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【事例有】OEMとは?成功するためのポイントについて解説!

OEMって何?
OEMのメリット・デメリットは?
OEMを成功させるためのポイントを知りたい!

OEM(Original Equipment Manufacturing)とは、企業やブランドが生産過程を他社に委託する業務形態です。委託する企業やブランドは、商品の生産にかかる初期費用や人的リソースを最小限に抑えることができることから、近年急速に普及しています。

ただし、OEMにはデメリットとなる面もあります。受託するOEMメーカーに商品の生産に関するノウハウが知られることになるため、将来的に競合となる企業・ブランドを増やしてしまうことにもつながりかねません。

本記事では、OEMのメリット・デメリットをはじめ、法的リスクや品質管理について解説していきます。成功事例や成功のためのポイントについても解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

OEM(Original Equipment Manufacturing)の基本

OEM(Original Equipment Manufacturing)の基本
OEM(Original Equipment Manufacturing)の基本

OEMとは、Original Equipment Manufacturerの頭文字を取った言葉で、日本語に直訳すると「他社製品の製造」を意味します。

OEMは、アメリカのコンピュータや電子部品業界において、コンピュータ製造業者Aから製品を購入したコンピュータ製造業者Bが、付加価値を加えた製品を市場に出したことが始まりとされています。近年では、家電や食品、自動車など製造業界を中心に著しく普及しています。

OEMと密接に関連する概念として、ODM(Original Design Manufacturing)があります。OEMは、委託者が製品の設計から開発までを行い「製造のみ」を委託する製造方法です。一方、ODMは製品の設計から開発までを受託者が担当する、もしくは委託者とともに行う製造方法です。中には、製造した製品の販売まで受託者が行うケースもあります。

OEMのビジネスモデル

OEMのビジネスモデル
OEMのビジネスモデル

OEMにはさまざまなビジネスモデルが存在します。自社の生産方法やリスク管理に適したビジネスモデルを選ぶことが重要です。

契約製造とは

契約製造では、委託者と受託者の間で正式な契約が締結されます。

契約内容には、商品の仕様をはじめ、数量、価格、納期、品質などが含まれており、製造業界において一般的な方法です。OEMを受ける受託者は、ブランドオーナーにあたる委託者が指定する仕様やデザインを遵守して製品を製造します。

委託者は、品質管理を含めた製品の製造を委託でき、製品の設計や開発に注力できる利点があります。ただし、委託者が契約製造に依存しすぎると、受託者に何らかの問題が起きた場合に、多大なる影響を受けてしまうデメリットがあります。

ライセンス生産とは

ライセンス生産とは、受託者が委託者のライセンスのもとで製品を生産するプロセスを指します。

委託者と受託者の間で、製品の使用権やブランド名の使用権、ロイヤリティ料の支払いなどを含めたライセンス契約が締結され、受託者は契約内容に従って製品を生産します。

一般的なライセンス契約では、ブランドオーナーにあたる委託者が所有するブランド名を使用して製品を生産するため、委託者は市場を拡大できるメリットがあります。また、ロイヤリティやライセンス料を通じて、収益を拡大できることも利点です。ただし、ライセンスパートナーである受託者と競合になるリスクや、情報漏洩により知的財産権を侵害されるリスクがあります。

クロスブランディングとは

クロスブランディングとは、2つ以上のブランドや企業が協力し、製品やサービスの提供を行うことです。

クロスブランディングでは、互いのブランドの信頼性や市場影響力を組み合わせることにより、相乗効果を生み出すことができます。異なる市場の顧客にアプローチすることができるため、市場拡大に期待することができます。

ただし、クロスブランディングには協調性が不可欠です。コミュニケーションの問題や契約違反があった場合は、企業間の関係性が悪くなってしまう可能性があります。

プライベートブランド(PB)との関連性

プライベートブランドとは、製品の製造に関わる自社、または特定の小売業者のブランド名で商品を販売する形態です。本来であればブランド名を選択することができない小売業者でも、独自のブランド名を持つことが可能です。

また、ブランドオーナーの仕様やデザイン、戦略が重視されるOEMとは異なり、独自のブランドイメージを構築することができます。受託者の観点では、プライベートブランドからの収益を得ることができる、自由に戦略を立てることができるなどの利点があります。一方委託者目線では、委託する生産数をあらかじめ決めることができるため、売上や利益の見通しを立てやすいメリットがあります。ただし、受託者が競合他社になってしまうリスクもあります。

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OEMのメリットとデメリット

OEMのメリットとデメリット
OEMのメリットとデメリット

OEMには多数のメリットがあります。OEMを有効に活用できれば、生産性の向上に加え、コスト削減も実現することが可能です。ただし、デメリットとなる面も理解しておかなければ、トラブルや損失につながるため注意が必要です。

OEMのメリット

OEMの最大のメリットは、コスト削減です。OEMでは商品の生産過程を他社に委託するため、設備投資や人材投資などの初期投資を抑えることができます。

設計から開発、生産までを一貫している企業では、商品を生産するために数千万円の初期投資が必要になることも珍しくありません。また、新商品を開発するたびに新しい設備を購入しなければいけないため、既に市場影響力のあるブランド・企業でなければ、リスクが高すぎます。また、生産に関する専門的な技術を有したメンバーを育成する必要も、雇う必要もありません。

設計や開発に集中できるため、効率的に利益を生み出すことができます。

OEMのデメリット

OEMの最大のデメリットは、品質管理の難しさです。

OEMの受託者は、自社商品だけを製造しているわけではありません。受注量が多い時期には、商品の生産クオリティが落ちてしまうことも考えられます。

また、商品生産の大部分をOEMしている場合は、受託者の状況に影響を受けてしまうことになります。例えば、受託者の生産現場で不慮の事故が起きた場合には、長期的に生産ラインがストップしてしまう可能性も否定できません。

さらに、OEMで商品の製造を委託しているうちに、受託者にノウハウや技術が蓄積されます。将来的に受託者が競合になるリスクもあるため注意が必要です。

OEMと法的リスク

OEMと法的リスク
OEMと法的リスク

OEMには少なからずリスクがあります。適切な対処を行わなければ、ブランドイメージの低下やOEMメーカーとの関係性悪化につながる可能性も否定できません。OEMを実施する場合は、リスクや対処法に関して理解を深めておく必要があります。

契約における注意点

OEMでは、委託者と受託者との間で委託者が開発した商品の製造を委託する旨の契約が締結されます。その際、委託者は商品の仕様や条件、デザインに関して詳細に定めることが重要です。契約内容が不明確の場合は、契約の解釈や履行に関する紛争が生じる可能性があります。

また、OEMでは委託者と受託者という立場から契約が不均衡になりやすい傾向にあります。契約内容によっては、下請法に違反してしまう可能性もあるため、注意が必要です。

知的財産権とOEM

一般的なOEMは、ライセンス契約とは異なり、知的財産権の利用を他社に認める契約ではありません。そのため、受託者が独自のブランド名を付与することや、機密情報を漏洩することは法的紛争に発展する原因となります。

委託者が知的財産権を保護する方法としては、特許や商標、著作権の取得があります。法的に保護されるため、紛争に発展してしまった場合でも、優位に話し合いを進めることができます。

紛争解決の方法

OEM契約で万が一紛争が発生してしまった場合は、早期かつ効果的に解決するためのアプローチを実施する必要があります。それほど大きくない紛争においては、契約内容の再評価や当事者間での協議が効果的です。感情的な対立を避け、冷静に対処することで、紛争後も良好なビジネス関係を維持できます。

一方、当事者間での協議で解決できない場合は、中立的な第三者のもとで解決策を見出すしかありません。公平な解決策を見出したい場合は、裁判所などの公的機関を利用するようにしましょう。

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OEMにおける品質管理

OEMにおける品質管理
OEMにおける品質管理

品質管理はOEMにおいて中心的な役割を果たします。良好なOEM業者を見つけて良好な品質を維持することができれば、顧客の信頼を獲得でき、リピートビジネスを促進することができます。

対して、適切な品質管理を行えず、品質低下を招いてしまった場合は、顧客満足度が低下し、売上や利益が減少することになります。OEMの魅力を最大限に引き出すためにも、品質管理に注力していきましょう。

品質保証の基準

OEMでは受託者に対して明確な品質基準を提示することが重要です。品質基準が不明確であった場合は、委託者と受託者の間で認識の違いが生じ、品質の低下を招く恐れがあります。

お互いの認識を合わせるためには、プロトコルの作成が効果的です。具体的な要望や仕様を記載したプロトコルを作成することで、受託者はスムーズに製品の製造を行うことができます。

また、サンプル品を提供することも効果的です。

ISO認証との関連性

ISO認証とは、国際的に認められた品質管理の標準で、多くの業界や企業が取得を目指しています。

ISO認証を受けている企業は、ISOが制定しているISO規格に準じている企業であり、数あるOEM業者のなかでも信頼性が高いといえます。ISO認証を受けている企業に製造を依頼することができれば、高い品質を保つことができるでしょう。

ただし、ISO認証だけあればいいというわけではありません。これまでの実績や依頼できるロット数など、様々な要因を踏まえて委託先を決定する必要があります。

チェックリストと監査

OEMにおいて、品質を維持・向上させるためには、定期的なチェックと監査が不可欠です。

品質をはじめ、衛生面や従業員の勤務態度などを確認するためのチェックリストを作成し、品質管理に務めていきましょう。

また、委託先の品質管理は、自社の品質管理と同様に考え、委託先の経営者及び責任者の品質意識向上を図ることも大切です。OEMを行う場合は、定期的に監査を行い、委託先に対して品質管理指導を行うようにしましょう。

OEMの事例と成功のポイント

OEMの事例と成功のポイント
OEMの事例と成功のポイント

OEMは幅広い業界で活用されており、多くの成功事例が存在します。成功事例を参考にしたり、成功のためのポイントを理解しておくことで、OEMにおけるリスクを回避することが可能です。

これからOEMの活用を検討されている方は、成功事例を参考に戦略を考えていきましょう。

OEMの成功事例

OEMは幅広い業界で活用されている生産手法です。以下で紹介するように多くの事例があります。

  • 事例1. 自動車業界

自動車業界では、OEM生産が盛んに行われています。

例えば、トヨタの「ライズ」とダイハツの「ロッキー」、スズキの「ワゴンR」とマツダの「フレア」など、同一の車体が別々のメーカーから販売されています。トヨタの「ライズ」はダイハツがOEM生産しており、マツダの「フレア」はスズキが受託製造しています。

特にトヨタなどの大手自動車メーカーは、軽自動車の生産設備を持っていないため、OEM生産によって販売しています。

  • 事例2. IT業界

IT業界の最大手であるAppleも、他社メーカーに委託しOEM生産を行っています。アメリカと比べて人件費が安い台湾にあるFoxconnに委託しており、効率的に収益を挙げていることが特徴的です。

Apple以外にも、IT業界では電子機器やソフトウェアをOEM生産するケースが増えてきています。

  • 事例3. アパレル業界

アパレル業界では、大手ブランドからブランドを立ち上げたばかりの個人事業主まで、幅広い事業主がOEM生産によって商品を製造しています。

近年では、一個人がブランドを立ち上げるケースも増えてきていますが、彼らは個人で生産ラインを保有しているわけではなく、ほとんどの場合はOEMを活用しています。小ロット数でのOEM生産を請け負う業者もあるため、気軽にアイデアを商品化できます。

成功するためのポイント

OEMで成功するためには、売上と収益の予測を立てることがポイントです。商品の価格はいくらにするか、OEMにかけられる予算はいくらかを仮で設定し、ビジネスとして成立するかどうかを見極めるようにしてください。

また、在庫を抱えてしまうリスクを回避するために、受託先とロット数や仕入れ時期に関して交渉を行うことも大切です。

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「OEM」に関するよくある質問(FAQ)

よくある質問
よくある質問
OEMとは何ですか、分かりやすく説明して下さい

OEMとは、設計やデザイン、開発を行った委託先が、受託先に商品の生産を委託する業務形態です。委託を受けて商品の製造を行う企業や工場を意味する言葉でもあります。

委託先はOEMによって、生産に関わる初期投資を抑えることができます。また、生産に必要な人材を育成する必要がないため、設計や開発に注力できるメリットもあります。

ただし、商品の製造のノウハウや技術は受託先側に蓄積されることになるため、受託先が将来的な競合になってしまうリスクもあります。

OEMメーカーとは何ですか?

OEMメーカーとは、他社から要求された仕様や条件にもとづいて商品を製造する企業、または工場のことを指します。OEMメーカーにブランド所有権はないため、生産後の商品は委託先のブランド名で販売されることになります。

 OEMと自動車産業ではどのような関係がありますか?

OEMは自動車業界において欠かせません。

自動車は、エンジン、トランスミッション、電子部品など、多くの部品を組み合わせて製造されます。1つの自動車メーカーが、部品の製造から組み立てを行っていては、業務効率が悪くなってしまいます。

しかし、OEMにより専門的な部品製造を委託すれば、自動車メーカーは組み立てに特化できるので、生産効率を向上させることができます。

OEM生産とは具体的にどういうことですか?

OEM生産とは、初期投資の削減や生産の効率化を図るために、自社商品の生産を他社に委託することです。一般的に、設計や開発、品質基準などは委託先が決定し、OEMメーカーとの契約において明記します。

生産後の商品は、委託先側のブランド名で販売されるため、OEMメーカーは生産に専念するという形になります。

小規模ビジネスでOEMは可能ですか?

小規模ビジネスでもOEMは可能です。ただし、OEMにかけられる予算が少ないと予想されるため、OEMメーカー選びは慎重に行う必要があります。また、過剰在庫による損失を避けるために、商品の需要予測を立てておくことが重要です。

まとめ

OEMは、生産性の向上やコスト削減に効果的な生産手法です。適切なOEMパートナーを見つけることができれば、持続的な効果が見込めます。

この記事で紹介しているOEMを成功させるためのポイントは以下の通りです。

  • 商品価格やOEM生産にかけられる予算を設定する
  • リスク管理のためにロット数や仕入れ時期に関して交渉を行う

OEMではリスク管理も重要です。知的財産権の侵害を受けることや過剰在庫による損失を回避するために、本記事で解説した対処法を実践するようにしましょう。

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