データベースってなんだろう?
データベースを使うと、どんなことができるの?
データベースは、アプリケーション開発を行う上で必要な技術です。さまざまなWebサービスやアプリケーション、業務システムなどに利用されています。
近年ではAIを始めとするビッグデータを扱うトレンドもあり、よりデータベースの重要性が高まっています。
そこで、本記事ではそもそもデータベースとは何なのか、その特徴や種類や活用する利点も交えわかりやすく解説します。データベースを扱う際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- データベースとは一定の形式でデータを保管・活用するシステム
- 安全性の高さや使い勝手の良さはデータベースを活用する大きな利点
- データベースの操作にはSQL言語が必須
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この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」、を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
データベースとは
データベースとは、一定の形式で整理されたデータの集まりのことを言います。
データが何の整理もされておらずただ雑然と格納されているだけだと、データが必要になったとき、どこにあるのか探し出せない可能性があります。必要なときにすぐ取り出せるよう、データを項目や種類ごとに整理・分類し、データベースに格納するのです。
例えるなら、データが「本」でデータベースは「図書館」と言えます。ジャンルや著者名などで分類され、秩序立てて本棚に並べられているため、探している本がすぐ見つけられるのです。
データベース管理システム(DBMS)
データベース管理システム(DBMS)とは、データベースに格納されている情報を整理し、管理・保存するシステムのことを言います。
データベースを図書館に例えるなら、DBMSは図書館司書です。規模の大きな図書館だと、探している本がなかなか見つけられないこともあるでしょう。そんなとき、整理整頓された本の中から、必要な本を探し出す役割を果たしているのが司書 = DBMSです。
データベースを学習するのにおすすめの本は、こちらの記事で紹介しています。
データベースの操作言語「SQL」
SQLは、DBMSで利用される問い合わせ言語です。プログラミング言語とは違い、DBMS専用に作られたプログラムです。
問い合わせ言語は、データベース内のデータを取得する(= 問い合わせる)ための言語であり、取得のほかデータの格納・追加・更新・削除・管理などを行うために広く使われています。
SQLの書き方について、詳しく説明している記事がありますので合わせてご覧ください。
Excel・スプレッドシートとの違い
データベースとの比較でよく出てくるのが、Excelやスプレッドシートです。Excelやスプレッドシートはデータベースのような使い方もできますが、そもそも使用目的が異なります。ほかにどんな点に相違があるのか、両者の違いを表にまとめました。
まず、データベースがデータの管理・整理が目的であるのに対し、Excelは表計算を目的として作られたツールです。計算やグラフ作成のほか、簡単なデータ集計は可能ですが、大規模なデータ管理には向いていません。あまりに大容量のデータを格納すると、ファイルや動作が重くなってしまうこともあります。
保存容量は通常、Excelに比べてデータベースの方が圧倒的に大きいです。データベースは大量のデータを格納できるだけでなく、必要に応じて拡張できるという強みもあります。
Excelはあまり大きなデータを扱うことを想定しておらず、パフォーマンスの低下に繋がる可能性もあります。
また、データベースは、多数のユーザーが同時アクセスし、大規模なデータを操作することが可能です。一方、Excelは小規模なデータの共有・少人数での共有に適しています。
データベースの種類
ここからは、データベースの主な種類を、4つにまとめて紹介します。
リレーショナル型
リレーショナル型データベース(RDB)とは、データを「テーブル」といわれる表形式の構造で管理するデータベースです。
行と列があるテーブル型のデータベースのため「Excelと似ている」と思う方もいるかもしれませんが、前述の通り、データの保存容量や処理能力などに大きな違いがあります。
現在の主流データベースであり、例としてPostgreSQL、MySQL、SQLite などがあります。一般的なデータ管理の手段として、もっとも広く受け入れられているデータベースです。
階層型
階層型データベースとは、データを階層型の構造で管理するデータベースです。
階層型は「親と子」の関係があるデータを効率よく管理できる特徴があります。一般企業だと、人事部とその社員、営業部とその社員など、「部署」という親に「社員」という子がいるような、明確な階層がある関係に例えられます。
代表的な階層型データベースにはIMS(Information Management System)が挙げられますが、特定の分野を除き、階層型はあまり使われなくなってきているのが現状です。
ネットワーク型
ネットワーク型データベースとは、データの関係性を「多対多」で表現できるデータベースです。ネットワーク型は「多対多」の関係があるデータを効率よく管理できる特徴があります。
一般企業だと、さまざまな部署・組織・コミュニティに属している社員に例えられます。
社員は所属している部署のほか、そのときに取り組んでいるプロジェクトや社内サークルなど、社員同士でさまざまな接点があります。所属部署の中には別のプロジェクトに参加している人も、同じサークルに参加している人もおり、関係性はネットワークのように張り巡らされています。
この複数が複数と関係性を持つというような、複雑なデータを適切に扱えるのがネットワーク型データベースの特徴です。
代表的なネットワーク型データベースにはIDMS( Integrated Database Management System)が挙げられますが、階層型と同様、特定の分野を除きあまり使われなくなってきています。
非リレーショナル型
非リレーショナル型データベースは、リレーショナル型データベースとは異なる方式のデータベースの総称です。
従来のリレーショナル型データベースは、データが取り扱いやすい一方で、テーブルという型に当てはめる必要がありました。それに対し、非リレーショナル型データベースは柔軟性があり、さまざまな形式のデータベースを一元管理できるという点が大きな特徴です。
代表的な非リレーショナル型データベースとしてMongoDB、Cassandraなどが挙げられます。SQLを利用しないデータベースである「NoSQL(Not only SQL)」も非リレーショナル型のデータベースのひとつです。
こちらの記事でデータベースの種類について詳しく説明していますので、合わせてご覧ください。
データベースを利用する4つのメリット
ここからは、データベースを利用するメリットを、4つにまとめて紹介します。
メリット1:大量のデータを整理・管理できる
1つ目のメリットは、大量のデータを整理・管理できることです。
データベースは元々データ管理を目的として作られているため、大量のデータを管理することが可能です。データベースとして利用されることを想定していないExcelやスプレッドシートなどをデータベースとして利用した場合、データ量が増えるにつれファイルが重くなっていき、パフォーマンスの低下につながる可能性もあります。
データベースなら、大規模なデータをスムーズに取り扱うことができます。
メリット2:データに高速でアクセスできる
2つ目のメリットは、データに高速でアクセスできることです。
データベースはデータを秩序立てて格納しています。データのキーワードや位置情報をインデックスしているため、必要なデータを検索し、すぐに取り出せるのです。
メリット3:複数ユーザーが同時にアクセスできる
3つ目のメリットは、複数ユーザーが同時にアクセスできることです。
データベースは、同じデータベースに複数ユーザーが同時にアクセスし、データの取り出しや追加・更新などができる仕組みになっています。
同時アクセスが可能なことで、情報をリアルタイムで共有・更新できる、作業を平行して行えるなどのメリットがあります。
メリット4:機密データを安全かつ永続的に保管できる
4つ目のメリットは、機密データを安全かつ永続的に保管できることです。
データベースはセキュリティ性が高く「権限を持たないユーザーのアクセスを防ぐ」「情報を暗号化する」などの機能があるため、機密データを安全に管理することが可能です。
また、保管したデータのバックアップ機能もあり、万が一データが破損した場合も復元できるため安心です。
データベースを利用する際の注意点
ここからは、データベースを利用する際の注意点を、3つにまとめて紹介します。
注意点1:導入・運用にコストがかかる
1つ目の注意点は、導入・運用にコストがかかることです。
データベースの導入には、ハードウェア・ソフトウェア購入費のほか、メンテナンスの費用もかかります。詳しい社員がいなければ、新しい人材の採用や社内研修などのコストもかかります。
データベースの導入前にメリットと注意点を比較し、どちらが自社のためにいいのかよく検討しましょう。
注意点2:データベースの知識がある人材が必要
2つ目の注意点は、データベースの知識がある人材が必要なことです。
データベースの適切な管理・運用やセキュリティ対策のためには、データベースに関する専門知識を持った人材が必要です。
社内に詳しい人材がいなければ、トレーニングを行う・専門人材を採用する・外部ベンダーに依頼するなどの対応を行いましょう。
注意点3:セキュリティ対策がもとめられる
3つ目の注意点は、セキュリティ対策が必須であることです。
データベースには重要な情報が格納されることがほとんどのため、適切なセキュリティ対策は必須です。データベースのアクセス制御・暗号化・アップデートの実施など、セキュリティに関わる対応をしっかり行い、セキュリティリスクを最小限に抑えましょう。
データベースを扱うエンジニアに関する基礎知識
ここからは、次のトピック別でデータベースを扱うエンジニアの基礎知識を解説します。
- データベースエンジニアとは
- 仕事内容
- 平均年収
- 必要なスキル
データベースエンジニアとは
データベースエンジニアとは、データベースの開発や設計、運用などをおこなう技術職のことです。ITシステムやWebアプリの裏側で動作するデータベースを司り、顧客情報や商品管理など各種データを活用するサービスの開発・運営において、重要な役割を担います。
データベースエンジニアは、ITエンジニアのなかでもデータベース管理に特化しているのが特徴です。例えば、以下の領域を担当します。
- データの格納や抽出
- 整合性の確保
- システム保守
- セキュリティ管理
- 検索性の改善
取り扱う領域が狭い分、より深い専門性を求められる傾向にあり、技術や知識に加えて、問題を解決する能力が必要とされます。
データベースエンジニアの仕事内容
ここまでの内容が頭に入っていればお分かりかとは思いますが、データベースにデータを保存したり、必要な時に必要なデータを瞬時に取り出せるような環境を構築することなどがデータベースエンジニアの主な仕事内容になります。
そして、データベースエンジニアの仕事は、担当する業務内容を元にすると大きく以下の三つに分類することができます。
- データベースの開発・設計
- テータベースの管理
- データベースの運用
データベースの開発・設計はその言葉の通り、最適なデータベースを開発、設計する仕事内容でソフトウェアエンジニアと言えます。
データベース管理はインフラを整理し、サーバーの最適化や使用効率の最大化を図ったりする仕事内容になりハードウェアエンジニアと言えます。
そして、データベース運用者は、稼働しているデータベースのバックアップやセキュリティ管理などを行う仕事内容になり、運用系エンジニアと言えます。
データベースエンジニアの平均年収
では、データベースエンジニアの年収はどのくらいなのでしょうか。求人ボックスによると、データベースエンジニアの平均年収は約600万円です(2023年10月末現在)。
日本の平均年収は403万円(doda調べ)のため、比較するとかなり高めと言えます。ビッグデータやIoTに関する技術の発展、AIの市場規模拡大などにより、データベースエンジニアは今後も需要が見込めます。将来的にもキャリアアップの機会は多いでしょう。
加えて「オラクルマスターやデータベーススペシャリスト試験、情報処理技術者試験などの各種資格を取得する」「実務経験が豊富である」といったプラス要素があれば、さらなる収入アップのチャンスもあります。
データベースエンジニアに必要なスキル
先ほども言いましたが、世界でもっとも利用されているデータベース管理システムである「MySQL」を筆頭に「Oracle」や「PostgreSQL」「Microsoft SQL Server」などの管理システムについて知識および、扱えることがデータベースエンジニアに必要なスキルと言えるでしょう。
もちろん、上記で紹介した三つの業務内容のどこを担当するかによって必要なスキルは変わってきますが、どちらにせよ実務経験があると転職には間違いなく有利に働きますね。
また、他の開発スタッフと共同作業を進めていく事になるので、コミュニケーションスキルも求められると言えます。
挫折なくデータベースエンジニアを目指すなら
ここまでの解説を踏まえ、独学でデータベースエンジニアに必要なスキルの習得に励もうと考えている人のなかには、
独学で習得できるかな…
途中で挫折したらどうしよう…
と不安な人もいますよね。
実のところ、SQLといった言語の学習途中で挫折する独学者は多くいます。事実、弊社の調査では
- 不明点を聞ける環境になかった
- エラーが解決できなかった
- モチベーションが続かなかった
などの理由から、87.5%が「プログラミング学習で挫折や行き詰まりを感じた」と回答しています。
また、こうした背景もあってか、弊社がプログラミングに興味がある人100名へ実施した別の調査では
- 確実にスキルを身につけられると思ったから
- 独学では不安がある
- 効率よく学べそう
などの理由から、61%が「プログラミングの勉強を始めるならスクールを選ぶ」と回答しています。
加えて、プログラミングスクールの卒業生に「独学ではなくスクールを活用した理由」を聞いたところ「できるだけ短い期間でITエンジニアへの転職や副業に必要なスキルを身につけたかった」という回答も多く寄せられました。
上記から、1人でプログラミングスキルを習得できるか不安な人や短期間でスキルを習得したい人ほど確実性を求め、現役エンジニアといったプロの講師に質問できるプログラミングスクールを利用する傾向にあるのがわかります。
いざ独学でプログラミングを学び始めても、勉強の最中に挫折しまっては学習にかけた時間を悔やむだけでなく「SQLを身につけるのって思っていたよりも難しいんだな…」とスキルの習得自体を諦めかねません。
仮にわからないことを飛ばしながら勉強を進めたとしても、データベースエンジニアへの就職や転職を実現できる実践的なスキルが身につかなければ、結局後悔することになります。
そこで、おすすめしたいのが「SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)」です。
料金 | 月分割4.098円~ |
実績 | ・累計指導実績4万5,000名以上 ・受講生の学習完了率98% ・受講生の転職成功率99% |
侍エンジニアをおすすめする最大の理由は「挫折しづらい学習環境」にあります。
先ほど述べたとおり、独学者の多くは自力で不明点やエラーを解決できないためにプログラミング学習を挫折しています。そのため、未経験者が現役エンジニアのようなプロに質問や相談できない状況で、プログラミングスキルを習得するのは非常に難易度が高いといえます。
しかし、侍エンジニアでは
- 現役エンジニア講師によるマンツーマンレッスン
- 現役エンジニアに質問できるオンラインでのQ&Aサービス
- 不安や悩み・勉強の進み具合を相談できる学習コーチ
といったサポート体制を整えているため、学習中に出てきたわからないことや不明点をいつでも相談可能です。「受講生の学習完了率98%」「転職成功率99%」という実績からも、侍エンジニアなら挫折しづらい環境でSQLの学習を進められるといえます。
また、侍エンジニアではカウンセリングにて受講生一人ひとりの目的をヒアリングしたうえでカリキュラムを作成するため、限られた受講期間でも必要なスキルだけを効率的に習得可能です。
最短距離で目的を実現できるようカリキュラムが組まれているため、勉強する順番や内容を誤り非効率に時間や手間を費やす心配もありません。
なぜ侍エンジニアが挫折せずSQLを習得できるのか気になる人はぜひ公式サイトをご覧ください。
公式サイトで詳細を見るまとめ
データベースはもっとも土台となる基本的な技術です。しっかり学ぶことで、他の学習にも役立つこと間違いないでしょう。