エンジニア不足は嘘か本当か?将来性や学ぶべき言語を紹介

エンジニアが不足しているって聞くけど本当?

エンジニア不足という話を聞いたことがある方もいますよね。しかし、実際のところ本当に不足しているのでしょうか。

エンジニアの仕事に興味がある方や、エンジニアを目指そうと思っている方は気になりますよね。この記事ではエンジニア不足の実態を、政府の調査や求人情報などさまざまなデータをもとに解説します。

エンジニアが不足していると言われる根拠や、不足している分野、言語などがわかりますよ。

目次

エンジニア不足は嘘か本当か?

エンジニア不足は嘘?本当?

エンジニアが不足しているのは本当です。そして、今後もエンジニアの不足は拡大していくと予想されています。

実際のところ、不足しているのはどれくらいの数なのか、データから見ていきましょう。次の記事では、プログラマーが不足している理由について解説しています。ぜひ、あわせてご覧ください。

プログラマー不足って嘘?本当?真実とその理由を解説
更新日:2024年3月21日

経済産業省の試算では2030年に最大79万人の不足

エンジニアは、今後も不足していくと考えられています。

2019年3月に経済産業省が「IT人材需給に関する調査」を行いました。その調査ではIT人材の需要と供給の差(需給ギャップ)が試算されています。試算結果によれば、2025年には最大約58万人、2030年には最大で約79万人が不足する可能性があります。

エンジニアが不足している理由は、IT業界の急激な成長や少子高齢化の影響です。

エンジニア不足の理由について、詳しくは後ほど解説します。

エンジニアの有効求人倍率は高い

転職エージェントの「doda」が発表した転職求人倍率レポートによると、2021年6月時点でIT/通信の技術系職種は7.84。全体の求人倍率は1.86なので、エンジニアは売り手市場であり転職しやすい職種です。

しかし売り手市場だからといって、簡単にエンジニアとして活躍できるわけではありません。多くの企業では即戦力となるエンジニアを求めています。未経験からでは条件の良い企業に入るのが難しいのです。

条件の良い企業を目指すのであれば、確かなスキルを身につけなければいけません。

エンジニア不足に対する対策

エンジニア不足への対策

今後予想されるエンジニア不足に対して、どのような対策が行われているのでしょうか。政府と企業の対策をそれぞれ解説します。

政府の対策

エンジニア不足の現状に対して、政府はさまざまな制度でIT教育を後押ししようとしています。代表的なものが、小学校からのプログラミング教育必修化です。

  • 就職のための学習にかかった費用の一部を支給する教育訓練給付金
  • 企業が労働者の職業訓練を行うとき経費や賃金の一部を支給する人材開発支援助成金

このような、学習や教育などにかかる金銭的負担を助成してもらえる制度もあります。

プログラミング教育必修化について詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

プログラミング教育とは?必修化の目的や現状の問題点を実践例から検証!
更新日:2024年3月1日

企業の対策

エンジニア不足を解消するため、企業もさまざまな対策を行なっています。企業の対策には、例えば次の
ようなものがあります。

  • 研修による人材育成
  • 待遇改善

エンジニアを目指すなら、希望する企業のエンジニア不足への対策を調べておくと、自分にとってより良い環境を得られます。

エンジニアが不足している理由とは

エンジニアが不足している理由は、次の5つです。

  • IT業界の急速な成長
  • ITの速すぎる変化
  • DXを導入する企業の増加
  • 少子高齢化の影響
  • ひと昔前のブラックなイメージ

それぞれ、ひとつずつ解説します。

IT業界の急速な成長

まず大きな要因として、IT業界の市場規模が急速に拡大していることがあげられます。今やインターネットをはじめ、スマートフォン・SNS・アプリなど、日常的にITを利用するのが当たり前の時代です。

家電や車などをインターネットでつなげるIoTのテクノロジーも進み、ITはさらに身近なものとなっています。こうしたさまざまなITの導入により、これまでITとは無縁だった企業もIT業界に参入するようになりました。

さらに今後は、 AIやディープラーニング・ビッグデータの活用といった分野の成長が予想されています。また、VR(Virtual Reality)・AR(Augmented Reality)などの分野も、GAFA(Google・Apple・Facebook・Amazon)のようなテクノロジー大手が積極的に投資しているため、今後伸びていく予想です。

上記は、IT専門調査会社のIDC Japanによる国内ITサービス市場の支出額予測です。これを見ると、今後もIT市場は成長すると予測されていることがわかります。

ITの速すぎる変化

IT業界はテクノロジーの発展スピードが速いため、常に新しいスキルを学び続けなければいけません。そのため、最新テクノロジーを扱えるエンジニアが少ないという問題があります。

新しいテクノロジーを学んでも、数年後にはすでに古いテクノロジーとして廃れてしまうことも珍しくありません。こうしたITの発展スピードにスキルの習得が追いつかないため、企業のニーズに合った人材が確保できないのが現状です。

最新テクノロジーを持った「先端IT人材」は、今後不足していくことが予想されます。反対に従来のテクノロジーしか持っていない「従来型IT人材」は、余ってしまう可能性もあります。

言い換えれば、最新テクノロジーを身につけなければ今後需要のない人材になってしまう可能性があるのです。

DXを導入する企業の増加

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、ITを用いて生活やビジネスを変革させることです。ITによって労働者不足の解消や生産性の向上が期待できるため、DXを導入する企業が増えています。

ITを活用することにより、企業が従来行っていた業務プロセスを含めて改革を行います。そのためレガシーシステム自体の理解と、最新のITに精通しているエンジニアを必要とした大規模な開発プロジェクトが、次々に立ち上がっています。
優秀なエンジニアはどの企業でも不足しているのです。

少子高齢化の影響

少子高齢化の影響でIT人材は減り続けています。定年後の再雇用や定年の延長などの対策もありますが、根本的な解決には至りません。新しく入ってくる人材が少ないためです。

IT人材の供給は増えており、今後も増えていくと試算されています。しかし労働人口全体の減少とIT業界の急速な拡大によって、需要と供給に差が出ている状態です。

ひと昔前のブラックなイメージ

IT業界は、残業や休日出勤など「長時間労働できつい」というイメージを持たれています。特にネット上では、次のような意見が見られるため、ネガティブなイメージがついているようです。

  • 長時間労働がきつい
  • 納期が短い
  • 給料が安い

土木作業の3Kになぞらえて、「きつい」「帰れない」「給料が安い」ことから新3Kと呼ばれていたこともあります。しかし、働き方は企業によるところが大きく、自由な働き方をしている人が多いのもIT業界の特徴です。

加えて、長時間労働は働き方改革により見直され始めています。

特にエンジニアが不足している分野

株式会社ビズリーチが運営する求人検索エンジン「スタンバイ」によれば、求人件数が多い分野や、前年より大きく増えた分野は次のとおりです。

  • ブロックチェーン
  • AI・機械学習
  • IoT
  • ビッグデータ
  • セキュリティ

上記は今人気の伸びている分野で、今後の成長が予想されます。

ブロックチェーン

ブロックチェーンとは、取引の履歴をネットワークに接続されている複数の端末に持たせ、それをチェーン状に繋げることで改ざんを防ぐテクノロジーのこと。仮想通貨取引のために開発されたテクノロジーですが、最近では仮想通貨以外のサービスで利用されることも増えています。

ブロックチェーンエンジニアとは、ブロックチェーンテクノロジーを使ったサービスまたは独自のブロックチェーンを開発する職種です。今後、ブロックチェーンテクノロジーの発展とともにますます需要が高まると予想されています。

AI(人工知能)・機械学習

AI・機械学習も成長している分野として知られています。

富士キメラ総研の「2020 人工知能ビジネス総調査」によると、2025年の国内AI市場の予測は1兆9,357億円。2019年の2倍にもなる予想です。

求人も増えており給与水準も高いことから、AI関連のエンジニアの需要が高いことがわかります。

次の記事では、AI(人工知能)についての基礎的な内容を紹介していますので目を通してみてください。

人工知能(AI)とは?仕組みやできること、将来展望も紹介
更新日:2024年3月1日

IoT

IoTとは、さまざまなものをインターネットにつなげて便利にすることです。例えば、テレビやスピーカーなどはインターネットに接続できるものが増えてきました。

同じように、将来的には家電や自動車、その他あらゆるものがインターネットに接続できるようになっていくと考えられています。IoTの流れは日々進んでおり、今後も右肩上がりで拡大していくと予想されています。

IoTについては、次の記事で紹介していますのであわせてご覧ください。

ビッグデータ

ビッグデータを扱うのは、データサイエンティストという職種です。データサイエンティストは、膨大な量のデータの分析・組み立てを行い、ビジネスに活用できるようにする仕事。

ビッグデータの活用事例として、自動運転や遠隔医療などがあります。これらに搭載されるAIには、膨大な学習データが必要です。

AI・機械学習の分野が拡大している今、ビッグデータを活用できる人材も需要が高まっています。

セキュリティ

セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃などから情報を守るのが仕事です。サイバー攻撃の手口は年々巧妙化しているため、専門的な知識を持ったセキュリティエンジニアの需要が高まっています。

世の中のIT化が進むにつれ、情報のやりとりも活発になっていきます。企業や個人の情報は、守るべき資産として認識されるようになってきました。

政府もサイバー防衛体制の強化方針を示しています。そのため今後もセキュリティエンジニアのニーズは高まっていくと考えられます。

求人数が多くエンジニアが不足しているプログラミング言語

求人数を見ると、現在エンジニアが不足している言語がわかります。ITエンジニア&Webクリエイター専門の転職エージェントである「レバテック」によると、求人数が多い言語は次のとおりです。

  • Java
  • PHP
  • Python
  • JavaScript
  • Ruby

それぞれ、言語の概要とエンジニア不足となっている理由について解説します。

Java

Javaは、業務システムやアプリケーションの開発で使われている言語です。歴史が長く汎用性もあることから、Javaを扱えるエンジニアは数多くいます。

幅広い分野で使われているため需要が高く、案件の数も安定して多い傾向です。今後も使われ続けていくことが予想され、需要が固い言語でもあります。

Javaの求人・転職事情について知りたい方は、次の記事をご覧ください。

PHP

PHPは、主にWebサービスやWebアプリケーションの開発に用いられている言語です。普段目にしているSNSやWebサイトなども、PHPで作られたものが数多くあります。

PHPは比較的習得が簡単なので、初心者がプログラミングを始めるのにもおすすめの言語です。IT関連の統計データを調査している「W3Techs」によると、実に79%ものWebサイトがPHPを使用して作られています。

WordPressという、世界中で使われているWebサイトを制作するシステムがPHPで作られていることもあり、需要が高い言語です。

PHPの求人・転職事情について知りたい方は次の記事をご覧ください。

PHP転職の実態とは?需要や年収から未経験でも目指せるのか徹底調査
更新日:2024年3月29日

Python

Pythonは、近年特に人気が上昇している言語です。その理由は、AIやデータサイエンス、IoTといった今後伸びていく業界で使われているためで、需要がさらに高まることが予想されます。

世界的にも人気が高まっていて、アプリケーション開発にPythonを用いている大手企業も少なくありません。Pythonの求人・転職事情について知りたい方は次の記事をご覧ください。

未経験からPythonエンジニアに転職する6ステップ!求人例も紹介
更新日:2024年3月4日

JavaScript

JavaScriptは主に、WebサイトやWebサービスなどのフロントエンド開発に用いられている言語です。汎用性が高く、さまざまなシーンで使われるため需要が高い言語でもあります。

JavaScriptは初心者でも始めやすい言語です。フロントエンドでの開発にはセットでHTMLやCSSの知識も必要となります。そのためこれらを学んだ初心者の方が、次にJavaScriptを学ぶのもおすすめです。

JavaScriptの求人・転職事情について知りたい方は次の記事をご覧ください。

JavaScript転職の実態は?需要や年収など未経験でも目指せるか調査
更新日:2024年3月29日

Ruby

RubyはPHPと同じように、WebサービスやWebアプリケーションの開発に用いられている言語です。Rubyはコードがシンプルでわかりやすく、初心者の方にもおすすめ。

またRubyは日本発祥の言語なので、日本語での学習環境が整っている点もポイントです。処理が高速にできるというメリットもあり、大手企業やベンチャー企業でもRubyで開発をしているところは増えています。

Rubyを用いたWebサービスの増加に伴って、需要が高まっています。特にフレームワークの1つである「Ruby on Rails」を使ったものは非常に多くあります。

Rubyの求人・転職事情について知りたい方は次の記事をご覧ください。

未経験からRubyエンジニアへの転職ガイド!目指し方や求人例も紹介
更新日:2024年3月29日

エンジニアの将来性が高い3つの理由

エンジニアは、現在不足しているだけでなく将来性も高い職業です。エンジニアの将来性が高い理由は次の3つです。

  • 求人が豊富な売り手市場である
  • ITは今後も伸びる最先端の業界
  • 専門性の高い最新テクノロジーが身につく

ひとつずつ解説します。

理由1:売り手市場だから求人が豊富

需要に供給が追いついていないため、IT業界は売り手市場になっています。

近年はIT業界に限らず、売り手市場の状態が続いていました。しかしコロナウィルスの影響で先行きが見えないことから、売り手市場の状況に陰りが見え始めています。

リモートワークがしやすいIT業界は、他と比べるとコロナウィルスの影響を受けづらいためか、コロナ禍でも求人倍率が高い状態が続いています。

理由2:ITは今後も伸びる最先端の業界

IT業界は、今後も伸びる業界なのは間違いありません。前述のとおりIDC Japanによる調査では、今後も国内の市場は拡大が続くと予想されています。

現在の、世界における時価総額ランキングを見ても、GAFAと呼ばれるGoogle、Apple、Facebook、Amazonを始め、そのほかにも世界の名だたるIT企業が上位に位置しています。ITに取って代わるような革新的なテクノロジーが出てこない限り、ITの発展が止まることはないでしょう。

理由3:専門性の高い最新テクノロジーが身につく

最新テクノロジーとともに発展していくIT業界は、専門性の高いテクノロジーをキャッチできる環境です。反対に、エンジニアは常に学び続けなければならず、最新テクノロジーに対してもアンテナを張っておく必要があるといえます。

テクノロジーの流行り廃りが速いので、新しいスキルを身につけなければ業界の変化スピードについていけません。

最新テクノロジーを常に学んでいれば、希少性の高いエンジニアになれるでしょう。専門性の高いスキルがつけばキャリアアップのチャンスも増え、多くの企業から求められる人材になれます。

エンジニア不足の今がチャンス

エンジニアを目指すのであれば、まずはプログラミングの学習を始めてみましょう。エンジニア不足の今だからこそ、専門性の高いスキルを身に付けてエンジニアを目指すチャンスです。

そして、未経験からエンジニアを目指すのであれば、プログラミングスクールでの学習がおすすめです。もちろん独学でもプログラミング学習は可能です。しかし当社調査ではプログラミング学習の際に「87.5%が挫折する」というデータが出ています。

出典:プログラミングを挫折せず楽しみながら学習し続ける5つのコツ

その点、適切な学習カリキュラムの元、現役エンジニアの指導や転職サポートまで受けられるプログラミングスクールは未経験者の強い味方です。

当社が運営するプログラミングスクール「SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)」では、今回紹介した機械学習エンジニアやクラウドエンジニアなど、需要の高いエンジニアになるためのスキルが学べます。

将来のキャリアパスを考えて、一人ひとりに合ったオーダーメイドのカリキュラムを作成しているため、活躍したい領域で必要なスキルが効率よく身につけられます。

現役のエンジニアによるプロの指導を受けられるので、今後役に立つ確かなスキルを学部ことが可能です。また経験豊富なコンサルタントによる転職・就職サポートにより、最短でエンジニアを目指せます。

無料カウンセリングでは学習の相談も行っているので、まずはお気軽にご予約ください。

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まとめ

現在エンジニアが不足していることは間違いなく、今後もさらにエンジニア不足の状況は広がっていくでしょう。IT市場の急速な拡大に、人材の供給が追いついていない状況です。

エンジニア不足の現状は、チャンスでもあります。これを機に今後需要が高まると見られる分野と言語を学び、エンジニアを目指してみてください。

この記事のおさらい

エンジニア不足となっている理由は?

エンジニア不足の理由は次の5つです。
1.IT業界の急速な成長
2.ITの速すぎる変化
3.DXを導入する企業の増加
4.少子高齢化の影響
5.ひと昔前のブラックなイメージ
ただし、エンジニアが不足しているからといって簡単に就職できるわけではありません。条件の良い企業を目指すなら、確かなスキルを身につける必要があります。

特にエンジニアが不足している分野は?

特にエンジニアが不足しているのは、次の5つの分野です。
1.ブロックチェーン
2.AI・機械学習
3.IoT
4.ビッグデータ
5.セキュリティ
上記はどれも今人気の伸びている分野で、今後の成長が予想されています。

この記事を書いた人

【プロフィール】
DX認定取得事業者に選定されている株式会社SAMURAIのマーケティング・コミュニケーション部が運営。「質の高いIT教育を、すべての人に」をミッションに、IT・プログラミングを学び始めた初学者の方に向け記事を執筆。
累計指導者数4万5,000名以上のプログラミングスクール「侍エンジニア」、累計登録者数1万8,000人以上のオンライン学習サービス「侍テラコヤ」で扱う教材開発のノウハウ、2013年の創業から運営で得た知見に基づき、記事の執筆だけでなく編集・監修も担当しています。
【専門分野】
IT/Web開発/AI・ロボット開発/インフラ開発/ゲーム開発/AI/Webデザイン
【SNS】
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