そもそもプログラマーとは?
プログラマーの仕事内容や年収が知りたいな。
プログラマーという職業を聞いたことはあるけど、どのような仕事をしているか詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、プログラマーとはどのような仕事か・種類・仕事内容・年収・将来性について現役エンジニアの筆者が分かりやすく解説します。
「プログラマーがどのような職業か気になる」「プログラマーになりたい」という方はぜひ本記事を参考にしてみてください。
この記事の目次
プログラマーとは

プログラマーを簡単に説明すると、「プログラミングでさまざまなアプリやシステムを開発する職業」です。
Webサービスや電子機器、社内の業務システムなどは、すべてプログラマーによって書かれたプログラムを元に動作します。
プログラミング言語にはJava・PHP・Pythonなど多くの種類があります。それぞれの言語に向いている分野があり、プログラマは開発するシステムに合ったプログラミング言語を身につける必要があります。
プログラマーとシステムエンジニアの違い
プログラマーとシステムエンジニアは混同しやすいです。
システムエンジニアは、システム全体の設計を担当する職種です。システムにどのような機能が必要かをクライアントと話し合い、システムの仕様を設計書にまとめます。
システムエンジニアがまとめたシステム設計に基づいて、それぞれの機能を実現するためのプログラム設計します。プログラマーの仕事は、プログラムをコーディングして、実際に機能を実現させることです。
システム全体の設計を担当するのが「システムエンジニア」、実際にプログラムの製造を担当するのが「プログラマー」ということになります。
システムエンジニアとプログラマーの違いについてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。


プログラマーの仕事内容

ここからはプログラマーの仕事内容について解説します。
プログラマーの仕事は大きく3つに分けられ、下記の順番で進みます。
- 打ち合わせ
- コーディング
- テスト
打ち合わせ
プログラム開発は、コーディング前の打ち合わせから始まります。
打ち合わせをする目的は、
- 担当する機能の割り振り
- スケジュールの確認
- 機能の設計内容共有
などプログラミングを進めるうえで、必要となる情報交換を行うことです。
基本的にはシステムエンジニアとプログラマーの間で打ち合わせをしますが、案件によってはクライアントやその他プロジェクトメンバーが参加する場合もあります。
ある程度開発が進んでから認識齟齬が発覚すると、大きな手戻りの発生につながります。するとその後の開発日程に影響が出て、納期に間に合わなくなる可能性がでてしまいます。
このような状況を防ぐためにも「最終的にどのようなシステムになるか」「担当するプログラムはそのシステムのどの部分を担うのか」のイメージを事前に共有することは大切です。
コーディング

設計の確認ができたら、次はコーディングをしてシステムの開発を進めます。
コーディングの作業内容は大体の場合、
- コードを書く(コーディング)
- コードを動かして動作確認(デバック)
- メンバーによるコードのチェック(コードレビュー)
- 必要に応じてコードを修正
の繰り返しです。自分以外のメンバーにもコードを見てもらうことで、より質の高いプログラムに仕上げます。
コーディングの後にテスト工程もありますが、デバックでできる限りの動作チェックを行います。
システム全体の開発期間を守るためには、プログラムの納期・品質は守らなければなりません。プログラミングの進捗が予定通りに進まない場合には、リーダーなどに相談し問題を解決します。
テスト
テストは完成したプログラムを実際に動かして、バグや考慮漏れを見つけ出す作業です。コーディングが完了したらテストに移行します。
設計に基づいて作成されたテスト仕様書のテストケースにそって、システムを動かしながら不具合がないかを確認します。
テストには、大きく2種類あります。
1つ目が自分が作成したプログラムが正しく動くかをチェックする「単体テスト」です。2つ目はより機能範囲を広げて、他のプログラマーが書いたプログラムと組み合わせて正しく動作するかをチェックする「結合テスト」です。
「テストではなるべくエラーが出ない方が良い」というわけではありません。統計的にプログラミングのボリュームに対する不具合の発生頻度が極端に少ない場合は、テスト仕様やテスト実施方法の不備なども合わせて見直します。
実際にサービスが稼働したときに予期せぬエラーが発生しないよう、より詳細なテストを実施して、開発段階でエラーを確実に見つけ出す必要があります。
プログラマーの仕事内容についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

プログラマーの種類

ここでは代表的な6つのプログラマーの種類について、順番に解説します。
- Web系プログラマー
- アプリプログラマー
- ゲームプログラマー
- ゲームプログラマー
- オープン系プログラマー
- 組み込み系プログラマー
Web系プログラマー
Web系プログラマーは、Web(インターネット)上で動くサービスの開発をするプログラマーです。例としてECサイトが挙げられます。
Web系のプログラマーは大きく下記の2種類に分かれます。
- フロントエンドエンジニア
- サーバーサイドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、Webブラウザー上でユーザーの目に見える部分を作るエンジニアです。
JavaScriptというプログラミング言語を用いて、画面の動きや要素の配置を組み立てます。そのためプログラミングだけでなく、Webデザインの知識があると現場で重宝されます。
サーバーサイドエンジニアは、ユーザーの目に見えない部分を作るエンジニアです。サーバーで行う処理やデータの管理などのシステムの裏側を組み立てる事が多く、データベースやOSといったインフラ周りや、セキュリティの知識も求められます。
アプリプログラマー

アプリプログラマーはパソコンやスマートフォン、タブレットで動くアプリケーションを開発するプログラマーです。
アプリケーションの中でも、スマートフォンアプリケーションを開発するプログラマーはスマートフォンの普及と同時に需要が高まりました。
スマートフォンには、iOSとAndroidの2種類のOSがあります。開発時はそれぞれのOSで異なるプログラミング言語や開発環境を用いるのが特徴です。
現在はWeb・iOS・Androidなど異なる環境でも、同じプログラミング言語や開発環境で作れる「クロスプラットフォーム」という手法も登場しています。同じアプリプログラマーでも、スキルに応じて活躍できる分野が異なるのが特徴です。
ゲームプログラマー
ゲームプログラマーはゲームシナリオにそって、ゲームの進行やキャラクターの動き、BGMといったゲーム全般に関わる開発をするプログラマーです。
ゲームにもさまざまな種類があり、それぞれ開発に用いるプログラミング言語や開発環境が異なります。
以下が代表的なゲームの例です。
- ブラウザゲーム
- スマホゲーム
- コンシューマーゲーム
- PCゲーム
ゲームプログラマーはキャラクターの動きからゲーム内の進行、効果音やエフェクトまで幅広い機能の開発を担当します。そのため実現可否の判断をするために、上流工程から関わることもあります。
キャラクターの動きをゲーム上で再現するときに物理エンジンの知識を用いるため、ゲームプログラマーは非常に専門性が高い職業です。
汎用系プログラマー

汎用系プログラマーとは業務システムを開発するプログラマーのひとつで、オープン系プログラマーと対をなす存在です。
業務システムには、汎用系とオープン系があります。汎用系プログラマーは、IBM・富士通・NECといった大手ハードウェアベンダーが開発した汎用機を使用し開発をします。
COBOLやFORTRANといった歴史あるプログラミング言語が使われており、現在もなお現役で稼働しているシステムも多いです。
主に膨大なデータを安全に処理するためのシステムで使用されており、国税庁や銀行といった大規模システムで使われていることが多いのが特徴です。お金や個人情報を扱うシステムが多いため、責任感が高い仕事といえます。
ただし先ほども説明したように、汎用系システムは昔ながらのものです。最近でもエンジニアのリタイアやリプレースなどで汎用機の知識が必要とされていますが、今後の需要は先細りだと推測されます。
オープン系プログラマー
オープン系プログラマーとは、業務システムを開発するプログラマーのひとつで、汎用系プログラマーと対をなす存在です。
複数のコンピューターで構築するクライアント・サーバーシステムを、オープン系システムと呼びます。そのようなシステムの開発に携わるのが、オープン系プログラマーです。
最近では、業務システムもWebブラウザーベースのシステムで開発されることが多く、Web系も含めた対応も求められています。
組み込み系プログラマー

組み込み系プログラマーは、家電や電子機器などを制御するためのプログラムを構築するプログラマーです。エアコン・デジカメ・電子レンジ・テレビなど、さまざまな電子機器の制御プログラムを開発します。
プログラミング知識だけなくハードウェアの知識も必要となるので、専門性が高いのが特徴です。
近年はIoTデバイスの需要が広まっていることから、組み込み系プログラマーの需要が高まってきています。今後は組み込み系エンジニアの不足が予想されるので、組み込み系の技術を学ぶことは良い選択です。

プログラマーの年収

ここからは、プログラマーの年収について解説します。
年収はプログラマーとしての経歴、職種、年齢など状況により異なりますが、今回は「職種」「年代」の2つの観点から見てみましょう。
職種別
まずは、職種別の年収です。前述の通り、プログラマーにはいくつも種類があります。
ここからは大手求人検索サイト「求人ボックス」の情報を元に、職種別の年収を比較しましょう。
プログラマー全体の平均年収と、代表的な3つの職種の平均年収をまとめた表がこちらです。
プログラマーの種類 | 平均年収 |
プログラマー全体 | 約431万円 |
Web系プログラマー | 約443万円 |
アプリプログラマー | 約547万円 |
ゲームプログラマー | 約489万円 |
年代別
次に、年代別のプログラマーの平均年収を見ていきましょう。
年代 | 平均年収 |
20~24 | 約314万円 |
25~29 | 約386万円 |
30~34 | 約434万円 |
35~39 | 約493万円 |
40~44 | 約508万円 |
45~49 | 約517万円 |
年齢が高くなるほど平均年収も高くなることがうかがえます。プログラマーからシステムエンジニアにキャリアアップすれば、さらに年収を高めることも可能です。
プログラマーの年収についてさらに詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。

プログラマーの将来性

プログラマーは、今後も需要が高まっていくと予想されます。
平成31年度の経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、今後のITの伸び(中位シナリオ)と人材の需要を比較して、2030年には45万人の人材不足が見込まれるという調査結果が出ています。
「AIによってプログラマーの仕事が自動化されるのではないか」という懸念もありますが、すぐにプログラマーの仕事が無くなることはないと推測されます。
実際にWebサイトを簡単に作成できるツールや、コードを書かずにサービスを開発できるノーコードという技術が登場しています。しかし主に自動化できるのは汎用的な部分のみです。
企業独自のロジックやデータ分析などの複雑な部分は自動化が難しいため、今後もプログラマーの手で開発されます。
プログラマー不足の問題に関しては、下記の記事にもまとめていますのでご覧ください。

プログラマーにおすすめの資格2選

プログラマーになるために資格の取得も有効です。
プログラマーにおすすめの資格は、以下の2つです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
ITパスポート
ITパスポートは、ITの一番基礎的な知識を保有していることを証明できる資格です。
「アイパス」という略称で呼ばれることが多く、ITに関する知識を広く学べます。IT系の資格の中では比較的難易度が低く、プログラマーを目指す人以外にもおすすめの資格です。
資格を保有するに越したことはありませんが、プログラマーとして就職する場合、ITパスポートのみでは少しインパクトが弱いのも事実です。
より高度な資格を取りたい方は、基礎的な知識を固めるためにITパスポートの勉強をし、次のステップとして基本情報技術者試験の資格取得も視野に入れましょう。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITの基礎からシステムを構築するための知識までを求められる資格です。ITパスポートの上位に当たる資格で、「IT技術者への登竜門」とも呼ばれています。
令和元年度の合格率は28.5%、他の年を見ても22%~26%程度で推移しており、難易度は高めです。
この資格を勉強すると、ITの基礎からサービス開発の工程やアルゴリズムについての知識を習得できます。プログラマーを目指している方は、ぜひ受験を検討してみてください。
下記の記事に、その他プログラマーにおすすめの資格をまとめていますのでご覧ください。

初心者がプログラマーについて知るべき4つのこと

ここまで、プログラマーの仕事内容や年収について解説しました。
ここからはプログラマーの雇用形態ややりがいなど、より踏み込んだ内容4つを解説します。
プログラマーの雇用形態
プログラマーにはさまざまな雇用形態があります。
- 正社員
- 派遣
- アルバイト
- フリーランス
正社員は、企業がプログラマーを雇う雇用形態です。給料の安定、社内教育などの恩恵を受けやすく、非常に安定した雇用形態といえます。
ただし日本企業の場合は年齢や勤続年数に応じて給料が決まることが多いです。成果を上げても給料に反映されにくいデメリットもあります。
派遣は人材派遣企業がプログラマを雇い、他の会社に紹介する雇用形態です。特定の会社だけにコミットしなくても良い反面、正社員と比較すると雇用が不安定だったり、給料が少なかったりというデメリットがあります。
アルバイトは、学生や若年層に多くみられる雇用形態です。他の職種よりも時給が高い傾向ですが、ある程度の実務経験があればフリーランスの方が良い収入を得られる可能性があります。
フリーランスは、企業に属さず個人で仕事を受注して報酬を得る形態です。働く場所や時間が自由な反面、自ら営業を掛けて案件を獲得するため安定しにくいというデメリットもあります。
実力勝負の世界なので、報酬も自らの実力や活動量に比例するのが特徴です。
それぞれの雇用形態のメリット、デメリットを理解しておくと、プログラマーとして働いた時のビジョンが見えやすくなります。
プログラマーのやりがい

プログラマーには、たくさんのやりがいがあります。
やりがいの感じ方は人それぞれですが、主に以下のような点でやりがいを感じる事が多いです。
- 作ったシステムが動いた時の達成感
- 常に自己成長を続けられる
- スキル次第で収入アップが見込める
自分が書いたコードが動き、システムとして稼働したときはプログラマーにとって大きな達成感につながります。特にモノづくりが好きな人は、コードを綺麗に組むことに楽しさを見出す場合が多いです。
また興味をもった技術を勉強することで、自ずと自己成長につながるのも魅力です。その道のプロフェッショナルになると仕事での収入に直結することも考えられます。
新しい技術を学ぶことでプログラマーとしての希少価値を高められるため、学習意欲がある人や技術を学ぶのが好きな人に向いている職業です。

プログラマーの働きやすさ

プログラマーの働きやすさとして、下記の点が挙げられます。
- 在宅勤務が普及してきている
- 福利厚生が手厚い
- 比較的労働時間の自由が効き休暇も取得しやすい
在宅勤務が普及したこともあり、プログラマーの働きやすさは向上しています。フレックスタイム制を導入していたり、在宅勤務や時短勤務があったりと、プライベートと仕事を両立できるような環境作りを推進している企業も少なくありません。
企業にもよりますが、休日はカレンダー通り土日祝休み、ゴールデンウィークや年末年始はそれぞれ休みが付与されるケースが多いようです。
子供がいる場合でも、在宅勤務や時短勤務であれば家事や育児との両立がしやすくなります。
もちろんメリットのみではありません。実際はプロジェクトの進行状況などによって、休みが取れないことも珍しくありません。プロジェクトのリリース日が近くなると慌ただしくなり、コーディングやテストを繰り返し、残業や休日出勤が必要になることもあります。
忙しさには波があるもの、と考えておきましょう。
プログラマーの厳しさ
一般的に、以下がプログラマーの厳しさといわれています。
- 納期に追われリリース前は体力勝負になる
- 時間を問わずシステムトラブルが起きる可能性がある
- 新しい情報をキャッチアップし続ける必要がある
リリース前になってから予期せぬエラーが見つかったり、クライアントとの認識齟齬が発覚したりすると、手戻りをするため、残業や休日出勤が必要となる場合もあります。
またWebサービスなどは基本的に24時間365日稼働し続けるため、リリース後も昼夜問わずシステムトラブルが発生するリスクが付き物です。
IT業界は変化が早く、常に新しい情報をキャッチアップしなければ遅れを取ることあります。効率化を求めて便利な技術やツールを取り入れる人も多く、そのような技術に興味・関心を持てる人でなければ苦痛を感じる場合もあります。
プログラマーの厳しさに関しては下記の記事にもまとめていますので、ぜひご覧ください。

プログラマーになるには

プログラマーのメリット・デメリットを知ったうえで、「プログラマーになりたい」と感じた方も多いのではないでしょうか。
プログラマーになるには、まずプログラミングを習得する必要があります。
プログラミングの勉強方法は本や学習サイトなどさまざまですが、初心者に一番おすすめなのはプログラミングスクールでの学習です。
独学での学習は、比較的安価で手軽に始められます。半面プログラミング学習後のビジョンが掴めなかったり、わからない部分がでてきたときに質問できる人がおらず、結果挫折するケースが多いのが実状です。
弊社が運営する「SAMURAI ENGINEER」では現役エンジニア講師がマンツーマンで指導しているため、わからない部分はすぐに質問できる環境が整っています。
また個人のレベルに合わせて、オーダーメイドカリキュラムを作成。しっかりとヒアリングをしたうえであなたに最適な学習プランを提案いたします。
オンラインの無料カウンセリングを実施しておりますので、キャリアや学習についての悩みなど、気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、プログラマーとはどのような仕事か・種類・仕事内容・年収・将来性について解説しました。
プログラマーは今後も需要が高まると考えられる職業です。本記事を参考に、ぜひプログラミング勉強を始めてみてください。
この記事のおさらい
プログラミングで、さまざまなシステムやアプリを開発する職業です。Webサービスや電子機器、社内の業務システムなどはプログラマーによって作成されたプログラムを元に動作します。
基本的には「打ち合わせ」「コーディング」「テスト」の3段階です。システムエンジニアや他のプログラマーとコミュニケーションを取りながら開発を進めることが大切です。
大きく分けて「Web系プログラマー」「アプリプログラマー」「ゲームプログラマー」「汎用系プログラマー」「オープン系プログラマー」「組み込み系プログラマー」の6種類です。