ICT教育の必要性が話題になっていますが、日本のICT教育導入は進んでいるのでしょうか。
ここではICT教育とeラーニングの違いや、ICT教育の必要性とはなにか、またICT教育のメリットをみていきます。また、ICT教育の日本における導入状況もご紹介します。
ICT教育とは
ICT教育の「ICT」とは『Information and Communication Technology』の頭文字で、情報通信技術を意味し、ICT教育とは教育現場で活用する情報通信技術のことを指します。具体例では、タブレット端末利用やプロジェクタで図表を投影するといった教育のことです。
ICT教育には多くのメリットがありますので、ここではICT教育の必要性やメリット、導入状況についてみていきます。
eラーニングとの違い
ICT教育とよく比べられるものにeラーニングがあります。eラーニングとは、PCさえあれば自宅などどこでも受講できるコンテンツで子どもから大人まで学習可能なツールですが、実際の授業のような緊張感がないことからこれを補完する意味で注目されたのがICT教育です。
ICT教育は生徒同士や生徒教師間のコミュニケーション促進ツールとしてITツールが用いられることで、今まで以上に授業の幅が広がりました。
ICT教育の3つの必要性
ICT教育が近年注目を浴びている背景には、教師が授業をする上でメリットが多くあり、また必要性があるからです。ではICT教育の必要性とはどういった内容なのでしょうか。ここではICT教育の3つの必要性についてみていきます。
ICT教育の必要性1:時代の変化に伴いICTが必須になる
ICT教育の必要性に、時代の変化に伴いICTが必須になる、ということがあります。つまり、ICT教育の必要性とは情報活用する力を育成することです。
ビジネスでもビッグデータが他分野で活用されてきています。情報時代を生き抜く上では教育でもスキル対応の必要性が高まりました。
従来は暗記に重きを置きましたが、いまは知識よりも膨大なデータをいかに効率よく選び取るかの創造力に必要性が出ています。
ICT教育の必要性2:ICTについて考える機会を与えることは重要
ICT教育の必要性に、ICTについて考える機会を与えることが重要ということがあります。ICT教育は多くのメリットがあり、今後の多様な世界を生き抜いていくため必要性が高いです。
小さな頃からICTに触れて考えることで、より早い活用が可能となります。
ICT教育の必要性3:習得した知識を活用できるようにする
ICT教育の必要性に、ICT教育で習得した知識を活用できるようにするということがあります。ICT教育は教育そのものを効率化するほかに、ICTを社会で活用できる能力を身につけるということも目的です。
社会は日々急速に進化しているため、習得したICTの知識を活かして、多様な情報社会に主体性を持って対応する必要性が重要になってきます。
ICT教育のメリット6つ
ICT教育にはメリットがあります。多くの情報を収集・整理・分析できる、時間の制約を超えて授業ができる、双方向性を有する、授業がわかりやすい、教員間で情報共有が簡単にできる、効率的に授業ができる、などがあげられます。
ここからは、ICT教育のメリット6つをそれぞれ詳しくご紹介します。
ICT教育のメリット1:大量の情報を収集・整理・分析できる
ICT教育のメリットに大量の情報を収集・整理・分析できるということがあります。ICT教育においては、紙媒体ではなく電子データを利用することになります。
そのため、大量の情報を楽に収集したり整理・分析することが可能です。また、インターネットを利用して情報収集するため、短時間で目的の情報を収集したり分析することができるのは大きなメリットといえます。
教員の時間短縮が図られる
ICT教育では情報収集や整理・分析が簡単にできることがメリットですが、情報収集や分析がすぐにできるというのは教員の時間短縮にもつながります。教員は授業のほかにも、テスト採点や部活顧問など多くの業務があり、常に時間に追われているでしょう。
そのため、ICT教育によって時間短縮ができれば、結果として教員の負担を軽くすることにつながります。
ICT教育のメリット2:時間・空間の制約を超えて授業ができる
ICT教育ではインターネットを利用したICT機器を利用します。ビデオ会議機能もICT教育には取り入れられていますので、海外の方とビデオで顔を見ながら英語学習ができるというようなことができます。
今までは、ネイティブの人と会話するには現地に赴かなくてはいけませんでしたが、ICT教育によって時間や空間という制約を超えた授業を受けることが可能です。
今までの授業では実現できなかったことができる
ICT教育ではインターネットをはじめ、プロジェクタや生徒同士の意思疎通が図れるタブレットなどICT機器を利用できるようになりました。今までの授業では実現できなかったことが可能になり、ビデオ機能を使い海外の生徒と同時に授業を受けられるなどの授業が実現します。
ICT教育のメリット3:双方向性を有する
ICT教育のメリットに双方向性を有するということがあります。双方向性とは、生徒と教師とのやりとりが今までの授業よりも簡単に可能となるということです。
今までは挙手をして発言することでしか生徒から教師へ発信できませんでしたが、生徒もPCを利用して簡単に発言ができるようになります。
生徒が授業への参加が積極的になる
ICT教育ではタブレット端末を利用して、教師と生徒がつながることができ、その結果、ICT教育では生徒が授業に積極的に参加しやすくなります。従来は、挙手をするか、または授業中に発言することでしか教師へアクションを起こすことができませんでした。
そのため、スマートかつ簡単に授業への参加が可能となるのは生徒にとっても大きなメリットといえます。
ICT教育のメリット4:授業がわかりやすい
ICT教育ではITツールを利用して動画など画像を見ることができたり、生徒が関心のあることをより詳しく学習でき、授業がわかりやすくなるというメリットがあります。
また、教員と生徒の意思疎通も図れるので一方通行なわかりにくい授業ではなく、生徒が主体となったわかりやすい授業が実現できます。
生徒のモチベーションが上がる
ICT教育では、ICT機器を利用して、生徒のモチベーションアップが期待できます。具体的には、生徒が興味をもてるような動画や画像をみることで、教員との意思疎通が簡単にできるようになるといったメリットがあります。
学習においてモチベーションアップは不可欠です。ICT教育では多くのツールを利用すると、生徒のモチベーションを高く保った状態で授業を進めることが可能です。
ICT教育のメリット5:教員間での情報共有も簡単にできる
ICT教育のメリットに、教員間での情報共有も簡単にできるということがあります。ICT教育では取り扱うデータが電子データであるため、情報活用が容易にできるのはもちろん、教員間で情報共有することも可能です。
たとえば、情報収集する場合も、他教員が既に収集した情報であれば共有することで情報収集の手間を省くことが可能になります。
ICT教育のメリット6:生徒も教師も楽しみながら効率的に授業ができる
ICT教育のメリットに、生徒も教師も楽しみながら効率的に授業ができるということがあります。ICT教育は、生徒にとってはタブレット端末の利用で授業を楽しく受講できます。
さらに、教員にとってもいままでの紙媒体や黒板という手段ではなく、具体的な映像をもとに授業を進めることが可能です。
日本のICT教育導入は遅れている
ここまでICT教育の必要性とメリットをみてきましたが、実は日本におけるICT教育は遅れているといわれています。技術先進国といわれる日本ですが、ICT環境の整備が進まず欧米やアジア圏内に比べてだいぶ遅れているのが現状です。
国もICT教育の導入を推進
ICT教育の導入が他国に比べて遅れている日本ですが、ICT教育の必要性を理解し、近年では国もICT教育の導入を推進しています。2013年には世界最先端IT国家創造宣言でICTを通じて国民が豊かな生活を送ることができるようにICTリテラシーの向上を目指すという宣言が行われました。
ICT教育の必要性について考えよう!
ICT教育の必要性やメリットについて見てきましたがいかがでしたか。これからの情報社会を生き抜く上で、情報をどのように扱うかが重要な鍵です。
そのため、ICT教育は必須でまた教育を効率よく進めるという面でも大きなメリットがあります。ICT教育の必要性をよく考えて、今後に活かしていきましょう。