています。記事の手順に沿えば簡単にPythonの開発環境が整えられるでしょう。ぜひ本記事を参考にPyCharmを使って、Pythonのプログラム開発をスタートさせてください!
※本記事の内容以外にPythonの入門知識を学びたい人は、以下の記事も合わせてお読みください。Pythonでできることや学習法、需要や将来性等、幅広くまとめています!
Python入門完全攻略ガイド【基礎学習からアプリ開発まで】
更新日 : 2021年1月18日