
Ruby入門者の必勝勉強法!3ヵ月間攻略ガイド・おすすめ教材6選
Rubyを勉強したいけど何から始めればよいか分からない
Rubyを短期間で習得できる勉強法を知りたい
これからRubyを勉強しようとする人は、このような悩みや不安をお持ちではないでしょうか。
プライベートな時間を費やして勉強をするのですから、少しでも効率的なRubyの勉強法を知り、早く習得したいと思うのは当然です。
この記事ではRuby入門者に向け、Rubyの効率的な勉強法や初心者向けの教材を解説します。最後まで読んで正しい勉強法を実践すれば、短期間でRubyを習得できるでしょう。
この記事の目次
Rubyとはどんなプログラミング言語?初心者向けに解説

Rubyとは、日本人エンジニアのまつもとゆきひろ氏が生み出した日本生まれのプログラミング言語です。
Rubyは、TIOBE Softwareが実施するプログラミング言語の人気ランキングで毎年上位にランクインしています。世界的に支持されるRubyのシェア率は今後も高まると予測され、習得する価値は高いといえます。
Rubyについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も併せて参考にしてみてください。

Rubyとは?言語の特徴やできることを初心者向けにやさしく解説
更新日:2023年2月2日

初心者のためのRuby勉強フロー

プログラミング未経験の方は、Rubyのコードを書きながら勉強するのが効率的です。
正しい知識を身につけることは大事ですが、頭で理解できないことも実際に「Rubyのコードを書いて実行してみたら解決した」ということはよくあることなのです。
Ruby初心者におすすめの勉強フローは下記のとおりです。
- 1.Rubyの実行環境を準備する
- 2.基本的なプログラムを書く
- 3.オブジェクト指向に慣れる
- 4.Ruby Ruby on Railsを学習する
- 5.簡単なWEBアプリケーションを作ってみる
順に解説していきます。
1.Rubyの実行環境を準備する

まずは、Rubyの実行環境を準備しましょう。実行環境の準備とは、コードを書いてプログラムを実行できるようにすることです。
実行環境を準備する方法は、主に下記の2つです。
- 1.オンラインでRubyを実行する
- 2.自身のパソコンでRubyを実行する
1つずつ見ていきましょう。
オンラインでRubyを動かす
AWSが提供しているCloud9というサービスをご存じでしょうか。Cloud9とは、Webブラウザ上で「プログラミング」「プログラムの実行」「デバッグ」などができるサービスです。
通常はRubyを実行しようとすると、自身のパソコンに「Rubyを動かすために必要となるさまざまなソフトウェア」をインストールする必要があります。これを環境構築といいますが、初心者にとってはややハードルが高く、つまずきやすいポイントでもあります。
Cloud9は、そのような煩わしい環境構築が一切不要であり、簡単にRubyの実行環境を準備できます。
Cloud9でRubyの実行環境を準備する手順は、以下の3Stepです。
- 1.AWSにサインアップ(会員登録)する
- 2.Cloud9の開発環境を作成する
- 3.開発画面を起動する
具体的な手順をひとつずつ見ていきましょう。
1.AWSにサインアップ(会員登録)する
アカウント情報、クレジットカード情報入力、本人確認などを行い、AWSアカウントを登録します。


2.Cloud9の開発環境を作成する
Cloud9を開始するために必要となる幾つかの項目を入力、選択していきます。
3.開発画面を起動する
AWScloud9のアカウント登録が済んだら、開発画面を起動します。

AWScloud9にログインすると上記の画面が表示されるので、「Create environment」をクリックしてください。

開発画面を起動するには「test.rb」など、末尾に.rbがつくファイル名を入力してください。
次に、起動したターミナルで以下のようなテキストを入力します。
puts "Hello, World!" puts "The sum of 1 and 2 is 3."
「Run」をクリックして実行をすると、プログラムの結果がコンソール上に表示されます。
そのほかRubyに関する簡単な文法の確認は、以下のようなWebサービスもあります。簡単に使用できるので、まずはソースコードをコピー&ペーストして動かしてみてはいかがでしょうか。
プログラミングの学習サイトProgateであれば、無料のアカウント登録のみでRubyを実行できます。こちらもRuby初心者にはおすすめなので、是非登録してみてください。
Cloud9の使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。

Cloud9の使い方と便利機能!最強プログラミング開発環境(IDE)
更新日:2022年11月14日
自身のパソコンにRubyの環境を構築する
Rubyを実行するもう1つの方法が、ローカル環境(自分のパソコン)に動作環境を構築する方法です。
最近では、実際の開発現場でも前述のcloud9を使用するケースが増えていますし、プログラミングの環境構築は手間がかかります。
しかし、環境構築すればその過程で多くのことを勉強でき、インターネットがつながっていない状態でもRubyを動かせるようになります。
時間に余裕がある方は、自分のパソコンでの環境構築もご検討ください。また、Rubyの基礎文法・構文を習得した後で改めて環境構築に挑戦するのもおすすめです。
なお、環境構築手順はWindowsとMacで異なります。それぞれご説明していきます。
WindowsにRubyの動作環境を構築する
1.Rubyをインストールする
こちらのURLにアクセスして、WITH DEVKITのリンクをクリックしたのちインストーラーをダウンロードします。
今回は勉強目的であるため、最新版を選択してください。また最近では64bitが主流のため、(x64)と記載されているものを選ぶようにしてください。
2.ライセンス同意画面
「I accept the License」を選択した状態で、Nextボタンを押下します。
3.インストール先&オプション選択画面
インストール先を変更したい場合は、パス(ファイルやフォルダの場所)を変更します。初期表示されたもので問題なければInstallボタンを押下します。
4.コンポーネント選択画面
こちらもそのままNextボタンを押下します。
5.インストール完了画面
Finishボタンを押下します。
6.コマンドプロンプト画面が起動する
自動的にコマンドプロンプト画面が起動します。画面上に表示された(If unsure press ENTER [x,x])の数字を入力し、Enterキーを押下します。その後、画面は自動終了します。
7.コマンドプロンプト画面でバージョンを表示させる
再びコマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを打ち込みます。
>ruby -v
Rubyのバージョンが表示されれば、環境構築は完了です。
MacにRubyの動作環境を構築する
MacはRubyが標準でインストールされているため、環境構築不要です。Rubyがインストールされているか確認してみましょう。
1.ターミナルを開き、Rubyのバージョンを確認する
ターミナルというアプリケーションを開きます。起動後に以下のコマンドを入力し、Enterを押下します。
>ruby -v
rubyのバージョンが表示されれば、環境構築は完了です。
2.基本的なプログラムを書く

Rubyの実行環境を準備したら、実際にプログラムを書いて勉強しましょう。
まずは基本的なプログラムを覚えていきましょう。あらかじめ本や学習サイトで基本的な文法を学んだのち、前述したRubyの実行環境で実際に動かすことがおすすめです。
ここでは、Rubyでよく使う文法をいくつかご紹介します。
putsとprint
結果を出力したい場合は、printやputsというメソッドを使用します。
メソッドとは、Rubyのプログラムの操作を定義する言語です。「puts "◯◯"」「print "◯◯"」というRubyのコードを書くと、putsのあとの◯◯という文字が出力されます。
printとputs は同じような役割を果たすメソッドですが、putsは出力後に改行を付与することに対して、printは出力後に改行を付与しないという違いがあります。
適宜使い分けるようにしましょう。
■コード
puts 'abc' puts 'def' puts 'ghi'
■出力結果
abc def ghi
■コード
print 'abc' print 'def' print 'ghi'
■出力結果
abcdefghi
条件分岐
プログラミングは、さまざまな条件を判定しながら、大きな1つの処理をつくっていきます。Rubyの条件分岐は、以下のように書きます。
■やりたいこと
年齢が12歳以上であれば、大人料金(adult fee)、12歳未満であれば子供料金(child fee)と出力する。
※ 変数:ageの値(サンプルでは10を指定)を「12以上」あるいは「11以下」に変更することで、それぞれの条件分岐に遷移した結果を確認することができます。
■ コード
age = 10 if age >= 12 then print "adult fee\n" else print "child fee\n" end
■出力結果
child fee
繰り返し
繰り返し処理もプログラミング言語ではよく使用する文法です。
Rubyの繰り返し処理は以下のように書きます。
■やりたいこと
リスト内に含まれる要素をすべて出力する。
■ コード
ary = [0,2,4,8,16,32,64,128,256,512,1024] i = 0 while i < ary.length puts ary[i] i += 1 end
■出力結果
0 2 4 8 16 32 64 128 256 512 1024
3.オブジェクト指向に慣れる

Rubyは、オブジェクト指向のプログラミング言語です。Rubyを習得していくためには、まずオブジェクト指向を理解し、慣れていく必要があります。
オブジェクトとは日本語でいうと「モノ」に例えられます。複雑なプログラミングであっても、突き詰めていけば「モノ」の集合体になります。
オブジェクト指向は、開発対象の機能によって「モノ」を取り替えたり、共通的な「モノ」の定義に対して自分だけの特徴を上書きしたりすることでシステムやサービスをつくっていくという概念です。
上級者でも解釈の難しい概念ですので、初心者のうちは「なんとなくこういうものなんだ」という理解で十分です。
Rubyのオブジェクト指向についてもっとよく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

【Ruby】オブジェクト指向とは?概要からメリットまで解説
更新日:2022年11月14日
4.Ruby Ruby on Railsを学習する

Rubyは単体でもコードが少なく優れた言語ですが、Ruby on Railsというフレームワークを導入することで開発効率が飛躍的に向上します。
フレームワークとは、よく使われる機能、必要な機能などをあらかじめ部品として開発しパッケージ化したプログラム群を指します。
Rubyを習得するのであれば、Ruby on Railsもセットで勉強しておくと良いでしょう。Ruby on Railsは学習サイトや本などでも勉強できますが、実践で理解したほうがメリットが多いです。
前述したCloud9でRubyとRuby on Railsに触れ、実用的な技術を取得しましょう。
Ruby on Railsについて詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。

【公開】Ruby on Railsが難しい理由と完全学習ロードマップ
更新日:2022年11月14日
5.簡単なWEBアプリケーションを作ってみる

ここまで来たら総仕上げです。最後の仕上げとして、Rubyを使って簡単なWebアプリケーションを開発してみましょう。
どんなに簡単なものであっても、Webアプリケーションを0から開発すると、多くの学びを得ることができます。また、「実際に動くものを自らの手で生み出した」という達成感は何物にも代えがたい経験となるはずです。
最初は必要最低限の機能で実現できそうな目標を立て、少しずつクリアしながら順次アップしていきましょう。
初心者におすすめのRuby教材

プログラミング言語の学習は、教材選びが大事です。自分の目的に合ったものを選ぶようにしましょう。
初心者がRubyを学習するにあたり、おすすめしたい本と学習サイトは下記のとおりです。
それぞれ詳しく紹介しましょう。
Rubyの勉強におすすめの学習サイト3選

学習サイトは、Rubyを効率的に勉強するためのさまざまな工夫が取り入れられています。
教材を見ながら実際に手を動かして理解を深めていくものや、動画を活用したものなど豊富なコンテンツが魅力です。Rubyの初心者でも飽きることなく勉強を進めることができるため、是非活用しましょう。
ここからは、おすすめの学習サイトを3つご紹介します。
そのほかのRubyに関する学習サイトを知りたい方は、以下をお読みください。

Ruby学習サイト7選!初心者向け必勝ロードマップを徹底解説
更新日:2023年2月2日
Progate
Progateは、プログラミング言語や開発に必要なツールの知識をWebサイト上で学ぶことができます。
基礎知識をスライドで勉強しつつ、単元の確認テストでは実際にコードの一部を入力していくスタイルです。
手軽にスタートできることに加えて、初心者に優しい説明なので、何をすべきか分からない方はProgateから勉強をスタートしてみると良いでしょう。
ドットインストール
ドットインストールは、動画に特化したプログラミング学習サイトです。
3分という短い動画で要点を簡潔に説明しているため、スキマ時間で効率的に学習できます。Rubyに関するコンテンツもかなり充実しているため、動画を見るだけで知識を補強できます。
Rubyがミニツク
Rubyがミニツクを運営しているのは、島根県の株式会社ネットワーク応用通信研究所です。この企業はRubyを生んだまつもとゆきひろ氏が所属しています。
RubyやRuby on Railsの学習コンテンツが充実しており、更にはRuby技術者認定試験(Silver) 対策コースまで用意されています。
Rubyを勉強するのであれば、1度は目を通しておきたい学習サイトです。
Rubyの勉強におすすめの本3選

本は、学習サイトと併用して知識の補強に役立てましょう。初心者におすすめのRubyの本を3つ紹介します。
3ステップでしっかり学ぶ Ruby入門
リンク
3ステップでしっかり学ぶ Ruby入門は、Ruby初心者に向けた丁寧でわかりやすい解説となっている入門書です。
基本的な構成として「予習」→「実践」→「復習」というサイクルとなっているため、無理なく学習をすすめていけます。
作りながら学ぶRuby入門
リンク
プログラミング言語は、経験を積めば積むほど上達が早くなります。
作りながら学ぶRuby入門では、Rubyで書いたサンプルを動かしていくことで実践的な内容を学ぶことができます。
たのしい開発 スタートアップRuby
リンク
たのしい開発 スタートアップRubyは、Rubyと代表的なフレームワークであるRuby on Railsの基本的な知識を身につけることができます。
また、Rubyのメリットだけではなくデメリットについても言及されているため、広い視野でRubyについて学べる本です。
Ruby初心者におすすめ本について、以下の記事で詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。

【完全保存版】Rubyの学習本おすすめ全7冊!入門・中級・上級編
更新日:2022年12月5日

Rubyを効率的に勉強するためのテクニック

Rubyをより効率的に勉強するために、覚えておきたいテクニックがあります。
例えばプログラムに問題があるとき、デバッグという作業で原因を検出します。この「デバック」について詳しく解説しますので、確認しておきましょう。
プリントデバッグ
「プリントデバッグ」とは、Printつまり「表示」を行ってプログラムの状態を確認することです。
Rubyのプログラムを出力して画面へ表示するためには、「puts」や「p」という命令を使います。特に「p」を使えば、プログラムの詳細な動作を確認できます。
例えば、test.rbとして下記のようなソースコードを用意します。
puts "=== start ===" intro = "Hello" flag = true p flag if flag then p intro intro += " World!" p intro end puts intro puts "=== end ==="
これをRubyで実行すると次のように画面に出ることが確認できます。
$ ruby test.rb === start === true "Hello" "Hello World!" Hello World! === end ===
この方法を用いて、画面に出力される内容とソースコードを見比べていき、プログラムの問題を特定していくのです。
今回は、サンプルとして少し細かめに出力するようにしています。実際の現場では、この方法を用いて問題箇所の大まかな特定→詳細を特定といった具合で使用します。
コマンドラインデバッグ
「コマンドラインデバッグ」とは、コマンドライン(Rubyのコマンドを入力する箇所)上でデバッグを行うことを指します。
Rubyに含まれている「irb」というツールで、すぐにRubyの処理を実施します。
Cloud9上では、標準で画面下にあるコマンドラインにirbと入力することができます。irbでは、コマンドライン上にRubyの処理を書けば、次の行でその結果を教えてくれます。
部分的にRubyの処理が分からない場合、この方法で動作を確認しながら進めましょう。
詳しい内容を知りたい方は、こちらをご参照ください。
もっとスムーズにRubyを勉強するなら
より短期間でRubyを習得したい方に、SAMURAI TERAKOYA(侍テラコヤ)をおすすめします。
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まとめ
今回はRuby初心者のための勉強フロー、テクニック、おすすめ教材6選をご紹介しました。
Rubyは日本生まれでありながら、グローバルで愛されているプログラミング言語です。シンプルなプログラミング言語のため、ほかのものと比較しても学習コストは高くありません。
今回ご紹介した勉強方法を参考にして、効率的にRubyをマスターしましょう。
この記事のおさらい
Rubyの効率的な勉強法は?
Rubyを効率よく学ぶなら、学習サイトを利用して手を動かしながら勉強しましょう。
初心者がRubyを勉強するのに、おすすめの動作環境は?
AWSが提供しているCloud9がおすすめです。簡単な手続きで手間なくRubyを実行できます。
初心者向け、Rubyの勉強フローは?
「実行環境準備」→「基礎学習」→「オブジェクト指向の理解」→ 「Ruby on Railsの学習」→「Webアプリケーションの開発」のフローです。