C++転職の実態とは?需要や年収から未経験でも目指せるのか徹底調査


未経験でもC++エンジニアに転職できるの?
C++エンジニアへの転職方法と将来性を知りたい!

これからのIT社会の広がりとともに、今後C++言語を使えるエンジニアの需要が伸びると予測されています。プログラミングの業務経験を積んでおけば、将来フリーのエンジニアとして活躍することも充分可能です。

では未経験からでもC++エンジニアとして働くことはできるのでしょうか? これは現在の仕事から転職して、エンジニアを目指そうと考える皆さんにとっては、最も気になる問題だと思います。

そこでプログラミング業界の現状や、C++エンジニアになるためのポイントなどを、これから詳しく紹介します。ぜひ人生のチャンスを広げるための参考にしてください。

目次

C++エンジニアの実態調査

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C++は歴史も古く、汎用性が高い言語のひとつです。そのため安定的な需要があり、求人数も多くさまざまな業種で人材が求められています。

では最初に、そんなC++エンジニアの現状と将来性を分析してみましょう。

C++の仕事内容

C++言語の特徴は、非常に多くの分野で幅広く使われていることです。中でも最も多いのが電子機器などへの組み込みシステムや、産業用機器のコントロールシステムなど、直接的にハードウェアを制御するシステム開発です。

さらに金融や産業用システム開発、経営管理ソフト開発、セキュリティーシステム開発などの大規模な業務用システム開発にも使われるほか、家庭用ゲームやスマートフォン向けゲームの開発言語としても使われています。

非常に汎用性が高いことが、C++言語の強みです。

C++で転職した場合の年収

エンジニア向けエージェント・サービスのEmileeによると、言語別に見たエンジニアの平均年収では、C++の平均年収は約500~550万円程度で、他の言語と比較してもかなり好条件です。

転職サイトで確認してみると、求人の条件としては約300~800万円が相場のようです。

当然ですが未経験での転職の場合、最低限の条件からスタートすることになるでしょう。経験を積むに従って年収も上がり、フリーランスで安定的に仕事を受注できるようになれば、年収1,000万円も夢ではありません。

C++の需要

引用元:レバテックキャリア https://career.levtech.jp/guide/knowhow/article/563/

人材サービス会社レバテックの調査によると、プログラミング言語別新規求人数では、C++エンジニアの求人は全体の約6%程度です。30%を超えるJavaとは開きがありますが、JavaScriptC#などとほぼ同じ水準を維持しています。

1つ気になる要素としては、C++やC#などC言語系の新規求人が、やや減少傾向にあることです。これには言語習得の難易度が関係していると言われていて、C++を使ったシステム開発そのものが減っているわけではありません。

転職サイトでも求人案件は多く、しかもかなり幅広い業種での需要があります。

C++の将来性

C++は直接ハードウェアをコントロールする、組み込み開発に適した言語ですが、他にもさまざまなシステム開発に利用されています。こうした分野での利用は今後も継続すると見られています。

一方でC++の需要を押し上げる可能性があるのが、今後の社会で確実に広がるIoT(Internet of Things)や、AIなどのIT分野での利用です。

インターネットを使って家電などをコントロールするシステムには、組み込み開発での実績があるC++の活用が効率的だからです。今後C++エンジニアの需要は、IT社会の広がりと同時に増加する可能性が高いでしょう。

未経験からでもC++で転職できるのか?

ここでC++未経験の皆さんにとって最も気になる、未経験からの転職について考えてみましょう。

C++以外でもプログラミング言語を使った実務経験がある場合は、C++エンジニアに転職できる可能性も広がります。しかし実務経験のないケースでの転職になると、求人対象はかなり限られるかもしれません。

ただし未経験者に対する求人がないわけではありません。その辺から掘り下げてみることにしましょう。

未経験からでも転職できる?

IT業界は現在も伸びざかりなので、エンジニアは常に不足した状態です。エンジニアの転職サイトで確認すると、「実務不問」「未経験OK」といった求人も多く、入社して1から実務を学ぶことも可能です。

転職サイトでは条件の難易度がランク分けされている場合もあり、なるべく難易度の低い求人から探せば、未経験者歓迎の案件が見つかるでしょう。

また求人条件の中には、趣味として何らかのプログラミング経験があるだけでも、応募要件を満たせる案件があります。未経験だからとあきらめずに、積極的に求人情報を集めてみましょう。

未経験からのC++習得難易度

元々のベースになったC言語が比較的難しいため、C++も習得の難易度は高めです。特に基本以外にも憶えるべき知識が多いことから、CやC#よりも難易度が高いと言われています。

C言語は歴史が古く、パソコンが普及し始めた当初から使われているため、いわゆる機械言語に近い特徴を持っています。C++言語についても同様で、コードの書き方が難しく、プログラミング言語の中でも難易度が高いランクに分類されます。

しかし現在では基礎から始める解説書や、学習ソフトが充実しているので、あまり不安に感じることなく独学で習得することも可能です。

C++で転職を成功させるためのステップ

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ここからはC++エンジニアに転職するための具体的な方法について、ステップを踏みながら確かめて行きましょう。

どんな仕事でも、誰もが未経験でスタートするわけですから、まずはプログラミングの世界についての情報を集めることから始めましょうか。

他の業界に比較しても最先端の知識が必要な仕事なので、転職するにあたっては可能な限り多くの知識を身に付けて、即戦力として認められるだけのスキルを習得しておくと、未経験でも転職のチャンスが大きく広がりますよ。

IT業界の知識を深めよう

現在IT業界の範囲はかなり広がっていて、プログラミング言語を使って直接システムを構築する以外にも、例えば自動車の自動運転技術やドロ-ン、家電製品へのAI搭載など、これから一層拡大することは間違いないでしょう。

C++言語はこうしたIT技術とのつながりが強いので、今後さらに需要が高まる可能性があります。

その点からすると、これからエンジニアに転職することは、安定的な仕事を得られるという大きなメリットにもつながります。しかし現状でもエンジニアは人材不足であり、長時間労働などの問題点も指摘されています。

転職にあたっては良い面だけに集中せず、業界の現状や問題点にも目を向けておきましょう。

Webの基礎スキルを身につける

C++エンジニアとしてのキャリアをスタートさせる前に、IT業界では必須となるWebの基礎知識や基本的なスキルを身につける必要があります。
そこには当然コンピューターやWebの仕組みから、プログラミングを使う仕事の内容まで含まれます。

今では各種サイトや書籍が充実しているので、こうした知識を基礎から学ぶことはいつでも始められます。エンジニアへの転職を考え始めたら、迷うことなくすぐに学習を始めることをおすすめします。

プログラミングスキルを身につける

エンジニアへの転職には、趣味レベルでもプログラミングの知識があった方が有利です。どこから始めたら良いのか分からない時には、現在非常に役立つサイトがあるので、まずはそこから基礎を学んでみてください。

参考:一週間で身につくC++言語の基本 シフトシステム

もちろん一週間でC++をマスターすることは無理だとしても、プログラミングとC++言語の概要はつかめると思います。

またエンジニアとして複数の言語を使えることは、仕事を増やす意味でも非常に重要なこと。C++以外の言語についても、大まかな構造を知っておくことはかなりのメリットになるでしょう。

サンプルを参考に成果物を作成する

実際のシステム開発では、「要件定義書」「機能仕様書」「基本設計書」「詳細設計書」など複数の資料を作成しなければなりません。

実務経験の有無とは別に、転職準備中にこうした「成果物」を作成しておき、それを自己PRの資料として準備しておくと良いでしょう。

未経験者にとってはかなりの負担になる作業ですが、IPA(情報処理推進機構)などのサイトでは、成果物のサンプルが公開されているので、それを参考にして挑戦してみてください。

参考:成果概要報告書 IPA

ポートフォリオを完成させる

ポートフォリオは自己PRのための詳細な履歴書のようなもので、自身がプログラミングしたシステムや、成果物などをひとまとめにした資料のことです。

転職時の面談などで提出すれば、たとえ未経験であっても一定の評価を受けることができます。ポートフォリオの仕上がり状況によっては、エンジニアとしての能力を測る重要な資料になるからです。

そのためにも成果物を含めたポートフォリオは、時間をかけて質の高い資料に仕上げておきましょう。Web上で公開できる、Webポートフォリオなども活用してください。

C++を身につけるための方法

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さてC++言語を始めてみようと思った皆さん、ではどのような方法での学習を考えますか? どんな勉強でも技術を習得するには、独学でチャレンジする方法と、プログラミングスクールで教えてもらう方法との2つがあります。

それぞれのメリットとデメリットを比較しながら、自分にとってどちらが合っているかを確かめてみてください。

独学

プログラミング業界の現状や、C++エンジニアになるためのポイントを解説しました。

独学でじっくりとC++言語を学びたい人は、基本から応用まで自分の時間に合わせて進められるように、プログラミング用のテキストを使うと良いでしょう。Amazonのランキングで検索すれば、どの本から始めれば良いのかがすぐに分かります。

しかし実際にテキストの使いやすさを知るには、必ず実物を確認することをおすすめします。

他にも学習用サイトや学習ソフトを使う方法もおすすめです。インターネットや本で独習することには、自分の都合の良い時間に合わせて学習を進められるメリットがあります。

一方で学習管理が苦手な人には向きません。どうしても分からない部分が出てきた時にも、独習で解決するには限界があります。また、すべてのステップを自分で進めなければならないので、非常に時間がかかることは覚悟しておくべきでしょう。

スクール

ある程度のお金がかかりますが、確実にC++言語を身につけるためには、やはり専門のプログラミング・スクールに通った方が良いでしょう。

学校の勉強とはちがって仕事として使う知識ですから、正確でハイレベルなスキルが求められます。専門家による指導が受けられるスクールなら、基礎から始めて実務的な知識まで着実に習得できます。

専門のスクールには全日制と平日夜や土日を使ったコースがあります。現在の仕事との兼ね合いも考えて、無理のないスケジュールで通えるスクールを選びましょう。仕事と両立しながらでも、独学で進めるよりはずっと短期間で習得できるはずです。

また助成金制度が使える場合もあるので、事前に情報を集めてみてください。

【結論】C++は、やや習得難易度が高いものの、将来性から転職を考える価値あり!

プログラミング業界の現状や、C++エンジニアになるためのポイントなどを紹介しました。

C言語をベースにしたプログラミングは、現在かなり広範囲な業種で使われています。C++もデビューしてから相当に実績を積んだ言語ですが、今後まだまだ応用範囲が広がる可能性があります。

これからの社会で中心になるITとの親和性が高いC++は、ちょっと難しいランクの言語に分類されますが、そこにチャレンジして仕事に活かす価値は充分あり。

経験不足が不安になったら、とりあえず相談できる相手がいる、専門スクールに通ってみることをおすすめします。

特に難易度の低い言語が好まれる今、C++をマスターすることは、逆に仕事の可能性を広げるチャンスになるかもしれませんよ。

この記事を書いた人

元ウェブディレクター/編集者
メイン機はOS9時代からMac。
最近はUnityに興味があります。

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