どうやって準備を始めればよいのだろう?
会社員でエンジニアのスキルが身につくと、次第にフリーランスで自分自身を試してみたくなるものです。収入もアップして、自分のスタイルで働けるメリットが実感できます。
フリーランスエンジニアになろうと思ったときは、自分一人でやりこなせるだろうか、生計を立てられるだろうかなど、心配がつきものです。そこで、フリーランスとしてやることを押さえましょう。
ここではフリーランスになるための下準備や事務手続き、継続する方法をまとめました。
事前に確かめておけば順調にステップを踏めます。新たな人生のスタートに、ぜひ役立ててください。
フリーランスエンジニアの働き方とは
フリーランスエンジニアとは、個人でクライアントと契約しながら働く、自由なエンジニアのことを意味します。決まった勤務時間や通勤はありませんが、会社に属しないので、すべての面において自己管理が必要です。
一般的にフリーランスとして独立する場合、エージェントやクラウドソーシングなどに登録して、仕事獲得の支援をしてもらいます。クライアントとのコネが十分にない限り、安定して仕事を続けるのは難しいです。
また起業する場合も、根本的に自分自身が主体になって指揮をとるので、フリーランスになります。企業の社長となって従業員を構えるため、一人で活動するよりも大きな責任を抱えるのが異なる点です。
フリーランスエンジニアになるためにやるべきこと
フリーランスエンジニアになると決めたら、やるべき作業があります。個人でスタートするわけですから、今まで会社員で働いていたスタイルを変更する手続きが必要です。
フリーランスとして働くための準備
フリーランスエンジニアとして働くからには、自分のスキルはどのくらい需要があるのか、市場調査をすることが大切です。年収や単価も知ることで、これからのプランが立てやすくなります。
また同じ業務でも、クライアントによって待遇が異なります。さまざまな条件を比較したほうが、自分に合ったクライアントを絞り出しやすいです。さらに単価の交渉により、スキルに合った仕事が見つかります。
また、自分で事業を管理するので、ビジネス用のクレジットカードの発行や銀行口座を開設することも必要です。収入や経費を私用と区別しながら、経理を効率よく行えます。
金融関係の手続きは早めに行う
すぐにフリーランスで働く予定がある場合は、クレジットカードや通帳を早めに用意しておきましょう。審査や証明書発行などで、2週間〜1ヶ月ほどかかります。
スムーズな審査には、クレジットカードの場合、イオンカードなどの流通系が比較的容易にパスできます。逆に金融機関のカードは審査がシビアなので、時間にゆとりがないときは不向きです。
銀行口座開設では、信用金庫が開設しやすいです。しかし、信用金庫のあるエリアで事業を行っている、または住んでいる条件があります。
フリーランスとしてまだ実績がない場合は、アクセスしやすい金融機関を選びましょう。
早く発行できるカード会社もある
どうしてもすぐに必要なときは、クレジットカードと提携している会計ソフト「freee」のカードが利用できます。4日間ほどで発行でき、年会費も無料であるのもメリットです。
またセゾンパールは、店頭で即日発行できます。郵送されて待つ必要もないので、緊急に必要なときには、最適なカードとなるでしょう。
いずれのカードも、JCBなどの大手クレジットカード会社と比べて、特典が少ないデメリットがあります。しかしフリーランスとして、カードが発行を第一としているなら問題ないことです。
退職の手続き
いざフリーランスエンジニアとして旅立つ目処がたったなら、上司や人事に退職を告げなくてはなりません。フリーランスの準備に追われて、突然退職届を出すのは失礼です。
フリーランスで頑張れる自信がついたのは、会社のおかげでもあります。退職届を渡すときは、周囲に長い間お世話になったことを、簡潔に口頭で伝えることも大切です。
退職届を出すタイミング
退職届は前日に渡してはなりません。少なくとも2ヶ月前に意向を告げ、1ヶ月前には提出するように心がけましょう。早すぎると、上司が忘れてしまったり、引き継ぎの必要がなかったりします。
もちろん退職日間近に渡せば、上司や同僚をあたふたさせてしまいます。
上司が忙しくないタイミングで、退職届を渡すことも大切です。会議や出張前後は控え、ひと段落着いたときを選びます。
同僚への引き継ぎを済ませる
会社の仕事は、退職後も同僚によって継続されます。そのため、同僚に仕事のフローをしっかり伝えておかねばなりません。仕事が複雑であるほど、ゆとりを持って指示する必要があります。
問題なく引き継ぎができるよう、引き継いだ内容は一度試してもらうと確実です。退職後もフォローできるよう、連絡先を知らせておくと良い引き継ぎができます。
保険・年金の手続き
フリーランスになると、今まで待遇として会社が負担していた社会保険や厚生年金の補助がなくなります。フリーランスで開始する前には、これらの手続きも自主的にやることが大切です。
退職後から20日以内の申請や、退職前に2ヶ月以上社会保険に入っていた場合、社会保険の継続を2年間持続できる任意継続が利用できます。任意継続は会社からの補助がないため、全額負担です。
また年金の手続きは、厚生年金の代わりに国民年金を支払う必要があります。国民年金は、退職した月の翌月から引き続き行うことがルールなので、速やかに手続きを終えることが大切です。
開業届
開業届は、退職後1ヶ月以内に提出してください。必ずしも必要な手続きではありませんが、開業届を税務署に提出すると青色申告が可能になります。
したがって開業届をするときは、青色申告承認申請書も同時に手続きすると良いです。青色申告承認申請書は、退職後2ヶ月以内と多少ゆとりがありますが、いずれも早めに行いましょう。
青色申告のメリット
青色申告は、ルールに沿った帳簿をつけて提出する手間がありますが、方法に関しては、白色申告でも同じです。最大で65万円の控除や、損失を3年間で埋め合わせできるなどのメリットがあります。
フリーランスエンジニアとして一人で働く上に、帳簿もつけるのは負担になことです。幸いなことに、簡単に確定申告書類を作成できるソフトもいろいろ普及しているので、効率良い帳簿作りができます。
フリーランスとして継続的に働くためには
基本的な下準備が完了したら、いよいよフリーランスエンジニアとして活動開始です。要領よくステップアップするためにも、世渡り上手になるコツをまとめました。
実績を積む
会社で積んだ経験のほかにも、自分のスキルを具体的に証明できる実績があると有利です。ITは常に進化しているので、常に時代のニーズに対応した技術を磨いていくことも成功につながります。
これまでの実績が少ないなら、さまざまな要求を柔軟に受け入れる姿勢も大切です。多くの経験を得られ、働きながらスキルアップができます。
エンジニアはコミュニケーション力も重視されるので、経験や実績があってこそクライアントへの説得力も高まるものです。
市場で通用する技術を身につける
得意なスキルを発揮したいのはもちろんですが、世の中が必要としてないと発揮する場がありません。IT関連サイトや求人サイトを見れば、流行りのプログラミング言語や業務などがわかり、需要の度合いを判断できます。
たとえ人気のスキルであっても、まったく初めての分野を勉強する時間はないものです。そこで、少しでも自分のスキルに似たようなものから当たってみてください。
また、将来的に自分で駆使できるかも見据えることで、実用的なスキルを習得できます。
営業スキルを身につける
個人でエンジニアをやるには、営業も仕事の一つとなります。率先してクライアントを探さないと継続ができないので、自己を売り込むスキルが必要です。
たとえ契約ができなくても、次の糧としてより良い営業につなげられます。やがて知名度がアップすれば、クライアントから要望されることも可能です。
まとめ
フリーランスになるための下準備や事務手続き、継続する方法を解説しました。
フリーランスエンジニアになるのは自分への挑戦です。事務手続きから安定した仕事まで、いろいろやることがありますが、コツを掴むことで快適に事業を開始できます。
より良い仕事を得るためにも、常に幅広いITの勉強することも大切です。そして、チャンスを逃さずに、素晴らしいフリーランスエンジニアとして羽ばたいてください。