エンジニアがスキルマップを作るための5つのステップ

SEにスキルマップって必要なのかな?
どうやって作れば良いんだろう?

スキルマップは多くの企業で採用されているツールですが、システムエンジニアの場合はどのようなスキルマップを作ればよいのでしょうか?

この記事では、システムエンジニアのスキルマップの作り方メリットなどを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

スキルマップとは

スキルマップとは、企業で利用されている従業員の業務遂行能力をまとめたツールです。スキルマップを活用することにより、従業員のスキルを把握することが可能になります。また、組織に不足しているスキルを見えるようにすることで、人材配置や人材育成を効率化することが可能となります。

さらに、スキルマップを作成することにより、従業員ごとのスキルを把握することもできます。ここでのスキルとは技術だけでなく、知識や資格、管理者であればマネジメント能力などの業務遂行能力のこと。スキルマップは、従業員一人ひとりのスキルを一目でわかるようにした一覧表であると言えます。

スキルマップでは、保有しているスキルを「○」か「×」、もしくは数字によってレベルを管理します。

システムエンジニアがスキルマップを作る3つのメリット

スキルマップは多くの企業で利用されているツールで、計画的な人材育成や人材配置を可能にします。システムエンジニアの場合は特に、現場によって求めている技術やノウハウなどが異なるため、スキルマップを活用できるでしょう。

ここでは、システムエンジニアのスキルマップを作るメリットを3つ紹介します。

メンバー集めの際に判断しやすい

システムエンジニアのスキルマップは、プロジェクト開始前のメンバー集めの判断基準として活用できます。

プロジェクトの際には、技術を持っているメンバーを上手く配置する必要がありますが、一緒に仕事をしたことがないメンバーの場合、どのようなスキルを保有しているのかわかりません。しかし、スキルマップを作っておけば一目でメンバー毎の保有スキルがわかるため、プロジェクトに必要なメンバーを揃えられます。

プロジェクトを進める際に見通しを立てやすい

システムエンジニアのスキルマップを随時更新していくことでスキル差を把握し、見通しを立てることができます。

同じプロジェクトに携わっているメンバーであっても、プロジェクトを進めていくにつれてスキルに差が出てくるのは当然です。そこでスキルマップで適宜保有スキルの更新を行うことにより、現在のスキルを把握でき、的確なスケジュール管理ができるようになります。

プロジェクトメンバーのモチベーション向上

システムエンジニアのスキルマップを作成することによって自身の評価の理由がわかるため、モチベーションの向上に繋がります。

評価の基準が明確でない場合、評価の内容に関して不満が生まれ、モチベーションが低下する場合があります。しかし、スキルマップを自身で作成しておけば、評価に繋がっていない原因や足りないスキルを自分でも把握できます。他のメンバーのスキルも確認できるため、競争意識の点からもモチベーションの向上に繋がるでしょう。

システムエンジニアに必要な5つのスキル

システムエンジニアはプロジェクトの上流工程を行うため、基本的にプログラミングを行うプログラマーとは異なり、システム設計やマネジメントなどの能力も求められます。

ここでは、システムエンジニアに必要なスキル5選を紹介します。

要件定義

要件定義とは、顧客の求めている内容をヒアリングし、必要な条件について文章としてまとめることです。そのため要件定義を行う際には、クライアントとの打ち合わせで相手の要望を的確にくみ取る必要があります。

また、要望を実現するために必要な機能や、課題を解決するための解決策をわかりやすくまとめる能力も要します。

設計

設計とは要件定義でまとめた内容を基に、システムの機能などを決めていくことです。設計には基本設計と詳細設計があり、基本設計の段階では要件定義の内容を実現するための機能や操作方法などを設計します。

詳細設計では、基本設計で決めた内容をどのようにして構築していくかを設計するため、プログラミングに関する知識も必要になります。

プログラミング

プログラミングとは、プログラミング言語を用いてシステムを構築することです。そのため、設計が完了したら実際にシステムをプログラミングしていきます。

実装作業を行うのはプロジェクトの下流工程を担うプログラマーですが、システム設計などを行うシステムエンジニアにもプログラミング技術は必要とされます。

運用管理

運用管理文字とは、顧客にシステムを提供した後も問題なく運用できるように保守作業を行うことです。

システムエンジニアは開発したシステムをリリースすれば終わりではなく、その後もシステムが問題なく利用できるように管理します。トラブルなどの問い合わせに対応したり、必要であれば現場に赴くこともあります。

マネジメント

マネジメントとは、人材やプロジェクトの進捗を管理することです。

プロジェクトではさまざまな分野のエンジニアが協力して作業を行うことになりますが、システムエンジニアはその中でも、広い知識や高いコミュニケーション能力を持って、各部門と協力しながらプロジェクトを管理する必要があります。

エンジニアがスキルマップを作るための5つのステップ

スキルマップと一口に言っても、その作り方にはさまざまな手法があり、企業によって異なります。ここではExcelで管理する場合を例に、ここでは以下に提示するシステムエンジニアのスキルマップの作り方を紹介しましょう。

画像:スキルマップ完成図

Excel or スプレッドシートで作成する

Excel、もしくはスプレッドシートを利用することで、システムエンジニアのスキルマップは簡単に作成できます。

特にスプレッドシートはGoogleアカウントがあれば誰でも利用でき、さまざまなデバイスで編集可能なので、使い勝手がとても良いです。Excel、PDFなどの形式でもダウンロードできます。

見やすくするために、列はメンバー人数分のセル、行は用意するスキルの個数+1行目の空白分のセルで表を作っておきましょう。

画像:スプレッドシート

最初の列にエンジニアを入力

システムエンジニアのスキルマップを作る場合は、まずエンジニアの名前を入力していきましょう。スキルアップを作るエンジニアの名前を、表の1列目に順番に入力してください。

画像:エンジニア名記入

2列目以降にスキルを入力

システムエンジニアのスキルマップを作るためにエンジニアの名前を記入したら、次はスキルを入力していきましょう。表の1行目がスキルの項目になるので、メンバーが入っている1列目を空白にして、2列目以降に「マネジメント」や「要件定義」などの項目を入力していきましょう。

画像:スキル入力

段階評価の入力

システムエンジニアのスキルマップを作るには、各スキルに段階評価を入力しましょう。表の用意ができたら、スキルマップに評価を入力していきます。スキルマップは主に管理職が使いますが、個人で作成する場合もあります。

画像:段階評価

見やすくするには条件付き書式を使う

システムエンジニアのスキルマップは、条件付き書式で色分けすることにより見やすくなります。

Excelの条件付き書式でレベル別に色をわけることや、さらに分布図などを追加するなど、カスタマイズすることによりわかりやすくなるでしょう。例えば5段階評価でしたら、5と4を色分けすることで誰に任せれば良いかすぐに分かります。

条件付き書式を利用する場合は、セルを選択して「書式」から「条件付き書式」を選択し、さらに値や書式などを選択すれば設定できます。

画像:条件式での色分け

システムエンジニアのスキルマップ作成時の注意点

スキルマップは、どのシステムエンジニアやプログラマーがどのようなスキルを持っているのか、一目で分かるようにした便利な表になります。そのため、上手く作成し利用できれば、プロジェクトを円滑に進める武器の1つになります。

しかし作成の意図や使い方を間違えた場合、スキルマップは全く意味のないものとなります。ここではスキルマップ作成の注意点について解説します。

エンジニアの優劣づけではない

スキルマップでは、誰が、どのスキルを、どの程度能力を持っているか、点数付けを行います。そのためどのメンバーが優秀なのか一目で分かります。

しかしスキルマップは、メンバーの優劣を付けるものではありません。現時点で誰がどの程度のスキルを持っていて、プロジェクトのどの箇所を担当させればスムーズに進むのかを決定させるためのものです。スキルマップを作るときには、特に注意しましょう。

明確なスキル差をつける

スキルマップを作成するとき、各々のスキルはきちんと点数をつけましょう。なるべく5段階評価程度が良いです。逆に10段階評価にすると細かくなりすぎて、点数をつけにくくなりますので注意が必要です。

点数をつけるなんて、上記の優劣をつけてはいけないと相反するのではと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし誤解しないでください。

ここで点数づけを行うのは、誰にどの業務を任せるか客観的に評価するためです。点数化してあるため、効率的にスキルマップ作成が行えます。点数をつけたからといって「AさんよりBさんの方が優秀だな」という考えはしないようにしましょう。

定期的な更新を行う

システムエンジニア、プログラマーのスキルは常に一定ではありません。スキルは向上することもあれば、長年使用しなかったためスキルを忘れるといこともあります。そのため、スキルマップの更新作業を定期的に行う必要があります。

更新のタイミングはいつでも大丈夫ですが、特にプロジェクト開始前にはシステムエンジニアのスキル棚卸しの意味も含め、更新作業を行うとよいでしょう。

エンジニア個人がスキルマップを活用するには

これまでスキルマップの活用方法について、プロジェクト遂行にとても有効であることを述べてきました。ただスキルマップはプロジェクトの業務だけに活用されるものではありません。

知ってのとおり、スキルマップは本人の能力についても一目で分かるため、自身のスキル向上に活かすこともできます。ここではエンジニア個人のスキルマップ活用法について解説します。

スキル向上に役立てる

スキルマップを見れば、自身のスキルレベルは嫌でも分かります。どのスキルが自分に足りていないのかを把握して、その箇所を学習すればよいのです。

どのスキルを磨けばよいのか決定するのは、次のプロジェクトで自分が何に携わりたいかで考えましょう。

完璧に習得する必要はありません。スキルが上達していることを分かって貰えば、次のプロジェクトでチャンスがくるでしょう。

身に付けたいスキル

ここからはスキルマップでよく見かける、身に付けたいスキルについて解説します。あなたが身に付けたいスキルの参考にしてください。

複数のプログラミング言語

プログラミング言語は、複数できるに越したことはありません。特に現場でよく使用されている言語を複数使えると、業務で大きな武器となり、任せて貰える仕事が多くなります。

マネジメントスキル

クライアントとの折衝から始まり、仕様書・設計書の作成から、メンバーをまとめて音頭をとり、プロジェクトを成功に導く立場です。このマネジメントスキルが身に付ければ上流工程から携わり、収入もアップします。

ビジネススキル

コミュニケーションスキル、プレゼンスキル、思考スキル、時間管理など、ビジネススキルと呼ばれるものは数多くあります。全てエンジニアでなくても、社会人なら誰もが身に付ける必要のあるものです。

ITエンジニアといえどもチームで仕事を行っていきます。他の人との打合せや、上司への報告などビジネススキルの習得は必須です。

必要なスキルを把握してスキルマップを活用しよう

効率的な業務遂行を実現するために、個人が保有しているスキルが明確になるスキルマップを活用するようにしましょう!システムエンジニアにはさまざまな能力が求められますが、マネジメント能力やリーダーシップなど、数値で表現できないスキルも多く含まれています。

しかしスキルマップを作成することにより、必要な各スキルのレベルを明示することができます。ぜひ便利なシステムエンジニアのスキルマップを、活用してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

中川 大輝のアバター 中川 大輝 メディア編集長

東京都多摩市出身。前職では都内ホテルにて設備機器のメンテナンスを経験。当時から副業として行っていたWebライティングと独学でのプログラミング学習経験を活かし、「プログラミング学習の挫折をなくすためのコンテンツ作成」を心がけています。
プライベートでは双子育児に奮闘中。将来、子どもたちが侍ブログを見て、プログラミングを学びたいと思えるメディアを作ることが目標です。
今更ながら「キングダム」にドハマリ中。

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