エンジニアの平均年収ってどのくらいなんだろう?
高年収を目指すためには、どんなプログラミング言語を選べばいいんだろう……?
エンジニアなら誰もが気になるけれど、なかなか聞けない悩みの一つです。また、未経験でこれからエンジニアに転職したい方は、実際どれくらいの年収で働いているのか知りたいものですよね。
そこでこの記事では、エンジニアの平均年収と年収が上がる人の特徴を解説します。
エンジニアに転職できる、効率的な勉強法もご紹介しますので参考にしてくださいね。
エンジニアの平均年収はこれまで伸びてきたのか?
エンジニアの年収って、そもそも伸びてきたのかな...
と気になっている人も多いでしょう。そこでまず、エンジニアの平均年収の伸び率を見ていきましょう。
日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイト「e-Stat」にある、「賃金構造基本統計調査」のデータから、過去4年間のエンジニアの平均年収の推移をグラフにまとめてみました。
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(企業の規模が100人 ~ 999人のデータを利用し、「給与 × 12ヵ月 + ボーナス」で計算した金額をグラフにしています)
これを見ると、2016年と比べて平均年収の数値は上がっていることがわかります。またプログラマーに関しては、以下のように年々上がっていることも確認できました。
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このように、平均年収は上がってきています。
ただ、「エンジニア」とひとくくりにしてしまうと、実際の年収と差が出てしまうこともあります。そのため次に、3つの軸に分けて平均年収を解説します。
3つの軸で見るエンジニアの平均年収
エンジニアの年収は、以下の3つの軸によって変化します。
自分が目指しているエンジニア像が固まっている方は、それをイメージしながら見ていくのがおすすめです。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
年齢 + スキル別の平均年収
まずは、「年齢」による平均年収を見ていきましょう。具体的なデータは、次の通りです。
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20代~50代にかけて、エンジニアの平均年収は上がってきています。
ただ、年齢だけでなく「得意なスキル」によって、年収に差が出てくることもわかってきているのです。
具体的に言うと、以下のように5つのスキルによって、年収に影響が出てきます。
- 営業力
- 実務的技術力
- マネジメント力
- 新製品/新事業企画力
- 市場価値の高い技術の専門知識・技術力
実際のデータも、見てみましょう。
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20代・30代では「実務的技術力が高い人」の方が、年収が高くなっています。つまり、実際にプログラミングや設計をして、手を動かしながら開発を進める人の方が年収は高くなっています。
一方40代・50代では、「マネジメント力が高い人」の方が年収が高くなっています。つまり、年齢が上がるにつれて、プロジェクトをまとめるマネジメント力がある方が高くなるというわけですね。
そのため、「若いうちは実務に活かせる技術力を磨き、徐々にプロジェクトリーダーを任せてもらえるようにマネジメント力を鍛えていく」というのが、年収アップの秘訣となりそうです。
職種別の平均年収
次に、職種別の平均年収を見てみましょう。職種別の平均年収の違いは、以下の通りです。
職種 | 平均年収 |
コンサルタント | 928.5万円 |
プロジェクトマネージャー | 891.5万円 |
営業・マーケティング | 783.3万円 |
高度SE・ITエンジニア
(基板設計担当・ITアーキテクト) | 778.2万円 |
IT技術スペシャリスト
(DB・NW・セキュリティなど) | 758.2万円 |
IT教育(IT関連の講師やインストラクタ) | 651万円 |
IT運用・管理 | 608.6万円 |
SE・プログラマ
(組み込みソフトウェアの開発・実装) | 603.9万円 |
SE・プログラマ
(顧客向けシステムの開発・実装) | 593.7万円 |
IT保守
(システム保守・サポート) | 592.2万円 |
SE・プログラマ
(ソフトウェア製品の開発・実装) | 568.5万円 |
高年収となっているのは、以下の4つです。
- コンサルタント
- プロジェクトマネージャー
- 営業・マーケティング
- 高度SE・ITエンジニア
上位3つは、技術力を生かして別の職にシフトチェンジするような例ですね。一方最後の高度SE・ITエンジニアは、より高度な技術を極めたスペシャリストの職種です。
このように「技術を活かした職種」や「技術を極めていく職種」のどちらを目指したいかによって、高年収となる職種は異なります。
言語別の平均年収
次に、プログラミング言語別の平均年収を見ていきましょう。
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Goが1位になっている理由は、以下の3つです。
- 基盤ソフトウェア「Docker」でも採用されている言語
- 最も愛されるプログラミング言語で5位にランクインしている
- ツール開発だけでなく、Webサーバー構築など活用の幅が広い
汎用性が高く、軽量で扱いやすい点からも求人情報が増えてきています。
2位のScalaは、Webサービス・アプリ開発やデータ分析など、さまざまな用途で活用できる言語です。
ただ初心者には難しい言語でもあるため、Scalaを使える人材が少なく、年収が高くなっていると言われています。
3位の「Python」と6位の「R」は、機械学習の分野で利用されている言語です。
AI活用が求められる時代とともに人気が高まっており、その影響で平均年収も上がってきています。
このように、開発言語によって平均年収に差は出ています。
年収が上がるエンジニアと上がらないエンジニアの違い
ここまで、さまざまな視点でエンジニアの平均年収について解説していきました。ただここまでのデータは、あくまでも「平均」年収です。
年収が上がる人と、上がらない人には違いがあります。そこでここからは、年収が上がるエンジニアと、上がらないエンジニアの違いについて解説します。
年収が上がる人の特徴や習慣
まずは、年収が上がる人の特徴や習慣を見ていきましょう。
常に勉強をし続けている
エンジニアだけにとどまらず、昔から、IT業界で働くのなら一生勉強し続けるべきだとよく言われています。例えば業務で使えそうな言語をコツコツ勉強しておくと、思わぬところで重宝されることもありますよ。
また、IT関連のスキルは技術革新のスピードが早いことは有名です。そのためプログラミングも一度習得したらもう終わりというものではなく、常に新しい情報にアンテナを立てて勉強する姿勢が大切になります。
転職・副業・フリーランスなど働き方を見直す
会社に雇われていると、基本的には会社に決められた就労条件の下で働いて年収を得ることになります。安定感はありますが年収を大幅に上げることは難しいと言えます。
エージェントを使ってより条件の良い会社に転職したり、副業が認められていれば業務時間外に個人で仕事をしたりするのも年収アップが図れますが、思い切って会社に属さずフリーランスエンジニアとして働くのも年収アップの近道です。
全ての責任が降りかかるのでプレッシャーも大きくなりますが、報酬額など自分で全て決められるので、スキルに自信があればおすすめの働き方です。
マネジメント職にキャリアアップ
エンジニアが年収を上げるには、マネジメント職にキャリアアップするのも一つの手段です。マネジメント職では自分の業務だけでなく広い視野でプロジェクト全体を管理する能力が必要となりますが、その分得られる報酬も増えるのです。
マネジメント職を目指すのなら、他の人の業務にも興味を持ち積極的にコミュニケーションをとってみましょう。周りからの信頼が厚いエンジニアになることが、マネジメント職へのキャリアアップへの道につながります。
年収が上がらない人の特徴や習慣
それでは逆に、年収が上がらないエンジニアにはどんな特徴があるのでしょうか。
先述の「年収をアップさせている、できるエンジニア」と逆のタイプだと考えると、以下のようになります。
- 資格には興味がないし、今の知識量で満足している
- 自分の業務範囲以外に興味がない。黙々と与えられた仕事をするのみ
- 納期は守れるときもあるけれど、守れないときもあって仕方ない
自分がもし上司だったら、このようなエンジニアに高い賃金を払い、信頼して仕事を任せられますか?
Webエンジニアとして年収アップを目指すのなら、納期を守るのはもちろんですが、今後使えそうな言語を先取りして勉強しておくのがおすすめです。
独学では挫折してしまいそうなら、勉強会やプログラミングスクールを活用することもできますよ。
30歳未経験からWebエンジニアへ転職するステップ
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画像:Shutterstock
基本的にWebエンジニアの年収は、経験年数に比例して高くなると言われています。
未経験からのスタートでは遅いのかな? と不安に思うかもしれませんが、以下のステップを踏んで効率的に勉強すれば、早めの年収アップを狙えるでしょう。
エンジニア職について理解する
エンジニアと一口に言っても色々な仕事があります。それを知って、どんなエンジニアになりたいのか決めましょう。Webエンジニアはさらに4つの分類に分けられ、それぞれ役割も使用する言語も異なります。
Webプログラマ
プログラミング言語を使ってWebアプリケーションを構築するのがWebプログラマです。インターネット上でプログラムを書かずに作られたサイトを、一般的にWebアプリケーションと呼びます。
よく使用されている言語はPHP、JAVA、RubyやPerlですが、最近ではPythonやスマホアプリ開発に使われるswiftも需要が高まっています。
システムエンジニア(SE)
Webプログラマはプログラムを直接書く仕事ですが、システムエンジニアは「どんなプログラムを作るのか」を考えて設計する上流の工程を担当します。
顧客の要望を理解して仕様書を作るため、プログラミングのみならずシステム開発全般に広い知識が必要です。そのため、システムエンジニアになる前にプログラマとしての経験を積むことが多くなります。
システムエンジニアを目指すのなら、まずプログラマになるための勉強から始めましょう。
Webデザイナー
Webサイトのアクセス数を増やすには、優れたデザインで多くの人を惹きつけることが重要です。WebデザイナーはPhotoshop(フォトショップ)やIllustrator(イラストレーター)を駆使してデザインをします。
Webエンジニアの中でもWebデザイナーはプログラミングの知識がなくても仕事をすることができますが、Webプログラマーが使用するようなプログラミング言語を知っておいて損はないでしょう。
インフラエンジニア
Webアプリケーションをインターネット上に公開するためには、専用のサーバーを用意してそこにアップしなければいけません。インターネットで公開されたWebアプリケーションには、ハッキングの危険が毎日のように襲いかかってきます。
インフラエンジニアは、Webアプリケーションが正常に稼働するようにサーバーの設定、セキュリティやネットワークの構築をする仕事です。OSやネットワークなどの知識、データベースやセキュリティの知識が要求されます。
サーバーの処理をCやC++<で行うことが多いため、インフラエンジニアを志すのなら学習するとよいでしょう。
プログラミング基礎学習スタート
なりたいエンジニアを決めたら必要な言語の学習をスタートしますが、前提としてWebエンジニアにはHTMLとCSSの理解が不可欠です。HTMLとCSSはマークアップ言語と言い、ほぼ全てのホームページに使われていてこれがわからないと何もできません。
まず、概要理解のためにドットインストール を利用しながら、実際にどんな風に表示されるかのイメージを掴むためにプロゲート を使いましょう。その後、自分で何かしらアウトプットをしてみる流れで学習するのがおすすめです。
それからエンジニアがよく使っている黒画面(Macではターミナルと呼びます)に慣れていきます。多少失敗しても大丈夫なので、色々な指示を入力して試してみましょう。
ポートフォリオを作ってみよう
Webエンジニアとしての業務が未経験でも、今まで自分が作った作品があればポートフォリオを作ってスキルをアピールできます。
採用する側としても、ポートフォリオを見ればあなたがどんなWebエンジニアになるのかイメージがしやすくなります。何ができるのか、技術力を証明しましょう。
そして転職活動へ
プログラミングの基礎を身に付け、ポートフォリオを用意できたらいよいよ転職活動の始まりです。しかしここまでのプロセスが少々難しく、つまづく人が後を絶ちません。
独学で不安になったり、挫折しかけたらスクールに通ってモチベーションと技術力を上げるのもおすすめですよ。
まとめ
エンジニアの平均年収と、未経験からWebエンジニアになるための学習方法をご紹介しました。
同世代の平均年収と比べて自分の年収が低かったり、年収に対して仕事がハードだったりすると、このままでいいのか悩んでしまいますよね。
与えられた業務を必死にこなしていた20代とは違い、30歳を過ぎると、どんなWebエンジニアになるかキャリア形成も考えながら毎日を過ごすことになってきます。
Webエンジニアとしてさらに年収を上げたいのなら、業務に使えそうな言語を学習を始めてみませんか? 独学で挫折しそうなら、勉強会に参加したりスクールに通ったりしてモチベーションを保ちながら勉強することもできますよ。
悩んで悶々としているよりも、新しいことを始めたほうが気分転換になりますし、結果としてスキルアップして年収アップにもつながります。
この記事が悩み多き30歳からのWebエンジニアの皆さんのお役に立ち、これからの業務の励みになれば幸いです。