未経験からSwiftを習得して転職できるのか知りたい。
新しいプログラミング言語としてApple社が開発したSwiftは、iPhone人気とApple社の発展により、エンジニアの転職市場でも注目される存在です。
まだ新しい言語であるため、需要に対して人材の供給が追いついていないことからも、他の言語と比べて転職できるチャンスが大きいと言えます。では未経験からでもSwiftエンジニアに転職することは可能なのでしょうか?
ここではSwiftを習得して転職を目指す皆さんのために、Swiftエンジニアの現状や将来性と転職を有利に進めるポイントなどを紹介します。前向きなチャレンジで転職を成功させるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
Swiftエンジニアの実態調査
Swiftは2014年にApple社が発表した言語で、iPhoneのOSであるiOSのほかApple社のアプリケーション開発用に、それまで使われてきたObjective-Cの後継言語として作られました。
かなり新しい言語であることから、何よりもエンジニアの人材不足が顕著で、そのため仕事の単価も全体的に高めです。比較的習得しやすいという点も、転職を考える上での大きなメリットになるかもしれません。
では、そんなSwiftエンジニアの現状からリサーチしてみましょう。
Swiftの仕事内容
現在プログラミング言語の流れは、コードが書きやすく読みやすいというモダン・プログラミングへとシフトしています。Swiftはその代表的な言語です。Objective-Cとの互換性があり、C言語で構築されたシステムへの応用も可能です。
本来はApple社の製品開発用に作られた言語なので、基本的にはApple社の製品に関わる仕事がメインです。そのなかにはアプリケーションやゲームの開発も含まれます。
最近ではGoogleやFacebookでもSwiftを導入する傾向にあり、今後は仕事の幅がかなり広がると考えられています。
Swiftで転職した場合の年収
平均年収が高い言語は、現在PythonやRubyと言われていて、Swiftの年収は250~500万円程度と、あまり良い条件とは言えないかもしれません。
しかしフリーランス・エージェントEmileeの調査によれば、Swiftは正社員よりもフリーランスでの収入の方が、大幅に水準が高いという結果も出ています。
年収が低めに見積もられる要因としては、Swiftエンジニアの年齢層が他の言語と比べて低いことが挙げられるかもしれません。
確かに若い世代で業務に就くことが多いと、日本の給与体系では不利になることが考えられますが、逆に考えると熟練したエンジニアになれば、人材不足も手伝って一気に収入がアップする可能性もあるのです。
Swiftの需要
まだ開発環境が限られていることから、Swiftの需要は他の言語と比べて高いレベルにあるとは言えません。言語別の新規求人案件では、トップ3以下はほとんど横並び状態で、SwiftはObjective-Cと合わせても、全体の6~7%程度です。
ただし日本ではiPhoneのシェアが非常に大きく、アプリケーションの開発が増加傾向にあることを忘れてはいけません。今後Apple社製品の開発が、Objective-CからSwiftにシフトすることを考えても、現在の需要が上向きになることはあっても、減少する可能性はかなり低いと思われます。
Swiftの将来性
2015年になって、Swiftはオープンソースとして公開されました。そのためApple社以外でも、極端に言えばWindows向けのアプリケーションでも、Swiftでのシステム開発が可能になったのです。
またバージョンアップをすることで、最近ではWebシステムの開発にもSwiftが使われるようになってきました。
さらにSwiftの最大のメリットは、コードが書きやすく読みやすい、つまり使いやすくて今までの言語のように難しくないことです。そのため新しいシステム開発の現場においては、今後Swiftのような新しい言語の利用が、徐々に増大する可能性があるのです。
いわば若い言語だけに、未知の将来性が広がっているとも言えるでしょう。
未経験からでもSwiftで転職できるのか?
さてSwiftを取り巻く環境は見えてきましたが、一方で転職状況はどうでしょうか?
エンジニアへの転職を考える場合、実務経験がなければ未経験という条件になりますが、一定水準以上のプログラミングの実績があれば、たとえ趣味でもプラスの材料になります。
逆にまったくプログラミングについての知識がないと、転職の条件としてはかなり厳しくなります。同じ未経験でも転職で有利になるように、プログラミングの基礎については学んでおくべきでしょう。
未経験からでも転職できる?
未経験OKという求人は、Swiftの場合かなり数が限られてしまいます。転職先はベンチャーやスタートアップが狙い目でしょう。
これらはまだ新しい会社のため、仕事内容は他企業の開発業務を補助することが中心になるかもしれませんが、未経験から実績を積むチャンスとしては理想的です。
ただし未経験OKとはいえ、個人的に趣味の範囲でも良いので、ある程度のプログラミング経験があった方が有利です。完全に未経験の人は少し準備期間を設けて、Swift言語の習得を始めておくことをおすすめします。
未経験からのSwift習得難易度
現在プログラミング業界の流れは、徐々に使いやすい言語の利用にシフトしています。Swiftはそうした言語の代表格であり、コードの仕組みがシンプルで分かりやすいという特徴があります。
他の言語と比較した場合の習得難易度は、やや低め~標準レベルに分類されるでしょう。
新しい言語のメリットとして、他の言語の不便な点が考慮されている上、なるべく複雑さを排除した言語の構成になっています。注意するべき点としては、やはり基本的に英語がベースになっているため、英語が苦手とは言っていられないことですね。
Swiftで転職を成功させるためのステップ
プログラミング・エンジニアとして転職を成功させるためには、言語のちがいは抜きにして、1つずつステップを確かめながら準備を進める必要があります。
どんな仕事でも最初は未経験でのスタートですから、必要以上に不安を感じたり焦ったりしなくても大丈夫です。しかし知識や技術が求められる業界ですから、少しでも多くの情報を収集して、即戦力としてデビューできるくらいの力をつけておくことが、転職を成功させるカギになるはずです。
IT業界の知識を深めよう
プログラミング言語は大まかに言うと、Webサービス・通信サービス・情報処理サービス・ソフトウェア・ハードウェアの開発に使われるツールの1つです。
これらのシステムをまとめてIT業界と呼ぶことからも、SwiftエンジニアになるにはITに関する知識が不可欠だということが分かります。
IT業界は今後の社会変化の中で、最も伸びが期待できる業界ですから、新しい情報や知識がどんどん必要になるでしょう。転職を考える上では、業界の現状や今後の動向に対して常に情報収集を欠かさないようにしましょう。
Web基礎スキルを身につける
エンジニアは毎日パソコンに向かう仕事であり、Webを使いこなせることは必須条件です。またシステム開発に携わることを考えると、Webの仕組みそのものについても学んでおく必要があるでしょう。
転職準備として、Web上に配信されるサービスや、スマートフォンで利用できるアプリケーションなどは、ひと通り扱えるスキルを身につけておきましょう。これらは各種サイトや書籍を使って独習できるので、少しずつでも良いので毎日知識を吸収することが大切です。
プログラミングスキルを身につける
エンジニアとして必要な知識は、言語だけに限られたものではありません。アルゴリズムやデータベースから、場合によっては関数の知識まで求められることがあります。
未経験からプログラミングスキルを身につけるには、やはり各種サイトや書籍で基礎から学ぶことをおすすめします。
またSwift以外の言語について学んでおけば、仕事についてからチャンスを拡げられるかもしれません。現在使われている主な言語については、プログラミングの概要だけでも知っておくと転職に有利です。
サンプルを参考に成果物を作成する
ここからは実際に転職活動を始める場合のアドバイスです。転職活動をよりスムーズに進めるためには、履歴書以外にも業界独自の資料を作成しておいた方が有利です。プログラミング業界ではこれを「成果物」と呼びます。
これは通常システム開発時に作成される資料一式で、「要件定義書」「機能仕様書」「基本設計書」「詳細設計書」など、多くの様式の書類を含みます。もちろん現在では書類よりも、データとして作成されることがほとんどです。
面接で提出する義務はありませんが、自己PRのためにもしっかりと作っておくことをおすすめします。作成方法が分からない時は、IPA(情報処理推進機構)などのサイトで公開されているサンプルを手本にすれば大丈夫です。
参考⇨ 成果概要報告書 IPA
ポートフォリオを完成させる
ポ-トフォリオはエンジニアにとっての「実績集」とも言えるもので、自身の履歴書から成果物、そして過去に作成した作品などをまとめた、自己PR用の総合的資料のことです。現在はインターネット上で公開する、Webポートフォリオも一般的になってきました。
未経験の場合は趣味でも良いので、自分で仕上げたプログラムなどを作品として、それに先ほど説明した成果物を合わせてポートフォリオとすれば良いでしょう。
ポートフォリオの作成方法も、さまざまなサイトが公開されているので参考にしてみてください。実はWebサイトではおなじみの「WordPress」でも作成できるのです。
Swiftを身につけるための方法
最後にSwiftを身につける方法について説明します。大きく分けると独学で進めるケースと、専門のスクールに通うケースがありますが、現在の仕事の状況も関わってくるので、自分に最適な方法を見つけることが大切です。
いずれの方法でも、転職のスケジュールをしっかりと立ててから、ある程度の期間がかかることは覚悟した上で、無理のないやり方で進めるようにしましょう。
独学
自分で計画を立てて学習することに自信がある人は、独学にチャレンジすることも可能です。現在は基礎から学ぶためのサイトやソフト、書籍などが充実しているので、自分に合ったテキストを見つけて進めてみると良いでしょう。
独学することのメリットは、現在の環境の中で自分のペースを保ちながら学習を進められることです。今の仕事を続けながら転職準備を進める場合には、仕事への影響を最小限に抑えることもできます。
一方で独学にはかなりの時間がかかることと、自分で解決できない問題にぶつかった時に、その壁を乗り越えられないというデメリットもあります。独学に限界を感じた時は、専門のスクールに通うことをおすすめします。
スクール
エンジニアとして確実なスキルを身につけるためには、やはりプログラミングスクールで学ぶべきでしょう。多少お金と時間はかかりますが、未経験からでも基礎レベルから始めて実務レベルのスキルまで習得することができます。
専門家によるサポートを受けられる点でも、独学と比べて安心感がちがいます。
プログラミング・スクールにはさまざまなコースがあるので、現在の仕事の環境を考慮して、平日夜のコース・土日を使ったコース・平日全日制コースなどから選びましょう。
経済的に不安な場合には、事前に助成金制度などを調べておくと良いでしょう。
【結論】習得しやすく将来性も高いSwiftは、未経験からの転職におすすめ!
Swiftエンジニアの現状や将来性と転職を有利に進めるポイントについて紹介しました。
プログラミング言語でSwiftを選ぶメリットは、業績好調なアップル社が公式に採用しているという点にあるでしょう。しかもオープンソースとして公開されたことで、その他の企業でも積極的にSwiftを活用する環境が整いつつあります。
未経験者にとっては、習得難易度が高くないことも魅力の1つです。また言語としての将来性から考えても、Swiftでの転職は安定的な仕事に就くチャンスとなるでしょう。
この機会に基本だけではなく実務的なスキルまでプログラミングスクールで学習しておけば、いざ転職の時には頼れる武器になるはずですよ。