GAS(Google Apps Script)の練習方法や練習問題を紹介!

GASはどのように練習すれば良い?
GASを練習するメリットは何?
GASの基本文法は何?

など、GASを練習する際にさまざまな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

GAS(Google Apps Script)は、Googleのサービスをカスタマイズし、自動化するための強力なツールですが、初めて触れる人にとっては学習のハードルがあるかもしれません。そこでこの記事では、GASを練習したい方に向けて以下の内容を解説します。

GASを学び、スキルを向上させることで、業務の効率化やプロジェクトの拡張が可能になります。ぜひ、参考にしてみてください。

この記事の監修者

フルスタックエンジニア

金田 茂樹


音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。

目次

GAS(Google Apps Script)とは 

GAS(Google Apps Script)は、Googleのクラウドベースのプラットフォームで提供されるスクリプト言語です。GASは、Googleのさまざまなサービスやアプリケーション(例:Google Sheets、Google Docs、Gmail)と連携し、自動化、カスタマイズ、拡張機能の開発を可能にします。

GASはJavaScriptベースの言語であり、ウェブアプリケーションを構築するための強力なツールです。ユーザーは、GASを使用して、タスクの自動化、データの処理、カスタムフォームやダッシュボードの作成、APIとの連携など、さまざまな用途でスクリプトを作成できます。

GASはクラウド上で実行されるため、インストールやアップデートの必要がなく、どんなデバイスからでもアクセスできます。また、Googleの生態系と統合されているため、Googleサービスとのシームレスな連携が可能です。

GASはビジネスプロセスの効率化やデータの自動処理、カスタムアプリケーションの開発など、さまざまな用途で利用され、非常に柔軟性が高いプログラム言語として広く活用されています。

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GASを練習する・学ぶ3つのメリット

GASを練習する・学ぶ3つのメリット

GASを練習する・学ぶことで、どんなメリットがあるのでしょうか?GASを練習するメリットは次の3点です。

GASを練習する・学ぶ3つのメリットについてそれぞれ解説していきます。

業務の自動化や効率化ができる 

GASを学ぶ最も顕著なメリットの一つは、業務の自動化や効率化が可能になることです。これはビジネスや個人の日常業務において非常に価値のあるスキルです。

GASを使用することで、Google Sheetsで大量のデータを処理するプロセスを自動化できます。

データの取得、整形、分析、レポート生成などの作業を手動で行う必要がなくなり、時間とエネルギーを節約できます。これにより、より高度な分析や戦略の立案に専念できるようになります。

また、GASはGoogle DocsやGmailなどのアプリケーションとも連携が可能です。例えば、カスタムメール合成やドキュメントの自動生成、通知システムの構築など、さまざまなタスクを自動化できます。

さらに、GASはタスクのスケジュール設定も可能であり、定期的な処理やタイミングに応じたアクションを実行できます。これにより、リアルタイム性のある業務プロセスや通知システムを構築することもできます。

開発環境が不要ですぐに始められる 

GASを学ぶ際の魅力の一つは、開発環境が不要であり、すぐに始められることです。

まず、GASはクラウドベースで提供されているため、専用の開発環境をインストールしたり、セットアップしたりする必要がありません。Googleアカウントを持っていれば、ブラウザを使ってGASにアクセスし、スクリプトの作成や実行を開始できるため、新しいプロジェクトをすばやく立ち上げられます。

さらに、GASはJavaScriptベースの言語を使用しており、JavaScriptに馴染みのあるプログラマーやウェブ開発者にとっては学習コストが低いです。既存のJavaScriptスキルを活用できるため、迅速にスクリプトを作成できます。

また、GASはコミュニティやオンラインリソースが豊富であり、問題解決や学習のサポートを受けるのが簡単です。ユーザー間での情報共有やコードの提供が容易であるため、学習プロセスがスムーズに進みます。

完全無料で利用できる 

GASを学ぶメリットの一つは、完全に無料で利用できることです。

まず、GASはGoogleのクラウドプラットフォーム内で提供されており、Googleアカウントを持っているだけで利用可能です。専用のライセンスやサブスクリプション料金が不要で、始めるために追加のコストがかかりません。これは、予算の制約のある個人や中小企業にとって大きな利点です。

また、GASを使用して開発したスクリプトやアプリケーションを他のユーザーと共有する際にも、特別な料金が発生しません。これにより、自身の作成物を広く共有し、コミュニティやチームで活用することが容易です。

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GASの活用事例 

GASの活用事例

GASは、さまざまな分野で効率化や自動化の手段として広く活用されています。企業や個人、教育機関などで、GASを使って様々なタスクやプロセスを合理化し、生産性を向上させています。

ここでは、GASの実際の事例や応用について解説し、どのようにGASが日常業務やプロジェクトに価値を提供しているかを紹介します。

GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントなどの操作を自動化する 

GASは、Googleスプレッドシート、Googleドキュメント、GmailなどのGoogleサービスを自動化するための強力なツールです。

まず、Googleスプレッドシートにおいて、GASを使用することで大量のデータの自動処理、整形、分析が可能になります。例えば、データのインポート、自動計算、グラフの作成など、手動で繰り返し行う作業が不要となり、時間とエネルギーを節約できます。

また、Googleドキュメントを対象にすると、GASはカスタムドキュメントの自動生成やテキスト処理の自動化を実現します。契約書、報告書、ラベル、フォーマットされた文書などをテンプレートから生成するため、作業の一貫性と効率性が向上します。

さらに、GASはGmailの自動化にも活用されます。自動メール送信、受信メールのフィルタリング、スケジュール通知、カスタム通知の作成など、効率的なコミュニケーションを実現します。

このように、GASを使用することで、Googleのさまざまなサービスで発生するルーチンなタスクを自動化し、生産性を向上させられます。個人やビジネスの業務プロセスを合理化し、より多くの時間とリソースを戦略的な活動に費やせるでしょう。

Webサイトからの情報収集(スクレイピング)を行う 

GASは、Webサイトからの情報収集、通常はスクレイピングと呼ばれるプロセスを効果的に実行するのに優れたツールです。

GASはウェブページのHTMLコンテンツを取得し、必要なデータを抽出、処理、保存するためのカスタムスクリプトを記述できます。これにより、競合情報の収集、天気予報の自動取得、価格比較、ウェブサイトモニタリングなど、さまざまな用途でWebデータの収集が可能になります。

また、GASはGoogleのクラウド上で実行されるため、定期的なスクレイピングタスクをスケジュール設定し、自動的に実行することも容易です。この機能は、リアルタイムのデータ更新や通知システムの構築に役立ち、情報収集プロセスを効率化します。

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Webアプリケーションを開発する 

GASは、Webアプリケーションの開発にも活用されます。

GASを使用することで、Googleサービスと連携し、カスタムのウェブアプリケーションを簡単に構築できます。ウェブフォームの作成、データベースの管理、ユーザーアクセスの制御、ダッシュボードの作成など、さまざまな機能を組み込めます。

また、GASはクラウドベースで提供され、インストールやアップデートの必要がないため、開発とデプロイが迅速で容易です。これにより、ビジネスプロセスの改善や顧客向けのカスタムツールの開発が、迅速かつ効果的に実現できます。

外部アプリケーションと連携する 

GASは、外部アプリケーションとの連携にも優れた機能を提供します。

GASは外部APIとの通信をサポートし、他のウェブサービスやデータベースとデータの双方向のやり取りが可能です。これにより、異なるアプリケーション間でデータを共有、同期、更新できます。

たとえば、CRMシステムやeコマースプラットフォーム、外部データベースとGASを連携させることで、自動的なデータ更新、注文処理、顧客データの統合などを実現できます。

この柔軟性と拡張性により、ビジネスプロセスの最適化やデータの統合が効果的に行え、効率性と生産性が向上します。

GASの基礎文法と構文を学ぼう 

GASの基礎文法と構文は、GASを始めるための基本的なステップです。

基礎文法と構文を学ぶことで、GASを使ってタスクの自動化やカスタムアプリケーションの開発が可能になります。また、この知識はより高度なスクリプトの構築や外部アプリケーションとの連携に進むための基盤となります。

GASの学習を始める際には、基礎文法と構文をしっかりと理解し、スクリプトの作成に活用することが不可欠です。

GASはJavaScriptがベースの言語 

GASは、JavaScriptがベースのプログラム言語です。JavaScriptはウェブ開発で広く使用され、GASはこの言語の特性を活かして、Googleのサービスをカスタマイズし、自動化するためのスクリプトを記述します。

GASのスクリプトは、ウェブアプリケーションとして実行でき、Googleスプレッドシート、Googleドキュメント、GmailなどのGoogleサービスと連携できます。JavaScriptの知識があれば、GASを習得するのは比較的容易であり、既存のスキルを応用できます。

これにより、カスタムアプリケーションの開発、データの自動処理、通知システムの構築など、多くのタスクを効率化できます。

GASはクラウドベースで提供され、インストール不要なため、柔軟性が高く、どんなデバイスからでもアクセス可能です。

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スクリプトエディタの使い方 

スクリプトエディタは、GASのスクリプトを作成、編集、実行するための統合開発環境です。

まず、Googleアカウントでログインし、Googleのサービス(例:Google Sheets、Google Docs)内でスクリプトエディタを起動します。スクリプトエディタ内では、JavaScriptベースのスクリプトを記述します。変数の宣言、関数の作成、APIの呼び出し、ループ、条件分岐など、JavaScriptの文法を活用します。

スクリプトを記述したら、エディタ上で保存し、名前を付けます。その後、スクリプトをトリガー(タイマー、イベントなど)に関連付けて実行きます。スクリプトのデバッグやエラーの確認もスクリプトエディタ内で行います。

スクリプトエディタはGASの中核であり、スクリプトの開発と管理に不可欠なツールです。

スクリプトの作成やカスタマイズ、定期的な自動実行の設定など、GASの強力な機能を活かすために、スクリプトエディタの使い方をマスターすることが重要です。

GASでスプレッドシートを操作する方法 

GASでスプレッドシートを操作する方法

GASを使ってスプレッドシートを操作する方法は、データの読み取り、書き込み、書式設定など、多くのタスクで非常に役立ちます。

この項目では、GASを使用してスプレッドシートを効果的に操作するための基本的な手法とスクリプトの記述方法について解説します。

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スプレッドシートのデータを操作する 

GASを使用してスプレッドシートのデータを操作する方法は、スプレッドシート内のセルや範囲に対してデータの読み取りと書き込みを含みます。これを実現するために、以下の基本的なステップがあります:

  • 1. セルの指定: `getRange()` メソッドを使用して、特定のセルや範囲を指定します。たとえば、`getRange(“A1”)` はA1セルを指定します。
  • 2. データの読み取り: `getValue()` メソッドを使用して、指定したセルの値を読み取ります。例えば、`getRange(“A1”).getValue()` はA1セルの値を取得します。
  • 3. データの書き込み: `setValue()` メソッドを使用して、指定したセルに新しい値を設定します。たとえば、`getRange(“A1”).setValue(“新しい値”)` はA1セルに新しい値を書き込みます。
  • 4. 範囲の操作: `getRange()` を使ってセル範囲を指定し、それに対して一括でデータを読み書きできます。たとえば、`getRange(“A1:B2”).getValues()` はA1からB2までのセルの値を取得し、配列として返します。
  • 5. フォーミュラの設定: `setFormula()` メソッドを使用して、セルに数式やフォーミュラを設定できます。これにより、自動計算や関連データの動的な更新が可能になります。

これらの操作を組み合わせることで、スプレッドシートのデータを効果的に操作し、自動化されたタスクやカスタムアプリケーションを開発できます。

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スプレッドシートの書式を操作する 

GASを使用してスプレッドシートの書式を操作することで、データの見た目やスタイルをカスタマイズし、情報の視覚的な表現を向上できます。スプレッドシートの書式を操作する基本的な方法を紹介します。

  • 1. フォントや文字色の設定: `setFontFamily()` や `setFontColor()` メソッドを使用して、セル内のテキストのフォントファミリーや色を変更できます。これにより、特定のテキストを強調表示できます。
  • 2. セルの背景色の設定: `setBackground()` メソッドを使用して、セルの背景色を変更できます。セルの背景色を変えることで、データの重要性やカテゴリを視覚的に区別できます。
  • 3. テキストの配置: `setHorizontalAlignment()` や `setVerticalAlignment()` メソッドを使って、テキストの水平および垂直配置を設定できます。セル内のテキストの位置を調整して、セルの外観をカスタマイズできます。
  • 4. 罫線の追加: `setBorder()` メソッドを利用して、セルに罫線を追加できます。罫線を使用して、表のセクションを区切ったり、データを整理したりできます。
  • 5. 数値フォーマットの設定: `setNumberFormat()` メソッドを使用して、セル内の数値の表示形式を設定できます。通貨、日付、パーセンテージなど、異なる数値フォーマットを適用できます。

これらの操作を組み合わせて、スプレッドシートの外観をカスタマイズし、データをより分かりやすく、魅力的に表示できます。

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GAS初心者向け練習問題 

GASを初めて学び始める方にとって、実際のプログラミング経験が乏しい場合でも、手軽にスキルを向上させるための練習問題は非常に有用です。ここでは、GAS初心者向けに設計された練習問題を紹介します

。GASを使って自分のアイディアを実現するための基盤を築くために、ぜひこの練習問題に取り組んでみてください。

練習問題1:Hello, world!を表示する 

GASで最も基本的なプログラムとして、Hello, world!という文字列を表示するプログラムを作成してください。

答え:

function displayHelloWorld() {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
  sheet.getRange("A1").setValue("Hello, world!");
}

このスクリプトは、スプレッドシートのアクティブなシートに「Hello, world!」というテキストをセルA1に表示します。 

スクリプトエディタ内で「displayHelloWorld」という関数を選択し、実行ボタンをクリックします。 スプレッドシートを開くと、セルA1に「Hello, world!」と表示されます。

この練習問題では、GASを使用してスプレッドシートにテキストを表示する基本的なスクリプトを作成しました。

スクリプト内で `SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet()` を使用して、アクティブなスプレッドシートとそのアクティブなシートを取得し、`setValue()` メソッドを使用してセルA1に「Hello, world!」という値を設定します。

最後に、スクリプトをスクリプトエディタから実行して、変更をスプレッドシートに反映させます。

練習問題2:スプレッドシートのセルに値を入力する

GASを使用して、指定したスプレッドシートのセルにある数値を合計するスクリプトを作成してください。

答え:

```javascript
function calculateSum() {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
  var range = sheet.getRange("A1:A5"); // A1からA5までのセルを指定
  var values = range.getValues(); // セル内の値を取得
  var sum = 0;
  
  for (var i = 0; i < values.length; i++) {
    sum += values[i][0]; // セルの値を合計に追加
  }
  
  sheet.getRange("B1").setValue(sum); // 合計をセルB1に表示
}

このスクリプトは、セルA1からA5までの数値を取得し、それらの合計をセルB1に表示します。スクリプトエディタ内で「calculateSum」という関数を選択し、実行ボタンをクリックします。スプレッドシートを開くと、セルB1に数値の合計が表示されます。

この練習問題では、GASを使用してスプレッドシートのセル内の数値を合計する基本的なスクリプトを作成しました。

スクリプト内で `SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet()` を使用してアクティブなスプレッドシートとアクティブなシートを取得し、指定したセル範囲の値を `getValues()` メソッドを使って取得します。

その後、ループを使用して各セルの値を合計し、その合計を別のセルに `setValue()` メソッドで表示します。

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GASを練習して生産性を向上させよう

この記事では、GASの基本的な学習方法やメリットについて紹介しました。GASを使ってスプレッドシートや他のGoogleアプリケーションを活用し、業務効率を向上させられます。

練習問題を通じて、スクリプトの記述や実行、データの操作、外部サービスとの連携など、さまざまなスキルを養いましょう。GASの活用により、作業の自動化やカスタマイズが可能になり、生産性向上に貢献します。

継続的な練習と実践が、GASをマスターする鍵です。

この記事を書いた人

中川 大輝のアバター 中川 大輝 メディア編集長

東京都多摩市出身。前職では都内ホテルにて設備機器のメンテナンスを経験。当時から副業として行っていたWebライティングと独学でのプログラミング学習経験を活かし、「プログラミング学習の挫折をなくすためのコンテンツ作成」を心がけています。
プライベートでは双子育児に奮闘中。将来、子どもたちが侍ブログを見て、プログラミングを学びたいと思えるメディアを作ることが目標です。
今更ながら「キングダム」にドハマリ中。

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