Deep Learningブームで何かと話題の「AI(人工知能)」という単語、
「よく目にするけど実際にはどんなところで使われているんだろう」
って思いませんか?
この記事でAIを実際に使っているサービスを知ることで、AIに興味を持っていただければ嬉しいです!
この記事では「サービスにどんなふうにAIが使われるのか」といった最初に押さえておきたいポイントと、「AIを使ったWebサービスの一例」を見ていくことで、AIを使ったサービスについて紹介します!
ぜひ参考にしてみてくださいね。
【こんな方に向けて書きました】・AIの活用事例を知りたい
・AIについて詳しく調べている
・AIで実際にどんなサービスを提供できるか詳しく知りたい
サービス・システムに使えるAIとは
実社会で使われているAI
AIというと、漠然と「なんかすごそう」とか「難しそう」とかと感じますが、実はもう皆さんの生活の中に溶け込んでいる技術もたくさんあります。
例えばGoogle翻訳、あれもAIの一種ですね。
鉄腕アトムやドラえもんのような、俗にいう強いAIの開発はまだ先のようですが、個別の目的のために作られた弱いAIは、着実に皆さんの生活を豊かにしています。
サービス | 使われているAIの分野 |
Google 翻訳 | 機械翻訳・自然言語処理 |
AIスピーカー | 音声認識・音声合成 |
自動運転 | 画像認識 |
通販サイト | 推薦システム |
コンピュータサイエンスの分野でのAIは、「その時難しいと言われる問題」がまとめて研究対象になっているとも言えます。
ドラえもんの登場は待ち遠しいですが、弱いAIは着実に社会を豊かにしている(する)のが想像できますね。
この記事で扱うAIも、「弱いAI」について話していると思ってください。
つまり、現時点で様々なサービスの中で使うAIとは、このような「何かの目的に特化したAI技術」の事を指します。
サービスで使えそうな最新AI技術
サービス(というか何かしらのシステム)へ応用できる分かりやすいAI技術といえば、
- 画像処理
- 推薦システム
などになるのではないでしょうか。
また、最新のDeep Learning技術を使うのならば、アートの分野でAIの力を発揮するというのも面白いです。
例えば、動画を好きな絵画のタッチに変換する手法、なんていうものがあります。
アイディアさえあれば、面白いサービスができそうな技術じゃないですか?
更には、Deep Learningを使って他人の顔を転写する手法というのも話題になりました。
Deep Learningを使ったおもしろサービス、最新技術を追っていくと様々に思いつきそうです。
画像・動画系の例だけでなく、音楽の話もしましょう。
少し古い作品ですが、Deep Learningを使ってジャズを自動作曲するプログラムが話題になりました。
これもすごいですね。
Deep learningに、ジャズの演奏の特徴を覚えてさせて、そこから新しいジャズを作曲させています。
研究者や学生のコミュニティの中では話題になっていても、一般の人たちのところまで降りてこないような最新技術をサービスに使っていく事ができれば、他にはない面白いサービスを作れるかもしれません。
AIを使ったWebサービス
Webやアプリから簡単に試せるAIを使ったサービスを見ていきましょう。
りんなちゃん
https://twitter.com/ms_rinna/status/986436938872774656
「りんな」はMicrosoftが公開している「女子高生AI」です。
もしかしたらこれが今回紹介する中で、一番「AI」のイメージに近いかもしれません。
りんなちゃんはLINEやTwitterで友達登録をすると、AIと会話ができるサービスです。
このりんなちゃんには女子高生という設定がついていて、メッセージを送ると女子高生っぽい(?)回答をしてくれます。
僕も試しにお話してみました!
どうですか?結構それっぽい会話になりますよね。
さて、このような対話システムの研究は昔から行われています。
俗にいう人工無脳、チャットボットです。
人工無脳の研究は1966年のELIZAというプログラムから続いており、日本でも「伺か」、「人工無脳うずら」などの様々な人工無脳が誕生しました。
近年のDeep Learningを筆頭とした人工知能技術の進歩により、対話システムは急速に進化しています。
顧客からのチャットベースの質問をこのようなシステムに回答させる、なんてことも夢ではありませんね。
#AGENT_TRAVIS
『人工知能とビッグデータで今のあなたに最高の映画をおすすめしたい。』
「#AGENT_TRAVIS」は、人工知能があなたのTwitterの情報を元に、オススメの映画を教えてくれるサービスです。
Twitterをやっている人は、試しに自分のTwitter IDを書き込んで、「映画を探す」を押してみてください!
このようにオススメ映画をリストアップしてくれます!
このようなシステムをレコメンダシステム(推薦システム)と呼びます。
Amazonで買い物をすると、オススメの商品を教えてくれますよね。
あれもレコメンダシステムの一つです。
ECサイト(通販サイト)での実装や、SNSでのオススメユーザーの推薦などでの利用が想定されます。
応用先が想像しやすいAI技術ですね。
MakeGirlsMoe
「MakeGirlsMoe」は、Deep Learningを使ってアニメやゲームに出てくるような女の子のイラストを自動生成するシステムです。
様々なパラメーターを設定することで、あなたの作りたい女の子をDeep Learningが生成してくれます。
WebGLという技術で、Webブラウザの上にDeep Learningのモデルを走らせているようです。
このように何かを生成する機械学習モデルを生成モデルと呼びます。
生成モデルもDeep Learningブームの中で急速に発展している分野です。
GAN(Generative adversarial networks、敵対的生成ネットワーク)を筆頭に、目覚ましい進歩を遂げています。
CNNと組み合わせることで、任意の画像を生成するシステムを構成したという研究はたくさん発表されています。
顔写真を可愛く編集するアプリ「Snow」が流行ったことからも、画像生成を使ったシステムを使ったスマホアプリ開発、などにチャンスがあるかもしれません!
PaintsChainer
PaintsChainerは「線画への自動着色」サービスです。
公開されてから、瞬く間にイラストレーターや機械学習界隈で話題になりました。
このサービスはChainerというDeep Learningフレームワークで実装されているようです。
アート+AIは今ホットな分野です。
一昔前ならば、AIには難しいと思われていたようなアートの分野、今のDeep Learning技術を使えば自動化できてしまいます。
このシステムはゼロからイラストを生成するわけではありませんが、イラストレーターの作業の助けになってくれるサービスですよね。
「線画は描いたけど色つけは大変だな……」なんて場合に便利ですよね。
このシステムを使ってあたりを付けて、それを元に清書していく、という使い方が期待できて実用的です。
ディープネットワークを用いた白黒写真の自動色付け
このサービスは早稲田大学の研究者が開発した、白黒の写真をカラー写真に変えるシステムです。
昔の白黒写真をカラーにしておじいちゃんおばあちゃんに見せてあげる、なんて素敵じゃないですか?
今まで白黒写真の色付けは人力だったようですが、これが自動化できてしまうなんてホントにすごいですね!
Amper Music
「Amper Music」は、いくつかのパラメータを決めるだけで、AIが自動作曲してくれるサービスです。
「クラシック・ロック」「90年代ポップ」などの曲のスタイルと、あなたの気分、曲の長さなどがパラメータとして自由に決める事ができます。
個人・非営利目的に限り、無料でロイヤリティフリーな楽曲を作曲できるこのサービスは、去年話題になりました。
このような音楽の自動生成システムは、音楽という時系列データからコード進行などの法則性を学習して、人間が「いい曲だ」と思うようなものを生成する様に作られます。
MIDIという「コンピュータで楽譜を扱うためのファイル」や、ピアノロール、コードなどをお手本として学習し、それらの法則性を見つけて音楽を生成していきます。
先程紹介したDeep JazzやこのAmper Musicなど、どんどんすごい自動作曲AIが公開されています。
自動作曲システムを構築して、自作のゲームなどのBGMにする、なんていうのも可能です。
動向をチェックしていきたい分野の一つですね!
まとめ
この記事で、AIを使ったサービスについて紹介し、それぞれのサービスで使われている技術を解説しました。
あなたのシステムにAIによるプラスアルファをしたり、AIをメインにしたサービスを作ったりなど、利用チャンスは幅広いですね。
このようなシステムを作ってみたい、使ってみたいと思ったら、次は下の記事がオススメです。
最新のAI技術を使ったサービス、ぜひ楽しんでみてください!