こんにちは!エンジニアのノムラです。
WordPressを複数人で管理したい時や会員制のサイトを作成したい時など
会員限定ページを作りたい
と思うことってありませんか?実は、WordPressの権限やプラグインを使えばできるんです。そこで今回は、
- 【基礎】WordPressの権限の種類
- 【基礎】権限の設定方法
- 【応用】ユーザー管理にオススメプラグイン
という流れで、WordPressの権限について初心者にもわかりやすく解説していきます。ユーザーの権限を細かく設定できるようになって、サイトの運営や機能の向上に役立ててください!
この記事の目次
WordPressのユーザー権限グループ一覧
WordPressには予め、次の5つの権限が用意されています。まずは一覧表で紹介します。
できること | 閲覧者 | 寄稿者 | 投稿者 | 編集者 | 管理者 |
記事の閲覧 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
記事の作成 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
公開 (自身の記事) |
〇 | 〇 | 〇 | ||
公開
(全ての記事) |
〇 | 〇 | 〇 | ||
ユーザー管理 | 〇 | 〇 | |||
サイトの各種設定 | 〇 |
権限ごとのできることの違いや設定は、このあと解説していきます。
WordPressのユーザー権限
ユーザー権限によって、WordPressにログイン後のメニューが大きく変わります。
それぞれの権限でどんなことができるのかと、こんな場合に利用するとピッタリという2つを解説していきます。
購読者
5つある権限の中で、できることが一番少ないのが購読者です。購読者ができるのは、WordPressへのログインと自身のプロフィール編集です。記事を書いたり公開することもできません。
通常のサイト運営ではほとんど使うことがないユーザー権限ですが、カスタマイズすることでうまく活用できます。例えば、会員制サイトなどでログインした人のみコメントを許可したり、限定記事を見せたいといった場合に使用できます。
寄稿者
寄稿者は記事を下書き、編集することができる権限です。書いた記事を公開する権限を持ってないため、寄稿者が書いた記事は上位の権限を持ったユーザーの承認が必要になります。寄稿者の記事はレビュー待ちの記事として保存され、公開権限のあるユーザーが許可を出すことで公開されます。
メディアファイルのアップロードや記事の削除は行えません。例えば、ライターの方に記事の下書きまでお願いしたいけど、いたずらされたくない、自社社員がレビュー・承認してから公開したいといった場合に使用できます。
投稿者
投稿者は、自分の書いた記事の公開、編集、削除全て行うことができます。メディアのアップロードも可能です。一方で他のユーザーの記事の編集や寄稿者がレビュー待ちとしてあげた投稿を公開することはできません。
編集者
編集者は、全ての記事や固定ページに対して公開、編集、削除が行えます。他のユーザーが書いた記事や寄稿者のレビューを承認して公開することも可能です。
記事や固定ページに関して全ての権限を持っていますが、WordPressの設定やユーザーの管理など、サイトの設定を行うことができません。ライターを束ねるディレクターやお知らせを更新する広報担当者に最適な権限です。
管理者
管理者は、記事や固定ページの作成・公開のほか、サイト設定やユーザー管理まで、WordPressに関する全てのことができる権限です。テーマやプラグインの変更、サイトに必要なファイルやサイト構成編集など非常に重要な機能を操作できるので、複数人で運用する場合など、管理者権限の割り当てには特に注意が必要です。
WordPressのユーザー権限の設定方法
新規ユーザーの権限設定と一度設定した権限を変更する方法を解説します。
ユーザーの新規追加時に設定
ユーザーの権限は、ユーザー新規追加時に設定します。
【設定手順】
1.管理者権限のユーザーでWordPressにログインし、メニューから「ユーザー」>「新規追加」を選択します。
2.入力項目の最下部に「権限グループ」があり、そこのプルダウンから該当する権限を選択します。
ユーザーの権限を編集
一度追加したユーザーの権限を変えたい時は、ユーザー一覧から対象となるユーザーを選択し編集します。
【設定手順】
1.管理者権限のユーザーでログインし、メニューから「ユーザー」>「ユーザー一覧」を選択します。
2.一覧の中から権限を変更したいユーザーを選択します。
3.ユーザー編集画面にある「権限グループ」から権限を選択し、更新します。
【番外編】複数人のユーザー権限を一括で変更する
サイトを運営していると、複数人のユーザー権限を一括で変更したい場面もあるでしょう。そんな時、1人1人の編集画面を開いて変更していたら手間と時間がかかって大変ですよね。WordPressには、ユーザー権限を一括で変更する機能が備わっています。
【一括で変更する方法】
ユーザー一覧画面で、権限を変更したいユーザーにチェックをつけ、「権限グループを変更」から該当する権限を選択し「変更」をクリックします。
デフォルト権限を設定
新規ユーザー登録画面の権限グループに最初に表示しておくデフォルト権限を、自由に設定できます。一番多く使うユーザー権限を設定しておけば、登録時の手間を省けます。
【デフォルト権限の設定手順】
1.管理者ユーザーでログインし、メニューから「設定」>「一般」を選択します。
2.一般設定画面の中の「新規ユーザーのデフォルト権限グループ」から初期表示させておきたい権限を選択し、変更を保存をクリックします。
例えば、記事や固定ページの作成~公開までを一貫して行う担当者が大半といった場合でしたら、編集者をデフォルトにしておくと良いでしょう。
WordPressのユーザー権限をカスタマイズする方法
5つの権限ですが、WordPress内のfunction.phpにプログラムを追記すると、機能の制限をカスタマイズできます。phpファイルを編集するので、多少プログラムの知識が必要になります。ここでは、機能の追加と機能を制限する2つのパターンを紹介します。
ユーザー権限に機能を追加する
例えば、寄稿者の権限にメディアアップロードを追加する場合function.phpに以下のようなコードを追記するとできます。
add_action(‘admin_menu’ , ‘add_menus’); function add_menus(){ $role = get_role( 'contributor' ); $role->add_cap( 'upload_files' ); }
get_role()で権限を取得し、今回使用した'contributor' は寄稿者を指します。各権限は以下の通りです。
- 管理者 : administrator
- 編集 : editor
- 投稿者 : author
- 寄稿者 : contributor
- 購読者 : subscriber
add_cap()で制限を解除する機能を指定します。メディアのアップロードを許可するため、'upload_files'を記述しています。他の機能については、WordPressの公式サイトCodexを参照ください。
ユーザー権限の機能を制限する
続いて、機能を制限する場合のコードを紹介します。例えば編集者のツールメニューを非表示にする場合です。
add_action(‘admin_menu’, ‘remove_menus’); function remove_menus(){ if( current_user_can( editor) ){ remove_menu_page( 'tools.php' ); //ツールメニューを隠す } }
current_user_can()は権限をしている箇所なので、対象にあわせて機能追加で紹介した記述に変更します。このようにプログラムの知識があると、function.phpを編集して権限に使える機能をカスタマイズすることが可能です。
WordPressの権限設定におすすめのプラグイン
WordPressでのユーザー権限について解説をしてきましたが、プログラムを組んでカスタマイズするのは正直ハードルが高いですよね。そこで、プラグインを使うことでより自由度の高い設定ができます。
今回は、用途別のオススメプラグインを3つほど紹介します。
User Role Editor
ユーザーの権限グループと、権限ごとの機能を細かく管理できるプラグインです。編集者の権限に、少しだけ管理者の権限を付与したり、寄稿者の権限でもメディアファイルをアップロードできるようにするといった場合に役立ちます。
実際の設定画面は以下のようになっており、事細かく設定できることがわかるかと思います。
詳しい使い方は、こちらのサイトで解説されているので、参考にしてください。
WP-Members
簡単に会員限定サイトが作成できるプラグインです。プラグインを使わない場合、ログイン画面を作って新規登録用のフォームを作って…など、会員限定サイトを作るのはとても大変です。
このプラグインには以下の画像にある機能が備わっているので、簡単に会員限定サイトを作ることができます。詳しい使い方はこちらのサイトで解説されているので、ご覧ください。
BuddyPress
WordPressを使って、SNSのようなコミュニティサイトを作ることができるプラグインです。Facebookのようなサイトを作りたい、ユーザー同士でメッセージのやり取りを行えるようにしたい、といった場合に最適です。BuddyPressにはSNSサイトを作るための機能が備わっています。
詳しい使い方は、こちらのサイトで解説されています。
まとめ
WordPressには5つのユーザー権限があり、それぞれできることが異なります。誤ってページを削除してしまった、サイト設定をいじって表示崩れが起きたといったリスクを減らすためにも、役割に合わせた権限を設定することが大切です。もう少し細かく設定したい時には、カスタマイズを加えたりやプラグインを使いましょう。
ユーザー権限を設定することで、サイトの運営がしやすくなったり、より多機能なサイトを作っていくことができます。しっかり使いこなせるようになりましょう!