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セルフマネジメントはビジネスパーソン必須のスキル!スキルの内容や具体的な手法を解説

セルフマネジメントとは、自己管理を通じて目標を達成する能力です。近年、テレワークをはじめとした多様な働き方が導入されるようになり、どのような状況でもビジネス上の目標を達成できる人材育成が課題となっています。

この記事では、そうした人材育成のカギとなるセルフマネジメントについて説明します。

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目次

セルフマネジメントとは

セルフマネジメントとは
セルフマネジメントとは

近年のテレワーク普及や働き方改革の推進により、従業員の生産性が改めて重視されるようになりました。セルフマネジメントは、自分の状態を把握し、生産性を高く維持するための能力です。

ここでは、セルフマネジメントの概要や重要性に関して説明します。

セルフマネジメントとは何か?

セルフマネジメントとは、自己管理のことです。個人が自分の目標を把握し、その達成のために自分の時間やエネルギー、リソースを効果的に管理する力を指します。

セルフマネジメントは、いかなるときも自身の状態を把握し、最大のパフォーマンスを上げるために重要な力です。ストレスがかかった状態でも柔軟に適応・回復する能力を指す「レジリエンス」や、怒りをコントロールする「アンガーマネジメント」などもセルフマネジメントの一部として挙げられます。

重要性とメリット

セルフマネジメントは、近年リモートワークの普及や働き方改革の推進に伴い重要性を増しています。

リモートワークでは、自分自身を管理して仕事とプライベートを切り替える必要があります。また、短時間で最大の生産効率を上げるには、セルフマネジメントによる自己管理や集中力持続が不可欠です。

さらに、セルフマネジメント能力を備えた従業員は、自分の課題を分析し、克服するための自己成長を続けられます。従業員のセルフマネジメント能力を育成することで、組織全体の人材レベルが向上し、ビジネス上の大きなメリットがもたらされるでしょう。

セルフマネジメントの基本的な要素

セルフマネジメントの基本的な要素は、下記の5つに大別されます。

セルフケア

セルフケアとは、自身の心の健康を守り、安定した状態に保つことを意味します。ストレスを感じたときに、そのストレスを上手に受け流す方法や知識を身につけておくことも含まれます。

レジリエンス

レジリエンスとは、回復力や復元力など、精神的な回復力を意味します。自分にかかったストレスに対してしなやかに対応し、跳ね返せる能力、すばやく立ち直る能力のことです。

アンガーマネジメント

アンガーマネジメントとは、怒りに上手に向き合うための心理トレーニングのひとつです。怒りをコントロールすることで、対人関係での衝突を避け、円滑なコミュニケーションを実現します。

マインドフルネス

マインドフルネスとは、「現在起きていること」に注意を向け、瞑想によってストレスを軽減させる方法です。

キャリアデザイン

キャリアデザインとは、自分のなりたい姿や目標を明確化し、達成のためのアクションプランを計画する力です。

セルフマネジメントのスキルとツール

セルフマネジメントのスキルとツール
セルフマネジメントのスキルとツール

セルフマネジメントのスキルは、目標設定やタスク管理、セルフケアなど多岐にわたります。ここでは、セルフマネジメントの代表的なスキルやツールについて説明します。

目標設定と計画立案

目標設定と計画立案は、自身のゴールを明確にし、そのための具体的な手順を作成するプロセスです。目標を設定して方向性を明確にし、具体的なアクションステップに落とし込んで目標達成への道筋を作ります。

目標を立てるには、SMARTの法則が役立ちます。SMARTの法則とは、具体的(Specific)、計測可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、現実的(Realistic)、達成する起源(Time-bound)という5つの指標に照らし合わせて目標設定する方法です。

また、計画立案では、タスクを細分化し、期限を設定することで、目標達成に向けた具体的なステップを明確にしましょう。

タイムマネジメントのテクニック

タイムマネジメントのテクニックは、効果的に時間を管理するための方法です。タスクの優先順位の付け方、スケジュール作成方法、集中力の管理方法を学ぶことで、タスクの完了にかかる時間を短縮できます。

自分が持っているタスクをリストアップし、期限や重要性を考慮して取り組む順番を決めましょう。また、1つ当たりのタスクにかかる時間を予測し、限られた作業時間でどのくらいの量まで達成できるかを明確にするのも有効です。

集中力を維持する具体的なテクニックとしては、ポモドーロテクニックがあります。このテクニックは、25分の作業時間と5分の休憩を繰り返す方法です。これにより、集中力を高め、疲労を軽減しながら効率的に作業を進められます。

優先順位の付け方

優先順位の付け方
優先順位の付け方

優先順位の付け方は、取り組むべきタスクや活動を重要度や緊急度に基づいて順序付けする方法です。優先順位を付けることで、効率的に時間を活用できます。

優先順位を付けるための具体的な方法としては、重要度と緊急度のマトリックスを使用することが挙げられます。このマトリックスは、タスクを重要度(重要かつ緊急、重要だが緊急でない、緊急だが重要でない、重要でも緊急でもない)に基づいて4つのカテゴリに分類し、優先度を決定する方法です。これにより、重要かつ緊急なタスクに集中して取り組めます。

また、スケジュールを組む際には、突発的なタスクが発生しても対応できるよう、余裕を持たせることを意識しましょう。

ストレス管理

ストレス管理は、ストレスを認識し、それに対処する方法を学ぶことです。ストレスがたまると、仕事に集中できないなどといった悪影響があるため、ストレスを軽減する方法を見つけることが重要です。

たとえば、深呼吸、瞑想、ヨガ、ストレッチなどのリラクゼーション方法を取り入れることで、身体と心の緊張を解きほぐし、ストレスを軽減する助けとなります。また、適度な運動や睡眠を受けることもストレス管理に役立ちます。必要に応じて、カウンセリングの受講も活用すると、自分のストレス要因を整理できるでしょう。

普段の生活から、自分がストレスを受けやすい状況を意識し、どうすればそのストレスを和らげられるか分析するのも重要です。

自己啓発と学習戦略

自己啓発と学習戦略は、自身のスキルや知識を向上させるための取り組みです。

自己啓発は自己成長を促進し、個人の能力や能力を向上させることを目指します。仕事に関係する資格取得などが代表的です。また、学習戦略は、学習目標の設定、効率的な学習スケジュールの作成などを指します。

具体的な自己啓発の方法としては、読書やオンライン学習コースの利用が挙げられます。自身の関心や目標に基づいて、書籍やオンライン教材を選び、定期的な学習スケジュールを立てることが重要です。また、学習内容をアウトプットすることで理解を深めるため、ノートを取ったり、他人とディスカッションしたりすることも有効です。

デジタルツールとアプリの活用

セルフマネジメントのスキルを高めるには、デジタルツールとアプリの活用も重要です。

たとえば、タスク管理アプリ、カレンダーアプリ、プロジェクト管理ツール、メモアプリなどが役立つでしょう。これらのデジタルツールとアプリを活用することで、効率化や組織化を行い、生産性を向上できます。

タスク管理アプリ(Todoist、Asanaなど)を活用すると、タスクやプロジェクトを整理し、優先順位を付けやすくなります。また、カレンダーアプリ(Googleカレンダー、Outlookなど)を活用して予定を管理し、リマインダーアプリ(Evernote、OneNoteなど)を使用して重要な情報を整理するのも有効です。

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セルフマネジメントの課題

セルフマネジメントの課題
セルフマネジメントの課題

セルフマネジメントは習得が難しく、挫折しがちです。ここではセルフマネジメント力を高める上でよくある課題と解決方法を説明します。

モチベーションの維持

モチベーションを維持し、日々継続的にタスクの達成や自己学習に取り組むことが成長には欠かせません。しかし、モチベーションの維持は困難な課題です。

モチベーションを維持するためには、目標を明確にし、その目標に対する意義や価値を再確認することが重要です。加えて、難易度が低めの小さな目標を設定し、達成するたびに自分自身にインセンティブを与えるのも有効でしょう。たとえば、テキストを10ページ進めたらお菓子を食べてよい、などささやかなものがおすすめです。

さらに、自分と他人との比較を避け、自分自身の進歩を振り返ることで、モチベーションを高められます。他人ではなく、過去の自分と比べてどれだけ成長したかを重視しましょう。

先延ばしの克服

先延ばしは、誰もがついやってしまうことです。先延ばしで時間を浪費してしまい、ストレスを感じてますます先延ばししてしまう、という悪循環に陥るケースもよく見られます。

先延ばしを克服するためには、タスクを細分化し、小さなステップに分けることが重要です。また、短い時間だけタスクに取り組む「ピンポイント作業法」や、時間枠を設けて集中的に作業する「時間制約法」などのテクニックを試すことも有効です。

さらに、自分自身に対して責任を持ち、コミットメントをすることで、先延ばしを防げます。毎日自分が達成できたタスクを振り替えることを習慣づけるとよいでしょう。

集中力と注意力の維持

集中力と注意力の維持
集中力と注意力の維持

ストレスや疲労によって、集中力と注意力はしばしば途切れがちです。しかし、時間を有効活用するためにも、集中力と注意力の維持は必要不可欠です。

解決策としては、作業環境を整えること、時間管理を行うことなどが挙げられます。作業環境を整えるには、騒音などが起こらない場所を確保し、作業机の片付けをするのが有効です。また、スマートフォンやSNSの利用を制限して、気を散らす要素を無くすのも大切です。

時間管理を行うには、ポモドーロテクニックで作業、休憩時間のメリハリを付けるといいでしょう。

そのほか、瞑想やマインドフルネスの練習を取り入れることで、心の安定と集中力の向上につなげられます。

自己管理の障害となる行動パターンの改善

つい物事を先延ばしにしたり、気が散ったりする場合は、その原因となる行動パターンを改善するのも重要です。まずは自身の行動パターンや思考の癖を理解し、それを改善するための具体的なアクションを取りましょう。

たとえば、業務後、疲れてつい自己学習をさぼってしまう場合は、業務前に学習時間を確保するのが有効でしょう。リマインドアプリで学習時間の通知を設定するのもひとつの手です。

また、自分の行動を意識するのは難しいため、専門家やコーチの支援を受けることも効果的です。自分の目標や進捗状況を共有する相手がいることで、モチベーションの向上につながるでしょう。

時間の使い方の最適化

時間の使い方を最適化するには、まずは時間の管理方法を身に付けましょう。タスクを優先順位付けし、スケジュールを立て、時間の使い方を計画的にすることで、効率的に作業を進められます。

また、時間の浪費を減らすために、スマホやSNSから離れるデジタルデトックスや、作業時間の記録を行うことも有効です。作業時間の記録を行うと、自分が作業に割いた時間が可視化されます。デジタルデトックスを行うには、一定時間以上スマホを操作するとアラートを出すアプリなどを活用するといいでしょう。

さらに、時には休息やリラックスを取るのも重要です。作業時間を増やし過ぎると集中力が落ち、作業効率が下がるためです。

セルフマネジメントの限界

セルフマネジメントは、個人の能力やリソースを最大限に活用して仕事を行う能力です。しかし、自分だけですべてを行うには限界もあります。

限界に達した場合、自身の負荷を軽減するために、同僚との協力や部下への引継ぎを行いましょう。普段から同僚、部下と互いに助け合える環境を築くよう心がけるのがおすすめです。

また、自身の限界を認識し、適切なバランスを取るためにセルフケアを行うことも大切です。自分自身の能力やリソースを正しく評価し、必要に応じてサポートを求めることもセルフマネジメントといえるでしょう。

セルフマネジメントの実践例と成功事例

セルフマネジメントの実践例と成功事例
セルフマネジメントの実践例と成功事例

セルフマネジメントには幅広いスキルが含まれるため、イメージが難しい場合もあるでしょう。ここでは、セルフマネジメントの著名な実践者や、個人の事例を紹介します。

成功を収めた有名なセルフマネジメントの実践者

アメリカの経済学者、ピーター・ドラッカーは、「自分自身をマネジメントできなければ他人をマネジメントすることなどできない」と述べ、組織のリーダー向けにセルフマネジメントの重要性を説きました。彼はマネジメントの役割を「成果を上げること」と定義し、そのためには思考の幅を広げることが必要だと主張しています。

こうしたドラッカーの考えをもとに、アメリカのドラッカー・スクールではセルフマネジメントのメソッドが確立されました。多くの企業エグゼクティブがセルフマネジメントのメソッドを学び、状況変化が激しい現代でも柔軟に対応し、イノベーションを作り上げていく力を養っています。

(出典:ライフハッカー「自分を知って成果を生み出す。ドラッカー・スクールのセルフマネジメント」

セルフマネジメントを活用した仕事術の事例紹介

セルフマネジメントを活用することで、効率的に仕事を進めることが可能です。

たとえば、自分のキャリアデザインを描くことで、大局的な目標を定め、それに向けた具多的なアクションが実行可能となります。

そのほか、アンガーマネジメントを活用すると、周囲との良好な関係を構築し、日々の業務を円滑に進行可能です。また、タスクを優先付けし、スケジュールを自ら管理し、受け身ではなく自らの判断で物事を進められるため、業務効率や生産性が向上します。

その結果、少人数でも高いパフォーマンスを発揮できるようになり、企業の生産力アップにつながります。セルフマネジメントはあらゆるビジネスの局面で役立つ能力と言えるでしょう。

セルフマネジメントが個人の生活に与える影響

セルフマネジメントは、ビジネスだけではなく個人の生活にも活用できます。たとえば、資格の取得や、自分の健康状態を改善するといった目標を実行できるようになるでしょう。そうした目標の達成を通じて、自己効力感が上がり、QOLが上がる点もメリットです。

さらに、セルフマネジメントで仕事の効率を上げることで、プライベートに割ける時間が多くなり、ワークライフバランスの取れた暮らしができるというメリットもあります。

そのほか、アンガーマネジメントといったコミュニケーション上のスキルは、家族や友人との関係構築にも役立つでしょう。

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よくある質問(FAQ)

よくある質問
よくある質問

ここでは、セルフマネジメントに関するよくある質問と回答をまとめて紹介します。

セルフマネジメントの具体例は?

セルフマネジメントの具体的な例としては、目標の設定、時間の管理、タスクの優先順位の付け方、ストレス管理の方法などが挙げられます。

たとえば、目標を設定することで、自分が何を達成したいのかを明確にできます。また、時間の管理やタスクの優先順位付けで、重要なタスクを優先的に実施可能です。さらに、ストレス管理の方法を実践することで、仕事を行う上でのストレスを抑え、高いパフォーマンスを保てるでしょう。

セルフマネジメントに役立つ本はありますか?

セルフマネジメントに役立つ本はたくさん出版されています。特に、『ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室』(ジェレミー・ハンター 著、 稲墻聡一郎 執筆協力、プレジデント社)は、セルフマネジメント能力を鍛えるための具体的な方法が掲載されているため、おすすめです。

(出典:プレジデント社『ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室』

セルフコントロールとセルフマネジメントの違いは何ですか?

セルフコントロールとは、自分の欲望や衝動を管理する能力を指します。一方、セルフマネジメントは、目標達成するために自分の状態を管理することです。セルフコントロールは、セルフマネジメントに必要なスキルのひとつであるといえるでしょう。

セルフマネジメント能力を評価する方法はありますか?

セルフマネジメント能力を評価するための方法はいくつかあります。まず、自己評価を行えます。自分自身の能力を客観的に評価することで、自分の成長を把握可能です。

また、上司や同僚からのフィードバックを取り入れる、360度フィードバックを行うことも有効です。他の人からの評価を受け取ることで、自分の能力を客観的に把握できます。

さらに、パフォーマンス指標を活用することも有効です。自分のパフォーマンスを測定し、自分の能力を評価できるでしょう。

セルフマネジメントは今後のビジネスで必要不可欠な力

セルフマネジメントは、変化が激しい時代を生き抜く重要なスキルです。セルフマネジメントを習得した人材は、主体的に業務効率化や自己成長に取り組みます。その結果、組織全体の生産性向上が期待できます。

組織の人材戦略でも、従業員のセルフマネジメント能力育成は重要な課題となるでしょう。

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