ICT教育に期待できる8つの成果とは?日本ではどれくらい進んでいるの?

ICT教育とは何か、ICT教育を導入する目的は何かについて述べたうえで、期待できる成果を8つ挙げてみました。

その一方で、課題点もいくつかありますが、実際に日本の小学校や中学校でICT教育がどのように活用されているか、具体例を紹介します。

目次

ICT教育とは?

ICT教育とは、Information and Communication Technology(情報通信技術)を活用する教育のことです。教育というとこれまでは、先生が黒板にチョークで文字を書き、それを生徒がノートに写すというイメージでした。

ICTの導入により、教育の現場は大きく変化しつつあります。ICTは教育にどんな成果をもたらすのか、また、ICT教育自体の問題点は何なのか、考えてみましょう。

ICTの導入目的

ICT教育は、コンピュータやタブレットなどを用いて、インターネット環境において情報検索や意見交換などができます。教室という限られた空間にいながら、教員も生徒たちも、「世界」と繋がることができるのです。

また、別の場所にいる人たちがインターネットを通して繋がることができますから、生徒だけではなく教員も相互に情報を共有することができます。

ICT教育で期待できる8つの成果

それでは、ICT教育で期待できる成果としてどのようなものがあるのか、考えてみましょう。ICT教育を導入することで期待できる成果を、以下の8つのポイントに分けて説明します。

教師から生徒への一方通行的教育から、ICT機器とインターネットを用いることで、双方向の教育が可能になるので、そこからいくつもの成果が生まれます。

ICT教育で期待できる成果1:情報活用能力の育成

ICT教育で期待できる成果として、情報活用能力の育成があります。ICT教育の「I」はInformation、つまり情報の頭文字ですから、インターネットを通してさまざまな情報を得て、それをどのように活用すればいいのかについて考える機会があります。

つまり、従来の知識詰め込み型教育ではない、情報活用能力の育成という新しい教育の成果が生まれます。

ICT教育で期待できる成果2:分かりやすい授業

ICT教育で期待できる成果として、分かりやすい授業があります。授業が、教師から生徒への一方通行で行われることがないので、生徒の理解を確かめながら授業が進行するからです。

また、パソコンやタブレットの画面に、文字だけではなく画像や動画なども表示できるので、知識がより鮮明に生徒に提示されることになります。

ICT教育で期待できる成果3:授業中の対話の活性化

ICT教育で期待できる成果として、授業中の対話の活性化があります。パソコンやタブレットの画面を通して、教師と生徒、生徒と生徒が対話しながら授業が進められるからです。

ICT機器による対話はもちろん、機器の操作などについて教師が生徒に寄り添うという対話も成立します。

ICT教育で期待できる成果4:生徒の学習意欲向上

ICT教育で期待できる成果として、生徒の学習意欲向上があります。先生の話をただ聞いているのではなく、パソコンやタブレットの画面を通して自分の意見を発信することができますから、学習意欲が向上するのはむしろ当たり前のことです。

そもそも学習者に学習意欲がなければ、教育の成果は何ひとつ期待することができません。ICT教育はまさに、学習意欲を向上させる教育システムだと言えるでしょう。

ICT教育で期待できる成果5:生徒の想像力・表現力の向上

ICT教育で期待できる成果として、生徒の想像力・表現力の向上があります。

ICT教育では、先生の話を一方的に聞いてそれを覚えるのではなく、インターネットを通じて得た情報を自分なりに理解して発信するのですから、想像力と表現力の向上が、この教育の成果として期待できます。

そもそも想像力は、上から教え込まれるような教育では育つことがありません。自分ひとりであれこれ考える時間が想像力を育てるといえます。

ICT教育で期待できる成果6:将来に役立つ学びの実感

ICT教育で期待できる成果として、将来に役立つ学びの実感があります。それは、インターネットを通じて、広く社会と関わり、そこからさまざまな情報を得るのですから、学校を卒業して社会人になることを実感できるからです。

自分が今学んでいることが、将来どういうことに役立つのか、ICT機器の操作を通じて体験できるのが、この教育による成果のひとつと考えることができます。

ICT教育で期待できる成果7:学習の効率化

ICT教育で期待できる成果として、学習の効率化があります。情報収集や情報伝達はもちろん、意見交換などもICT機器を通じて簡単にできるため、学習が効率的に行えます。

ICT教育によって、生徒一人一人が主体的に学習する姿勢を持つようになります。多くの情報の中から何を選び出すかについて自分で考える必要があるので、思考力も向上します。

ICT教育で期待できる成果8:教員の意識改革

ICT教育で期待できる成果として、教員の意識改革があります。教師は教科書の内容を生徒に教え込み、それをテストによって確認するという、昔ながらの教育観から脱却しなければならないのですから、教える側の教員は意識を改革しなければなりません。

ICT教育が広まる以前に、大学ではアクティブラーニングを普及させる方向で教育改革が行われていましたが、義務教育である小学校や中学校でも、教員の意識改革が必要になっています。

ICT教育の課題点

ICT教育で期待できる成果を取り上げましたが、課題点はないのでしょうか。もちろん、すべてのことにメリットとデメリットがあるように、ICT教育には期待できる成果とともに、解決すべき課題もあります。

ここでは、ICT機器・Wi-Fi環境の整備、教員に対する充実した研修、従来の授業スタイルとり兼ね合いの3点に絞って、ICT教育の課題について考えてみます。

ICT機器・Wi-Fi環境の整備

ICT教育を行うには、ICT機器を揃えるとともに、Wi-Fi環境の整備が必要です。文部科学省はICT教育を推進するという方針を打ち出しており、そのための補助金の制度もあります。

しかし、補助金を獲得できたとしても、かなりの費用がかかることは事実です。また、Wi-Fi環境の整備については、総務省もその問題点を指摘していますので、以下に引用します。

教員に対する充実した研修

ICT教育を行うには、教員に対する充実した研修を行う必要があります。教員は、ICT機器の操作ができなくてはならないのは当然ですが、それを生徒たちに指導できることも必要です。

学校の教員をしている人たちは、生徒だった頃にICT教育など受けたことはなかったでしょう。ICT教育を担当するとすれば、充実した研修を受ける必要がありますが、多忙な教員生活の中でそれをどう実現するのか、課題は大きいでしょう。

従来の授業スタイルとの兼ね合い

ICT教育の課題点として、従来の授業スタイルとの兼ね合いをどうするかということがあります。教員になるための教職教育科目にICT教育はなかったのですから、そこで学んできた授業スタイルとICT教育とは別のものです。

また、教育に関しては、文部科学省の定めた学習指導要領があります。学校の授業は、この学習指導要領に基づいて行われることになっていますから、ICT教育との兼ね合いをどうするかが問題です。

日本におけるICT教育の事例

文部科学省はICT教育に積極的な姿勢を見せていますが、実際に日本の小学校や中学校ではどのようなICT教育が行われているのか、そしてどの程度の成果をあげているのでしょうか。

ここでは、小学校と中学校の実践例から、それぞれ一例を紹介します。

小学校におけるICT活用

小学校におけるICT活用の例として、ここでは奈良市にある帝塚山小学校を取り上げます。小学校の教育ですから、例えば絵を描くことにコンピュータを使用したり、ローマ字を覚えるのにキーボードを利用しています。

コンピュータの基本操作からさらに進んで、プログラミングまで学ぶということですが、こういうことは「大人」より「子供」の方が覚えるのが早いかもしれません。

中学校におけるICT活用

中学校におけるICT活用の現状について、事例を紹介したいと思います。すでに小学校でICT教育の基礎が行われているとすれば、中学校ではそれをさらに進めることになりますが、具体的にはどういうことなのでしょうか。

東京都にある郁文館中学校では、アメリカの教育現場でも普通に使われているCromebookを使用して、グループ学習も行なっています。

ICTを適切に利用すれば成果がでる

ICTを適切に利用すれば確実に成果が出ます。例えば、中学校の例としてあげた郁文館中学校では、引用したように、ICT教育導入の前後を比較して学習効果と学習レベルが格段に向上していると、教員が実感しています。I

CT教育の導入にはまだまだ課題もありますが、期待できる成果を考えると、その課題を乗り越えて受けられる恩恵は大きいと言えるでしょう。

 

この記事を書いた人

【プロフィール】
DX認定取得事業者に選定されている株式会社SAMURAIのマーケティング・コミュニケーション部が運営。「質の高いIT教育を、すべての人に」をミッションに、IT・プログラミングを学び始めた初学者の方に向け記事を執筆。
累計指導者数4万5,000名以上のプログラミングスクール「侍エンジニア」、累計登録者数1万8,000人以上のオンライン学習サービス「侍テラコヤ」で扱う教材開発のノウハウ、2013年の創業から運営で得た知見に基づき、記事の執筆だけでなく編集・監修も担当しています。
【専門分野】
IT/Web開発/AI・ロボット開発/インフラ開発/ゲーム開発/AI/Webデザイン

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