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この記事では、実際のビジネスでも使われているリーンキャンバスというフレームワークを紹介します。実際に利用しなくても、考え方を知る・理解するきっかけになるでしょう。
この記事では企業がどうやってアプリで収益化をしているのかや、考え方・企画の作り方などがわかります。
リーンキャンバスとは
そもそもリーンキャンバスとは、ビジネスモデルを一枚の図に落とし込んだビジネスモデルキャンバスです。ビジネスモデルキャンバスとは、ビジネス全体を把握するために利用するフレームワークです。
もともとは起業を成功させるために生まれたフレームワークです。リーンは英語で「ムダがない」という意味です。
最近では新規事業立案や製品のプロジェクトマネジメントなど、様々な分野で活用されとても汎用性が高いフレームワークです。
【メリット】
- 1枚にまとめる簡潔さ
- 他者と認識を共有しやすい
- 更新がしやすい
必要な項目が一つにまとまっているので、スピーディかつ簡単に作成することができます。一枚で全体が把握できるので、他者との認識合わせがしやすいのも特徴です。
さらに記載する項目が限られているので、書き換える手間を最小限に抑えられ常に最新の状態に保ちやすいという特徴があります。
リーンキャンバスを構成する9要素
リーンキャンパスには9つの要素があります。
- Customer Segments:顧客セグメント
- Problem:課題
- Unique Value Proposition:独自の価値提案
- Solution:解決策
- Channels:チャネル
- Revenue Streams:収益の流れ
- Cost Structure:コスト構造
- Key Metrics:主要指標
- Unfair Advantage:圧倒的な優位性
上記の順番で記載することが推奨されていますが、必要に応じて分からない項目はスキップしても大丈夫です。ちなみに1,2の順番が紹介するサイトによって多少異なりますが、大きな影響はないのでどちらから記入しても問題ありません。
項目の詳細について見ていきましょう。
Customer Segments:顧客セグメント
こちらはターゲットが誰かを記入します。つまり今回のアプリを開発し、購入してくれる相手を記入します。またできるだけ具体的に記載すると良いとされています。
具体的にターゲットを絞ることで、どのような戦略を取れば良いのかがわかりやすく、また他者と共有するときに伝わりやすくなります。レシピアプリを作る場合の例を用意しました。
またアーリーアダプターを記入すると良いでしょう。アーリーアダプターとは、アプリ(商品)が販売後すぐに購入する人のことです。
Problem:課題
ターゲットが抱えてる課題を洗い出し、上位3つほど記載します。どの課題が重要度が高いのか見極めることも大切です。そのときに原因も一緒に記載するとわかりやすくなります。
さらに現在ユーザーが課題解消のために利用している代替案またはサービスを記入できると良いでしょう。
Unique Value Proposition:独自の価値提案
これから開発するアプリと既存のアプリとの差別化要因や提供する価値を書き出しましょう。なるべくシンプルで分かりやすくまとめることがポイントです。収益化にも影響する大切な項目なので、しっかりと考えましょう。
すぐに考えつかなければ、後回しでも大丈夫です。またはイメージやこうなったらいいなという理想を書き出しても良いでしょう。
Solution:解決策
先ほど考えた課題を解決するための解決策を書き出します。たくさんの解決案が思い浮かぶかと思いますが、多すぎてもあまりよくないので上位3つを記載しましょう。
事業やプロジェクト、アプリ開発も工程が進むにつれて課題や解決策が変わることはよくあります。そのため臨機応変に対応できるように心づもりをしておきましょう。
Channels:チャネル
開発したアプリをユーザーにどのように知ってもらうのかを考えます。例えば
- オウンドメディア
- LP
- SNS
- 口コミ
- リスティング広告
- 営業電話
- セミナー&展示会
- 印刷広告、テレビCM
など様々な方法が考えられます。どの方法が自分に一番適しているのが、考えてみましょう。
Revenue Streams:収益の流れ
開発するアプリをどのように収益化していくのか、どれくらいの収益を見込んでいるのかを書き込みます。設定するのは、アプリをリリースした直後の収益です。アプリは形がないサービスなので、
- 誰から
- どのように
- 価格
などを明確に考えておきましょう。
Cost Structure:コスト構造
アプリを開発し販売するのに必要な経費を記述します。ポイントは
- 何に
- 費用
を明確にすることです。ただし企画段階では全ての費用を出すことはできないので、わかっているものやかかるであろうものをざっくりと書き出しましょう。
Key Metrics:主要指標
目標指標とはKGIやKPIを利用します。
KGI(Key Goal Indicator):ビジネスの最終目標を定量的(数値で)に評価できる指標です。日本語では重要目標達成指標と言われています。例えば売上高や成約数、利益率などがあげられます。
KPI(Key Performance Indicator):KPIは目標の達成(KGI)に向かって行なっているプロセスが適切に実行されているかどうか一定期間計測するための数値です。日本語では重要業績評価指標と言います。例えば1週間のダウンロード数や課金金額などがあげられます。
KGIとKPIを考える時にアプリやWEBサービスでは、AARRRモデルというフレームワークに沿って書き出していくと考えやすくなります。全てを記入できなくても、わかる範囲で書いてみましょう。
Unfair Advantage:圧倒的な優位性
競合アプリが簡単に真似できないサービスや機能、その他の優位性を書き出します。アプリの機能などは技術的な問題をクリアできれば真似できてしまうので、圧倒的な優位性になりづらい点に注意が必要です。
特許技術などであれば、記載しても良いでしょう。競合アプリが苦手としているポイントや参入できない要素を盛り込む方法もあります。
なぜオリジナルアプリ開発に必要なのか
これまでリーンキャンバスについて解説してきましたが、正直大変そう……と感じた方も多いでしょう。今回ご紹介したリーンキャンバスは実際の事業でも利用されています。
そのためリーンキャンバスを活用することで、実際の収益化のプロセスを理解しビジネス感覚を身に付けることができます。
またやるべきことを可視化でき、無駄なくやるべきことがわかる事もこのフレームワークの魅力です。このような手法を利用し、ただ作るだけでなくビジネスに落とし込むことができます。
アプリで収入を得たい、仕事にしたいと考えている人がこのフレームワークを利用できるようになれば、起業にもつながります。
この記事の復習
開発したアプリを収益化させ、ビジネスとして落とし込むためにリーンキャンバスというフレームワークをご紹介しました。リーンキャンバスを構成する9つの要素は以下の通りです。
- Customer Segments:顧客セグメント
- Problem:課題
- Unique Value Proposition:独自の価値提案
- Solution:解決策
- Channels:チャネル
- Revenue Streams:収益の流れ
- Cost Structure:コスト構造
- Key Metrics:主要指標
- Unfair Advantage:圧倒的な優位性
アプリ開発の企画をビジネスに落とし込む方法を知り、ただ作るだけでなく収益化も視野に企画を作ってみましょう。
次の章からオリジナルWebアプリの開発方法について学びましょう。