30代フリーターがインフラエンジニアに！大手SIerへの転職を成功に導いた秘訣とは

30代未経験でもITエンジニアにキャリアチェンジしたい…
上流工程で裁量の大きい仕事がしたい…

このような悩みの答えになるような経験をされた、松尾さんにインタビューを行いました！

松尾さんが大手SIerに転職した経緯や現在の業務内容など様々な内容を伺ったので、これからITキャリアを目指したい人はぜひ参考にしてください。

また、1年前に未経験から学習して内定を獲得した際の記事もあるので、過去の経緯をより詳しく知りたい方はご覧ください。
⇒ 30代男性が未経験からエンジニア内定獲得！インストラクターと乗り越えた半年間

肩書	インフラエンジニア
雇用形態	正社員
現在の業務内容	・AWSの要件定義 ・監視ツールのコード作成

なお、松尾さんが大手SIerに転職するまでの経緯は、次の動画でも紹介しているので是非ご覧ください。

30代でキャリアチェンジを決意！資格を取得してインフラエンジニアの道へ

ーーープログラミングやITに触れたきっかけは何ですか？

松尾さん：今までは飲食業でアルバイトや契約社員で生活していたのですが、将来的なことを考えてエンジニアへ転向することを考えたことがきっかけです。

元々WordとExcelだけですがパソコンの資格を持っていたこともあり、パソコンに対する抵抗がなかったんですよね。

一番挫折しなさそうという点を特に考えて選んだスクールが、侍エンジニアでした。そこから勉強してキャリアを構築していくことから始めました。

ーーーその後、どのようにしてITキャリアに至りましたか？

松尾さん：侍エンジニアでは、転職補償コースを受講しました。

AWSのクラウドプラクティショナーとソリューションアーキテクトアソシエイトの資格を2つ取った後、カリキュラム終了直前から転職活動を開始しました。

AWSの資格勉強が楽しかったことや、年齢的にもインフラエンジニアが転職しやすそうだったことから、インフラエンジニアになる決意を固め、その後内定をいただいた企業で、インフラエンジニアとしてのキャリアがスタートしました。

ーーーその後大手SIerへ転職するまでに工夫したことはありますか？

松尾さん：最初に侍エンジニアで紹介してもらったのは中小SES企業だったのですが、その会社はインフラエンジニアの採用を始めたばかりでノウハウが不足していたことや、私も33歳・未経験ということもあり、最初の8ヶ月は案件が決まらなかったんです。

ただ、AWSやLinuxの実機環境を使った研修があり、これが大きな糧になりました。

特に印象に残っているのは、AWS上で自分の手で環境構築を一通りやりきった経験です。VPCやEC2を立て、ApacheとMySQLを導入してHTMLページを表示。Route53で独自ドメインを設定し、SSL証明書を取得してhttps化まで行いました。

さらに、CloudWatchとSNSで監視アラートを設定したり、シェルスクリプトでログ圧縮を自動化したり、AnsibleやCloudFormationで構築の自動化にも挑戦し、最終的にはDockerでLaravelを動かしてECSやOBSの設定まで実践しました。

これらを自力で構築したことについて今の会社の面接で話したところ、高く評価されて採用されました。

30代未経験からインフラエンジニアを目指すなら、こうしたAWSの実践練習を無料アカウント内で試してみるのがおすすめです。都度リソースを削除すればコストも抑えられますし、手順書を作って繰り返すことで確実にスキルが身につきます。

キャリア面では、まず多くの人がSESで監視・運用からスタートすると思います。私も同じでしたが、業務の合間に資格勉強を続け、LPICレベル1〜3、CCNA、AWSのSAP・SCS・ANSと、10個以上を取得することができ、その間に培った知識と資格が今の転職につながりました。

フリーター時代から年収200万円UP！？ITスキルはキャリアを広げる武器

ーーー現在の詳しい業務内容を教えてください。

松尾さん：AWSがメインの大手Slerで、主に要件定義が多いです。ただ、私も会社の研修を受けたことと資格を取得しているだけで実践経験はまだないということもあり、現在は簡単な監視ツールの作業をやっています。

今取り組んでるのはログローテーションとシェルスクリプトのコードを作成するという作業ですね。コードはある程度目処がついたので、ちゃんとそれが発動するかどうかのテストの項目書を作成しているところです。

構築設計の基本的な業務をやらせていただきながら、実際に案件に着手するための経験が培えるような業務を多く実施しています。

ーーー仕事のやりがいは何ですか？

松尾さん：監視運用オペレーターから要件定義の会社に転職したので、業務内容が大きく異なるため戸惑うことは多いです。そもそも長年現場を経験している方と比べたら技術や知識が乏しいので、周りについていくのが大変です。

でも、マニュアルを見て手順書通りに作業していた監視運用オペレーターの業務と比べて、自分で考えて生成AIを使ったり、調べたりしながら構築していく、という業務が私にあっていたため、前職に比べて大きくやりがいを感じています。

自分の手で何かサービスを作っているという実感が得られていて、今後ますますその実感が大きくなるのではないかと期待しています。

ーーー大手SESに転職して生活面や考え方に変化を感じますか？

松尾さん：生活は大きく変わりましたね。

まず、監視運用オペレーターの時は24時間365日システムが稼働しているか監視する作業だったため、ある程度夜勤がありました。特に2社目の会社での夜勤がかなりハードスケジュールで大変だったため、体調を崩してしまったんです。

マニュアルを見て対応するというだけということもあり、実質ほぼやることは少なかったのですが、私は早くキャリアアップがしたかったため、精神的にも辛かったんです。

しかし、逆に言えばその間にどれだけ差をつけられるか、が勝負になってくるとも思いました。ひたすら監視運用の仕事だけやるのか、空いた時間にガンガン勉強を進めるかが、差がつく分かれ道になると思ってとにかく勉強しました。

現在の仕事は定時上がりで帰れたり、週に1〜2回ぐらい在宅ワークもできるので、生活が変わりました。給与面についても、1社目の時の年収は300万円だったのですが、今は420万円にまでに上がりました。1社目に入る前のアルバイト時代は200万円台だったので、そこから比較すると200万円ほど上がりましたね。

現在の業務形態や給与に満足しておらず、「人生変えたいな」と思うのであれば、とにかくたくさん勉強することを強くお勧めしたいです。

心の余裕もがらっと変わりますよ。

ーーー座右の銘は何ですか？

松尾さん：「必死で掴んだSlerや自社開発の会社を、絶対手放さないようにする」というのが、今の私の座右の銘です。どんな雑務でも、どんな小さな仕事でも、一生懸命こなしてしがみついて、食らいついていこうと頑張っています。

自分のスキルや能力とはあまり関係ないような、自分がやりたいことではない業務も今は多いですが、それでもしがみついて会社から信頼を獲得して、「この人になら仕事任せてもいいかな」と思ってもらえるような人になるべきだと思って、取り組んでいます。

「これ私のスキルに関係ないかも」と思っても、今はとにかく「はい」や「わかりました」と言って振られた仕事をこなすようにしていますね。

ーーーあなたにとってITスキルとは何ですか？

松尾さん：ITスキルは武器と防具です。

例えばゲームであれば、戦士や武闘家など基本になる職業を極めたら、今度はバトルマスターになろう、勇者になろう、など選択肢が広がります。

ITエンジニアもそれと似ていると思いました。SESで何かしらのスキルを得たら、その後の転職でITコンサルタントへ転向したり、より大手の企業へ転職したり、フリーランスで自力で案件獲得して年収を上げられたりと、働き方の選択肢も広げることができます。

なので、まずSlerか自社開発企業を目指すことをオススメします。私も今そこで頑張っている最中なので、一緒に頑張りましょう。

努力は必ず報われる！30代未経験の転職でも諦めずに挑戦し続けて欲しい

ーーー今後のキャリアビジョンを教えてください。

松尾さん：今の会社で昇進していくか、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントなどの業務につけるようになるか、フリーランスエンジニアになるか、の3択で考えています。

どのキャリアに進むか4〜5年ほど考えようと思うので、今はとにかく力をつけることと、自分でも案件獲得して案件を回せるようになりたいというのが、それまでの直近の目標ですね。

ーーーITキャリアを目指すか迷う人にメッセージをお願いします。

松尾さん：転職活動では、100社以上に応募しても一次面接にすら進めないことが多く、本当に苦しい時期もありました。最初の転職のときも40〜50社落ち、今回も内定をもらえたのは2社だけ。そのうちの1社が今の会社です。30代になるとどうしても不利に感じる場面はありますが、諦めずに学び続ければ必ず道は開けます。

私も「なんで飲食から？」「アルバイトじゃないの？」といった質問を受けたり、面接で技術的に悔しい思いをしたりしました。それでも勉強を続けたからこそ、今があります。

もし途中で心が折れそうになったら、私の経験を思い出してください。35歳まではまだ軌道修正が十分にできます。時間はかかっても、努力は必ず結果につながります。どうか諦めず、挑戦を続けてください。