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リスキリングDXを実施するには?課題や事例とともに解説

DX時代には、一部のITエキスパートを育てるだけではなく、全社員が一定のデジタルリテラシーを身につけることが重要です。

ここでは、リスキリングDXの実践方法について、陥りがちな課題や成功した企業事例も併せて紹介します。記事を読めば、DX化に向けて必要な知識・スキルが分かるでしょう。

また、侍の法人研修は45,000名以上の指導実績から確立した独自メソッドにもとづき、貴社の抱える課題や目的にあわせてオーダーメイドでカリキュラムを作成。短期間で最大の効果を出す最適なプランをご提案します。

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目次

DX時代におけるリスキリングの重要性

DX時代におけるリスキリングの重要性
DX時代におけるリスキリングの重要性

現在日本では、経済産業省によるDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されています。

そんな中、従業員のデジタル技術をアップデートする「リスキリング」は、DX人材育成にとって非常に重要な要素だとされています。ここでは、リスキリングの定義や、DX時代においてリスキリングが重視される理由を解説します。

そもそもリスキリングとは?

リスキリングとは、従業員が新しいスキルや知識を習得することにより、職務に必要な能力を向上させることを意味します。

現代のビジネス環境は、急速なITテクノロジーの進歩や競争の激化により、常に変化するDX時代を迎えています。そのため、企業にとっては、従業員に新たなIT技術を習得させ、変化に対応できる人材育成をすることが非常に重要です。

リスキリングは、従業員のスキルアップだけでなく、企業のビジネスモデルや業務プロセスの変革にも不可欠な要素です。

リスキリングにより、従業員は新しい技術や知識を習得し、組織のニーズに合わせた価値を提供できるようになります。また、リスキリングは従業員のモチベーションを高め、生産性の向上や効率化することにもつながります。

リスキリングは、DXを実現する上で欠かせない要素です。企業がDXを進めるためには、新しい技術やデータ分析などのスキルが必要になります。そのため、リスキリングは企業にとって、DXを実現するための重要な施策の一つとなっています。

なお、リスキリングの重要性に関しては以下の記事でも紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

DX時代に求められる新しいスキルとは

DX時代には、従来のビジネススキルだけでなく、新しいITスキルが求められます。例えば、クラウド技術、ブロックチェーン技術、セキュリティ技術など、デジタル技術について幅広く理解しておく必要があります。

また、AI、IoTなどに対する知識も重要です。DX時代では、データ解析がビジネス上の重要な要素となっています。IoTを利用してデータを大量に集め、AIを活用しながら解析していく技術が必要となるでしょう。

さらに、新技術を使ってイノベーションを生み出すアイデアや発想力、問題解決能力も大切です。

DX時代には、新しいビジネスモデルやサービスが次々と生まれるでしょう。ビジネス上の問題や課題を解決するために、創造的なアイデアを生み出し、実現する力が必須です。

DX時代におけるリスキリングの重要性

DX時代においては、デジタル技術の進化によって従来の業務が自動化・省略されるため、その分のリソースで新規事業を開拓することが可能です。

従業員がリスキリングによって新技術を早く習得できれば、競合他社に比べて業務効率化が進み、企業の生産性が高まるでしょう。なおかつ、新規事業開発で新たなビジネスモデル・サービスを生むことができれば、高い競争力を得られます。

さらに、新たな技術の登場スピードも早まり、絶えず環境が変化していくでしょう。こうした状況に対応するには、従業員が継続的に新技術をキャッチアップしていくことが不可欠です。

企業にとって、従業員のリスキリングに力を入れることは、DX時代に優先すべき事項のひとつです。

DX化に向けたリスキリングの課題

DX化に向けたリスキリングの課題
DX化に向けたリスキリングの課題

DX化に向けたリスキリングは企業にとっての急務ですが、実施にはさまざまな課題があります。ここでは、代表的なリスキリングの課題と、その解決策について紹介します。

代表的な課題

DX化に向けた代表的な課題としては、リスキリングの必要性を理解していない従業員が多いことが挙げられます。一般的に、従業員の中には、既存業務の改革や新システムへの移行に抵抗を感じる層が一定数存在します。

また、リスキリングのための時間や費用の確保が難しいことも課題の一つです。特に、ベテランの従業員は担当業務が多く、時間を割いて研修を受講する余裕が少ない傾向にあります。

さらに、リスキリングを実施するためには、そもそも専門的なIT知識や能力を持った人材が必要です。ただ、そうした高いスキルを持つ人材こそ業務量が多く、研修業務に手が回らないというケースも多いでしょう。

最後に、リスキリングの効果を定量的に評価する方法が不明確であることも問題です。リスキリングの効果を評価するためには、適切な指標を設定し、その定量的な評価方法を確立する必要があります。

課題の解決策

リスキリングの課題解決には、まず、リスキリングの必要性や目的を社員に正しく伝えることが重要です。新たなデジタル技術を学ぶことが、どのような自社課題を解決するのか、また日常業務がどのように変化するのかを共有しましょう。

次に、リスキリングに投資するための予算・期間を確保することが必要です。リスキリングのトレーニングにかかる費用はもちろん、従業員がトレーニングを受講できるよう業務量を調整し、時間を確保しましょう。

さらに、リスキリングを実施するための部署を配置することも重要です。

社内に高いITスキルを持った人材がいれば部署のメンバーに加え、リスキリング計画の立案・実施を任せましょう。また、社内での人材確保が難しければ、外部研修サービスを利用するのもひとつの方法です。

最後に、リスキリングの効果を測定するための評価基準を設定することが必要です。リスキリングの目的・目標を明確にし、評価指標を設定して、定期的に評価し、必要に応じて改善を図ることが求められます。

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DX化を成功させたリスキリング事例

DX化を成功させたリスキリング事例
DX化を成功させたリスキリング事例

ひとくちに「DX化」といっても、会社が所属する業界や規模によって行うべき施策はさまざまです。「具体例がないとイメージしづらい」というご意見も多いでしょう。ここでは、リスキリングを実施してDX化に成功した企業を紹介します。

成功した企業事例

ここでは、リスキリングで社内DX化を推進した2つの企業事例を紹介します。

それぞれ、詳しく解説していきます。

トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社は、社内に「デジタル変革推進室」という部署を設け、社員のリスキリングに取り組んでいます。

特に、現場の社員がアプリ開発を自分で行えるよう、ローコード・ノーコード(プログラミング言語を最低限利用するか、まったく利用しないでアプリ開発を行う手法)スキル研修に力を入れています。

具体的には、社内でローコード・ノーコード開発のコミュニティを作って社員間でナレッジを共有したり、ITコンサルタント企業アバナード社による技術相談会を開催したりといった取り組みが実施されました。その結果、トヨタ自動車でのローコード・ノーコードアプリ開発者数は2,845名まで拡大しています。

(出典:アバナード「トヨタ自動車の、社内DX推進の柱の1つ「市民開発拡大」のための人材育成を支援」

サントリー株式会社

サントリー株式会社では、自社の人材育成プログラム「サントリー大学」に「デジタル学部」を創設し、全社員のリスキリングに力を入れています。

数時間~1日程度の集合研修や、オンライン上で完結するプログラムを実施し、社員が自主的にデジタル技術を学べる環境を構築しました。

さらに、「デジタルチャレンジ」として、各部門の選抜者を対象に、週1日、半年間の集中トレーニングを受講できる制度も2021年にスタートさせています。

また、グローバル企業としての強みを活かし、各国関連会社のITノウハウを共有する「Global CIO Conference」も2010年から開始しました。共有したノウハウは、全社での水平展開や標準化に活用されています。

(出典:サントリー株式会社「サントリーのデジタルへの取り組み」

組織改革の成功事例

ここでは、リスキリングで組織改革に成功した2つの企業事例を紹介します。

それぞれ、詳しく解説していきます。

三井住友銀行

三井住友銀行では、2016年から全社員向けのDXスキル学習プログラムを実施し、スキル・習熟度別の講座を従業員が自主的に受けられる環境を整備しています。

さらに、DXを利用した生産性向上を目指す専門部署を設置し、RPA・ペーパーレス化を進め、従業員がオンライン・オフラインをバランスよく取り入れて働けるよう組織改革を行いました。

(出典:三井住友銀行「DXの推進」

株式会社日立製作所

株式会社日立製作所では、2020年から全社員向けのDX研修プログラムを開始しています。さらに、研修を受けた社員を社内外でのデジタル案件にアサインし、実務でのOJT研修も実施しています。

加えて、データサイエンティストなどDXのエキスパート職の育成にも力を入れており、ITリテラシーを身につけた従業員と協力して問題解決を進めていける組織体制を構築しました。

(出典:日立製作所「社会イノベーションに求められる人財の力と生き方」

DX化に向けたリスキリング導入計画の立て方

DX化に向けたリスキリング導入計画の立て方
DX化に向けたリスキリング導入計画の立て方

DX化に向けたリスキリングを導入するには、まずしっかりと計画を立案することが重要です。また、リスキリング導入にかかる費用もあらかじめ算出しておく必要があるでしょう。

ここでは、リスキリング導入計画立案と基本的な費用に関して紹介します。

基本的な計画の立て方

リスキリング導入計画を立てるには、最初に、リスキリングの目的や目標を明確に設定し、それに基づいて対象者の選定基準を決めることが必要です。

次に、目的達成に必要なスキルを把握し、スキルマップを作成することで、対象者の現状のスキルと、不足しているスキルとを可視化できます。

リスキリングの具体的なカリキュラムや実施方法(オンライン研修・社内研修など)は、対象者のスキルマップや目標に合わせて検討・実施しましょう。加えて、社員がリスキリング研修に取り組む時間や費用の確保も必要です。

リスキリング研修を実施した後は、定期的に評価し、進捗状況を確認することが大切です。評価の結果をもとに、必要に応じて計画を見直し、改善を継続していくことが、DX化に向けたリスキリング導入計画の成功につながります。

基本的な費用

リスキリング導入計画を立案する際、リスキリングに必要な予算を算出することも重要です。具体的には、リスキリングに関する教育・訓練プログラムの開発や、専門的なスキルを持つ講師の雇用、設備や機材の導入などに対するコストが必要となるでしょう。

また、リスキリングによって生じる人件費やコストを考慮することも大切です。従業員がリスキリングに参加することによって、現場作業の中断や生産性の低下が生じる可能性があるため、その点を考慮した上で計画を立てましょう。

さらに、リスキリングにかかるコストを削減するために、社内でのトレーニングやオンライン学習など、効果的な方法を選択することが重要です。

例えば、オンライン学習を選択すれば、カリキュラムの開発を一からしなくてもよいため、費用を大幅に削減できます。

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DX化に向けたリスキリング実践方法

DX化に向けたリスキリング実践方法
DX化に向けたリスキリング実践方法

リスキリング研修の計画を立案したら、次は実施に向けての準備を進める必要があります。ここでは、リスキリング研修の実践ポイントを3つ説明します。

Point1.リスキリング研修の実施方法

ここでは、リスキリング研修の実施方法を、次の4ステップに分けて紹介していきます。

STEP1.リスキリング研修の期間・方法の決定

リスキリング研修の実施準備として、まず、研修を実施する期間や方法を決めることが必要です。研修期間中は、受講者に時間的余裕を持たせる必要があるため、スケジュールを調整しましょう。

例えばオンライン研修などリモートで実施できる方法は移動時間がかからないため、選択肢の一つとして検討してみてください。

STEP2.リスキリング研修のカリキュラム作成

次に、リスキリングのためのプログラムやカリキュラムを作成しましょう。

リスキリング研修の計画立案時に明確にした目的・目標に合わせてカリキュラムを作成する必要があります。また、講師の選定も重要です。

リスキリングに必要なスキルや知識を持った人材を選定しましょう。社内に適切な人材がいない場合、外部から講師を呼ぶのも一つの方法です。

STEP3.リスキリング研修実施直前の準備

さらに、研修実施前の実務的な準備をすることも大切です。

リスキリングに必要な設備や資料の準備、社員へのアナウンスなど、事前に必要な手続きを進めておきましょう。

STEP4.リスキリング研修後の効果測定

最後に、リスキリングの効果測定も忘れず実施する必要があります。

定量的・定性的な評価指標を設定し、定期的に評価を行うことで、リスキリングが社員にどの程度浸透しているかを把握できるでしょう。

Point2.成果の測定方法

リスキリング研修の効果測定は、リスキリング研修の成功に不可欠です。

まず、研修の目標や目的に合わせた評価指標を設定する必要があります。例えば、スキルアップ、生産性の向上、組織内でのコミュニケーション改善、プロジェクトの成功率向上など、目的に応じた評価指標を設定します。

次に、リスキリングの効果を測定するための評価方法を設定しましょう。評価方法には、従業員の能力やスキルを測定するテスト、成果物の品質や量の評価、従業員のアンケート調査、上司や同僚からの評価、業務遂行における効率の評価などが挙げられます。

最後に、リスキリングの成果を評価するためのデータ収集や分析を行うことも重要です。評価指標に応じたデータの収集方法を検討し、統計分析や比較分析を行い、リスキリング研修の効果を客観的に評価しましょう。

その結果から、研修内容を改善し、継続していくことが研修効果向上につながります。

Point3.研修プログラムの選定方法

外部研修会社のリスキリング研修受講を検討する場合は、まずは必要なスキルや知識を洗い出しましょう。さらに、社員の経験・スキルに応じた適切なプログラムを探しましょう。

プログラムの内容は、オンライン学習、対面式の講習、実践的なハンズオンなど多岐にわたります。また、研修期間や時間帯、場所なども検討する必要があります。

社員の意見やフィードバックを積極的に取り入れることも大切です。社員からのフィードバックによって、プログラムを改善し、研修効果を高められます。また、社員が自分のスキルや知識をどう獲得したいかを理解することも重要です。

社員のニーズに応じて、柔軟な研修プログラムを提供しましょう。例えば、侍エンジニア Bizのような、各社の要望を反映したカリキュラムをオーダーメイドで作成できるサービスもおすすめです。

リスキリングの成果を最大化するポイント

リスキリングの成果を最大化するポイント
リスキリングの成果を最大化するポイント

リスキリングの成果を最大化するためには、何点かポイントがあります。まず、リスキリング後のスキルアップやキャリアアップの仕組みを設けることが重要です。

リスキリングを受講しても、その成果を活かせなければ意味がありません。スキルアップした社員により高度な業務や役割を与えることで、受講の成果を実力として定着させることができます。

次に、リスキリング後の活用方法や役割を明確化し、社員が実践できるようにすることが必要です。

研修を受講しても、それがどのように現場で活用されるのかが不明確だと、社員のモチベーションが低下し、成果も出にくくなってしまいます。明確な目的・目標を共有し、社員が実践できるようにサポートすることが重要です。

また、リスキリングの成果をフィードバックする場を設けることで、社員のモチベーションを高めることができます。社員が自身の成果を他者に認められることで、やりがいや自信が生まれ、より高いパフォーマンスを発揮できます。

さらに、リスキリング研修を継続的に実施することで、社員のスキルアップを促すことができます。

DX化は、技術の進歩や環境の変化によって常に進化しています。そのため、リスキリングを一度受講しただけでは、そのスキルはすぐ陳腐化してしまうでしょう。

継続的なリスキリングの実施による最新技術の習得が、企業の成長に貢献できる社員の安定的な雇用につながっていきます。

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よくある質問(FAQ)

よくある質問
よくある質問

ここでは、リスキリングDXに関するよくある質問に回答します。

リスキリング研修には、どのような内容が含まれるのでしょうか?

リスキリング研修には、社員が必要とするスキルや知識を習得することが含まれます。

具体的には、新しい技術やトレンドに関する最新情報の習得、ビジネススキルの向上、コミュニケーションスキルの強化などが挙げられます。

また、マインドセットの育成も重要であり、自己成長やチームワーク、イノベーションの意識の醸成などもカリキュラムの一部です。

リスキリングを通じて、どのような資格を取得することが求められているのでしょうか?

リスキリングを通じて求められる資格は多岐にわたります。

例えば、プログラミング言語やIT基礎知識に関する資格、ビジネススキルに関する資格、プロジェクトマネジメントに関する資格、AI・機械学習に関する資格が挙げられます。さらに、業界特有の資格も重要でしょう。

ただし、DX化達成には、資格取得だけでなく、実務経験や実践的なスキルの習得も重要なポイントです。

リカレント教育とは何ですか?リスキリングとの違いは何ですか?

リカレント教育とは、学んだことを継続的にアップデートし、現代のニーズに適応するための継続教育のことです。

一方、リスキリングは、従業員が現在の仕事で必要なスキルを更新し、新しいスキルを身に付けるためのトレーニングであり、リカレント教育も包括する用語です。

両者の違いは、リスキリングは将来の需要に向けた新しいスキル習得を目指すのに対し、リカレント教育は現在のスキルをアップデートすることを目的とする点です。

リスキリングでプログラミングを学ぶことのメリットは、どのようなものがあるのでしょうか?

プログラミングを学ぶことで、自社サービスの開発・改善が可能になります。

さらに、IT部門とのコミュニケーションがスムーズになることや、データ分析やAI・機械学習などの最新技術の理解が深まるというメリットもあります。

また、プログラミングスキルを持つ社員が増えることで、技術的な面での企業競争力が向上するといった効果も期待できるでしょう。

リスキリングDXで全社のDX化を推進しよう

DX時代においては、全社員がデジタル技術を継続的に学習し、スキルアップしていく必要があります。そのため、自社でのリスキリングDXの目的を明確にし、必要なスキルを可視化した上で適切なカリキュラムを実施しましょう。

さらに、効果測定・改善を長期的に継続していく中で、社員の持つデジタル技術の陳腐化を防ぐことも重要です。

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