【VBA入門】値渡し(ByVal)と参照渡し(ByRef)の違い・使い方とは

皆さんは、VBAでFunctionの引数に入れる値に、参照渡し・値渡しなど種類があることを知っていますか?

ByRefまたはByValを指定することで使い分けることができるのですが、使い方がよくわからない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、参照渡し(ByRef)と値渡し(ByVal)の違いといった基礎的なことから、

  • 参照渡し(ByRef)と値渡し(ByVal)の使い方
  • 使い方がわかる具体的なサンプルコード
  • 合わせて覚えると便利なFunctionの使い方

といった応用的な方法まで、徹底的に解説します!

目次

参照渡し(ByRef)と値渡し(ByVal)違い・使い方とは

はじめに、参照渡しと値渡しについて簡単に解説します。参照渡し・値渡しは、どちらも関数の引数の種類です。引数の先頭に参照渡しの場合はByRefをつけ、値渡しの場合はByValをつけます。

参照渡し・値渡しの使い方サンプル:

Sub Main()
  Call Test_Test_ByRef(引数)
  Call Test_Test_ByVal(引数)
End Sub

Sub Test_ByRef(ByRef 引数 as 型)
  '関数で実行する処理をここに書く
End Sub

Sub Test_ByVal(ByVal 引数 as 型)
  '関数で実行する処理をここに書く
End Sub

参照渡しの場合は、メインの処理で引数に入れた値が関数内で書き換わってしまった場合、メインの処理にある引数に使った変数の値も書き換わってしまいます。そのため、引数元の値を変えたくない場合は、値渡し(ByVal)を使います。

何も指定しなかった場合は、デフォルトで参照渡し(ByRef)になっているので、変数の値が書き換わったら困る場合はByValを使うのがおすすめです!

参照渡し(ByRef)・値渡し(ByVal)の使い方とは

次に、参照渡し(ByRef)・値渡し(ByVal)の具体的な使い方について、サンプルコードをもとに解説します。

サンプルコード:

'メインの処理
'
Sub Main()
  Dim strMessage_ByRef As String
  Dim strMessage_ByVal As String
  strMessage_ByRef = "変更前のメッセージ"
  strMessage_ByVal = "変更前のメッセージ"


  '参照渡しの関数実行後、メッセージの中身を確認
  Call Test_ByRef(strMessage_ByRef)
  Debug.Print "ByRef実行後:" & strMessage_ByRef

  '値渡しの関数実行後、メッセージの中身を確認
  Call Test_ByVal(strMessage_ByVal)
  Debug.Print "ByVal実行後:" & strMessage_ByVal


End Sub

'ByRefを使った関数
'
Function Test_ByRef(ByRef strMessage As String)

  '引数の値を変更
  strMessage = "ByRefで変更"

End Function

'ByValを使った関数
'
Function Test_ByVal(ByVal strMessage As String)

  '引数の値を変更
  strMessage = "ByValで変更"

End Function

実行結果:

ByRef実行後:ByRefで変更
ByVal実行後:変更前のメッセージ

このサンプルでは、strMessage_ByRefとstrMessage_ByValに同じ文字列を入れ、CallでByRef、ByValを引数に使った関数を呼び出し、それぞれの関数内で引数の値を書き換えた結果を出力するサンプルです。

ByValの場合は、出力結果が元の文字列変更前のメッセージになっていますよね。このように、関数内で値を書き換えても元の値を変更したくない場合は、値渡し(ByVal)がおすすめです!

ちなみに、今回関数を作るときに使ったFunctionは引数以外にも、戻り値を設定できるようになると応用的な処理が作れるようになるのでおすすめです!以下記事で詳しく解説しているので、気になる方は見てみてくださいね!

補足:変数の値を手早く確認する方法とは

なれないうちは、ByValを付け忘れてしまうケースがよくあります。

ただ、関数内で引数の値を書き換えてしまった場合、関数をたくさん使って処理を作っていると、どこで値が書き換わっているか確認するのに時間がかかってしまいますよね。そんな時は、イミディエイトウィンドウの使い方を覚えておくのがおすすめです!

イミディエイトウィンドウを使いこなせば、変数の値を確認できるだけでなく、作った関数の実行結果もササっと確認することができます!

とても便利なので、使い方を知らない方はぜひ見てみてくださいね!

まとめ

今回は、参照渡し(ByRef)・値渡し(ByVal)の使い方・違いについて解説しました。処理が複雑になってくると、関数をたくさん使って処理を作っていくケースが多いです。

複数の関数で使う値を引数に入れている場合、値が書き換わるだけでバグにつながってしまいます。

基本的にはByValを入れて、値を書き換えたい場合のみByRefを入れるとバグになりにくいコードが書けるので、ぜひ使ってみてくださいね!

この記事を書いた人

北海道出身の30歳で、フリーランスエンジニア兼テックライターとして活動中。新卒入社したメーカー系のIT企業で、システムエンジニアとして約5年勤務。

Webアプリ、業務アプリ開発において、要件定義 ~ 運用保守まで様々な経験あり。また3歳の娘がいる1児のパパで、日々娘との時間を確保するために仕事を頑張っています!
侍エンジニアでは、【誰でもわかるレベルのわかりやすさ】を意識して、記事を執筆中。

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