フルスタックエンジニアはいらない? スキルをつけて市場価値を上げよう

「フルスタックエンジニアはいらない」という意見を聞いたことはありませんか?

さまざまなスキルをもったフルスタックエンジニアは、企業にとっては有用な人材のはずです。しかし、なぜこういった意見が見られるのでしょうか。

今回はフルスタックエンジニアがいらないと言われる理由や、フルスタックエンジニアとして市場価値を上げるためのスキルなどを紹介します。

この記事を読めば、フルスタックエンジニアとしてどうしたら活躍できるかわかりますよ。

目次

フルスタックエンジニアとは

フルスタックエンジニアとは

まずフルスタックエンジニアについてですが、これには明確な定義がありません。ざっくり言うと、通常複数の専門技術者によって分業しているような業務を、一貫して一人で行えるような技術者のことです。

そのためどんなスキルが必要かは対象の分野によって異なりますが、主に以下のようなスキルが必要とされています。

  • プログラミングスキル
  • インフラの知識
  • アーキテクチャの設計
  • システムの運用

このようにシステム開発において、オールラウンドな知識とスキルを求められるのがフルスタックエンジニアと言えるでしょう。

フルスタックエンジニアのスキルなどを詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

フルスタックエンジニアとは?市場価値やスキル、ロードマップを公開
更新日:2024年3月1日

フルスタックエンジニアがいらないと言われる理由

いらないと言われる理由とは

「フルスタックエンジニアがいらない」と言われる理由としては、エンジニアという専門性の高い職種において技術は伴わず「何でもできます!」といった気持ちが先行しているフルスタックエンジニアは、信頼しづらい側面があるからです。

それぞれの分野を極めるのが難しいと知っているからこそ「すべての領域を把握している」というのは信用しづらいのでしょう。

また、日本では複数のスキルを持っていると、本来望まれる形ではない待遇で体よく使われるケースもあります。

フルスタックエンジニアの需要は高い

フルスタックエンジニアは需要は高いのか

前述のように「いらない」と言われることもあるフルスタックエンジニアですが、一人でさまざまな業務を行える人材は、企業側は重宝するため需要は高いのです。

では企業側はフルスタックエンジニアの、どのような点に魅力を感じているのでしょうか?

人件費の削減

設計から運用まで一貫して行えるフルスタックエンジニアがいれば、開発人数を減らせるので人件費の削減が可能です。

近年ではクラウドの導入によりシステムの開発が容易になったり、CMSによりWeb制作が誰でもできるようになったりと、さまざまなハードルが下がっています。そのため専門性の高いスキルよりも、幅広い知識を持った汎用性の高い人材を求める企業も少なくありません。

とくにスタートアップや中小企業ほど、一人の人間により多くの領域を任せて、人件費を削減したいと考える場合も多いでしょう。

開発や対応スピードが速い

複数人で開発を進めるよりも、一人で進めたほうが早い場合もあります。一人で一貫して行えば、連携や引継ぎといった手間が省けるからです。

細かい指示出しや人員のアサインなどをする必要がなく、フルスタックエンジニアがワンストップで行えば、迅速に対応できます。プロジェクトの開始時やスピードを持って対応したいときなど、素早く動けるフルスタックエンジニアは重宝されるでしょう。

広い視野を持っている

幅広いスキルを持ったフルスタックエンジニアは、広い視野を持って見ることができます。

通常の分業制では、それぞれのスキルを持ったエンジニアがそれぞれで開発を行いますが、広い視野を持っていれば、全体を見ながら開発を進められます。

フルスタックエンジニアがいれば分野を超えて最適化できるため、通常の開発よりもより高い生産性を出せるのです。

フルスタックエンジニアがいらないは誤解! 特に活躍できる領域

活躍できる件場とは?

フルスタックエンジニアの需要はあると説明しましたが、大企業のような分業化された環境では活躍しづらいのも事実です。

逆にフルスタックエンジニアがスキルを活かしやすい領域はあるので、力を発揮できるところで働けば活躍できます。

フリーランス

フルスタックエンジニアは一人でさまざまな業務をこなせるので、フリーランスとしての活躍の場は広いといえます。発注側も複数人に分けるより一人にまとめて発注した方が、手間を省けるうえ認識のズレなどもなくなるため管理が楽です。

またエンジニアはスキルさえあれば、フリーランスになった時点で収入も大きく伸ばせます。一人で全て行うフルスタックエンジニアであれば、フリーランスのほうが稼げる可能性は高いでしょう。

スタートアップ企業

スタートアップ企業であれば、幅広いスキルを持ったフルスタックエンジニアは求められます。

初期のスタートアップはそれほど人を雇えないため、一人ひとりの領域が広く、さまざまなスキルを持っていれば活躍の場も多いでしょう。スキルアップもしやすい環境です。

複数人雇うより少し高い給与を出してでも、フルスタックエンジニア一人を雇うほうが人件費を抑えられます。また初期の頃から活躍していれば、今後会社が成長したときにマネージャーなどのポジションにいける可能性が高いです。

開発マネージャー

開発マネージャーとして活躍する

開発マネージャーは複数のエンジニアをまとめるポジションでもあるので、広い知識を持ったフルスタックエンジニアはピッタリのポジションです。

企画の立案から人材の確保と配置、納期の管理などの業務を行わなければいけません。また、クライアントとの打ち合わせなど、コミュニケーション能力も必要です。

エンジニア的な能力以外にもさまざまなスキルが必要になるため、身につけておけば将来的にも役に立ちます。

副業

フルスタックエンジニアは幅広いスキルを持っているため、副業の案件を獲得しやすいです。どの業務もこなせるので、たくさんの案件から選べる立場にあります。

副業であれば簡単な案件も多いため、本業は会社で働きつつ、バランスを取って程よく稼ぐことも可能です。フルスタックエンジニア一人に任せれば発注側も楽なので、すべて請け負ってしまえば、副業といえど大きく稼げます。

フルスタックエンジニアに求められるスキル

求められるスキル

フルスタックエンジニアは幅広い知識が求められるため、すぐになれるものではありません。エンジニアとして活動しつつ、以下にあげるスキルを地道に習得していけば市場価値も上がります。

インフラの知識

インフラとはネットワークやサーバー、データベースなどです。ネットワークの設計や構築、運用まで行います。

必要な要件を満たしたシステムを設計し、それに対してどれくらいのサーバースペックやマシンが必要か検討し、セットアップからテストまで行える知識が必要です。

運用が始まった後も不具合やシステムダウンが起こらないように、日々テストや検証を繰り返して改善していきます。

プログラミングスキル

プログラミング言語は必須なので、どれかひとつでも習得しておく必要があります。複数できたほうがいいですが、まずはひとつの言語を深く学んでみましょう。

言語にもよりますが、ひとつ取得すれば別の言語を学ぶのも比較的楽になります。ただ、フレームワークや言語は新しいものがすぐ現れるため、常に学び続ける姿勢が大切です。

PHPやRuby、Pythonなど、需要が高く学習しやすい言語はおすすめです。また、オブジェクト指向言語を習得すれば、ほかの言語も理解しやすくなります。

UI・UXの理解

UI・UXへの理解

UX・UIはデザイナ―の領域ですが、フルスタックエンジニアならばデザインへの理解もあれば有利です。

UX・UIの設計は、ユーザーにとって使いやすさを左右する重要な要素のひとつ。使いやすいデザインは満足度を高めるため、売り上げにも直結するポイントです。

しかしデザイナーを簡単に雇えない場合、デザインへの理解があるフルスタックエンジニアがいれば重宝されます。UX・UIの設計までできれば、活躍の場は大きく広がるでしょう。

クラウドサービスのスキル

近年、クラウド化がどんどん広がっているため、クラウドの知識は身につけたいところです。インフラエンジニアが扱っている場合も多いですが、より専門的な知識が求められるようになっています。

例えば代表的なのはAmazonのAWSですが、AWSだけでもさまざまなサービスを展開しているため、完全に習得するのは容易ではありません。

しかしAWSだけでさまざまな開発ができてしまうため、扱えるようになれば、それだけでフルスタックエンジニアになれると言われるほど有用なスキルです。

マネジメントスキル

幅広い知識とスキルを持っているフルスタックエンジニアは、全体を見渡せるためマネージャー的なポジションを任されやすい立場です。

そのためマネジメントスキルを身につければ、上流の工程にもいきやすくなるでしょう。フルスタックエンジニアと言えど、会社で働いている以上多くの人と連携しながら仕事をするため、エンジニアをまとめて管理できる能力も求められます。

まとめ

フルスタックエンジニアはいらないと言われたり、良いイメージを持っていないエンジニアもいますが、さまざまなスキルを持っているため活躍の場は広いです。

とくに開発に一貫して携われるので、フリーランスとして働くのは合っています。またスタートアップ企業のような、少数精鋭の現場では重宝されるでしょう。

フルスタックエンジニアは簡単になれるものではありませんが、一つひとつスキルを習得して、将来的に目指してみるのはいいかもしれません。

この記事を書いた人

【プロフィール】
DX認定取得事業者に選定されている株式会社SAMURAIのマーケティング・コミュニケーション部が運営。「質の高いIT教育を、すべての人に」をミッションに、IT・プログラミングを学び始めた初学者の方に向け記事を執筆。
累計指導者数4万5,000名以上のプログラミングスクール「侍エンジニア」、累計登録者数1万8,000人以上のオンライン学習サービス「侍テラコヤ」で扱う教材開発のノウハウ、2013年の創業から運営で得た知見に基づき、記事の執筆だけでなく編集・監修も担当しています。
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