【行程別】システムエンジニアが行う開発業務内容12個|向いている人とは

 

システムエンジニアはシステム開発においてどのような行程を担うのでしょうか。

この記事ではシステムエンジニアが行う開発業務の内容を行程別に紹介していきますので、システムエンジニアの仕事に興味がある方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

目次

システムエンジニアが行う開発業務とは

システムエンジニアはどのような開発業務を担っているのでしょうか。システムエンジニアはシステム開発において上流工程を担います。

プログラミングのスキルも必要ですが、実際のプログラミング作業はプログラマーが行い、システムエンジニアは要件定義や設計などを担当することになるでしょう。ここではシステムエンジニアが担う開発業務を紹介します。

【行程別】システムエンジニアが行う開発業務内容12個

システムエンジニアはさまざまな開発業務を担います。システムエンジニアはシステム開発のプロジェクトにおいて、クライアントから要望をヒアリングして要件定義を行ったり、それをもとに基本設計をしたりするなど、料理でたとえればレシピづくりを行う役割を担っています。

システムエンジニアの業務は具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、工程別のシステムエンジニアが行う開発業務内容12個を紹介します。

要件定義

要件定義とは、ユーザーが希望する内容をどのようにシステム化するかを決めるものです。システム開発では、クライアントが希望する内容をどのように実現させるかを検討する必要があるでしょう。

システムエンジニアはクライアントの要望をどのような形でシステムに落とし込むかを考え、ドキュメントを作成します。また、要件定義によって作成されたドキュメントは、そのシステム開発における土台となるでしょう。

開発業務内容1:対象を明確化する

要件定義における開発業務としては、対象を明確化する必要があります。要件定義では、まずクライアントが希望しているシステムの全体像を決定します。

また、どのようなシステムを開発するにしても、システムの利用目的や必要な機能の洗い出し、さらにどこまでシステム化するかなど、対象を明確にしていくことが必要です。

開発業務内容2:顧客の要望を正しく取り入れ提案する

要件定義における開発業務としては、顧客の要望を正しく取り入れ提案する必要があります。クライアントはシステムにおいて専門家ではないため、自らの希望を満たすようなシステムを説明できるわけではありません。

そのため、システムエンジニアは抽象的な表現も多いクライアントの説明から、クライアントの業務を理解した上で、求めている要望や理想を正しく汲み取り、さらにより良くするための提案を行うことになるでしょう。

開発業務内容3:動作環境の選定

要件定義における開発業務としては、動作環境の選定をする必要があります。要件定義では、OSやハードウェア、データベースソフトウェアなど、動作環境の選定を行います。

動作環境は最初の段階でクライアントとすり合わせしながら選定しなければ、あとから問題になるケースもあります。動作環境の選定は非常に重要なフェーズだと言えるため、慎重に行っていく必要があります。

基本設計

基本設計とは、システムの具体的な機能を全体的な観点で選定するものです。要件定義で作成した要件定義書をベースに、システムを実現するためにはどのように作成すればよいのかを検討し、システムの外観の作成や必要な機能の洗い出し作業などを行います。

基本設計は、クライアントがシステムを確認できる最後のタイミングになる場合もあるため、しっかりとクライアントに問題がないかどうか判断してもらいましょう。

開発業務内容4:画面の見た目や帳票サンプルの作成

基本設計における開発業務としては、システムの外観や帳票サンプルなどを作成する必要があります。システムには具体的にどのような画面が必要で、どのようなデータの帳票を出力するのかなどを決定します。

また、出力する帳票のレイアウトなどのサンプルも作成するとよいでしょう。

開発業務内容5:必要な項目の確定

基本設計における開発業務としては、システムの必要な項目を確定する必要があります。作成するシステムの画面が決まったら、画面デザインやどのような項目が必要かを確定していきましょう。

また、どのような情報をデータベースに保存するのかといったデータベース設計、外部システムとの連携が必要な場合はどのように実現するのかを決定します。

詳細設計

詳細設計とは、システムの機能について詳細を決定するものです。基本設計が終わったら詳細設計を行います。これはシステム作成の一歩手前の状態なので、詳細設計はクライアントにわかりやすいようにではなく、作成側の観点で行われます。

詳細設計では専門用語を使い、専門的な観点で設計が行われるため、システムの完成イメージが想像できる状態まで詳細を決定していきましょう。

開発業務内容6:詳細な内部処理方法を決定する

詳細設計における開発業務としては、システムの内部処理方法を確定する必要があります。詳細設計では基本設計で決まった内容をインプットし、より詳細な内部処理方法を決定していきます。

内容も専門的なものになり、実際にプログラムの実装を行うプログラマーが処理をイメージできるレベルにまで詳細を詰めていきましょう。

開発業務内容7:設計書の作成

詳細設計における開発業務としては、設計書を作成する必要があります。設計書には、業務設計やシステム方式設計、アプリケーション機能設計や帳票設計、バッチ設計、テーブル・ファイル設計、外部インターフェース設計などをまとめていきます。

詳細設計で作成される設計書は、システムの製造工程を担当するプログラマーに渡されます。

テスト

テストとは、動作するようになったシステムのテストを行う工程です。詳細設計の後にはシステムのプログラミングを行う工程がありますが、この工程を担当するのはプログラマーです。

この間、中間管理職のシステムエンジニアはプロジェクトの進捗を管理したり、テストの準備を行ったりします。システムのテストには、単体テストや結合テスト、総合テストなどがあります。

開発業務内容8:単体テストのシステムエンジニアの役割

単体テストとは、システムのパーツごとに正しく動くかどうかのテストを行うことです。プログラムはさまざまなパーツの組み合わせによって動作しています。

単体テストではまずパーツごとに想定通りの動作をするかどうかをテストしていきましょう。単体テストは開発担当のプログラマーやシステムエンジニアが行い、テストの結果に問題があった場合は差し戻し、修正作業を行います。

開発業務内容9:結合テストのシステムエンジニアの役割

結合テストとは、パーツごとのデータの受け渡しなどが正確にできるかどうかのテストを行うことです。関連する動作のテストを行い、データの受け渡しや画面推移などが正しく行われるかどうかをチェックしていきます。

結合テストは開発担当のプログラマーではなく、システムエンジニアが行います。

開発業務内容10:総合テストのシステムエンジニアの役割

総合テストとは、実際の運用を想定した環境でテストを行うことです。システム全体で動作ができるようになったら、実際の環境を再現した状態でシステムエンジニアが総合テストを行います。

このテストで問題がなければ、システムの完成となります。

運用・保守

運用・保守とは、リリースしたシステムの管理を行うことです。システムはクライアントにリリースしたらそれで終わりというわけではありません。

運用が始まってからも、定期的なメンテナンスやトラブルへの対応など保守作業を行いましょう。

開発業務内容11:エラー原因の究明

保守・運用フェーズにおける開発業務としては、エラー発生時にはエラー原因を究明する必要があります。運用開始後に不具合が見つかった場合には、システムエンジニアはいち早く調査を行い、エラーの原因を調べる必要があります。

また、エラー原因がわかれば開発工程を担うプログラマーに修正の依頼を出しましょう。

開発業務内容12:プログラマーが不在時の修正業務

保守・運用フェーズにおける開発業務としては、システムエンジニア自身で修正業務を行うこともあります。開発を行うのは基本的にプログラマーですが、実際の現場では他の作業にあたっていて、プログラマーがすぐに修正作業を行えないケースも多いでしょう。

そういった場合は、システムエンジニアが修正を行うこともあります。

システムエンジニアに向いている人5つ

システムエンジニアにはどのような人が適しているのでしょうか。システムエンジニアはプログラマーとは異なり、直接クライアントから要件をヒアリングしたり、さまざまな専門分野のエンジニアが集まるプロジェクトの中でそれぞれを繋いだりする役割も担っています。

そのため、エンジニアの中でもシステムエンジニアへの向き不向きがあります。ここではシステムエンジニアに向いている人5つを紹介しましょう。

向いている人1:コミュニケーション能力が長けている

システムエンジニアには、コミュニケーション能力に長けている人が向いているでしょう。システムエンジニアは直接クライアント対応をすることがあります。

クライアントの要望を汲み取り、わかりやすく説明する能力が必要です。また、システムエンジニアは仕事柄、社内での会議も多いでしょう。

プロジェクトの進捗確認やすり合わせ、仕事の分担作業などを行うこともあるため、コミュニケーション能力は必須だと言えるでしょう。

向いている人2:順序立てて考えることが好き

システムエンジニアには、順序立てて考える論理的思考が得意な人が向いているでしょう。システムエンジニアにはロジカルシンキングが必須だと言われています。

順序を立てて考える能力があれば、さまざまな課題を細分化して整理することが可能です。また、順序立てて考えることができれば、筋道を立ててわかりやすく説明をすることができるため、クライアントへの対応などにも役立つでしょう。

向いている人3:文書・資料を作成するのが得意

システムエンジニアには、文書や資料を作成するのが得意な人が向いているでしょう。システムエンジニアは要件定義や基本設計など、ドキュメントを作成する業務が大変多いです。

また、システムを知らない人でもわかるように資料を作成することもあります。そのため、文書や資料を作成するのが得意な人であれば、効率的にドキュメントを作成することができるでしょう。

向いている人4:ITに興味がある

システムエンジニアには、ITに興味がある人が向いているでしょう。システムエンジニアはシステム開発の上流工程を担います。

プログラミングスキルはもちろん必要ですが、プログラミングをメインで行うわけではないため、理系文系関係なくITに興味があれば、目指すことができます。

向いている人5:英語が得意

システムエンジニアには、英語が堪能な人が向いているでしょう。システムエンジニアの能力として、英語力は必須ではありません。

しかしシステムエンジニアを求めている企業の中には公用語を英語にしている企業もあり、英語が得意な人材を求めているケースも多いでしょう。また、最近はシステムが英語で書かれていることもあり、英語ができればすぐに読むことができるでしょう。

英語が得意な人材はシステムエンジニアとして活躍する幅が広がります。

システムエンジニアが行う開発業務内容を理解しよう

システムエンジニアの担う開発業務は多岐に渡ります。システムエンジニアはプログラマーと異なり、開発作業よりも要件定義や設計などのドキュメントを作成する業務を多く担います。

これからシステムエンジニアを目指している人は、ぜひシステムエンジニアの開発業務を知るようにしましょう。

 

この記事を書いた人

兵庫県西宮市出身。現在大学4年生。プログラミングスクールを卒業したのち株式会社SAMURAIでインターン生として活動中。
記事の執筆や編集、業務改善システムの改善を担当中。

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