プロンプトエンジニアになるには?未経験から目指す4STEP

プロンプトエンジニアになるには、何から始めればいいの?
未経験からでもプロンプトエンジニアになれるかな…

コンピューターの処理性能が飛躍的に向上し、第3次AIブームに位置付けられている昨今。ChatGPTMicrosoft CopilotなどのAIツールから最適な返答をもらえるよう、プロンプト(指示文)を開発・改良する新たな職業「プロンプトエンジニア」に注目が集められています。

そのような現状から、プロンプトエンジニアを目指そうと考えている人も多いでしょう。

新たに生まれた職種のため、どう目指せばいいのかイメージが湧かない人もいるはず。

そこで、今回は未経験からプロンプトエンジニアになる方法を、4つのステップでわかりやすく解説します。プロンプトエンジニアに必要なスキルも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • プロンプトエンジニアには自然言語処理の知識やプログラミングスキルが不可欠
  • 学習サイトやスクールなど、自分に適した学習方法を選べるかが重要
  • プロンプトエンジニアの求人には、年収1,000万円に届くようなものも多い

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なお、次の記事ではそもそもプロンプトエンジニアとはどんな職業なのか、その仕事内容を年収や将来性も交え詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。

プロンプトエンジニアとは?仕事内容や年収、必要なスキルも紹介

この記事の監修者

フルスタックエンジニア

金田 茂樹


音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。

本記事の解説内容に関する補足事項

本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」、を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。

また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。

記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。

目次

プロンプトエンジニアに必要な5つのスキル

プロンプトエンジニアに必要な5つのスキル

求められるスキルがわからない状態でプロンプトエンジニアを目指しては、いざ仕事を獲得する際に求人の募集条件にあわず「こんなスキルも必要だったんだ…」と後悔しかねません。

そこではじめに、プロンプトエンジニアに必要なスキルを、5つにまとめて紹介します。

自然言語処理(NLP)への基礎知識

プロンプトエンジニアに必要なスキルの1つ目は、自然言語処理(NLP)への基礎知識です。

NLPとは、Natural Language Processingの略語で、テキストデータの内容をAIが分析する技術のことです。わたしたち人間が普段の会話で使用する自然言語を対象にして、言葉が持つ意味を解析します。

自然言語処理を利用した実例としては、「Amazon Alexa」や「Google Home」などのスマートスピーカーが挙げられます。

プロンプトエンジニアを目指すにあたって、NLPの基本をしっかり理解しておきましょう。効率的なプロンプトを作成し、GPTのような言語モデルを扱うには、NLPの技術・モデル・アーキテクチャを深く理解しておく必要があるからです。

プログラミングスキル

プロンプトエンジニアに必要なスキルの2つ目は、プログラミングスキルです。

NLPはプログラムで実装されるため、プログラミングスキルが必要になります。中でもPythonというプログラミング言語に精通することは、NLP技術の実装や後述するフレームワークとの連携において不可欠です。

Pythonの他にも、JavaやC++といった言語が使用されるケースもあります。

機械学習アルゴリズムやデータ処理にも、プログラミングのスキルが必要ですので、学習して備えましょう。

自然言語処理に用いるライブラリ/フレームワークを扱うスキル

自然言語処理に用いるライブラリ/フレームワークを扱うスキル
自然言語処理に用いるライブラリ/フレームワークを扱うスキル

プロンプトエンジニアに必要なスキルの3つ目は、自然言語処理に用いるライブラリやフレームワークを扱うスキルです。

ライブラリやフレームワークを扱うスキルがあると、開発コストの削減や生産性の向上だけでなく、高度な最新技術を手軽に利用できるメリットがあります。現時点でもたくさんのライブラリが存在していますが、「Natural Language Toolkit(NLTK)」や「spaCy」が有名です。

NLTKは、英語の自然言語処理ライブラリで、Pythonで開発されています。分類や意味論的推論といった一連のテキスト処理機能をそなえており、英語の構文解析やタグ付けまで可能なライブラリです。

spaCyも、Pythonで開発されたライブラリです。2023年4月時点では、72以上の言語をサポートしており、24言語用で80個の学習済み統計モデルが使用できます。

言語化力

プロンプトエンジニアに必要なスキルの4つ目は、言語化力です。

言語化力とは「言葉にする力」のことを言います。頭の中に思い浮かんだことを言葉に変換して、さらに相手が理解しやすい表現にブラッシュアップする力です。

効果的なプロンプトの作成には、思考やアイデアを的確に言葉(テキスト)として表現する力が必要になります。プロンプトに対して適切な言葉で情報を提供することによって、AIはより正確で良質な結果を生成できるからです。

普段から語彙力を高めたり、実際に文章を書いたりして意識的に「言語化力」を鍛えましょう。

創造力

プロンプトエンジニアに必要なスキルの5つ目は、創造力です。

創造力とは、常識にとらわれない発想や工夫によって、新しいものをつくりだす能力のことをいいます。

ユニークで効果的なプロンプトを作成するためには、既成概念にとらわれず、さまざまなアプローチを試す必要があります。そのためにも、プロンプトエンジニアには、創造力が必要です。

物事を多面的にとらえる癖をつけることによって「創造力」を養いましょう。

未経験からプロンプトエンジニアになる4STEP

未経験からプロンプトエンジニアになる4STEP

必要なスキルをおさえたところで、未経験からプロンプトエンジニアになる方法を、次の4STEPにまとめて紹介します。

STEP1:自然言語処理/プログラミングの学習方法を決める

まず、自然言語処理やプログラミングの学習方法を決めましょう。主な学習方法は「学習本」「学習サイト」「プログラミングスクール」の3つに分けられます。

下記に、それぞれのメリット・デメリット、どんな人におすすめかをまとめました。

学習方法メリットデメリットこんな人におすすめ
学習本・コストパフォーマンスがよい
・体系的にまとめられていて学びやすい
・隙間時間を活用できる
・独学になるため挫折する可能性がある
・情報のアップデートができない
・1人でコツコツと学習できる方
・自身で環境を構築して実践できる方
学習サイト・無料で利用できるサイトが多い
・環境構築不要で学べる
・学べる内容が豊富(有料サイトの場合)
・質問には課金が必要(無料サイトの場合)
・学習できる内容が限定的(無料サイトの場合)
・すきま時間に学習を進めたい方
・手軽に学習したい方
プログラミング
スクール
・学習途中で挫折しにくい
・目的にあう内容が効率よく学べる
・ポートフォリオを作成できる
・受講料金が高額
・受講時間の確保が必要
・挫折しないか不安な方
・短期間で効率よく学びたい方

「学習本」や「学習サイト」は、お金をかけずに気軽に始められるのがメリットですが、サポートが充実していないため難易度によっては挫折してしまう場合もあります。一方「プログラミングスクール」では、受講費用が高額になるものの、手厚いサポートを受けられるため挫折しにくいというメリットがあります。

上の表を参考にして、自分にあう学習方法を見つけましょう。

STEP2:自然言語処理/プログラミングスキルを身につける

自分にあう学習方法が選べたら、さっそく自然言語処理やプログラミングの学習を始めましょう。

先述したとおり、NLPやPythonはプロンプトエンジニアに必須のスキルです。基礎的な内容の理解だけではなく、後述するポートフォリオの作成に向け、より実践的な内容も意識して取り組むことが重要といえます。

独学で挫折しそうになったら、プログラミングスクールの受講も視野にいれましょう。このSTEPでは、とにかくスキルの習得が最重要課題です。

STEP3:プロンプトエンジニアへの就業に役立つポートフォリオを作成する

自然言語処理やプログラミングのスキルが身についたら、ポートフォリオを作成しましょう。

未経験エンジニアが自分のスキルをアピールするためには、自身で実際にプロンプトを選定して文章を作成し、ポートフォリオを作成するのが非常に有効的です。

履歴書や職務経歴書だけでは、他のエンジニアとの差別化は難しいですが、ポートフォリオの提出によって自身の実績としてアピールできます。

実戦経験にもなりますので、ポートフォリオは必ず作りましょう。

STEP4:プロンプトエンジニアの求人を探す

ポートフォリオができたら、プロンプトエンジニアの求人を探しましょう。求人を探すには、以下のようなサービスがあります。

サービス別に表にしましたので、参考にしてください。

求人を探す方法概要メリット
求人サイトを
活用する
インターネット上に掲載された求人に対して自分自身で検索・応募を行う。・24時間いつでも自分のペースで活動できる
・Web上で完結する場合が多い
転職エージェントを
活用する
エージェント経由で求人の紹介を受け、応募もエージェント経由で行う。・資料作成・面接の練習やサポートを受けられる
・労働条件の交渉が可能な場合もある
クラウドソーシング
サイトを活用する
企業や個人がインターネット上で不特定多数に向けて業務を発注する。この中から仕事を選んで応募する。・単価や仕事内容から自分がやりたい仕事を選べる
・ポートフォリオ作成用に単発案件の取得が可能
SNSを
活用する
TwitterやWantedlyなど、SNS上で募集されている案件から選んで応募する。・クラウドソーシングでは必要となる仲介手数料が不要
・メッセージのやり取りがしやすい
知人/友人に
紹介してもらう
友人や職場の仲間から仕事を紹介してもらう。・自分のスキルにマッチした職場につきやすい
・知り合いなので条件面など質問をしやすい

「求人サイト」「転職エージェント」「知人や友人の紹介」が一般的ですが、近年では「クラウドソーシングサイト」や「SNS」の利用も増加しています。それぞれの長所を参考にして、よい求人を見つけましょう。

プロンプトエンジニアを目指す人によくある質問

最後に、プロンプトエンジニアを目指す人がよく抱く疑問に回答します。

プロンプトエンジニアにプロンプトエンジニアリングはいらない?

「プロンプトエンジニア」と「プロンプトエンジニアリング」の違いから説明します。プロンプトエンジニアは、AIが最適な答えを返すようなプロンプト(指示文)を開発する技術者です。一方プロンプトエンジニアリングは、プロンプトを改良してより良い情報を引き出す手法のことを言います。

良質なプロンプトを開発するためには、実際にプロンプトを入力して結果の分析・改良を行うサイクルになるはずです。したがって、プロンプトエンジニアには、プロンプトエンジニアリングが必要といえます。

なお、次の記事ではそもそもプロンプトエンジニアリングとは何なのか、その意味を身につけるメリットも交え詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。

プロンプトエンジニアリングとは?必要性や出力例、学習方法も紹介
更新日:2024年4月10日

プロンプトエンジニアの年収はどのくらい?

日本の主要な求人サイトの年収を調査して、表にまとめました。

求人サイト名年収
indeed600万円~1,000万円
doda700万円~1,200万円
Green600万円~1,000万円

年収1,000万円に届くような募集が多く、プロンプトエンジニアの市場価値は高まっているようです。

プロンプトエンジニアとプログラマーの違いは?

「プロンプトエンジニア」と「プログラマー」の大きな違いは、成果物にあります。

先述したように、プロンプトエンジニアはAIが最適な答えを返すようなプロンプトを開発する、文章作成に特化したエンジニアです。

一方プログラマーは、システムエンジニアが作成した設計書に基づいて、プログラミング言語を用いてシステムやソフトウェアを作ります。

プロンプトエンジニアになるうえで取得すべき資格は?

プロンプトエンジニアを目指すにあたって、必須と言われる資格はありませんが、AIを扱うエンジニアに必要とされる以下のような資格を取得すると就職に有利になるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、未経験からプロンプトエンジニアになる方法を、必要なスキルも交えて紹介しました。

プロンプトエンジニアになるためには自然言語処理やプログラミング、自然言語処理に使うライブラリやフレームワークを扱うスキルに加えて、言語化力や創造力も必要です。

上記のスキルを身につけるには、本や学習サイトを利用した独学も可能ですが、高度な内容になると挫折してしまう可能性があります。そのような場合には、プログラミングスクールの利用がおすすめです。

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この記事を書いた人

【プロフィール】
関西の家電メーカーにてブルーレイレコーダーや電動アシストカートの開発を経験。地元の鳥取県に帰省後は、Webアプリケーションの開発に従事。組み込み系からWeb開発まで、幅広いソフトウェア開発経験を活かし、2022年よりWebライターとして活動中。侍エンジニアブログでは、PythonやWeb開発分野の記事執筆を担当。読者の悩みや知りたいことを汲み取った構成を意識しながら執筆しています。
【専門分野】
IT/Web開発/組み込み開発/AI/ロボット開発
【保有資格】
基本情報技術者試験
【SNS】
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