これで分かった!PHPのバージョン管理・確認の方法まとめ

PHPのバージョン確認ってどうやるの?
バージョンによって何が違うのか
バージョン管理ってどうするの?

PHP初心者の方であればこのような疑問を抱いたことはありませんか?

実際にPHPはさまざまなバージョンが存在しており、それぞれのバージョンによって書き方も変化していきます。

そこで、本記事ではバージョンの確認方法、管理、バージョンごとの違いなどについてしっかりと学べるように構成しました。PHPのプログラミングスキルを向上させるうえでも重要になってくるので、本記事が参考になりましたら幸いです。

目次

PHPとは

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ここでは今一度PHPについておさらいしましょう!

PHP(PHP: Hypertext Preprocessor)とは、オープンソースの汎用スプリクト言語です。

スプリクト言語とは、プログラムの記述や実行を用意に行えるようにしたプログラミング言語です。

コンパイラ型言語のように、

①ソースコードの作成
②コンパイル
③オブジェクトの実行

のような手順を踏むことがなく、記述したソースコードをそのまま実行できるため、習得が比較的容易です。

そんなスプリクト言語でもPHPはWebサービスの開発に適しており、HTMLの中にPHPのソースコードを埋め込んで動的なWebページを作成することができます。

PHPの詳細や初期学習の方法については、以下の記事を参照してください!

また、PHPの人気度やいかほどでしょうか?

TIOBE Indexが公開している人気プログラミングランキングの指標では2018年12月現在PHPは8位にランクインしています。
URL:https://www.tiobe.com/tiobe-index/

上位がJavaやC、C++などの定番のプログラミング言語がランクインしているなか、スプリクト言語としてはPythonの次に人気がある言語となります。

これはPHPの言語構造がシンプルで覚えやすいことと、ライブラリやフレームワークが豊富で、初心者向けで開発が行いやすいことが挙げられます。

また、下の記事でも人気プログラミング言語を紹介していますので、ぜひ参考にしてください!

PHPのバージョンについて

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PHPバージョンを確認する方法

ここではPCにインストールされているPHPのバージョンを確認する方法について解説します。

まずは、以下のように記述されたPHPファイルを用意します。

<?php
  phpinfo();
?>

このファイルをブラウザで実行すると、以下のような画面が表示されます。

php_ver02

PHPバージョン情報

この画面からPHPのバージョンや設定情報を確認することができるわけです。

PHPバージョンを確認できるコマンド

Linux系OSやMacの場合はターミナルを起動して、コマンドラインからバージョンを確認する方法があります。慣れるとこちらの方法が手っ取り早くて簡単でしょう。

コマンドは「php -v」と入力してエンターキーを押すだけです。

$ php -v

実行結果:

PHP 7.1.1 (cli) (built: Jan 23 2017 15:09:57) ( NTS )
Copyright (c) 1997-2017 The PHP Group
Zend Engine v3.1.0, Copyright (c) 1998-2017 Zend Technologies

上記のように、現在利用しているPHPのバージョンと詳細が出力されます。

また、PHPを新規にインストールしたい場合は、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください!

【初心者必見!】PHPをインストールする方法
更新日:2024年3月29日

PHPバージョンの最新版を知る

PHPのバージョンを確認できるようになりましたが、最新版かどうかはどのようにチェックすればいいでしょうか?

もっとも簡単なのは公式サイトを確認することです。

・PHP公式サイト:https://www.php.net/

公式サイトのトップページには最新のバージョン情報が掲載されているのですが、変更履歴を確認することで細かいバージョンの比較も一緒にできて便利です。

公式サイトのバージョン変更履歴

最新のバージョンはもちろんのこと、それぞれの違いや変化なども掲載されているのが分かります。日本語にも対応しているのでより分かりやすいです。

また、ダウンロードページでは安定した最新版の情報と取得も可能になっているので、一度チェックしておくことをオススメします。

PHPのバージョン管理について

PHPのバージョンを手軽に管理する方法として「phpenv」というツールがあります。

・phpenv:https://github.com/phpenv/phpenv

このツールを使うと、簡単なコマンドを実行するだけでバージョンの切り替えが可能になります。

例えば、現在インストールされているPHPのバージョンをリスト表示するには「phpenv versions」コマンドを実行します。

$ phpenv versions
  system
  5.3.10
* 7.1.9
  7.2.7

上記のようにバージョンのリストが表示されて、左側のアスタリスク(*)が付いているバージョンが現在利用しているものになります。(systemはPCに最初から搭載されているPHPです)

この状態で、例えばバージョン7.2.7に切り替えたい場合は「phpenv global」コマンドを次のように実行します。

$ phpenv global  7.2.7

このように任意のPHPバージョンを切り替えられるようになるので便利です。

また、別のバージョンをインストールしたい場合は「phpenv install 7.2.9」のように、任意のバージョンを指定して「install」コマンドを実行するだけです。

PHPのバージョン一覧

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2020年のPHP最新バージョンは7.4.7となります。

2020年6月にリリースされたバージョン7.4.7ではいくつかの機能が追加されました。

そこで、これまでのPHPバージョンを振り返るための一覧表を作成してみたので参考にしてみてください。

バージョンリリース日備考
PHP11995年6月8日
PHP21996年4月16日
PHP31998年6月6日
PHP42000年5月22日Zend Engineの搭載による高速化
PHP52004年7月13日SPL対応、SQLite搭載
PHP6-多くの問題により2010年に開発断念(ver5.6→7.0)
PHP72015年12月3日25%〜75%の性能改善

それぞれのバージョンの詳細については、次の章からまとめて解説していきます!

PHP 1

1995年6月8にPHPのバージョン1.0がリリースされました。

初版はC言語で記述されたCGI(Common Gateway Interface)用のツール集で、Webサーバ上でユーザーが作成したプログラムを動作させていました。

それらのツール群をPersonal Home Page Toolsと名付けていました。

PHP 2

翌年の1996年4月16日にPHP2のバージョンがリリースされました。

当初はFI(Form Interpreter、SQLによるDBMSツール)と呼ばれ、1997年にはFIが統合されてPHP/FI2.0となりました。

PHP 3

1998年6月6日にバージョン3リリースされました。

バージョン2であるPHP/FI2.0を元に、アンディ・ガトマンズとゼーブ・スラスキーによって開発され、現在のPHPに近い記述方式となりました。

PHP 4

2000年5月22日に4.0.0版がリリースされ、その後4.4.0版までアップデートされています。

バージョン4ではPHP3を大幅に機能拡張し、Zend Engineと呼ばれるファイル単位で中間表現へと翻訳を行う処理で、バージョン3と比較して10倍以上の大幅な速度向上を実現しました。

Zend Engineが開発されて以降、PHPはWebサービス開発の現場で急速に活躍の場を広げていきました。

また、バージョン4.1.0版ではスーパーブローバルの追加、4,2.0版ではregister_globalsとよばれるグローバル変数の登録機能など細かいバージョンアップを続けていきました。

2005年7月11にリリースされたPHP4.4.0がPHP4での最後のアップデートとなり、後に2007年12月31日でPHP4のサポートが終了する告知がされました。

PHP 5

2004年7月13日にリリースされたバージョン5では、擬似的なオブジェクト指向の強化や、標準的な問題を解決するためのインターフェイスやクラスを集めたSPL(Standard PHP Library)がサポートされました。

また、データベースのSQLiteの標準装備やZend Engin 2.0が導入されました。

PHPのバージョン5は5.6.0まで多くのアップデートを繰り返し、さまざまな機能が追加されました。

PHP 6

本来はPHP5.3のあとにリリースされる予定でしたが、多くの問題が発生し2010年に開発が断念されました。

その後、バージョン5.4へと置き換えられ、バージョン5.6の次のバージョンが7とされたことからバージョン6は欠番となりました。

PHP 7

2015年12月3日にリリースされたバージョン7では、データ構造の改善などにより、前バージョンのPHP5.6より25%から75%の性能改善が図られました。

また、言語仕様の大幅な拡張も行われ、2016年12月1日にリリースされたバージョン7.1ではよりコードを実装しやすくするためのさまざまな改善が行われました。

まとめ

ここでは、PHPについて今一度振り返るとともに、バージョンを確認する方法から、PHPのバージョン一覧について解説をしていきました。

PHPは今後もバージョンを重ねて、より使いやすい言語に進化することは間違いないでしょう。

最新の動向については常にチェックしておき、セキュリティ上の観点からも常に最新のバージョンを保つようにしておきましょう!

この記事を書いた人

【プロフィール】
DX認定取得事業者に選定されている株式会社SAMURAIのマーケティング・コミュニケーション部が運営。「質の高いIT教育を、すべての人に」をミッションに、IT・プログラミングを学び始めた初学者の方に向け記事を執筆。
累計指導者数4万5,000名以上のプログラミングスクール「侍エンジニア」、累計登録者数1万8,000人以上のオンライン学習サービス「侍テラコヤ」で扱う教材開発のノウハウ、2013年の創業から運営で得た知見に基づき、記事の執筆だけでなく編集・監修も担当しています。
【専門分野】
IT/Web開発/AI・ロボット開発/インフラ開発/ゲーム開発/AI/Webデザイン

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