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プログラミング教育の内容を文部科学省の事例・実践例からわかりやすく解説!

小学校のプログラミング教育が必修化されて、1年以上が経過しました。

しかし、実際にスタートしてみたもののしかし、実際にスタートしてみたものの「うまく授業ができているのか不安」「ほかの学校の事例が気になる」という迷いもあるのではないでしょうか。

この記事では、小学校のプログラミング教育でどのような学びを提供すべきなのか、文部科学省が2016年度(平成28年度)に改定した教育指導要領と小学校プログラミング教育の手引(第三版)の内容を説明します。

実際に教育を行っている学校の実践例も紹介しますので、今後の学習をより良いものにしていくために、ぜひ参考にしてください。

プログラミング教育とは

プログラミング教育とは

文部科学省が2016年度に改定した「学習指導要領」で、「情報活用能力(プログラミング教育を含む)」が教育内容の改善事項として示されました。

「情報活用能力(プログラミング教育を含む)」の内容として、次の2つの事項が示されています。

コンピュータ等を活用した学習活動の充実(各教科等)
・コンピュータでの文字入力等の習得、プログラミング的思考の育成(小:総則、各教科等(算数、理科、総合的な学習の時間など))

このことからもわかるように、「プログラミング」という授業が小学校の時間割に追加されるわけではありません。算数や理科、総合的な学習の時間といった既存の授業の中に組み込む形でプログラミング的思考の育成に通じる学習活動が行われます。

小学校プログラミング教育のねらいのひとつとして、「プログラミング的思考」の育成が含まれています。ほかにも、身近な生活でコンピューターが活用されていることに気がつくことなども挙げられています。

プログラミング教育とはなにか、下記の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

プログラミング教育とは?必修化の目的や現状の問題点を実践例から検証!
更新日 : 2021年8月19日

小学校プログラミング教育の分類

小学校プログラミング教育の分類

文部科学省は、小学校のプログラミングに関する学習活動を6つに分類しています。学校のカリキュラムは、それぞれいずれかに分類されることになります。

家庭でも確認し、子供が受けるプログラミング教育について理解を深めておきましょう。

  • 1.学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの
  • 2.学習指導要領に例示されてはいないが、学者指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの
  • 3.教育課程内で各教科等とは別に実施するもの
  • 4.クラブ活動など、特定の児童を対象として、教育課程内で実施するもの

 次以降の段落で、6つの分類のうち上記の4つについて、紹介します。

1.学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの

学習指導要領に例示されている単元等

「学習指導要領に例示されている単元等」は次の3つです。

  • 算数
  • 理科
  • 総合的な学習の時間

それぞれの授業における指導例は、「小学校プログラミング教育の手引き」に詳しく記載されています。

算数

算数では、正多角形について学ぶ授業にプログラミングを取り入れる例が示されています。

ブロックをつなげてプログラミングする「Scratch(スクラッチ)」を用いて、正多角形をかいてみましょう。「どのように指示を出せば希望の図形が書けるのか」を考えることで、正多角形の特徴を実感を持って学べます。

また、定規と分度器を用いて鉛筆で正多角形をかいた時と比較すれば、「コンピューターであれば容易にできることもある」ということが理解できます。

理科 

理科 

理科では、「電気を利用した道具について学ぶ」授業にプログラミングを取り入れる例がしめされています。

電気がつくられる仕組みや電気を蓄える仕組みなどについて学習した後、電気を利用している道具の仕組みをモデル化しプログラミングで再現するという内容です。

例では、人感センサーであれば「人が◯㎝近づいたら電気がつく」「◯秒間電気をつけたままにする」「人がいなくなったら電気が消える」といった動作をプログラミングで再現します。

こうした仕組みを自分で再現するることで、電気を使う家電や電子機器などが、プログラミングによって動いていることを実感できます

総合的な学習の時間

総合的な学習の時間では、主に身の回りでどのようにプログラミングが活用されているのかを学びます。

情報化の進展と生活や社会の変化

情報化の進展と生活や社会の変化

「情報化の進展と生活や社会の変化」におけるプログラミング学習の実践例として、「カプセルトイの販売機と飲料の自動販売機を比較して、プログラミングによる制御には機械的な仕組みとは違った利点があることを理解する」という学習例が挙げられています。

カプセルトイの販売機は、硬貨を入れてハンドルを回すと景品が出てくる、という仕組みです。これは物理的な仕組みで、プログラミングを必要としません。

一方飲料の自動販売機は、投入された硬化を判別し金額に応じて押せるボタンが決まるなど、プログラミングによって制御された動きです。

 この学習では、子供たちが両者の違いを考え、自動販売機の仕組みを再現するにはどの処理をどのように組み合わせればよいかなど試行錯誤しながらプログラミングを行います。

この体験を通して、子どもたちがプログラムの働きを理解したり、機械の仕組みでは難しいことでもコンピューターでは容易に実現できることを実感するとされています。

そしてここから視点をひろげ、プログラムの働きが私達の生活を支えていることや、AIやロボットの活用が私たちの生活をより快適にしていることに気がつきます。

また、このように便利なプログラムが悪用されていることにも触れることで、情報技術をどのように活用すれば私たちの生活がもっと便利になり危険がなくなるかなど探求することで、生き方を考えることも期待されています

まちの魅力と情報技術

まちの魅力と情報技術

総合的な学習の時間ではほかにも、タッチパネル式の案内表示板のように「まちの魅力を伝える情報技術」について調べたり、実際に作成したりする例が示されています。

学習をとおして、自分たちの住む町の魅力を再発見するとともに、情報技術を活かしたまちづくりへの関与について学べます。

情報技術を生かした生産や人の手によるものづくり

総合的な学習の時間の「情報技術を生かした生産や人の手によるものづくり」では、プログラミングを活用した「ものづくり」に関する学習を行う例が示されています。

たとえば自動車工場で作るときに、プログラミングを駆使したり自動車をプログラミングすることで、「障害物をよける」あるいは「障害物を検知したら止まる」といった機能を搭載できます。

このように、ものづくりをする際にどのようにプログラミングが活用されているのかを知るのが、この学習のねらいです。同時に、実際にものづくりに関わっている人と接したり工場見学をしたりすることで、ものづくりの楽しさや難しさも学ぶことができるでしょう。

各教科等の内容を指導する中で実施するもの

指導する中で実施するもの

学習指導要領に例示されてはいませんが、学習指導要領に示されている教科等は次の4つです。

  • 音楽
  • 社会
  • 家庭
  • 総合的な学習の時間「プレゼンテーション」

音楽

音楽の授業では、再現したいリズムをプログラミングで作ることでリズムへの理解を深めます。

リズムを作れたら、プログラミングにより旋律をつくる活動も紹介されています。

社会

社会では、都道府県ごとの「面積」や「人口」「名産品」といった条件を指定すると、該当の都道府県が表示されるプログラムを作る例が挙げられています。

たとえば、「面積15,000平方キロメートル以上」という条件を満たす都道府県は、北海道と岩手県だけです。さらに「人口500万人以上」と指定すると、両方を満たすのは北海道となり、画面に北海道が表示されます。

都道府県の特徴を理解しながら、楽しくプログラミングを学べます。

家庭

家庭

5年生の家庭科では、鍋を使った炊飯の授業があります。それを踏まえて6年生では、炊飯器を使ってご飯を炊くために必要なプログラムを考えてみましょう。

おいしくご飯を炊くためにはどうすれば良いのかを検討し、加熱の仕方や蒸らし時間などをプログラミングします。

調理の手順や、家電製品に利用されているプログラミングがどのようなものかを考えるのに役立つ授業です。

課題について探究して分かったことなどを発表(プレゼンテーション) 

自分たちが、学習を通じて気づいたことや考えたことを発表(プレゼンテーション)する資料をプログラミングによってよりわかりやすく効果的に作成します。

発表にはプログラミングを使い、どうすればわかりやすいプレゼンテーションになるかを考えます。

「何を伝えるか」だけでなく、「どのように伝えるか」も学べる授業です。

3.教育課程内で各教科等とは別に実施するもの

各教科等とは別に実施するもの

各教科等とは別に実施する学習で設定されている目標は、下記の3つです。

  • プログラミング的思考」を育むこと
  •  プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって 支えられていること
  • コンピ ュータ等を上手に活用して身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いた りしようとする態度を育むこと

どのように実施するのかは、各学校の裁量に任されています。

プログラミングの楽しさや面白さを体験

プログラミングの楽しさや面白さを体験

「プログラミングの体験」では、キャラクターが動いたり打ち上げ花火を打ち上げたりといった、ゲーム感覚で遊べる簡単なプログラムを組む授業です。

子供の表現力や創造力をはぐくむとともに、普段ふれているゲームやアプリがプログラミングで動いていることを実感できます。

プログラミングの基礎学習

「プログラミングの基礎学習」では、プログラミング言語の基礎的な知識や技能の習得など、プログラミングに関する基礎的な知識や技能の習得などを目的としています。

小学校のプログラミング学習では、プログラミング言語の学習は必須ではありません。しかしプログラミング言語の学習やタイピング、ソフトの操作などを授業に取り入れることで、プログラミング教育をよりスムーズに進めたり、理解を深めたりできるでしょう。

プログラミングによる課題解決

プログラミングによる課題解決方法について学びます。

具体的に、前述の「総合的な学習の時間・情報技術を生かした生産や人の手によるものづくり」の中の「ぶつからない車のプログラミング」が例として挙げられています。

なお、総合的な学習の時間の中で行う学びでは「ものづくりの現状を知り、その中にある課題を見つけ、解決する」ことに主体が置かれますが、この学習ではプログラミングによる課題解決が主です。

両者は組み合わせて行うことができます。ものづくりの楽しさと、プログラミングによる課題解決の達成感を意識して実施しましょう。

プログラミングによる表現

プログラミングによる表現

自分で描いた絵を動かしたり短いアニメーションを作ったりして、プログラミングを用いた表現に触れます。また、国語の授業と組み合わせて、登場人物の心の動きをどう表現するかを考える、といった活用例も示されています。

4.クラブ活動など特定の児童を対象に行うもの

特定の児童を対象に行うもの

「プログラミングクラブ」などを作ることで、学年をこえてプログラミングを学ぶ環境を作れます。

アニメーションづくりや便利な機械を考えることなどを通して部員の知識の素地を作っておけば、授業中にほかの生徒をサポートしてもらうこともできるでしょう。

詳細:小学校プログラミング教育の手引(第三版)

小学校のプログラミング教育の実践例

実際に小学校で行われたプログラミング教育の実践例を紹介します。

【理科】電気を無駄なく使うための工夫を考えよう

理科

6年生の理科の授業の中で行われたプログラミング教育です。実施の手順は下記のとおりです。

  • 1.電気の仕組みや蓄え方を学ぶ
  • 2.スイッチを「入れる」プログラミングを組んでみる
  • 3.スイッチを「切る」プログラミングを組んでみる
  • 4.電気を無駄なく使うためのセンサーのプログラミングを作る
  • 5.最後に学習の感想を書く

詳細:電気を無駄なく使うにはどうしたらよいかを考えよう 学習活動の概要

【国語】主語と述語に気をつけながら場面に合ったことばを使おう

2年生の授業として行われました。実施の手順は下記のとおりです。

  • 1.友達の動きを言語化する
  • 2.動きを伝えるためには「助詞」が必要なことに気づいてもらう
  • 3.助詞が空欄になった例文をScratchで表示させる
  • 4.Scratch上で空欄部分に正しい助詞を当てはめる
  • 5.いろいろな助詞を当てはめてみて、意味が変わることを知る
  • 6.学習の振り返りとして、正しい助詞を当てはめる例題を解いてみる

詳細:主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう

【各教科等とは別に実施】たまごが割れたら・・・

各教科等とは別に実施

小学3年生が、Viscuitというプログラミングアプリを使って簡単なプログラミングを行う、という実践例も報告されています。

卵をタップすると、割れて中身が出てくるという仕組みです。ヒヨコが出てくる場合と出てこない場合を用意することで、「あたり」が作れます。

実際にプログラミングをするだけでなく、友達の作ったプログラムと比較したり、友達のプログラムを参考にプログラミングを修正したりしました。

最後に、学習の振り返りをしてワークシートに記入して終了です。

詳細:たまごが割れたら・・・ 学年 小学校第3学年 学習内容 描いたものを変化させたり動かした

プログラミング教育に「みらプロ」を活用しよう

「みらプロ」を活用しよう

プログラミング教育を行ううえでの手助けとなる取組のひとつに、「みらプロ」があります。

プログラミング教育の実施内容や、子供が興味を抱きやすい教育プログラムに迷ったときは、みらプロを参考にしてみましょう。

みらプロとは

2019・2020年、文部科学省の「未来の学びコンソーシアム」の中で、民間企業等と提携してプログラミング教育指導案を提供する取組が行われました。この取組が「みらプロ」です。

 すでに未来の学びコンソーシアムは終了していますが、2021年度も協力企業の一部が同様の取組を独自に行っています。また、2019、2020年の指導案の公開は続けられているため、指導内容を考える参考にしてもいいでしょう。

みらプロの指導案

みらプロで提供されている指導案について、「株式会社ポケモン」と「NTTドコモ」の2例を紹介します。

  •  例1)ポケモン

2020年の指導案ですが、2021年も動画などが引き続き公開されています。ポケモンのゲームができるまでの解説動画や、働く人のインタビューなどの動画を通して、ゲーム作りの雰囲気に触れられます。

詳細:株式会社ポケモン

  •  例2NTTドコモ

2020年の指導案として公開された、「embot」というロボットを動かすためのプログラミングに関する動画が見られます。

embotは現在も販売されているロボットですから、学校の教材として活用したり自宅学習に役立てたりできるでしょう。

詳細:プログラミングを生かしてよりよい生活に(株式会社NTTドコモ)

まとめ

プログラミング教育に前向きに取り組もう

小学校のプログラミング教育は、2020年にスタートしたばかりです。そのため、指導に慣れていない面もあるかもしれません。

しかし学ぶ側の生徒にとって、小学校の該当の学年の授業を受けられる機会は1度だけです。

子供たちが楽しく能力を開花し、新たな学びを得られるように、プログラミング教育に前向きに取り組んでいきましょう。

この記事のおさらい

小学校のプログラミング教育にはどんな種類があるの?

算数や理科など、普段の教科の中にプログラミングを取り入れて学びを深めるものと、教科以外で行うものがあります。

プログラミング教育はどんな風に授業に取り入れるの?

電気の仕組みや都道府県の特徴など、普段の学びをプログラミングで強化する例が示されています。詳しくは、文部科学省の「小学校プログラミング教育の手引き」や他校の事例を参考にしましょう。

うまく指導できるか不安なときはどうすればいい?

みらプロなどで公開されている動画や指導案を活用したり、ほかの学校の実践例を参考にしたりしましょう。

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